今回のCOMPUTEXにおける目玉となるChromebookは既にご報告した3つのモデルですが、他にも幾つか気になるモデルがありましたので、まとめてご報告したいと思います。
Acer Chromebook Spin 11
- Wacom Electro-Magnetic Resonance (EMR) Pen
- Military Grade Impact Resistance (MIL-STD-810G Method 516.6)
- Antimicrobial Corning Gorilla Glass
- 360° Hinge
このモデル、既に発表もされているのですが、AcerのサイトだとC738Tのページになってしまっているんです。Acer、世界トップシェアを誇る王者でありながら、サイトの作りだけは非常に残念です。
個人向けにあまり考えていないからなのか、ごく一部のモデルを除くとほんとやっつけ仕事です。そもそも品番が分かりづらいんです。例えば昨日ご報告したAcer Chromebook 11だって、Chromebook 11って今までに何モデル(何十モデル?)と出ているので、型番で区別するしかないのです。この辺り、カスタマイズを主体とした教育市場を想定しているからなのかもしれませんが。
一応その中で上記のサイトでスペックの出ている「Chromebook 11 R751T-C0WN」によれば、
Display | 29,5 cm (11,6″) HD (1366 x 768) 16:9 IPS |
OS | Chrome OS |
Graphic | Intel® HD Graphics 500 med Delt |
Processor | Intel® Celeron® N3450 processor Fire-kernet 1,10 GHz |
Memory | 4 GB, LPDDR4 |
といったところ。ただ、今回残念なことに、Acerのメインブースながらガラスショーケースの中に飾られていて、更に液晶がはめ込み画像というガッカリ感。惜しい。あまりに惜しい。
「Wacom Electro-Magnetic Resonance (EMR) Pen」など期待出来る部分もあるだけに、出来ればこちらもChromebook 11同様展示して欲しかったな、と思います。
ASUS Chromebox 2 CN62
Chromebox自体以前から出ていますし(私も日本発売モデルを持っています)、このChromebox 2という名前も初めてではありません。ただ、このChromebox、種類が多すぎるんです。サラッと米Amazonで検索しただけでもCPUの違いなどから幾つも出てきます。その中で今回注目したのが、CPU部分です。(ChromeboxはRAM等を増設出来る場合が多いので。)
今回展示されていたのが、Broadwell世代ではあるのですが、Core iモデルだったんです。どちらも既に米Amazonでも発売はされています。
多くの方にとってはミニPCとはいえ、これだったら普通にWindowsなどを使った方が良いのではないか、と思われるのではないかと思います。実際日本においてはかなり冷ややかな目で見られている気もします。ただ、Chromeboxって非常に便利で快適で使えます。
Chromeboxに限らず、ChromeOSの大きな魅力は以前から何度も触れていますが、本体はあくまで「仮の入れ物」に過ぎず、Googleアカウントさえあればどこでも最新の状態に即座に復帰して作業を続けられるという点があります。
このスタイルにおいて、自宅などの高速LAN環境を活かしつつ、更にCore iの高い処理能力をChromeOSで動かすことが出来るのであれば、まさに以前から触れているシンクライアント的な活用の仕方がしやすくなります。これ一台で済ませる必要はありませんが、職場や教育市場に限らず、個人の環境においても、ハイスペック、かつ拡張性も高いこうしたモデルは魅力的です。
今回展示されていたモデルがほぼ新作もしくは現行のモデルだった中で、このChromeboxの「Core i7-5500U」や「Core i3-5010U」のようなモデルが合わせて教育市場向けとして展示されていたことは、個人的にはとても嬉しい出来事でした。
ASUS VivoBook E201NA
最後はChromebookではないのですが、ASUSの教育市場向け展示の中で唯一のWindows 10モデルです。ただ、スペック的には非常に面白い、ちょうどChromebookとも競合しそうなモデルでしたので、少しご紹介したいと思います。
- Windows 10 with support for full version Microsoft Office & Cortana with far-field technology
- Tough , ruggedized construction fully tested for outstanding durability
- 1.8mm key travel with extra-large Precision Touchpad for unrivaled typing comfort and intuitive control
- Durable and flexible 180-degree hinge
Display | 11,6″, WXGA 1366 x 768, Anti-glare |
OS | Windows 10 Home / Windows 10 Pro / Windows 10 S |
Processor | Intel® Celeron® N3350 / Intel® Pentium® N4200 |
Memory | 2GB / 4GB / 8GB onboard |
Storage | 32GB/64GB/128GB eMMC / 32GB eMMC + 32GB SD Card / 64GB eMMC + 64GB SD Card |
Interface | 2x Type-A, USB 3.1 Gen 1, 1x HDMI, 1x SD card slot |
Connectivity | 802.11ac, Bluetooth 4.1 |
Colors | Dark blue / Flash blue |
今回こちらのスペックを眺めていて気がついたのですが、
これ、おそらく教育市場向けにはWindows 10 S搭載モデルとしても考えているのではないか、と思います。会場で10 Sについて聞いてみた限りでは「まだ具体的なモデルのプランは出来ていない」と言っていたのですが、恐らくこんな感じのモデルが出てくるのではないかなぁ、と思っています。
ちなみに既に技適マークも付いていました。だからといってこれがすぐに日本で発売される、という意味ではないのですが、今後の日本での展開次第では十分にあり得るのかな、と思います。
私が過度に期待しすぎているだけなのかもしれませんが、この辺りのスペックのモデルにWindows 10 Sを入れてみるとなかなか面白い使い勝手になるような気がするのです。価格的にもそれなりに抑えられますし、Chromebook C202SAなどと同様、教育市場向けのタフな作りは一般向けとしても気軽に使える魅力があります。
前述のように「まだ具体的なモデルのプランは出来ていない」とはいうものの、ASUSも元来こうしたモデルは得意としている筈。ちなみに当ブログ経由では今も変わらずC202SAが非常に売れているように、また今回のC213NAの反応が良いように、こうしたモデルを求めているのは何も教育市場に限りません。是非引き続きこの方面も充実させていってほしいな、と思います。
Microsoftが本気出し始めて、俄然教育市場が面白くなってきました。
今回のCOMPUTEXのASUSブースで配られていた冊子の一つ、「ASUS Solution Guide」のChromebookのページには、現行のC302CAと一緒に、既にChromebook Flip C101PAが普通に並んでいます。
今回のCOMPUTEXでもMicrosoftの教育市場にかける意気込みと、更にこの分野でしっかりシェアを奪っていく、そんな勢いも感じました。これはChromebookとChromeOS、Googleにとっても良い機会だと想います。
単にお互いの弱点ばかりをあげつらうような不毛な争いをするのではなく、両社がそれぞれ自分たちが持つ強みやその方向性をしっかりとユーザーに理解、認知してもらえるような展開の仕方をして切磋琢磨してくれることを、一ユーザーとしてとても期待していますし、楽しみにしています。