[革靴] 今も変わらず雨後の筍のように出てくる、責任の所在を明らかにしない医療系まとめサイトを眺めながら、自分自身の文章と本についても考える。

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[革靴] 今も変わらず雨後の筍のように出てくる、責任の所在を明らかにしない医療系まとめサイトを眺めながら、自分自身の文章と本についても考える。

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先月末、実家から戻った後辺りから胃痛と吐き気に襲われました。祖母の具合が心配だったのと、私自身も気を張っていたこともあったのかもしれません。ストレスも溜まっていたのでしょう。胃腸が疲れていたんでしょうね。水を飲んでも胃や腸が騒ぎ、時々トイレに駆け込む始末。

そんな時、部屋で横になりながら、思わずやってしまったのです。「スマホで症状と対策の検索」です。普段このブログでも散々「自己判断が一番危険です。」と分かったようなことを言い続けている私がこれです。GW中だったから病院が、とかそういうのは言い訳です。病院にさっさと行けば良いんです。でも「恐らくこの症状は今までの経験からして胃腸炎っぽい」と、「胃腸炎」の対策方法を検索です。もう説得力無しです。

すると、あれだけ昨年後半から今年にかけて問題になった医療系パクリまとめサイトWELQが消えたにも関わらず、大手がなくなった分、中小の更に責任の所在も何もあったものじゃない医療まとめサイトが次から次へと出てきます。そして、そこでの対策法も言ってることが正反対だったり、何十個も読んでると、まったく同じ文章が出てきて、一体この文章の出所は何処なんだ、と思ってしまうものばかりです。

でも私自身、吐き気で気分的にも弱っていますし、なるべく病院には行きたくないので、その中で自分にとって都合の良い文章を信じてしまうんですね。信じたくなる、と言っても良いかもしれません。

大抵、一般人が書くと根拠のない民間療法か何処かからの丸パクリの文章になります。反対に医者が書くと(監修ではなく)いい加減なことは書けないので、参考文献、出典も明記しつつあらゆる可能性を書き並べるので、論文っぽくなったり、非常に読みにくかったり、読んでいて怖い文章になります。

そこで改めて思いました。あぁ、今後も人に不安がある限り、医療系まとめパクリサイトは減らないんだろうな、と。そんな時に、いつも読んでいる永江一石さんのブログMore Access! More Fun!にこんな文章が掲載されました。

一難去ってまた一難。
Welqがやっと閉鎖になったと思ったら、その位置をゲットしたのが
第2のWelqのヘルスケア大学!!!
医療系ネガティブ検索で上位を絶賛独占中です。
最初に書いておくと、ここのマジでヤバイ点は
1 内容が稚拙で誤認と嘘だらけ
2 クラウドライターによるパクりまくり
3 商売にプラスになるという医師の名前貸し

※一覧見ると歯医者ばっかり。w 医師数の水増しに最近過当競争の歯科医に営業して名前を借りるが、登録歯医者が2000人で日本の歯医者の2.5%なのに歯の記事が176記事。ww 大半が単に名前貸して人数水増し。

もうね、医療系はダメです。もちろん病院やお医者さんが必ずしも正しいことを言っているとは限りません。とはいえ、私も身に覚えがあるので分かるのですが、医者が信用出来ない人は、端から見たら何の根拠もない宗教系自己啓発系セミナー系の怪しい人の話を信じるんです。あの傾向、何なんでしょう?世の中の全てのことを何かの陰謀だと考えがちな方は、信用ならない医者以上に信用ならない人物の言葉を信じがちです。あれ、怖いなぁ、と思うのですが、それは置いておいて。

ここまで書いておいて気がつきました。医療系ではないですが、私のこのブログも似たようなものなんですね。

このブログのアクセス急増のきっかけともなっているのが、移転直後に書いたこちらの文章です。

私が靴屋で働いていた頃、多くのお客さんから毎日のように聞く悩みがありました。それが「幅広だから、痛くない靴、ゆったり目の靴を探しているんだけど。」というものです。多くの方が「革靴が痛い」理由を「自分の足が幅広だから」「キツイから」だと思われているのですが、実際には原因の多くは全く正反対のことにあります。それが「痛みを恐れてゆったり目の靴、幅広靴を選んでしまった」ことです。

凄いですよね、タイトルの付け方からして狙ってます。靴屋だった、で一応の(多少の)権威を持たせつつ、当時流行りのタイトルの付け方で甲高幅広について書いています。

店頭に立っていた頃、大半のお客さんがこの言葉(甲高幅広)に振り回され、悩まれていたんです。だから、これを書いた時に私の中で考えていたのは、読まれた人が甲高幅広ではない、とか甲高幅広の治し方、とか甲高幅広の人の靴の選び方、とかそういうことを伝えたかったのではなく、とりあえず「もしかしたら自分は甲高幅広じゃないのかもしれないなぁ」と思う、自己判断に疑問を持つきっかけになってくれたらいいな、ということでした。

