[0713-201503] 革がホッとして、自然な優しい笑顔が出てくるような感覚。型押し革の魅力をタピールで引き立たせてみる。

[0713-201503] 革がホッとして、自然な優しい笑顔が出てくるような感覚。型押し革の魅力をタピールで引き立たせてみる。

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型押し革。シボ革。スコッチグレイン。いずれもそれぞれに違いはありますが、表面に皺のないツヤ革に比べてなかなか受け入れられにくい革です。
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その理由は様々ですが、一般的に「お手入れがしにくい(シボの部分にクリームが詰まって面倒)」「磨いてもいまいち表情が出ない」「おっさんくさい」などが代表的でしょうか。
実際は、
クリームが詰まる。→そもそもブラシしないでお手入れしようと考えることが間違い。
表情が出ない。→履きこんでいくと下手な革より余程表情が豊かに出ます。
おっさんくさい。→感性は人それぞれですが若者らしい靴って何ですか?
など言いたいことは色々ありますが、仕方ないのかなぁ、という気持ちも反面ではあります。
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今回三交製靴のラギッドシューズ、スノータイプ型押しが在庫処分ということで破格値で販売されたこともあり、また4モデルの中でも型押し革が最もサイズと在庫があったことから、この靴で初めてラギッドシューズを買った、という方もいるのではないかと思います。
それぞれにご自身の流儀に則ってお手入れをされていると思いますので、それについて私が何か言うものではありません。是非良い方法があったらどんどんシェアして頂きたいと思っています。他の方のお手入れ方法って参考になりますし、聞いていて楽しいですしね。
ということで、今回はまだ型押し革に躊躇されているあなたや、他の人のお手入れ方法を見てみたい、というあなたへ、私の最近のやり方をご報告したいと思います。

用いる主なお手入れ用品

先日も触れました、タピールを使います。
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前回取り上げた際に触れましたが、このタピール、決して華やかなツヤにはなりません。

実際艶が出ているのか出ていないのか一瞬分からないくらいのものなのですが、けれど効果が無いわけではない。本当に自然。革がホッとしているという表現が一番しっくりくるかな。ホッとして、自然な優しい笑顔が出てくるような。
何とも素朴だけれど、安心する、そんなケア用品です。私にとっての先ほどの「気負わず無意識に手に取る、そんな愛用靴」には最適の組み合わせだと思っています。

個人的にはこんな感じで捉えています。ホッとして、自然な優しい笑顔が出てくるような、そんなクリームです。それは靴だけでなく、磨いている本人もですが。
これは最近のほぼ天然成分のみで作られている他社のお手入れ用品も同じかもしれませんね。
ただ、私はENGLISH GUILDのような青みのある昔ながらの英国的な、という表現もあるようなものや、定番のクリームも好きです。どちらが良い、というものではありません。

タピールのポイントはブラシとその後の磨き。

これはタピールに限らないのですが、タピールに関しては特にこれを意識すると良い表情を見せてくれます。指先でも塗れるため、ついつい塗りすぎたり、その後もあまりブラシやグローブなどでの乾拭きをおろそかにしがちなのですが、その場合あまりツヤが出なかったり、表面が何となくべとつくような印象があります。
レーダーオイルのようにオイル分が多いモノは私も使い方にかなり戸惑ったのですが、これもその後の乾拭きを入念に行うことでかなり良い表情が出てくれます。

レーダーフレーゲも同様に、色々な使い方は勿論あると思うのですが、私のお薦めは指先にネルを巻き付け、これを靴表面に塗り込みながら細かく指先を動かしていく。つま先等のポリッシュをしたことのあるかたは、あの時の指先の動きに似ています。若干ポリッシュより力強めかな。

水を若干加えながら摩擦を加えていくとかなり綺麗なツヤが出ます。それぞれに特性を活かした使い方がいろいろあるんですね。

クリーム自体は指先でもブラシでも良いと思います。

これは好き好き。天然成分なので指先で塗っても指の負担は軽いですし、量の調節と体温で温まるので浸透しやすい、などで好む人もいます。私はフレーゲクリームはタピールのブラシを使って、その後レーダーバルサムをつま先の踵周りに指先で塗り込みます。
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フレーゲクリームを塗った後、しばし放置、そしてしつこい程にブラッシング。

