8月末から9月中旬にかけて海外に行っておりました。
今回は結構ハードスケジュールで2カ国(一旦帰国挟む)だったのですが、それぞれにまったく違う傾向の国ながら、どちらの国でも非常に重宝したのがソニー銀行の発行するSony Bank WALLETであるタカシマヤプラチナデビットカードでした。年会費(10月の消費税改定までは税込32,400円)を考えると、また海外旅行傷害保険の付帯額を考えると、以前比較した住信SBIネット銀行のミライノデビットPLATINUMのほうが素直にオススメしやすいカードではあったのですが、
今回の海外2カ国で印象がガラリと変わりました。Sony Bank Wallet良い。海外行くなら、海外から何かモノ買うなら、とりあえずどのカードでも良いから1枚持っとけ、的なカードだと思います。
そんなSony Bank Wallet、まぁ簡単に言うとソニー銀行用のキャッシュカード兼VISAデビットカードなのですが、少し前から話題になっていた一枚がようやく2019年9月19日より受付開始になりました。それがANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLETです。
結構雰囲気良くないですか?個人的に同時期に発表され、来月より発行開始となるSMBC信託銀行プレスティアの「GLOBAL PASS」のデザインのほうがグッとくるのですが、
あちらは余程SMBC信託銀行自体を活用されている方でもない限り、普通のVISAデビットカードとして使うにはコストがかかる割にメリットがほとんどない悲しいカードなので、個人的には今回のソニー銀行のANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLETを薦めたい気分です。
ただ、実際に細かい部分を見ていくと、私自身の状況を考えると現状のタカシマヤプラチナデビットカードを解約して、このANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLETに変えるメリットがほとんどないので変えられず、でもちょっと欲しくて悶々としていたのですが、ちょうど妻がネット銀行をどこか一行口座開設する必要があったので、お願いしてソニー銀行、更にこのANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLETにしてもらいました。
届きましたら、また外観や使い勝手含めてご報告してみたいな、と思っていますが、とりあえず今回はその前段階として、既に何度かこのブログでも取り上げている、ANAが既に出しているANAプリペイドカード(VISA)と比較しつつ、
このカードの特長と魅力について考えてみたいと思います。(実はJALの出しているJAL Global WALLETとの比較もする予定でいたのですが、なかなか出来ずに今日まで来てしまいました。こちらはまた回を改めて。)
ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLETとANAプリペイドカード(VISA)を比較して魅力を考える。
まずはいつものように、それぞれのカードを表にまとめてみました。今回は先ほど少し挙げた、私が既にソニー銀行で所有しているタカシマヤプラチナデビットカードもおまけとして最後に載せています。ANAマイルが貯まるカードではないのですが、同じソニー銀行のSony Bank Walletの比較対象(選択肢の1つ)として眺めて頂ければ、と思います(その分、表が見づらくなってしまいましたが)。
ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET | ANAプリペイドカード(VISA) | タカシマヤプラチナデビットカード(VISA) | |
VISA | VISA | VISA | |
年会費 | 無料 | 無料 発行手数料 税込200円/枚 (現在無料中) 発送手数料 税込440円/枚 (現在無料中) |
税込32,400円 |
銀行 | ソニー銀行 | なし(発行は三井住友カード) 予め現金をクレジットカード、コンビニ支払い、インターネットバンキング・銀行ATMでチャージ。 三井住友カード発行のクレジットカードを除き、チャージ手数料200円/回。 |
ソニー銀行 |
銀行優待プログラム | 他行振込手数料:2回無料 提携ATM利用手数料:4回迄無料 |
Club S プラチナステージ 他行振込手数料:11回無料 提携ATM利用手数料:無料 外貨購入・売却時: 為替コスト優遇 海外ATM利用時利用料: 5回迄無料 |
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ポイント | ANAマイル(0.5%) 1ヶ月の利用金額の合計で計算。 税込1,000円毎に5マイル 外貨預金と投資信託の月末残高に応じてマイルが毎月積算(0~400マイル) |
