ASUSの現在の代表的なモデルといえばZenfone 3(ZE520KL)だと思っています。UltraやDeluxe、更に最近ではMaxも発売されましたし、既にCESではその後のZoomやARと次々と新しいモデルは出てきていますが、それでもスタンダードと言えばこの無印3です。
私は昨年夏に海外版を購入して以来使ってきましたが、日本版発売後はしばらく使用を控えていました。レビュー等も書かなかったのは、日本で正式に発売された以上、技適認証もされている日本版モデルで判断したいと思ったからです。とはいえ、改めて買うなら頑張ってDeluxeのほうが・・などと色々悩んでいたのが正直なところ。同じモデルをもう一台購入する余裕がなかったとも言えます。
そうした中、昨年末に(一昨年末に続いて)名古屋で開催されるASUS ZenTour大感謝祭に参加出来ることになりました。ちょうど帰省の最終日と重なったこともあり、東京ではなく敢えて名古屋会場で申し込んだのですが、ありがたいことに当選し、久しぶりのASUSイベントへの参加となりました。
既におふぃすかぶ.jpのほうで今回お借りしているパールホワイトについては使い勝手等を上げていますが、こちらでも改めてその特徴と魅力を挙げてみたいと思います。
[かぶ] ASUS ZenTour 年末年始大感謝祭でお借りしたZenfone 3(ZE520KL)のレビューについてこれから考えていること。 | おふぃすかぶ.jp
発表から半年、発売から数ヶ月を経ても色あせないZenfone 3の魅力。
昨年、一昨年とあれだけ毎月のようにイベントへ参加し、台北まで行っている私です。完全にバイアスがかかっていると思われている方もいるとは思います。実際、それは否定しません。私、ASUS好きですから。
ただ、そうしたことを考慮に入れても、それでも発表から半年、発売から数ヶ月を経ても、このZenfone 3の魅力は色あせないな、と思っています。スマートフォンの世界は最近では続々と新製品も発表されますし、私もこの1年で気がつけば何台使ったか思い出したくもありませんが、そうしたスマホ好きを抜きにしても、今回のZenfone 3は普通に(それ程スマホに思い入れのない)妻にも勧められるモデルに仕上がってきたな、という印象です。
ちなみに私はスマートフォンを評価する際には、スマホ好きな自分だけではなく、家族が使った場合にはどう感じるか、という視点でも書いています。
この1ヶ月間、改めてこのZenfone 3を普段使い、それもメイン端末として不自由なく使ってきた私なりの理由を以下挙げてみたいと思います。
国内発売モデルのスマホとしてようやく実用的になったカメラ。
[かぶ] Zenfone 3(ZE520KL)になり「国内において」ようやくカメラが実用的になったと思います。 | おふぃすかぶ.jp
私はスマホのカメラにはうるさいです。画質ではありません。シャッター音に対してです。シャッター音について細かいことを書くとそれだけでまた今回も終わってしまいますので詳しくは触れませんが、iPhoneを筆頭として日本発売のスマートフォンの弱点は、スペック、性能ばかりを強調して、肝心の使い勝手を全く考慮に入れていないメーカーが多い、ということです。その代表的なものがシャッター音です。
この問題が解消されない限り、幾ら素晴らしいカメラ性能を誇っていても、スマートフォンは私の中ではカメラとしては使い物になりません。ASUSのスマートフォンにおいてもこのシャッター音に関しては嫌がらせかと思うほどシャッター音がうるさいのが恒例でした。更にレーザーオートフォーカスを謳っておきながら、オートフォーカス時に無駄に高らかにフォーカス音を響かせるなど、意味不明です。ということで、ASUSのイベントから台北でASUSスタッフと時間をともにさせて頂いていた時まで、クドいくらいにこの点は要望として口にしてきました。シャッター音よりも私の方がうるさかったかもしれません。
それが、今回のZenfone 3の日本発売モデルではようやく解消されました。ひとまずシャッター音に関しては、「オフには出来ない」ものの、ボリュームボタンと連動して小さくすることが可能になりました。最小にすれば指で押さえればほとんど鳴りません。
たったこれだけのことでも、静かなところ(撮影禁止の場所は問題外)は別にしても、普段から周りに迷惑をかけることを心配することなく、純粋に撮影を楽しめるようになりました。このハードルが下がったことが、使い勝手にも大きく直結します。
今回はそれなりにカメラ性能自体も上がっています。
暗闇でもこうしたイルミネーションがオートのままでも綺麗に撮ることが出来ます。以前から何度も書いてきていますが、私はスマホに多機能は求めていません。それよりも「オートのままで撮りたい瞬間に取り出してすぐにそれなりに撮れる」ことが大切だと思っています。細かく設定を詰められることは、カメラ好きには魅力かもしれませんが、このオートでどれだけメーカーとして特色と「綺麗に撮れたなぁ」という段階まで詰められるかが、腕の見せ所であり、そこにコストをかけて欲しいと思っています。
シャッター音を気にせず、また光があるところであれば更に綺麗に撮れる。価格帯が3~4万円のスマートフォンのカメラに求めるのは「最高画質」ではありません。その点気軽にすぐ撮れて、それなりに綺麗。ようやくZenfoneも3になってこの段階に来たんだなぁ、と嬉しく思っています。
