ここまで6回+αに渡ってASUSの新作スマートウォッチ、ZenWatch 2(WI502Q)のレビューを書いてきました。今まで書いてきた内容に関してはこちらからお読みいただきたいのですが、今回はその中で大切な問題。ではどのモデルを選ぶのが良いのか、という点について書いてみたいと思います。
ちなみにこうした話になると必ず出てくる「個人の感性は人それぞれ」といった「人それぞれ」論は無視します。人それぞれなんて当たり前です。それを前提にして、でも「私はこう思います」と書けないのであれば、わざわざレビューなんてブログでする必要はないと思うからです。勿論その上であなたがどう自分自身で判断するかは自由です。
それは別に悪口を書くという意味ではありません。良いと書くことだって、人それぞれ良いかだって感じ方は人それぞれですよね?他人がとやかく言う権利はないと思うのであれば、そもそもこうしたレビューなんて読む必要ないですよね?
結論から先に書くと、あなたが仕事でもZenWatch 2を使いたいのであれば、WI502Qです。それも男性であればWI502Q-SL4(シルバーxシルバーメタル)一択です。もし革ストラップにお金をかけることに抵抗を感じないのであればGR04(シルバーxグレーベージュ本革)でも良いですが。
以下、簡単に私なりの理由を挙げたいと思います。
WI501Qが一般的なビジネス用途で合わない大きなポイント2点。
中にはWI501Qが男性、WI502Qを比較的女性向け、くらいに考えている方も多いと思いますが、正直な所WI501Qはビジネス用途では合いません。その理由をここでは大きく2つ挙げてみたいと思います。1つが「サイズ」もう一つが「本体色」です。更に言えば、その組み合わせに問題があると思っています。
まずはサイズから。40.7mmx49.6mmの「3万円の」時計をするのはなかなか手強いです。
上の写真(ここまで全てASUSのサイトからお借りしていますが)を見て、普通に似合ってるし違和感ないじゃん、と思われた方も多いかもしれません。けれど、よく考えて下さい。5センチの時計を一般的なビジネス用途で使えますか?スーツスタイルと合わせられますか?この5センチの時計だけが悪目立ちしないようにするためには、相当その他のスーツや革靴等々のバランスに慎重にならないと出来ません。
あなたは数時間、もしくは数日で慣れるかもしれませんが、相手はあなたの腕時計には全く慣れません。
更に困るのが、この時計があくまで3万円台(海外だと150$程度)だと言うことです。
3万円というと時計に興味がない方からすれば充分に高いと思われるかもしれませんが、3万円の時計で出来ることって限りがあるんです。特に外装の仕上げや磨き、全体のバランスなどにはコストがかかります。けれどスマートウォッチの場合、機能その他を求めるとそこまでコストをかけられません。
そして、かけられないときに、ただでさえ普通以上に大きいこのケースの粗が出てきます。大学生がデカ厚の時計を好んで着けていますが、あれは学生だから許される行為です。あれをスーツでしたら滑稽なだけです。
世の中、探せば高級時計でもこのサイズのものはそれなりにあります。1,000万超えでもありますが、あれはそれだけ時計自体にもコストをかけていますし、あれを分かっていて腕に出来る人はそれなりに他とのバランスを考えているから極端に浮かないんです。デカ厚を(厚でなくとも)腕にするにはそれなりの時計自体の質感と、自分自身のコーディネートのセンスが必要です。
外しは分かっている人が敢えてやるから外しなのであって、分からない人が考えるの面倒な言い訳として外しても、それは外しではなく単純に外れているだけです。
続いてケース色。日本販売分はガンメタルとローズゴールドだけの不思議。
ガンメタル、格好いいと思っちゃいました?でも、普通に考えてみて下さい。時計好きでもガンメタルを常用するのはなかなか手強いです。更に言えば、ガンメタルはフォーマルでもドレスでもありません。まだ日本ではそこまで時計に関するイメージは変化していません。
ガンメタルって本当に徹底的に仕上げるならそれなりのモノが出来上がりますが、それでもスーツではなかなか難しい。また、中途半端に色だけガンメタルって、見る人が見るととても安っぽく見えてしまうんです。どうしても見映えの印象を分かりやすくするため、低価格の名もなき時計で採用されることも多いので。
そして、今回WI502Qのほうを試してきて感じたこと。まずは革製ストラップですが、ユニバーサルサイズのためか、全体的に尾錠側(12時側)が長い。このケースサイズでは余程腕まわりに自信がない方でもない限り、尾錠が6時側にかなり寄ります。更に穴開けも人によっては必要です。
そして、ガンメタルのケースに何色の革製ストラップを合わせますか?標準ではダークブルーが付いていますが、だいたい黒かダークブルー辺りになってしまうんですね。ビジネスでは勿論それで良いのですが、他の色の組み合わせが難しい色でもあります。最後に。もし気に入った革製ストラップが見つかっても、22㎜-22㎜とは限りません。尾錠側が20㎜と少し細くなっているものも結構あります。18㎜になってるのもあるかな。尾錠でガンメタル、純正以外に簡単に見つけられますか?
