[1078-201511] ASUS ZenWatch 2とApple Watch、その方向性の違いを比べてみる。

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[1078-201511] ASUS ZenWatch 2とApple Watch、その方向性の違いを比べてみる。

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ASUSのスマートウォッチ、ZenWatch 2の、提供を受けてのレビュー記事の5回目です。今までのレビュー記事はこちらから。

今回は、手元にある、同じく愛用中のApple Watchと比べてみたいと思います。なかなかZenWatch 2の機能面のレビューに入りませんが、それは「敢えて」意識的にそうしています。その理由に関しては前回までで何回か書きました。

1078-201511_ZenWatch2 AppleWatch

そもそも値段が違うんだから、等々意見はあるかもしれませんが、今回はそういう部分とはあまり関係のない部分で比べています。勿論価格なりの差が出てくる部分もありますが、そもそもOSの違いで使い勝手も向いている方向もだいぶ違うものだな、と感じました。一つ一つ挙げていきたいと思います。

腕時計メーカー以上に腕時計であろうとしたApple Watchとウェアラブルデバイスを素直に目指したZenWatch 2

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まずはこの点。ここでは主に外装、ストラップ(バンド)も含めたつけ心地、そして文字盤(フェイス)デザインなどです。

文字盤 – 腕時計の顔でもある部分をどう捉えるか。

フェイスデザインに関しては、Apple Watch発売の際に時計ジャーナリストの広田雅将さんが針などについてかなり細かく考察されていますので、そちらに譲ります。簡単に書けば、Appleは時計メーカー以上に、「お約束」を守ろうとしている部分もあったり、とかなり既存の腕時計を研究した上で作っています。

Apple Watchは高級時計の夢を見るか?(後編)–弱点とアップルが試みた「再定義」 – CNET Japan

ZenWatch 2に関しては、元々Android Wear自体フェイスを自由にダウンロードや購入できたり、自分で好きにデザイン出来るだけでなく、更にASUSもZenWatchのためにFaceDesignerアプリを専用に用意したり、と、個人で好きに楽しめるように選択肢をかなり広げています。

1073-201511_Google Android Wear 01

この後のストラップにも言えることですが、なるべくApple WatchはiPhoneなどと同様、Appleの考えるスマートウォッチの形、スタイルに合わせて下さい、という方向へ、ZenWatch 2は自由に楽しんで下さい、という方向を向いています。

[1076-201511] ASUS ZenWatch 2 WI502Q レビュー(フェイス編)Watchであれば大切な「顔」の話。

ストラップ – ユーザーがコントロールできる中で、もっともつけ心地とイメージに影響する部分。

ストラップです。これも面白い部分です。Apple Watchはいまスポーツバンドを付けていますが、この5,800円(税別)でさえ、普段腕時計を着けない人からしてみれば「スポーツバンド、たかがラバーで6,000円は法外」と印象は良くないようです。

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更に基本的にはApple純正の(そういう方たちからすれば明らかに高い)バンドしか選択肢がないことがマイナスだと考える方もいらっしゃるでしょう。ただ、個人的には時計に元々興味のない方であれば、下手に自分で中途半端なバンドをつけるくらいなら、Appleの考えている組み合わせに素直に従ったほうが良い。何故ならつけ心地が全く別物だからです。それくらい今回はケースの重量や大きさとのバランスも含めてApple Watchはつけ心地を追求しています。

既にこのブログのレビューでは一度ZenWatch 2のストラップ(ZenWatchでは表記はストラップ)の交換に関しては触れましたが、あまり腕時計に興味のない方はストラップなんて何でも大して変わりはなくて、デザインの何となく気に入ったものを選べば良い、程度に考えているかもしれません。

[1075-201511] ASUS ZenWatch 2 WI502Q レビュー(ストラップ編)Maker’s Watch Knotのミラネーゼと昇苑くみひもを試してみる。

家電量販店の時計売り場あたりにありそうな1,000円くらいの何となく良さそうな22ミリや18ミリのストラップに付け替えれば良いと思っているかもしれませんが、3万の時計に1,000円のストラップを付ければ、雰囲気は1,000円の時計になります。つけ心地も1,000円のつけ心地です。

雰囲気をそれ程左右するのがストラップです。どんなに良いスーツを着ていても革靴やベルトがボロボロな途端に全てがみすぼらしく見えるのと同じです。かなり重要な部分です。