塗ると表面がクリームで覆われて、果たして本当にこれでツヤが出るのか、自分のやったことは間違いだったんじゃないか、などとふと気分が沈んだりするのですが、大丈夫です。私も未だに塗った後の表情を見て後悔する時があります。
その後黙々とブラッシングをします。最初にネルで乾拭きする方もいるかもしれませんが、結構表面がクリーム乗ってる感が強いんです。ネルの場合、そのままでは抵抗が強くて磨きにくいと思います。なので、まずはひたすらブラッシングです。
ブラシは何でも良いと思いますが、折角タピール使ってるんだから、同じタピール使いましょう。

タピールのブラシは値段もそこそこするんですが、結構しっかり作られているので毛が抜けにくいんです。ブラシの途中で毛が次々抜けるのは結構ストレスになったりしますので。ネルもタピールが一番です。

ただ、ミニブラシは私相性が悪いのか、次々毛が抜けていくんですよね。その内収まるかもしれませんが。

ツヤが出てきたら、磨き上げ。ネルでもグローブでも。

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このブラシを中途半端にすると、あまり表情が変わらないので挫折します。タピールって言うほど良くないじゃん。何だよ、ブログでうまいこと言ってたけど、釣りか
このブログをご覧になって、実は結構タピールを購入された方いるんです。でももしかしてその内の何割かはそんな風に思われてしまったのではないか、とちょっと気になっていまして。
そのポイントはこのブラシとその後の磨き上げにあるのかな、と思っています。
とにかくとことん磨くんです。あ、その前にツヤが出るまでブラシは必須ですが。
磨き上げはネルでもグローブでもお好きな方で。で、ここでもポイントが。散々ブラシをしても、それでも表面は磨こうとすると抵抗があります。これ、まだ表面が整っていません。まだ磨く余地が残っているんです。そこでここからネルなりグローブで磨きましょう。

手強い抵抗のあるタイプの磨き上げは私はこのコロンブスのHGグローブシャインを使っています。これ、片面は革になっているので、表面の状況に合わせて使い分けられます。革の側は最初は靴に傷を付けてしまうのではないか、と不安になりますので、少々勇気が要りますが。

表面の抵抗(引っかかり)が無くなるまで黙々と磨く。

まぁ、既にツヤは出ていると思うのですが、ここで更に念を入れて磨き込みます。表面の引っかかりが無くなるまで黙々と磨くんです。引っかかり、抵抗がある状態って、指で触ると分かるのですがまだ若干ベタつくんです。これに埃が付いたり、何気なく触れた時に指の跡が薄く残ったりします。
まだ無駄なクリームが残っているんですね。
勿論ごく少量しか普段使っていない方はそれ程感じないと思いますが、慣れない内って結構自分が思っている以上に塗りすぎていることが多いんです。特に靴が好きな方。
私、革靴に興味を持ち始めた20代前半に最初に買ったロイドフットウェアのストレートチップ、当時愛読していた落合正勝さんの本を隣に置きながら靴のお手入れをしてました。


自分で満足のいく仕上げになったつもりで履いてロイドに行ったら(職場の側だったので)苦笑されながら目の前でその靴をかなり念を入れてネルで磨かれました。ネルにどんどんこびりついていったクリームの黒さは今でも心に残っています。塗りすぎなだけでなく、磨きが弱いんです。
クリーナーを多用する方が多いのは、この辺の事情もあるのかなぁ、という気が最近はしています。
[0461-201412] クリームよりもブラシよりも、まずクリーナーが売れる、靴磨きの不思議について改めて考えてみる。

