[0675-201502] 靴好きほど戸惑わせる、混乱させる三交製靴の魅力について悪い虫が今から暑く語るよ。

[0675-201502] 靴好きほど戸惑わせる、混乱させる三交製靴の魅力について悪い虫が今から暑く語るよ。

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HUNGRY HEART~いつも何かを求めて~を公開されている、なおけんたさんが二足目のラギッドシューズとして先日私も購入したスノータイプのラギッドシューズを購入されました。
三交製靴・丸善 ラギッドシューズ シボ革プレーントゥ – HUNGRY HEART~いつも何かを求めて~
私が三交製靴を知ったきっかけはこのなおけんたさんのブログです。ちょうど一年前の年末です。私は都内在住のため、何だかんだと足を運ぶ機会があり、その分気が付けば手元にラギッドシューズが4足になってしまったのだけれど、その分三交製靴については評価が甘くなってしまっているのではないか、と心配な時もありました。
[0632-201502] 土曜日の午後、三交製靴ラギッドシューズ4足を眺めながら、それぞれについて振り返る。
0632-201502_Sanko Shoes_01
常日頃からラギッドシューズばかり履くようになり、実際に三交製靴にも昨年は4回伺ったわけで、贔屓目に見ているのではないか、と。関係者でも何でもないのだけれど、ちょっと調子乗ってない?自分。と頼まれてもいないのに反省してみたり。まぁ靴でも何でも、好きになるということはそういうものなのだろうけれど。
[0367-201411] ラギッドシューズに興味を持ったあなたへ。三交製靴を訪れる際に気をつけたい5つのこと。
けれど、今回なおけんたさんの記事を読んで、改めて思いました。とともに、安心しました。やっぱり良いよね、と。
真面目で誠実、そして商売下手。それは三交製靴だけでなく、勿論その靴にも現れていると思います。靴自体が真面目で誠実、商売下手そのものです。
[0203-201405] 続けていくことの素晴らしさと苦悩。 – 三交製靴株式会社 ラギッドシューズ – | Life Style Image
これって◯◯の△△レザーだよね?この靴ってカーフ?キップ?あ、□□ってことは、××か。
分かる人には分かる、靴屋で展開されるマニアの会話。店員時代もそういうお客さん、結構いました。ちなみに私も気にするときは気にします。拘るときは拘ります。そんな言葉に弱いタイプの人間です。
そういう人から見ると、きっとつまらないです。これ、確かにハンドソーンだけど、革がなぁ。そして、混乱する。

普通に良い靴がなかなか見つからない。

普通に良い靴。何とも定義しにくい表現だけれど、生まれが良いというか、育ちが良いというか。いや、それもちょっと違うな。何かズレた。
普通に、気負わず、飾らず、格好つけず。うん、今では難しいんだけれど、街に普通に手縫いの靴屋さんがそこかしこにあって、靴といえば近所の職人さんが手作りしてたような時代。いや、そんな時代あったのか?私はまだ30代半ばなので分かりませんが。
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街の靴屋さん(靴職人さん)が普通に靴を手作りしていても、それで生計が成り立った時代。靴は使い捨てではなくて直しながら履く物だった時代。
今じゃ無理です。だって靴職人といえば、日本では靴の学校出た後数年英国かどこかで修行して泊付けてきて、その後すぐ自分のブランド立ち上げて、制作に半年、一年、値段は30万、40万、って設定しなきゃ成り立たない時代です。
それがダメというわけではなくて、ビスポークといえば高いもの。手縫い靴といえば高いもの、でなければ生計が成り立たないんですから。
それくらい大量生産大量処分大量廃棄でなければ成り立たなくなってしまった世の中です。
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売れる売れないではなく、一ロット何千、何万と発注しないと作れない、作らない。作る下請け側も大量生産が前提だから一足あたりの単価は雀の涙。当然店頭では余る。余った場合は古在庫になる前に安く処分するためアウトレットや在庫処分に回される。更に安く捨て値で投げ売られる。それでも利益が出るような価格設定。飽きられないように次々消費されるデザイン。そのサイクルが前提でメーカーも、下請けも、店頭も、そしてお客さんも成り立っている。
このサイクルはそう簡単には崩せない。
今となってはじゃあ職人さんが一足一足靴だけ作って食べていけるような時代には戻れないのです。だから、三交製靴のラギッドシューズのような靴をヒョイっと目の前に急に出されると、戸惑ってしまうのです。