また、それくらい、つけ心地というのは本体の重さや重量バランス、そもそもの時計の大きさや、ストラップの厚さ、素材から重さによってかなり大きく変わってきます。

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実際のところ、標準の付属ストラップでも悪くはありません。ただ、結局これはケースのサイズとも関係してくるのですが、例えばZenWatch 2を寝ている間も腕にしよう、と思える方がどれくらいいるでしょうか。表現を変えるなら、外すのを忘れてシャワーを浴びてしまった(先日妻が別の時計でやりまして、浴室から悲鳴が聞こえました)、そのまま寝てしまった、というようなことです。

かなり腕に存在感があるんです、ZenWatch 2は。勿論寝ている間の計測等は特に出来ませんし、スマートウォッチの中では比較的日中の使い勝手をメインに作られているので寝る時もつける必要はないのですが、家に帰ったら外そうかな、というのが一般的かな、と思います。

Apple Watchって怖いんですよ。時々腕にしていることを忘れます。また、そのまま寝てしまっても何も邪魔に感じない。これはスポーツバンドだから、という面も大きいですが、ミラネーゼも似たつけ心地でした。だからこそ、余計にバッテリーの保ちが悪いことを惜しむ声が多いのかもしれません。寝ている間も腕にしてしまうと、翌日の日中に不安が残りますから。

外観、外装 – 価格の差以上に大きい、時計としての雰囲気と質感の差。

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ZenWatch 2も綺麗です。よく頑張ったな、と思います。普通には3万円の腕時計なりの外装といえば外装です。ただ、2年くらいで買い換えることを想定した外装かな、という印象です。これは悪いことではありません。寂しさはありますが。この時計の綺麗さは、腕時計としての綺麗さ、というよりも、スマートフォンなどに通ずる綺麗さ、美しさや格好良さかな、と思います。スマホが好きな方が好む仕上げや形だと思っています。

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写真だと伝わりにくいのですが、Apple Watchに関しては、(まぁ元々iPhone自体もかなり外装は拘っていますが)腕時計に近い、いや、大企業アップルが大量に資金を投入できるからこの価格でこれだけの仕上げが出来たのだろうな、という出来です。正直1〜2年で買い換えるのは勿体無いくらいの作りです。好みはあるでしょうが。

例えば2台並べて、ケースの表面に顔を映してみるだけでも分かるのですが、映り込み方が全く違います。そんな細かいことなんて大したことないように見えますが、そんな違いが実際に全体として腕にしているのを見た時などの雰囲気に大きく影響してきます。高級時計って何であんな高いんだ、って思いますが、実際雰囲気ありませんか?あれ、値段聞いてるから、ってだけじゃないんです。ケースの仕上げ一つ取っても全く違うからなんです。

通知 – それぞれのスマートウォッチらしさが出ているといえばここ。

さて、通知などの機能面です。細かい部分には触れませんが、ここで面白いな、と思ったのが、それぞれの時計の通知の仕方です。

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ZenWatch 2の通知です。ちょうどGoogleフォトの通知が来ていたので撮りました。結構堂々と通知してきます。もう一発で分かります。

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更に全画面で通知してくる時もあります。今回、フォトの通知を放っておいたら、後で改めて全画面で主張してきました。ちなみに私はハングアウトを最も使うのですが、電車に乗っていてつり革に掴まっていても、この全画面で相手の顔写真を背景にデーンとメッセージ本文を大きめフォントで表示してくれます。

わかりやすいといえば非常にわかりやすい。便利です。正直Apple Watchよりも通知に関しての便利度は上です。これは最低限の通知機能等しか使えないiOS版のAndroid Wearを使っていても同じです。かなりしっかり通知してくれます。見逃すことはほぼないでしょう。

これが先ほど最初のほうでで挙げた「ウェアラブルデバイスを素直に目指した」という部分にも繋がるかな、と思います。

ちなみにApple Watchでは、

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いまちょっと通知がきてないので申し訳ないのですが、ちょうど12時位置、今鍵のマークが付いている部分に赤く小さな点で通知があることを表示してくれます。その状態で上から下にスライドさせると通知一覧が出てきます。

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勿論普段アクティビティなどの通知の際にはデーンと画面にしっかり表示してくれますが、同じように日中使っていて、通知機能の存在感を感じたのはZenWatch 2でした。勿論、それは見やすさにも繋がります。時々通知が邪魔ですが。

