ASUS VivoBook E203NA-464Pのレビュー4回目です。誤解を生んでしまうかもしれませんが、あくまで私の用途においてのこのモデルの立ち位置です。私はWindowsとChromeOSのどちらが優れているか、といった話をしたいわけではありません。(そういう比較が好きではないことは以前からこのブログをお読み頂いている方はご存じだと思います。)
ここ数日使ってみて感じたのは、同じく愛用しているWindowsラップトップPC、ASUS ZenBook 3 UX390UAにはない「身軽さ」「手軽さ」「気楽さ」がある、ということです。バッテリーを気にすることも、充電を気にすることもなく、自宅でも気がついた時にサッと広げてどこででも調べ物が出来る。これはChromebookが得意とする部分でもあり、その手軽さをWindowsでも感じることがあるとは思ってもいませんでした。
単に私が貧乏性なだけかもしれませんが、これ、ハイスペック(かつハイプライス)のZenBook 3だと私は出来ないんです。常に残りバッテリーを気にしてしまうし(ZenBook 3は普通に使って4~5時間弱なので、自宅ではなるべくACアダプターに繋ぎっぱなしで使ってしまいます)、充電のタイミングにも気を使う。(ZenBook 3にはE203NAにはある「ASUS Battery Health Charging」ソフトがありませんし、対応していません。)その辺に適当に置きっぱなしにしておく気にはなりませんし、傷が付いたら凹みます。また色々なソフトやプライベートから仕事まで多くのデータも入っているので、扱いには気を使います。それがE203NAにはないんですね。
前回私はこのE203NAを、自分のプライベートなアカウントと紐付けしない独立したWindowsラップトップPCと想定してインストールするソフトなどを選びました。
ただ、これはクラウドストレージや自分のアカウントと紐付けするのを薦めない、という訳ではなく、それらを適度に活用するのであれば、更に使い勝手は広がります。例えばSpotify(UWPアプリもあり)やGoogle Playミュージック、Amazonプライムミュージックなどを自宅でも流しっぱなしにする音楽PCという役割も良さそうです。
追記:2017年7月18日 18:00 更新
早速上記サービスをWindowsソフト版とBluetoothスピーカーの組み合わせで試してみました。
本体液晶は価格相応なので、もししっかりとした映像と音楽を楽しむのであれば外部出力してしまった方が良いと思います。例えばUSBスピーカーやHDMI出力での大型モニターへの接続などです。ただ、本体だけでもスピーカーに関してはそれ程悪くはありません。
ちょっと拘ったスピーカーやヘッドフォン、外部モニターなどと繋いでネット配信の音楽や映像、映画などを楽しむ場合にも、例えばBluetoothスピーカーであれば本体の場所を選びませんし、ACアダプターなしでもほぼ不自由はしないと思います。
ACアダプターに繋ぎっぱなしで一日中流しっぱなしにしたい場合でも、前述の「ASUS Battery Health Charging」が役立ちます。
持ち歩き自体は軽くて薄くて楽ではありますが、出張先に持ち歩いてメインで仕事をバリバリこなすには力不足なので素直にもう少しお金を出したほうが良いとは思います。ただ、自分の中での「ライトな使い方」の立ち位置さえピタッとハマれば、この割り切り感は悪くはないのではないか、と思います。ただ、期待しすぎると外します。あくまで64GBの本体ストレージの範囲内で楽しめることに絞って使うのが無理がないと思います。
ただ、このE203NA、私の中では好印象です。デザイン的にも全体の雰囲気としても、価格なりの部分をうまく誤魔化して安っぽさを薄めていますし、ファンレスで印象も悪くありません。前モデルE200HAをお使いの方からすると、大きな目立った進化がない分、敢えて買い換える程ではないかもしれませんが、私のような前モデルまでも心が動きながらあと一歩何かが足りず購入に踏み切れなかった者にとっては、そんな細かい弱点を潰してきています。そうした意味でも最高とは言いませんが、良いモデルだと思っています。
もちろんWindows 10ですので、OfficeやATOK、その他自分が今まで馴染んできた、自分にとって欠かせないソフト群を組み合わせて使える、というのは大きな強みです。その強みを重視するなら、価格も考えれば非常に手頃なモデルだと思います。
以前のレビューでも少し触れましたが、純粋なサイト閲覧等に限るのであれば、同価格帯のChromebookのほうが体感差で分かるくらいに快適です。ですので、用途として何を重視させるのかは難しいところだとは思います。また、幾らWindowsとはいっても、どんなソフトでも快適に使える、常用に耐えうる、というわけではありませんので、Chromebookが苦手(と思われているような)細かい画像の加工編集や整理といった用途は例えこのモデルでも厳しいかな、と感じます。となると、それなりに用途は絞られてきます。そこがどうハマるか。
そうした点でも、私の印象としては、タイトルにもあるように、決してバカにしている訳ではなく、「OfficeやATOKが使える若干遅めのChromebook」といったところかなぁ、と思いました。このイメージが自分にとって心が動くのであれば、充分に購入を検討するに値するモデルだと思います。私は好きです。