前回、到着した5足目のラギッドシューズのご報告とともに勝手に困っておりましたが、最初考えたのは別の内容でした。
[0687-201502] 三交製靴ラギッドシューズ5足目。正直勝手に困ってしまった理由。
デザイン違いではありますが、同じプレーントゥ、スノータイプのソールのサイズ25.5センチと26センチ、ウィズも3Eと2Eです。私はこれまでラギッドシューズを履いてきた中で、自分との相性は26センチ2Eのほうが合うと思い、なるべくこちらでお願いするようにしています。
ただ、折角こうしてたまたま2つとも手元にありますので、果たしてどれくらい違うのか比べてみようかな、と思いました。
ところが片手落ちなのですが、とりあえず写真だけ撮って細かい数字を測らずに家を出てきちゃったんです。しょうがないですね。
そこでひとまず画像を上げながら簡単に履き心地について触れ、細かい数字は後で追記させて頂きます。
追記:2015年2月21日 21:30 更新
それぞれを簡単に採寸した数値を追記しました。なお、サイズとウィズの関係についてはFHA 足と靴と健康協議会のサイトなどをご参照頂けるとより分かりやすいかと思います。
FHA 足と靴と健康協議会~JIS靴のサイズ表 男性用 | Life Style Image
JIS規格では25.5センチの3Eは足囲258ミリ、足幅105ミリ。26センチの2Eは足囲255ミリ、足幅104ミリです。全体的に26センチの2Eのほうが若干(数ミリ)小さくなります。
日本国内の靴に関しては、基本的にはJIS規格に基づいてそれぞれの寸法を決めているところが多いですが、各メーカーごとに多少の幅を持たせることで特色を出しています。
3Eだから幅広だとか、甲高幅広だ、と即断するのが危険なのは、ウィズに関しては足幅だけでなく足囲(足回り)が基準になることも多いためです。
同じ足囲でも、極端な違いは起きないにせよ、その足回りがより横幅に振るか縦の厚みに振るかは円の形をどうするかによって左右されます。
私は甲高幅広だからと漠然と思い込んだだけで3Eを選んだ結果、2Eよりも履き方によっては窮屈に感じる場合が出てくるのは、この辺りも関係があると思っています。
ウィズや甲高、幅広などについてはカテゴリを別途設けた上でこのブログでも色々な角度から書いていますので、興味のある方はそちらも合わせて御覧ください。
全長の比較。
よくお店で自分が履いてきたスニーカーとお店で気になった革靴をこうして比較する方がいるのですが、実際のところほとんど無意味です。なぜなら靴の全長が足の全長ではないから。特に捨て寸の取り方によって幾らでも雰囲気は変わりますし、ソールのコバを張り出させるかなるべく目立たせないかでも違ってきます。
ただ、何となく合わせると安心するんでしょうね。他に判断のしようがないので。とそこまで書きながら比較してみましたが
上、全長約290ミリ。下、全長約290ミリ。驚いたことに靴底の長さではほとんど長さに差は見られませんでした。
ちなみに、よくオークションなどで訊かれることの多い、ソールの最大幅。こちらは上(26センチ)が108ミリ、下(25.5センチ)が105ミリです。先ほど触れたJIS規格の場合は25.5センチの3Eは足幅105ミリ。26センチの2Eは足幅104ミリです。ソールの最大幅というのも結構いい加減で素人採寸では誤差も出やすく、またこちらのように26センチの2Eのほうが幅が広く感じられる場合もあります。
上が26センチ2E、下が25.5センチ3Eです。厳密に言えば元の木型が違う可能性もあります。単純にウィズ違い、と言うだけではなく細かい仕様が違う可能性というのは充分にあるんですね。で、見て頂いてご判断頂くしかないのですが、間違い探しのようになっています。
細かく見ていくと、サイズが0.5センチ違うことで、スノータイプソールの中心黄色い部分の位置が当然のように25.5センチのほうが若干踵寄りです。それくらいで、ぱっと見では1サイズ違いと言われるほどよくは分かりません。