ただ、相変わらずオートフォーカス音が無駄に大きいのだけはダメ。それ、必要ないでしょう。
au VoLTEにも対応し、DSDSで一台で全てこなせる使い勝手の良さ。
DSDS(デュアルSIM・デュアルスタンバイ)に関しては以前も触れました。
実際に2枚のSIMを使う人がどれだけいるのか、という意見もあるとは思いますが、これ使ってみると便利です。
私の場合、プライベートで18年近く変えずに使っている番号と、最近仕事用で別途ドコモで契約したSIMの2枚を使っています。この2枚、今までであればそれぞれ別々のスマートフォンに入れなければなりませんでした。それがこのZenfone 3だけで済みます。
使い方としては、SIM 1にプライベート用(OCNモバイルONE – 通話SIM 3GB/月)、SIM 2に仕事用(ドコモ – 通話定額 シェア20GB/月)を入れ、データ通信はSIM 2をメインで使うようにしています。
この場合、着信は勿論ですが、LINEなどの年齢認証も問題ありませんし、SMSも両方の番号で届きます。普段は通信速度が速く、容量も大きいドコモ側でLTE通信を使います。テザリングも問題ありません。
もちろんZenfone 3はドコモでの取扱いはありませんので、ちょっと変則的な使い方にはなると思うのですが、SIMフリーのDSDS端末ということで、こうした使い方も可能なのです。またこのモデルは数少ないau VoLTEにも対応した端末です。この辺りの使える幅の広さというのも魅力の一つかな、と思っています。
DSDSはスマートウォッチ(ZenWatch 3)との相性も非常に良い。
スマートウォッチの一番の魅力は様々な機能ではなく「通知」にあると思っています。スマホを鞄の中に入れていても、またバイブに気がつかなくても、着信やメール、メッセージなどを腕元のスマートウォッチで教えてくれる。そして必要に応じてスマートフォンを取り出せば良い。
これだけならApple WatchとiPhoneでも可能ですが、このZenfone 3をAndroid Wearと組み合わせて使うことの魅力は、DSDSということで、両方のSIMの着信、SMSを知らせてくれる、ということです。一台で済むんです。
昨年末に同じASUSの新作スマートウォッチ、ZenWatch 3(WI503Q)を入手しましたが、組み合わせとしては絶妙です。同じASUS製ということもあって、アプリの相性も悪くありません。
今回のZenfone 3は前述の通りホワイトパールを選びましたが、純正のView Flip Coverの色とZenWatch 3のストラップの色の相性も良好です。
Zenfone 3に限らず、ですが、Androidスマホ-Android Wearとの組み合わせとして最適なものの一つがChromebookです。「SmartLock for Chromebook」を使うと、Android Wear(ZenWatch 3)を腕にしているだけで、Zenfone 3のスリープが解除でき(PINコードや指紋認証が不要)、更にZenfone 3のスリープが解除されることでChromebookのログイン画面でのパスワードの入力が不要になります。
これが便利なのは、Chromebookを使っていると毎回電源ON時にGoogleアカウントのログインのためパスワード入力が必要なのですが、これが面倒なためつい簡単なパスワードにしてしまいがちだからです(複雑なパスワードが理想ですが、その場合入力が若干面倒)。これで肝心要のGoogleアカウントのパスワードを複雑にさせやすくなりますし(元々二段階認証にはしてありますが)、使い勝手も良好になります。
目立つ欠点もなく、取扱いMVNOも多い、使い勝手の良いSIMフリースマートフォン。
トータルバランスに非常に優れた名モデルだと思います。価格を上げればもちろん最近では次々と魅力的な新しいモデルが出てきています。ただ、上を見ればキリがありません。そうした中で、目立つ欠点もなく、またここ数年日本では精力的に商品展開を続けているASUSのスマートフォンは(サポートに若干不安がある、という話も聞きますが)基本的には安心して使えると思っています。
何より、今回のモデルはMVNOでの取扱いも多いため、MVNOでの契約と同時に購入してMVNO独自の端末サポート等をつける、というのも手。また、機種変を考えられている方であれば、DSDSを目的として入手しても良いのではないか、と思っています。仕事とプライベートの2台持ちという方は久しぶりに1台の身軽さを感じられると思います。
今回も今まで同様、純正View Flip Coverも黒、白ともに発売されています。ケースの仕上げが今回も非常に良いため惜しくはあるのですが、私の黒の時にように落として欠けてしまうのが怖い方はこの純正カバーを別途購入という選択肢もあるかな、と思います。
[かぶ] ASUS Zenfone 3(ZE520KL) 純正VIEW FLIP COVERを購入。 | おふぃすかぶ.jp
ここ1ヶ月、完全にこのZenfone 3の1台持ちでほぼ用足りてしまっている私ですが、SIM一枚だけの方も(その分SIM 2と排他であるMicroSDが使えますので)充分に実用的なスマートフォンに仕上がっていると思います。