とここまで書いてきて思い出した。Apple Watchも「スタンド(1時間経ったから、1分間立てよ、という例の機能)」は結構目立つかな。ただ、全体的に柔らかい感じです。通知色の関係もあるかもしれません。

平常時 – でありながら普段は時計であることを忘れたApple Watch

ここまでの文章を見る限りでは、どうも私はApple Watchに傾いているように思われるかもしれませんが、今回のタイトル通り、それぞれの向いている方向が違うので、全くの別物だと思っています。

そして、ここまで書いてきて矛盾するようですが、それだけ腕時計以上に腕時計らしくあろうとしたApple Watchですが、時計としてはダメです。それが、色々なところで言われていますが、

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使用時以外は、腕を傾けないと、画面が表示されないんです。これ、ダメでしょ。時々腕傾けても表示してくれない時もありますし。本当に勿体無い。

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ちょっとちょうど選んだフェイスが控えめだったのと、光の関係であまり目立ちませんが、ZenWatch 2の良い所は普段から常に時刻は表示していてくれるところ。これは方向性云々以前に使い勝手として当然のことだと思うのです。

その点、Apple Watchはまだこの時点ではその感覚はなかったのか、常時表示するにはパワーの問題があったのか。

時計として腕にするのであれば、時刻を知る、という最低限の機能と考えたとしても、やはりウェアラブルデバイスとしてはZenWatchのほうが一日の長があるかな、と感じています。

これからが楽しみなスマートウォッチ。でも併用は手強いよ。

これからスマートウォッチがどれくらい使われるようになるかは難しいところですが、楽しみな分野でもあります。単なるウェアラブルデバイスとしてだけで考えてしまうと、ただでさえ腕時計をしなくなった、と言われる中では定番にはなれません。なる必要もないかもしれませんが。

とはいえ、最近シンプルカワイイウォッチ!!として人気のcheap casio♡のように、腕時計というのはこれからも無くなることはないと思っています。だって、楽しいじゃないですか、腕時計。人によっては仕事上、生活上必要でしょうし。

[腕時計] 今、SNSで話題のシンプルカワイイウォッチ、cheap CASIOについて語ろうか。

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ただ、最後に現在2つを併用していて手強いな、と感じたこと。操作方法が結構正反対の部分があるんです。例えば通知を受け取った時、Apple Watchは左にスワイプして削除させますが、ZenWatchは右にスワイプして完了させます。左にスワイプすると内容を表示します。

細かい部分で時々、あれ、どっちだっけ?と操作を間違える時があるんですね。まぁ大したことじゃないですが。

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今、ありがたいことに両方の時計を使う機会に恵まれています(Apple Watchは自腹。)それぞれに私は楽しいな、と思っています。どちらもまだ未完成。けれどそれぞれにその未完成と今後の進歩を期待し楽しみつつ、普通の腕時計としても使っています。

良い時計ですよ、どちらも。機能重視、ウェアラブルデバイス的性格を求めて購入しても良いですし、あ、時計ってそういえば小さいころはワクワクしたな、という気持ちを思い出す意味で久しぶりにしてみても良い。

是非一度は試してみて欲しいな、と思っています。

今までのASUS ZenWatch 2(WI502Q)についてのレビュー記事はこちらから。

腕時計メーカー以上に腕時計であろうとしたApple Watchとウェアラブルデバイスを素直に目指したZenWatch 2

文字盤 – 腕時計の顔でもある部分をどう捉えるか。

ストラップ – ユーザーがコントロールできる中で、もっともつけ心地とイメージに影響する部分。

外観、外装 – 価格の差以上に大きい、時計としての雰囲気と質感の差。

通知 – それぞれのスマートウォッチらしさが出ているといえばここ。

平常時 – でありながら普段は時計であることを忘れたApple Watch

これからが楽しみなスマートウォッチ。でも併用は手強いよ。

  • 腕時計メーカー以上に腕時計であろうとしたApple Watchとウェアラブルデバイスを素直に目指したZenWatch 2
  • 文字盤 – 腕時計の顔でもある部分をどう捉えるか。
  • ストラップ – ユーザーがコントロールできる中で、もっともつけ心地とイメージに影響する部分。
  • 外観、外装 – 価格の差以上に大きい、時計としての雰囲気と質感の差。
  • 通知 – それぞれのスマートウォッチらしさが出ているといえばここ。
  • 平常時 – でありながら普段は時計であることを忘れたApple Watch
  • これからが楽しみなスマートウォッチ。でも併用は手強いよ。