[0687-201502] 三交製靴ラギッドシューズ5足目。正直勝手に困ってしまった理由。

[0687-201502] 三交製靴ラギッドシューズ5足目。正直勝手に困ってしまった理由。

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正直「困った」。それが素直な感想です。
先日たまたま在庫が見つかったことに勝手に運命のような縁を感じ注文した三交製靴ラギッドシューズのスノータイプ、在庫処分品S-4(旧MG63)。
[0682-201502] 昨夜何の気なしに三交製靴のサイトを見たらスノータイプの在庫がかなり減っていたので、三交製靴の選び方を私なりに補足してみる。
先ほど届きまして、ウキウキしながら写真を撮り、履く前のお手入れを軽くしながら、さてどう書こうかな、と思っている内に、冒頭の結論に行き着いたのです。
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何が「困った」のか。

私が靴屋で働いていたことはこのブログでは何度も触れていますが、その目で見ると、この靴とても「困る」。
だって、靴に格別興味がない人にとっては、これで充分だからです。これ3足あれば良いです。変な履き方でもしなければこれから先10年は靴に悩まなくて済んでしまう。大げさに聞こえますよね?あなたが三交製靴マニアだからでしょう?それは認めますが、でもちょっと考えてみて欲しいのです。
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これ、現行モデルだと税込¥21,600-です。

型押しなら税込¥20,520-です。

同価格帯で、これ以上のもの、出せますか?

粗は多々あっても、それは靴マニアにとっての粗。

勿論細かい部分を見ていけば、粗はあります。今回届いたこのモデルも、革の表情はトラなり皺なり血管の浮きなりがそこそこあって、革好きやとにかく小傷一つでも過剰に反応して「安くしろ」「不良品だ」という日本人には合いません。
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けれど、靴なんて履ければいい、長持ちすれば良い、特段興味もない、お父さんの代わりに買いに来た、そんな人がこれ買っていったら、正直他の靴履けなくなります。だって痛くないんですもん。そしてこの価格帯の他の靴と違って柔らかい。頑丈。長持ち。
じゃあこれ以上の価格にして、どう付加価値を付けますか?「イタリア製カーフを使用した」など革の上質感を煽ったり、「紳士靴、英国靴というのは云々」とお洒落だダンディズムだで言葉で説明出来ないセンスに訴えかけて価格を上げるか、あとは直営店作って内装に金かけて、スタッフの服装に金かけさせて、靴以上に広告費を投入して雑誌にバンバン特集組ませる。
でも正直元々靴に興味ない人は、適当に買っていくんです。で、履きやすい、となるとそれしか履きません。ではそうしたブランドがこのレベルを2万円で実現できるか、ということです。

改めて見てみます。

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グッドイヤーだ、マッケイだ、といった製法で比べる。勿論それぞれに良さがあり、弱さがあるわけで、どれが最高とか言うつもりはありませんが、となると製法で劣っている訳ではない。いやむしろ手間がかかっています。量産靴ではないので。
うちは若者ウケするトンガリ靴を積極的に採用、つま先の方にビンビンに伸びていく美しく反り上がったデザインが・・といったデザイン面で第一印象で勝負を挑む。それはありかな。大量消費されていくデザインに活路を見出すのであればそれは良いのかもしれませんが、その結果下手するとワンシーズンで消えていく多くの靴。
お客さんもそれが分かっているからアウトレットモールが大混雑です。使い捨て前提。
うちの靴は軽いですから。いや、確かにラギッドシューズを手で持って比べさせれば重いですよ。だから、その場合は敢えて手で持ってもらって即決めてもらうのが一番です。履かせない。足というのは鈍感な上に力があるので、そもそも重さは単純な重量で計れないこと、履くと感じなくなることは絶対にお客さんには教えてはダメです。

他の靴メーカーが絶対的に勝てること。

それは量産が出来ないことかな。うちは量産できるので、その分お安く、どこでも買うことが出来ます!サポート体制も安心!店頭では熟練のスタッフが皆さまのご来店を心よりお待ちしております。そのパターンかなぁ。
ごめんなさい、今頭の中は店員だった時の思考回路で、当時お会いしたお客さんとの会話を思い浮かべながら色々ぐるぐる考えています。
そして、思いつきました。三交製靴の最大の弱点。それは、特に格好いいとは思われていないこと。これは崩せません。
いや、三交製靴が格好悪いのではなくて、こういうデザインの靴が。写真映えしないんです。何このポッテリおじさん靴。これは実物見ると、そしてそれ以上に実際に履いてしまうと、あれ、いいんじゃない?ってなるんですが、雑誌に出ない、そしてサイトで写真程度でしか露出されない限り、一般的な人には「何の変哲もない普通の靴」なんですね。
これって大したことがないように見えて、かなり手強いです。何せそのイメージを払拭するために各ブランドは大量の広告費を費やしてイメージ戦略に邁進してきた訳ですから。
三交製靴はそんな予算もないと思いますし、やらないと思います。

ということで。

今後も競合することはないでしょう。大量生産に向きませんし。これ、人気出たら追いつかないです。そして昔の丸善時代のようにもっと職人さん雇って、大量に作って、買い叩かれて、けれど足数は売れる、そういう状態に今から持っていきたいとは思っていないと思うんですね。
そうした点では棲み分けが出来ているんだと思います。うまく出来ていますね、世の中。
そして最後に触れますが、私は大手靴メーカーアンチな訳ではありません。だってリーガル大好きじゃないですか。それに私靴好きですから。世の中が三交製靴のような会社だけになってしまったら、とてもじゃないけれど今の世の中成り立ちません。大手メーカーがしっかり大衆の心を掴んでくれて、サポートも含めてしっかりした体制を築き上げてきたからこその、その対照としてのラギッドシューズの魅力だと思います。
基本的に私、挑発的な書き方をするので、その辺りだけ誤解されてしまうと辛いので。
あ、折角同じプレーントゥ、スノータイプで2Eと3Eが手元に来たので比較してみようと写真を撮ったのですが、それは回改めます。

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「アカウントを持って街へ出よう Chromebookとの365日」

続いて、「Chromebook」に関する文章を一冊の本にまとめました。

Chromebookはまだまだ日本では馴染みが薄いですが、Googleが開発したOSであるChrome OSを搭載したPCです。

海外では特に米国の教育市場を中心に急速にシェアを伸ばしてきています。日本ではAppleやMicrosoftが教育市場向けのモデルを出すと、一般的に「iPad対抗」「Surface対抗」といった感じで一騎打ちのようなイメージを持たれがちですが、実際には海外では低価格で半分以上のシェアを獲得している「Chromebook(Google)対抗」を想定した三つ巴の状態となっています。

本書ではこのOSの特長でもあり魅力でもある、

Googleアカウントのみでどこでも身軽に移動、作業が出来るスタイルの提案であり、Chromebookはあくまでそれを実現するための仮の入れ物の内の一つ

という点をベースに、私が感じる魅力について暑苦しく書き綴っています。

「それぞれの365日 Chromebook会報誌」

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