靴好きほど戸惑う靴。

製法だったり、革質だったり、というのは付加価値の部分。趣味の領域です。そこに先ほどちょっとズレたと書きましたが、そんなことどーでも良い、特に主張もしない、育ちの良さそうな靴が目の前に現れると、自分の今までの靴に対しての知識や経験からズレてくるんです。
製法は〜革は〜そういう目と言葉しか自分の中には無いんです。そういう基準で靴を見ることに慣れてしまっているんですね。
だから戸惑ってしまう。混乱するんです。あれっ?革質?いや、別にこれ多分国産の・・うーん、でも悪くはないよなぁ、でもどうなんだ?
製法?これ手縫いだよね?底付けだけ・・あれ、九分だよなぁ、しかもこれ、別に人件費の安い海外で作ってるわけじゃなくて浅草だ。
でも2万円だよね?じゃあ何が・・
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2万円の妥当性を自分なりの価値観で見つけようとしてしまうんです。2万円だから、どこか手を抜いているんじゃないか。いやきっとこの靴は野暮ったいからダメなんだな、これでデザインが良ければ・・
でもそもそもデザイン悪いですか?
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2万円だから、2万円でなければならないダメ出しの理由を考えてしまうんです。無理やり見つけようとしてしまう。革がダメだから、デザインが残念。
これは、知識が増えれば増えるほど、靴を買えば買うほど、戸惑う靴かもしれません。知識や経験やプライドが邪魔をするから。
理屈で考えようとしてしまうんです。

自分の知らない昭和から迷い込んできた靴。

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なおけんたさんが真面目で誠実、商売下手、と表現されていましたが、これ、ほんとそうだなぁ、と思うんです。
三交製靴にとっては、当たり前なんですよ。普通にやってるだけなんです。だから、九分だろうが何だろうが、そんなの、いや、普通ですから、と思ってるんです。靴ってそういうものじゃないんですか?くらいの感覚なんじゃないかと。
今のこの世の中ではそれがなかなか難しく、場合によっては広告使って雑誌使ってストーリー作ってマーケティングだなんだ駆使して幻想を作り上げて直営店作って金かけて必死に付加価値を上げようとしているということが、当たり前過ぎて価値あることだとは、そんな大変なことだと思ってないというか。
本来は九分だろうがハンドソーンだろうが、履く人にとってはどうでもいい問題なんですね。そんなことより、何であろうが履きやすくて歩きやすくて長持ちして。そういう当たり前で基本的なことが大切なんです。で、そんなことは常識で、当たり前すぎてつまらないんです。別に価値でも何でもなくて、当たり前じゃないんですか?そんなことで高くしてしまったら申し訳ないですよ。
その辺が商売下手。

昔は丸善で大量に売られ、丸善の靴だから良い靴だと思われ買われた。

三交製靴だから買ったわけではなく、丸善の靴だから良い靴、ということで買われたんですね、きっと。今と違って丸善だ三越だといったことがステータスだった時代です。実際今に比べれば丸善を間に通す分、利益なんてほとんどなかったと思います。大量に発注されて買い叩かれていたんだと思うんです。実際今のほうがじっくり作れるので出来がいい、と言われていましたし。
けれど、買う側も丸善の靴買ってるんです。履きやすくて当たり前なんですよ。何せ丸善ですから。壊れないんです。
[0626-201502] 山田芳裕「大正野郎」は大正浪漫かは別にしても、誰もが何かを思い出す素晴らしい漫画です。
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その時点で止まってしまっているんですね。丸善のマナスルシューズがそのまま何も変わらず変えずにきてしまった、迷い込んできた。
世の中にはそういう小さな工場や会社がたくさんあると思うんです。誠実に真面目に作ることだけに専念してきたところ。作る技術と売る技術は全く別物ですから。三交製靴も丸善という親方がどんどん大量に売ってしまったので、売る努力をしなくて良い分作るほうに専念できた、とも言えますが。
正直もっと色気を出せば、一時的にはブームに出来たり、売れるときもあるかもしれません。そういう専門家が付けば、コンサルタントと称する人間が、どこかのデザイナーや仕掛け人がつけば、売れるのかもしれません。
でもその瞬間、三交製靴は終わってしまう気がします。そうした色気と一時的な時代に振り回されて消えてしまったところの如何に多いことか。

悪い虫が一匹うるさく飛んでますが。

あまり調子に乗って書くと怒られそうですね、ぽっと出のお前が三交製靴を語るな、と。
松田さんからも、・・・鈴木さん、ちょっとそろそろ控えて貰えませんか?と静かに遠慮しがちに苦笑しながら言われそうな。
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ということで、私が伝えたいのは、これだけ妄想含めて暑く「三交製靴?もうっもうっもうっ!」って傍から見て気持ち悪くなっちゃうくらい書いてしまう鬱陶しい虫も付いちゃってますが、裏を返せばそれくらい、派手なところはないけど、素直に良い靴ですよ、と。
言うじゃないですか、虫のついている食べ物ほど美味しいんだよ、って。
悪い虫一匹を除けば、とても誠実で温かい人たちが作っている、育ちの良い真面目な靴です。
履いてみて、一度
熟練の職人が手縫いで作り上げた、頑固な紳士靴ラギッドシューズ(旧マナスルシューズ) – ラギッドシューズ(マナスルシューズ) 三交製靴株式会社

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「アカウントを持って街へ出よう Chromebookとの365日」

続いて、「Chromebook」に関する文章を一冊の本にまとめました。

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