[0794-201505] ありがとう三交製靴。私の最後の注文は旧MG73、牛革一文字親子穴タイプラギッドシューズ。

[0794-201505] ありがとう三交製靴。私の最後の注文は旧MG73、牛革一文字親子穴タイプラギッドシューズ。

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4日前に三交製靴は廃業となりました。当日はネット上でも三交製靴に向けてのメッセージの投稿が出ていました。
ありがとう、さようなら 三交製靴 – HUNGRY HEART~いつも何かを求めて~
5.20 三交製靴よ永遠に : 帰ってきた「喫茶と軽食さくらい」
日記|三交製靴営業終了 –
私も前日から「あぁ、明日で店じまいかぁ・・」と思いながら、なかなか文章が出てきませんでした。自分でも何を書いて良いのか分からない。何を書きたいのか分からなかったのです。
もう想いは散々今までの28件(よく書いたな)の中で書いてきたし、その時の強い想いを読み返していると、ありがとう、これからもよろしく、としか出てこなくて。困ったものです。
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最後にお願いしていた靴が昨日届きました。

最後の一足を何にしようか迷いました。なにか、三交製靴らしいものはないかなぁ、と。といってもプレーントゥは既に2足持っていたので。そんな中、昨年何度か三交製靴に伺った時にお話ししていたストレートチップを思い出しました。
私の原点はストレートチップです。
[0666-201502] 私にとってストレートチップが特別な理由。全ては人とのご縁から生まれる。羽田の名店 靴のハシモト。
昨年松田さんとお話ししたときに、内羽根はこのデザインだといまいちバランスが悪いんですけど、外羽根は売れたんですよ、と聞いていました。ネットでも検索していると最初の頃に出てきたのがこのストレートチップです。その時にいつでも作りますよ、と言われていました。
そこで、いつでも三交製靴を思い出せる最後の一足として、ストレートチップをお願いしました。

純粋なストレートチップか、親子穴ありか。

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親子穴を付けるかつけないか、は最後まで迷いました。純粋な好みなら勿論普通のストレートチップなのですが、このデザインだと親子穴があったほうが雰囲気が合うのではないか。そこで最後は(放り投げてますが)松田さんに訊くことにしました。「松田さん、どちらが好きですか。私、三交製靴と松田さんを、ふとしたときに思い出せる靴にしたいので、松田さんがこれが三交製靴です、って思える好きなデザインのほうを教えて下さい。」
もう酷いもんですね。人に丸投げです。そんな丸投げを松田さんはサラリと優しくお返事してくれました。

では、ご注文の靴は一文字の親子穴でご用意させていただきたいと思います。
丸善販売当初からあるデザインで人気のあるデザインだったので、取り扱い商品に加えるか悩んだタイプです。

勝手な要望なので、一番最後に廻して下さい、とお願いしていました。

昨日到着。でも注文した数日後にtm storyというブログでたまたまデッドストックで丸善銘のものを買われた方が写真をアップされていたので、雰囲気は見てしまっていました。
丸善 マナスルシューズの三足目 – tm story
こんな感じで出来るのかな、と思っていたのですが、昨日受け取った一足は。
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ウィズはいつも通り2Eですが、今までどおりの安心のぽってり感。あ、三交製靴、って感じの、キャップ小さめ、丸みを帯びた、今までネットで散々見てきたタイプのモデルでした。そりゃそうだ、人気のあるデザインとなれば、良く作られたタイプですし。

早速お手入れしながらしみじみ思った。

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これで新しく三交製靴の靴を買うことは出来なくなります。最後の一足です。修理も純正では出来ません。松田さんとのお話も出来なくなる。そう思うのは寂しい。本当に寂しいです。でも、手元には6足のラギッドシューズがあって、少なくともこのペースだと私が革靴を履けなくなるときまでしぶとく足元を支え続けてくれるのではないか。だって、ラギッドシューズですから。

靴を楽しむって何も特別なことでも世界でもなく、誰にでもやろうと思えばできることです。

終わってしまうと、何となく希少性が出てしまう気がするのだけれど、本来そういう位置づけの靴では無く、普通にどこの街にでもあった靴屋さんが店じまいするのと同じで、今まで通り普通に履いて、底が減ったら修理して、下駄箱に普通にチョコンと座っている。いつか息子が出来て、この靴を見た時、あ、オヤジいつもこの靴履いてたなぁ、好きなんだなぁ、と思ってもらえるような、普通の靴。
靴好きというのは、何も高額の、稀少で、どこどこの誰が作った特別な何か、というのが素晴らしいのではなくて、そんなことではなく、たまたま出会った、自分にしっくりきている靴を、いつもちゃんとお手入れしながら、普通に履きこんでいく。これは誰にでもやろうと思えばできるし、楽しめることです。靴って何も特別なモノでも世界でもない。まだ見ぬ息子が普通に自分の履いている靴を振り返って、道具を大切にすることの良さに気付いてくれれば嬉しいのかな、と思うのです。そんな当たり前の、日常の風景の、その中に溶け込んでいる靴。それがラギッドシューズかな、と。

この先も少しでも長く足もとを守る靴となれれば大変嬉しく思います。

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添えられていた手紙には、そんな一言が書いてありました。
この先も少しでも長く鈴木様の足もとを守る靴となれれば大変嬉しく思います。
松田さん、ありがとうございます。私とこの靴との付き合いはこれから始まります。この靴があるから、私の足は本当に安心出来ます。安心して何処にでも行けます。
今私の手元には6足のラギッドシューズがあります。オンオフ問わず、ほぼこの6足があればどんな場面でも足を守ってくれるでしょう。そしてどんな場所でも胸張っていられるでしょう。
だから、今回もありがとうございます。そして、これからもよろしくお願いします。