これで充分なのだけれど、一手間加えてみようか。

仕上げはバルサムです。

これ、通常のポリッシュほどコツも要りません。その分顔がハッキリ映るほどくっきりと光るわけではありませんが、そこまで露骨に光らせたくない場合(若干の陰影と表情を出したい)には最適です。型押し革のこうしたプレーントゥのつま先だけテカテカに光らせるのも変な気もしますので、最後に気力が残っているのであれば、是非バルサムも使ってみましょう。
指先に軽く(薄く)サッと取って、そのままつま先、踵周り、それからコバとの境目辺りなどお好みで塗り込んでいきます。薄くで良いです。また表情曇りますが、動揺しなくて大丈夫です。
30分位放置したら、そのまま先ほどのブラシとネルで同じように磨いてあげるだけで大丈夫です。こちらは比較的早くツヤが出てくれます。
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終了です。タピールの良さって何だろう?と考えた時、素直さではないかと思うのです。テクニックやコツというよりも(勿論コツはあるのだけれど)基本的なことをどれだけ普通に出来るかどうか、ということ。靴磨き。そのままです。どれだけ磨けているか。
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ブラシをちゃんとしてる?ネルやグローブでしっかり磨いてる?
これって基本中の基本なのですが、それだけに普段あまり考えずに適当に済ませてしまうことも多い。それでもなんとかなってしまうので。それでうまくいかないと、やれクリームが悪い、革質が悪い、と言い始めるのですが、どのクリーム使おうがどれだけ革質が良かろうがそういう人の場合同じだと思います。
いや、下手に繊細な、世に言う上等な革の靴でも買おうものなら、革のほうが拗ねて大変です。銀面浮き始めたり、変に傷めてしまったり。
で、口にするんです。「○○なんて、言うほど良い革じゃないよね。」「最近は革が劣化してきているから。」「昔の革は良かった。」
そしてヤフオク行きです。

勿論答えは一つではありませんが。

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最後に。タピールの良さとともに、ここでは型押し革の良さも挙げてみたいと思います。型押し革も同じ。基本的なお手入れで差が大きく出やすい革だと思います。それも急にではなく、ジワジワと。ある時気付くんです。あれ、いいな、何か・・。
そこまではあまり表情が変わらないので面白くないのですが。
また、ブラシや乾拭きをしないと汚くなるので、小まめにするようになる。更に、雨が降った時、皺が入った時、目立ちにくい。良いことだらけです。
ちょっと表情のあるパンツなどとも合わせやすいですし、あると便利です。
ということで購入から1ヶ月以上が経ちましたが、こんな短期間でも既に良い表情が出てきてくれています。革質なんて、私含め一般人には分かりません。何が良いかなんて、本人が良いなぁ、と思えばみんな良い革です。
気負わず楽しめる型押し革の魅力が、もっと多くの人に伝われば良いなぁ、と思います。

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多くの方にとって「靴磨き(お手入れ)って何も特別なものじゃなくて、毎日の歯磨きや洗顔のような日常なんだな」と感じて頂き、より革靴を身近なモノに感じてもらえたら、と願っています。

「アカウントを持って街へ出よう Chromebookとの365日」

続いて、「Chromebook」に関する文章を一冊の本にまとめました。

Chromebookはまだまだ日本では馴染みが薄いですが、Googleが開発したOSであるChrome OSを搭載したPCです。

海外では特に米国の教育市場を中心に急速にシェアを伸ばしてきています。日本ではAppleやMicrosoftが教育市場向けのモデルを出すと、一般的に「iPad対抗」「Surface対抗」といった感じで一騎打ちのようなイメージを持たれがちですが、実際には海外では低価格で半分以上のシェアを獲得している「Chromebook(Google)対抗」を想定した三つ巴の状態となっています。

本書ではこのOSの特長でもあり魅力でもある、

Googleアカウントのみでどこでも身軽に移動、作業が出来るスタイルの提案であり、Chromebookはあくまでそれを実現するための仮の入れ物の内の一つ

という点をベースに、私が感じる魅力について暑苦しく書き綴っています。

「それぞれの365日 Chromebook会報誌」

是非あなたのスマートフォンやタブレット、Kindle端末などに入れて持ち歩き、気が向いた時に読み返して欲しいな、と思っています。