では37.2㎜x45.2㎜のWI502Q。更に何故WI502Q-SL4一択なのか。
1番何も考えなくて良いからです。先ほどWI502Q-GR04でも良いと書きましたが、それは革製ストラップをケチらずにこまめに替えることを楽しめる方の場合です。
更に、WI502Q-SL4はWI501Q-GM04と違って、バンド調整にコマ抜きが必要ない。元々腕時計が好きなら手元にコマ調整用の工具は持っていると思いますが、そうでもなければいきなり大きすぎで時計屋なり量販店で調整が必要になってしまうからです。
懸念のケース色がシルバーなのがまずは大前提として安心です。
安心、というと無難なように聞こえるかもしれませんが、無難でないものを良く見せるにはそれなりの知識と経験が必要になってきます。あなたが腕時計が好きで、お洒落にも興味があり、その上でスーツスタイルに合わせたい、というなら別ですが、基本的にはシルバーを選んでおいて間違いはありません。革製ストラップに替えたときも最も選択肢が多いからです。
WI501Qのほうが操作しやすい?確かにその通りですが、それでも別に49㎜の画面ではないですよ。
確かに画面のサイズはWI501Qが1.63インチ、WI502Qが1.45インチと違いはあります。解像度だって320×320と280×280では見え方は違ってくるでしょう。
でも、結局操作性、画面の大きさを考えるのであれば、38㎜や42㎜のApple Watchとさほど変わりはないんです。スマートウォッチの画面の大きさなんてどこもそれ程大差ありません。勿論使い勝手は大きな画面サイズのほうが見やすくはなりますが、私だったらそれだけの理由では選びません。
ということで、今回は一般的なビジネス用途に限って書かせて頂きました。
これ最後にお断りしておかないと、誤解される方が出てきそうなので。まるでWI501Qがダメで失敗作のように書いている。許せん。謝罪しろ云々。
でもそんなこと一言も書いてないのは、ちゃんと読んで頂ければ分かると思います。
ちなみに私はそこまで書きながら、使っているのはWI502Q-OR04(ローズゴールドx本革オレンジ)です。何故ならそれを提供頂いているから。
最近はスーツをほとんど着なくなってしまいましたし(革靴好き、スーツ好きで金かけてきた身としては少々寂しい)このモデルは非常に気に入っています。また、普通に休日に楽しみの1つとして選ぶならWI501Qも充分にありだと思っています。あ、ないな。私腕まわり16㎝だし。まずは寸短のベルト探すの自体が大変だし、そこまでして50㎜の時計をしても自分の中でしっくりこないので。
けれど、その意見はあくまでもしかしたらあなたも大好きな「個人の感性は人それぞれ」です。
ZenWatch 2自体はなかなか魅力的なスマートウォッチだと思います。毎日腕にしていますし、このブログでの記事数もこれを合わせれば8記事目になりますので。