まったく予想していなかった、と言えば嘘になる。今、振り返ってみれば、もしかして、という予兆がなかったとは言えない。そんな色々な想いは今頭の中をグルグルしているのだけれど。
「近いうち」にその時が訪れることは分かっていたし、そのつもりでいたつもり。それが思った以上に早く訪れただけ、なのだけれど。
「廃業」という言葉が、突き刺さります。悪い意味ではないのだけれど。ああ、終わってしまうんだなぁ、と最後通告を受けたようで。
熟練の職人が手縫いで作り上げた、頑固な紳士靴ラギッドシューズ(旧マナスルシューズ) – ラギッドシューズ(マナスルシューズ) 三交製靴株式会社
注文および修理の受付終了予定は4月28日(火)
ただし、サイズ交換の受付は3月24日受付分までのようですし、また種類やサイズによっては早めに完売に商品もあるようなので、気をつけましょう。
修理の受付も終わってしまうのは特に辛いですね。恐らく丸善マナスルシューズが取り扱いが終わってしまった時にも、これが一番辛かったんだと思います。
だから、そうした声に後押しされるように、あと少しだけ、細々と続けようと思った。その結果の猶予期間のようなものでした。
私の手元に、今修理が必要なラギッドシューズがあれば、今のうちにオールソールを済ませておくのですが、そこはさすが自慢のラギッドソールです。1年弱じゃビクともしません。
本当にありがとう。そして、これからも履き続けます。
先日の吉田酒造社長の20年愛用の丸善マナスルシューズを見て、ここ2週間ほどスノータイプ2足のみでローテーションでしたが、久しぶりにのせモカ茶を履きました。
その後、ENGLISH GUILDで磨きました。艶のある革、ガラス革などにはツヤの出しやすいこのクリームは最適です。
本当に良い靴です。この靴も、20年後に吉田酒造社長の靴のような雰囲気が出てくるのでしょうか。それを楽しみにしつつ、けれどその頃には三交製靴はもう無いんだろうなぁ、などとシミジミ思ったばかりだったのですが。
勿論オールソールの際に、同じソールにすることは出来なくなりますが、きちんと履き続ければ20年後も、30年後も、私のそばで寄り添ってくれる相棒となってくれていることでしょう。そのために大切なことは、マメ過ぎることではなく、自分自身の足をきちんと良い状態に保つ、ということです。
人間って年とともに足の大きさが変わります。いや、大きさというよりも、厚みが変わってきます。筋肉も衰えてくる。足のケアを怠ると、履けなくなってしまうんですね。これは靴のお手入れをちゃんとしている人ほど陥りやすい、忘れがちな罠です。
これからも履き続けられるように、そしてある時、誰かがこれを見て、ふと、あ、丸善マナスルシューズ、三交製靴ラギッドシューズって靴があったなぁ、と思い出してもらえると、そんな話に花を咲かせることが出来たらいいなぁ、と思っています。
熟練の職人が手縫いで作り上げた、頑固な紳士靴ラギッドシューズ(旧マナスルシューズ) – ラギッドシューズ(マナスルシューズ) 三交製靴株式会社
まだ、これから廃業までの2ヶ月が、本当の意味で忙しくなりそうですから。今まだのんきに「今までありがとうございます」なんて言いませんよ。ラストスパート、頑張ってくださいね。