履き心地はそこそこ違います。26センチにしたことで、私の場合爪がしっかりとは当たらなくなりました。指先周りが若干楽。25.5センチでは少々つま先が圧迫感がありましたので。
側面の比較。
続いて側面で比べてみます。といってもこれまた写真だけでは分かりにくい。色々と活用していただければ幸いです。左が25.5センチ3E、右が26センチ2Eです。
非常にわかりづらいのですが、私の履き心地としては26センチ2Eのほうが屈曲部周りに余計な遊びが少ないです。私の足との相性では過去5足履いてきた中では、26センチのほうが好みのシワの入り方になりました。(ペンなどで履き皺を予めつけるようなことは一切していません)
また、今日履いて出てきて気づいたのですが、サイズが1サイズ上がったこともあるとは思いますが、踝部分の高さが若干高くなります。25.5センチでは当たらなかった(約45ミリ)のですが、26センチですと私の場合左足外踝が少し当たります(約50ミリ)。体重のかかり具合によっては気になるかもしれません。
これは革の硬さや釣り込み方によって多少変わってはきますので、必ずしも1サイズ上げると当たる、という訳ではないのですが、単純にサイズを上げれば良い、という話ではないということもちょっと心のどこかに留めておいていただけると何かの時に役立ちます。
中敷き敷けば良い?中敷き前提でサイズ選ぶことは私は個人的に薦めていません。敷けば狭くはなりますし足も上がります。ただ、足が上がるということは、カカト周りの位置がズレてくることも考慮に入れておきましょう。履き口周りも浅くなりますから。
カカト周りの比較。
これ、同じ靴ではありません。左が型押し革25.5の3E、右が普通の牛革26の2Eです。今回の通常牛革でも実際細かく型押しのような表情があります。そこそこ表情豊かです。これが私は気に入っているのですが。
踵の高さは左が約62ミリ、右が約64ミリでした。
これ見ると、右の26センチ2Eのほうが全体的にスリムですね。これはモデルの違いによるものか、ウィズその他も関係してくるのかは分かりません。今回気になって1足目のペッカリー茶や3足目ののせモカ茶のカカト周りも見てみたところ、結構ボリュームがありました。そうなると2Eだから、3Eだから、という単純比較が出来なくなりますので。
素直に良い靴です。
細かい数値は帰宅してからそれぞれ測って追記したいと思いますが(すっかり忘れて写真だけ撮って出てきてしまったので)、今履いていて非常に嬉しくなる靴です。私の不安要素の一つでもある左足小指も全く当たりませんし、心地よくホールドしてくれるのはやはり丁寧に釣り込まれていることとも無縁ではありません。安心のソールも通常のラギッドソールではありませんが、このスノータイプもなかなか気持ち良いですし、安心して履いていられます。
材料は天然ゴムとカーボンを一定の割合で配合し、一枚ずつ焼き上げました。
この底をしっかり縫い付け、踵は念をいれてネジ釘でしっかりと留めてあります。
本底部分と踵部分が別になっているので、本底がすり減って修理をするときに踵だけを交換したければ、踵だけの交換ができるのも特徴です。
靴は足を防護するものという、先代社長の信念から生まれたのが、このラギッドソールです。
私は普段Vibram fivefingersも愛用していますが、人間の本来の歩き方を考えれば裸足が最も自然だとも言われています。ただ、今都会で裸足で歩くには私達の足はあまりに貧弱すぎます。靴の本来の目的は確かに「足を保護するもの」。そして靴は足を美しく見せてくれる力も持っています。
[0361-201411] 外反母趾や甲高幅広。革靴で足が痛い人は、本来の自然な人間の歩き方をしているのかもしれない。
ラギッドシューズは確かに安心して歩けます。ちょっとした野山の散策程度であれば足元をしっかりと支えてくれる。それは雪道でも同じこと。
そうした基本的なことに改めて気付かせてくれる、派手な美しさや特徴はないのだけれど、誠実で真面目な良い靴だと思います。
熟練の職人が手縫いで作り上げた、頑固な紳士靴ラギッドシューズ(旧マナスルシューズ) – ラギッドシューズ(マナスルシューズ) 三交製靴株式会社