ANAマイル(0.5%) 1ヶ月の利用金額の合計で計算。 税込1,000円毎に5マイル |
ポイント(2%) 購入毎に計算。タカシマヤでの利用は3〜10%。 |
ANAマイル | ANAマイル | タカシマヤお買物券のみ 2,000ポイント毎に2,000円分 |
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海外旅行保険 | 自動付帯 死亡後遺障害:最大1億円 (家族1,000万円) 傷害治療:最大300万円 (家族200万円) 疾病治療:最大300万円 (家族200万円) 賠償責任:最大3,000万円 (家族2,000万円) 携行品損害:1旅行最大50万円 (家族20万円) 救援者費用:最大300万円 (家族200万円) |
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国内旅行保険 | 利用付帯 死亡後遺障害:最大5,000万円 (家族500万円) 入院(1回につき)5,000円 (家族2,000円) 通院(1回につき)3,000円 (家族1,000円) |
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ショッピング保険 | 海外:年間50万円 国内:年間50万円 |
海外:年間500万円 国内:年間500万円 |
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カード特典 | LoungeKey:年間6回まで 24時間・365日対応のコンシェルジュ VISAプラチナトラベル VISAプラチナゴルフ VISAプラチナ空港宅配 |
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ほか | タカシマヤロイヤルカスタマーサービス タカシマヤメンバーズサロン ほかタカシマヤ店内優待 |
通常のソニー銀行のSony Bank WalletがキャッシュバックではなくANAマイルになったカードと考えると分かりやすいですね。というか、ほぼそのまま。一部通常のSony Bank WALLETで適用されるClub Sのステージによってキャッシュバック率が変わる、といった部分はありませんが、使い勝手はほぼ同じだと思います。
タカシマヤプラチナデビットカードは持っているだけで無条件で最上位のプラチナランクになるのですが、今回のANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLETは特にそうした特典はないので、「ステージなし」となります。ソニー銀行の優遇プログラムであるClub Sの会員ステージを上げるの、って1段階上のシルバーでも結構厳しいんです。
ほかに「住宅ローン残高」があるか、「外国為替証拠金取引(FX)の月間取引枚数1,000枚以上」でランクアップ、という条件もあるのですが、普段使い(貯蓄用、資産運用のためなどではなく)の銀行として使うには、恐らくシルバーに上がるのもなかなか手強いはずです(唯一投資信託積み立てプランが月間3万円以上くらいならなんとかなりそうですが、私なら敢えてソニー銀行で投資信託、とは考えないので)。
と、これだけ考えると、海外旅行保険付帯もありませんし、単純に月の合計利用金額1,000円につき5マイル(0.5%)というだけなら、何もソニー銀行の口座を元々使っているならまだしも、新たに開設して中途半端な会員ステージで使う必要はないのではないか、比較としてあげたANAプリペイドカード(VISA)も同じ還元率(1,000円につき5マイル)なのであれば、そちらの方が手軽なのではないか、という気もしてしまうのですが、そうではないのがソニー銀行、Sony Bank WALLETの隠れた強みです。
まぁこれはANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLETに限らず、通常のSony Bank WALLETも同様なのですが、外貨に強いソニー銀行。外貨での購入(海外での購入)時の為替コストが通常の現金やクレジットカードと比べても遥かに安いのです。更に予め口座内に特定の(外貨は10種類あり)外貨用の口座を開設して普段から外貨積立をしていれば
そちらから優先的に使ってくれる(この場合利用時には為替コストは当然かからない)のも魅力です。口座だけ開いておけば、もちろん外貨口座側で残高が足りない場合には、その場で円建て口座からその外貨を購入して充ててくれるので問題もありません。海外旅行でなくても普段ネットサービスでドル建で一旦決済されるものって意外とありますし、また米Amazonなどでの購入にもありがたいです。