この文章を書いてから3年が経ちました。その間、加筆修正を何度か繰り返し、最初の頃の文章とはだいぶ変わってきてはいますが、それでも今読んでも読みにくく、またこの文章だって捉え方によっては冒頭のような責任の所在を明らかにしない大量生産の医療系まとめパクリサイトの文章と見た目は同じかもしれないなぁ、とも思います。(私のこの文章は一から自分で書いていますが、はじめて読む人にとってはそんなこと分からないですよね。)
そして、先ほどの文章から始まったこのブログも、2年後にこんな文章を書くようになってきました。

多くの方は「革靴は固い」「革靴は痛い」と思われているのではないでしょうか。そして、何となく靴屋さんに行って、今の足のサイズを測ることもせず、適当に「足に合いそう」な靴を選んでいたのではないかと思います。足に合った靴を選ぶ方法は実はシンプルです。そこに難しい知識や経験は一切要りません。大切なことはたった一つです。

勿論どんな優れた店員さんでも外れます。間違うこともあります。けれど、大切なことは、今自己判断で何となく足に合いそうな靴を見つけることではなく、これから先自分の足のことを長く相談出来る信頼の置ける店員さんを見つけることです。
フィッティングのポイントは簡単です。たった2つです。
その1.何も覚える必要はありません。むしろ先入観と余計な知識を捨てましょう。
その2.足に合う革靴を探すのではなく、自分に合う靴屋さんを探しましょう。

どちらが読まれた方にとっては本当の意味でその人の悩みを解決する手がかり、きっかけになるのかは分かりません。医療系まとめパクリサイトも、もしかしたら誰かにとっては救いになっているのかもしれません。けれど、個人的には何か違う、と感じています。

今回、電子書籍ではありますが、本を書きました。

昨年末頃から、Facebookページや一部の方にはお話していたことではあるのですが、このブログで今までに書いてきた「靴のお手入れ」と「靴の選び方」に関する200以上の文章をベースに、加筆と修正したもの...

購入される方よりもkindle unlimitedで読まれている方の方が圧倒的に多い状況でして、それはそれで興味を持ってくれただけで私は嬉しいのですが、私としては、「読み放題」だからと言ってサラッと読み流して終わりにしないで欲しいな、と思っています。私の言っていることを安易に信じないで欲しいのです。

手前味噌ではありますが、700円分の価値はあると思って書いているつもりです。そして185ページも読むとなれば、それなりに貴重な時間を使うわけです。どうせなら元取ってやろう、突っ込んでやろう、と徹底的に読み倒して欲しいんです。気になることがあったら読み放題で読まれていようとどんどん質問を寄せて欲しいですし、レビューもどんどん上げて欲しい。その上で、最終的には情報を鵜呑みにするのではなく、自分で考えるきっかけにしてもらえたら嬉しいな、と思っています。

それは、私が以前お世話になった靴業界の現役の方々や、靴の専門家、職人さん、お手入れの専門家の方も同様です。それらの方から見れば突っ込みどころ満載かもしれませんが、「こんな奴に適当なことを書かせておく訳にはいかない」とどんどん情報を発信していって欲しいのです。その際には出来れば匿名ではなく、パクリサイトではなく、監修ではなく、ご自身の名前でご自身の論を展開して欲しい。(もちろん企業に属していれば、それが非常に難しいということは分かっています。)その際に、私の本をやり玉に挙げて頂いても全く構いません。(文章が下手とか、暑いのが受け付けない、とか、写真見たら40前のオッサンでキモいとか、そういう個人攻撃は凹むので止めて下さいね。)

革靴に関することも、絶対的な一つの正解があるわけではなく、履く人の数だけの正解があると思っています。そして、世の中に出回っている靴に関する情報の大半は、「趣味」でなければ不要です。けれど、わずかにですが、誰にでも役に立つ「日常の当たり前のこと」「基本的なこと」というのは靴にも存在すると思っています。
それを見つけるきっかけにしてもらえたら嬉しいし、これからもたくさんの靴や足に関する情報に触れる中での、ものさしの一つになったらいいな、と思っています。

今回私の書いた本は、AmazonのKindle書籍として通常700円で販売しています。(Kindle端末をお持ちでなくても、お使いのスマートフォンやPCでも読むことが出来ます。)また、月額980円のkindle unlimitedに登録している方は、読み放題対象でお読み頂けます。(ただ、この場合は購入ではありませんので、感覚としては同時に最大10冊まで手元に借りておける、という図書館のようなものですね)また、恐らく多くの方が既に忘れているかと思うのですが、Amazonでは以前からプライム会員であれば対象書籍が月1冊無料で読めるKindleオーナー ライブラリーというサービスがあります。こちらの対象でもあります。ただ、条件があって、

①KindleまたはFire端末を持っている」が意外とハードルになっていたのではないか、と思います。前回書いたように、Fire端末が今回非常に安くなっていますので、プライム会員で端末をお持ちの方はこちらでお読み頂いても良いかもしれませんね。

久しぶりのAmazon Fireタブレットの話です。あまりに日常に溶け込みすぎていてほとんど意識することすらなかったこのタブレット。以前文章にしたのはいつだろう、と振り返ってみたら、 Amaz...