腕時計の楽しみ方の一つに、時計のベルトを好みのモノに替えることがあります。それはスマートウォッチでも勿論同じで、今までもこのASUS ZenWatch 2には色々なベルト(ASUSではストラップ)に替えてきました。
勿論一つに決めなければならない訳ではなく、その日の気分で、服装で、ウォッチフェイスと同じように(ウォッチフェイスに合わせて)着替えるのもお薦めです。時計が趣味の方には今更ではありますが、時計に興味がない方もベルトを時々替えるだけでも気分も変わってきますので、是非試してみて欲しいことの一つです。
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ちなみに、勿論家電量販店などで格安のベルトもありますが、靴好きや革好きでなくても、たまにはある程度値段のするものも試して欲しいな、と思います。ベルトは決して消耗品の単なる使い捨てではなく、生活を楽しくしてくれるアイテムでもありますし、ベルトなど小物というのは意外と他人に見られているモノです。
ということで、今回、FLUCOのHorween Shell Cordovan シガーを購入しましたので、早速付けてみました。
Horween Shell Cordovanと言えば靴好きにはオールデンのコードバンとして有名です。
繊細な美しさでは日本の新喜皮革の水染めコードバン、少し濃厚なジットリとした雰囲気ではこのHorween社のShell Cordovanと、それぞれに持っている表情に違いがあります。最近ではようやく実際に供給が少なくなってきたのか、価格も一気に上がってきましたが、コードバンだから凄いとか貴重で素晴らしい、という訳ではありません。
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勿論コードバンにはコードバンの素晴らしさや良さもあると思います。私はどうも靴ではHorween社のShell Cordovanとの相性が良くないのか、時々急に熱が上がるのですが、実際新たに入手して履き始めるとどうも気分と合わない。イマイチしっくりこなくて、その内履く頻度が減ってしまう、という悲しい事情があります。
けれど、やはり時々コードバンが恋しくなるんですね。そこで今回は靴ではなく、時計のベルトでコードバンを楽しむことにしました。
選んだのはFLUCOのHorween Shell Cordovan シガーです。
購入したのは以前から時計のベルトというとお世話になっているCHRONOWORLD。本店、楽天市場店、Yahoo!ショッピング店と、その時の持っているポイントに合わせて選べるのも助かります。また、なかなか魅力的な商品ラインナップであることも魅力です。
今回選んだのがFLUCOのHorween Shell Cordovan。通常ラインがこちら。
Amazonにも出品しているところが、CHRONOWORLDの積極的なところ。色は「ブラック」「ダーク・ブラウン」「ウィスキー」の3色。サイズは「18mm」「20mm」「22mm」の展開があります。
私は今回、「以前に購入したことのある方限定」のページに「シガー」の「18mm」がありましたので、こちらを注文しました。
時計ベルトは12時側と6時側の長さのバランスや尾錠の形で相性がかなり変わります。
革ベルトを選ぶ際には腕の細い方は特に12時側と6時側それぞれの長さのバランスに気をつけましょう。特に時計自体が大きい場合には注意が必要です。
38mmの時計よりも47mmの時計のほうが腕まわりに占める時計の長さが大きくなるため、普段より穴の位置が内側に寄ります。(小穴の間隔は一般的に7~8mm。時計の大きさが10mm違えば、単純計算で一つ穴がズレてきます。)
また、なるべく12時側の短いものを選んだほうが、腕にしたときに尾錠の位置が手首の裏側に近くなります(長いと6時側に寄ってくる)
私は手首が細いので、毎回2つくらいは穴を開けるので、手首との相性は結構切実な問題です。
コードバンの仕上げによっては、時計ベルトにすると艶や表情が変わってきます。
表面を樹脂などでコーティングした一般的に「コードバン」と言われているモノと違い、Horween社や新喜皮革のコードバンは表面が素に近いため、クリームの使い方などによって艶の出方が変わります。届いた時点ではだいぶ艶が消えた状態でした。
軽くクリームで艶を出した状態が下ですが、
写真以上に艶が変わってきます。また、コードバンと言えば独特の皺の入り方を魅力だと考えている方も多いと思うのですが、あの皺の部分。色が変わりますよね?表面が毛羽立っているので、艶が落ち、あのような表情の変化に繋がるのですが、ここで一つだけ心に留めておきたいことがあります。
時計ベルトのように常に曲がっていたり、曲げ伸ばしを繰り返しているものは、思った以上に表面の毛羽立ちが早い、ということです。先ほど到着してから腕にしているのですがまだ数時間ですが既に表面は多少ザラザラし始めています。
勿論この毛羽立ちは表面を擦る(押し込むように)ことでまた艶が戻ってきますが、毎日腕から外す度に人によってはその変化の速さが気になるかもしれません。特になるべく「艶のある綺麗なままで」使いたい、という方にはあまりお薦めは出来ません。
面倒や手間をどれだけ楽しめるかが結局は生活を楽しくするのかもしれません。
趣味って結局そういうものだと思います。他人から見れば何でこんな面倒なことを覚えていたり知ろうとしたり、夜中に一人靴磨いて悦に浸ったりするんだろう?と不思議に感じることだと思うのです。けれど、本人はそれが楽しいんだと思います。
腕時計のベルトなんて、どうせその内傷んで捨てるんだし、適当に安いので十分、という意見も勿論あると思います。それも勿論構わないと思います。ただ、同じ毎日腕にするのであれば、ちょっとそうしたことに意識を向けてみるだけでかなり気分も楽しみも変わってきます。
実際、面倒さを理由にメンテナンスフリーを選ぶ方ほど、モノの寿命が短くなってしまう場合もあります。結局汗や汚れ放置で適当に扱うので、傷みが早くなってしまうんです。よく電池交換が不要なソーラーの時計が持てはやされますが、あれ、交換不要な訳じゃないですから。ソーラー電池も消耗していきます。また、定期的に電池交換を出している時計の方が状態が良い場合がほとんどです。
無造作に放置されたモノをアジとしてカッコイイ、エイジング、とする風潮もありますが、本当にエイジング、使い込まれた道具というのは決して雑に扱われたモノではありません。職人やその方面であくまで道具として日々使い込んでいる人ほど、仕事道具はきちんとメンテナンスをしています。雑に放置されたモノの「えいじんぐ」と、使い込まれ、メンテナンスを欠かさずしていく中で生まれる道具としての「エイジング」は全く別物です。
少々説教臭く、また脱線しましたが、是非時計のベルトにも意識を向けて欲しいなぁ、と思います。