また、そうした外貨での買い物や旅行では使わないから、という方(ANAマイルもあくまで国内航空券オンリー)にとっても、ANAプリペイドカードよりも使い勝手、という意味では上なんですね。それが、デビットカード(連携している銀行口座残高から都度決済される)とプリペイドカード(予めある程度の額をチャージしておく)の違いでもあるのですが、このチャージがANAプリペイドカード(VISA)に関しては意外と面倒なんです。これが先程ちらりと触れた「同じプリペイド系のJAL Global WALLETと比較」しようと思った理由でもあるのですが、ANAプリペイドカード、チャージの際には上記の表のように
ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET | ANAプリペイドカード(VISA) | タカシマヤプラチナデビットカード(VISA) | |
銀行 | ソニー銀行 | なし(発行は三井住友カード) 予め現金をクレジットカード、コンビニ支払い、インターネットバンキング・銀行ATMでチャージ。 三井住友カード発行のクレジットカードを除き、チャージ手数料200円/回。 |
ソニー銀行 |
チャージ毎に手数料が200円(三井住友系クレジットカードからは無料)かかる上に、専用のスマホアプリ等があるわけではなく、都度三井住友VISAプリペイドのVpass用のサイト(しかも単純な三井住友VISAのVpassではないので、通常のVpassアプリが使えない)に飛んで、チャージ金額を指定して、登録しているクレジットカードからチャージ、もしくはコンビニチャージの場合であれば、コンビニ端末用の番号をその場で発行して、コンビニに行ってチャージ、というひと手間まであります。これ、結構不便なんです。
その分、チャージ、ということもあって、以前このブログで触れたような「一旦楽天銀行VISAデビットカードからチャージ(この時点で楽天スーパーポイントが100円につき1ポイント)」した上で、「ANAプリペイドカード(VISA)利用で1,000円につき5マイル」という二重取りが可能になるのですが、どちらを魅力と取るか、というのは難しいな、と思いました。
通常のSony Bank WALLETとどちらを選択するか。
正直なところ、どちらも海外での利用に関しては変わらないんですよね。キャッシュバックを取るか、ANAマイルを取るか、という違いくらい(あとは通常のSony Bank WALLETにはある、PlayStation™Network / PlayStation™Store2%キャッシュバックが対象外になるようですが)。また、ANAマイルが貯まるのも(キャッシュバックのときも同じですが)あくまで国内でのショッピングに対してだけのようなので、海外で使ってもその分が対象となるかは難しいところです。
また、既にソニー銀行の口座があり、通常のSony Bank WALLET等を持っている人の場合には、今回のカード、発行が若干手間なんです。
一旦いま使っているSony Bank WALLETを解約、その後専用サイトからANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLETを申し込み、すると約1週間後に一旦何故かキャッシュカード(Visaデビット機能のないもの)が届き(この時点で解約したSony Bank WALLETを破棄)、更に約1週間後にようやくANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLETが届く(この時点でキャッシュカードを破棄)という無駄なひと手間が。単純な切り替えが出来ない、というのが全然グローバルでも何でもないのが残念です。
ということで、ここまでの文章を眺めてみると、本気で魅力的だと思っているのかどうなのか分かりにくい流れになってしまっているとは思いますが、個人的にはそれでも惹かれる魅力がSony Bank WALLET自体にはあり、そこにANAマイラーとしては「普段の購入でANAマイルが貯まって、しかもこれ自体がマイレージクラブのカード」という部分に魅力を感じているのだと思います(ただしANAカードではありませんが)。デザインも悪くないですしね。
それに私個人的にデビットカードで一般的なキャッシュバックというものにそれ程魅力を感じていないので(どこも横並び状態)Sony Bank WALLETだとなかなか会員ランクを上げるのも難しいので、基本0.5%(頑張って1%)キャッシュバックとなると、間にKyashでも挟んで使えばどのカードでも同じになってしまうのもあります。そしてポイント貯めてANAマイルに交換している私の場合、たとえ0.5%だったとしても、ANAマイルへダイレクトがシンプルで楽でしょ、と。
ということで、惜しい点は多々あるものの魅力的な一枚ではある、というのが私のこのカードへの印象です。それが私が現状のタカシマヤプラチナデビットカードを解約してまでは替えようとは思わないまでも、妻が新規口座を開設する際にはこのカードをお願いしちゃった、という辺りに現れているかなぁ、と思っています。