前回、「スタンダードでひねらず直球で出してきてくれるところがREGALの強さ」と書いておきながら、この靴についてほとんど触れませんでしたので、少し見てみたいと思います。
[0521-201501] 一番手にはなれないけれど、靴好きなら一足は持っておきたい黒スエード。REGAL W12BCFは、国内大手REGALが出すから面白い。
イギリス製カーフスエードは非常に優しく触れていたくなる。
なかなか良いスエードだと思います。イギリス製カーフスエードとのこと。
ちなみに以前から出ている定番に近いウィングチップのスエード、W165CBはイギリス製キップスエードだそうです。
W165CB【REGAL SHOES ORIGINAL】リーガル ダイナイトソールのスエードのウイングチップ: REGAL(紳)| シューズ・ストリート(靴・通販)
W165CBも以前から気になっていましたが、今も変わらず出続けてくれるのは嬉しいです。
ダイナイトソールということで、内羽根ウイングチップ茶、スエードとまさに雨にも最適な一足。
カントリーっぽさも含んでいて、私は非常に好きな一足です。
ウィングチップでスエードにするなら、こちらかな。
ちなみに今回のW12BのほかにW13Bというモデルも出ています。こちらはウィングチップ。
W13BCF【REGAL SHOES ORIGINAL】リーガル スエードを使用した革底ウィングチップ: REGAL(紳)| シューズ・ストリート(靴・通販)
これも良いですね。ベージュスエードやネイビー、ホワイトもあるので、気軽にちょっと良いスエードの靴を履きたい(変な表現ですが)ならこちらかな、と。
REGAL SHOES ORIGINALはC.P.高いと思う。
REGAL SHOES ORIGINAL(品番の頭にWが付いたもの)は、全国の「REGAL SHOES」でのみ販売されているモデル。
ということで、価格が(一時期のSALEやアウトレットに流れない限り)ほぼそのまま、定価通りです。
買う側としては安く買えた方が良い、と例えば楽天やAmazonで2~3割引きで販売しているお店で買えないことが残念かもしれませんが、私はこれを敢えて良いことかなと思っています。
REGAL SHOESの店舗だけで「割引をせず」販売する、ということは、それだけ利益を落とさずに済むわけです。それを見越した商品開発とコストをかけられる。
ということは、例えば今回のW12BCFであれば、38,880円という枠をめいっぱい使って仕様を考えられるのです。
卸先に出して、更に大抵定価の2~3割引で販売されることを考えると、なかなかコストを考えると思い切ったものが作りにくい。
前回のW10BDJといい、堅実に、しっかり作ったものの場合には敢えてREGAL SHOESに絞って販売してしまったほうがロスも少なく、しっかりコストもかけられる、そう捉えています。
[0298-201408] REGAL W10BDJは限られたコストをど真ん中に投資した名品。
勿論ド定番2504や2235が駄目な訳では無いです。私大好きですから。あれを全国どこでもREGALを扱っているお店やネットでも買えるようにしているのは素晴らしい事だと思います。
[革靴] 50年以上続くのにはそれだけの理由がある。履いてきた人とその家族の数だけ物語がある。国産靴の雄、リーガルを想う。
最初から馴染みよく柔らかいのはW10BDJ同様。
脱線しましたが、履き心地。良いです。最近のREGALはあまり固くない印象です。
革も変わっているのでしょうが、履き心地も今に合わせていると思います。
気付くのが踏まず部分のサポート。昨日も履いていましたが、それ程感じる訳ではありませんが、このお陰で踏まず周りが本来より少し絞られた印象になります。
外観からは決して細い印象はないのですが(ソールを見るとそれなりに絞ってはいますが)履き心地はまた面白い。
気になるとしたら、W10BDJでもそうでしたが、REGALならではの甲が若干高いこと。私の場合は足長に合わせると羽根が全閉します。前回の写真の通りです。
サイズは前回W10BDJは25を履きましたが、こちらは25.5cmを選択しました。ウィズは同じEEなのですが、足回りとの相性ですね。その分も羽根閉じに影響しています。
つま先のラバーは正解。
つま先部分は初めからラバーが付いています。見映えだクラシックだ言う方にはこういうものは余計と映るかもしれませんが、個人的には正解。
後付けでラバーを付ける場合は、付ける部分を少し削らなければいけないんです。それ程影響がないとはいえ、一応既に縫ってある部分を縫い糸の上から薄く削るわけです。
修理職人さんによっては敢えて一旦縫い糸を解いてからラバーを付けて再度縫い直してくださるのですが、それも考えると初めからラバー付けて縫ってくれた方が助かります。
また、元々上品な作りの黒スエードストレートチップです。革底にしたことで、返りが悪いわけではないとはいえ、やはり最初はつま先部分の削れが気になってしまいます。
であれば初めから気にせず安心して履けるこの仕様は私は良いと思います。
ラバーが駄目だ、となると、踵部分のハーフラバーも駄目になってきちゃいますし。
フォルムは特に捻りのない、オーソドックスなストレートチップ。
詰まらない、と言われれば詰まらないかもしれませんが、私はこれも好印象。もう、普通のストレートチップです。
デザインを変にひねる必要ないんです。長く履けなくなる。靴はぱっと見のデザインでこだわるのではなく、なるべく素材感や雰囲気でこだわって欲しい。
今回であれば、イギリス製カーフスエードが非常に優しい表情を出してくれています。
別にイギリス製が良いとかカーフが良いとか、そういう意味でのスペックではなく、こういうものにはシンプルな何も手を加えないデザインの方が活きてくるんです。
ぱっと見で華やかでないけれど、飽きがこず、基本的なケアだけしていればずっと履き続けられる。決して靴が主張はしないけれど、ふと気付いた時に、「なんかいいな」と感じられる。
これって非常に難しいことです。靴単体で目立つようでは既にその時点で駄目ですから。
目立たないけれどしっかり履いている人の魅力を引き立たせてくれる、その辺りがストレートチップの良さであり、フォーマル、礼を失しない靴としてこれ以上ないと言われている理由の一つだと思います。
いや、本当に良いです。
これも多分、多くの足数は売れません。ビジネスシューズでスエード、更に黒ストチなんて、REGALの購入層からすると異端です。足数は出ません。
前回も書きましたが、スエードなんて、汚れやすい雨に弱いの先入観と、決して一番手にはなれないことから、大抵後回しにされるんです。
[0521-201501] 一番手にはなれないけれど、靴好きなら一足は持っておきたい黒スエード。REGAL W12BCFは、国内大手REGALが出すから面白い。
靴好きでさえ、必ず持っているとは限らないし、更にストレートチップ、黒、まで来てしまうと、なかなか買いません。更にそういう層は変に海外の靴にしたがるので、REGALで選ぶ層自体稀少。
ごめんなさい、偏見たっぷりです。もしかしたら素敵なおじさまが愛用しているのかもしれません。いや、そういう紳士にこそ履いて欲しい。履いていて欲しい。
ということは、これを普通にサラリと履いて欲しいのです。気負わず履けるようになったら、別の世界が見えてきます。きっと。
こういう靴こそ、履き潰しや履き捨て(どの靴でもして欲しくはないですが)とばかりに1万円前後で適当に選んで欲しくないのです。かといって、いきなり8万、15万出して買って欲しいとも思いません。
こういうスエード靴って、ドカーンと数売れる製品ではないので、気がつくと消えてしまっていることが多いのですが、前述のW165CBのようにこれからも細く長く続いていって欲しい。
方向性は多少違っても、W10BDJ同様、私はこういう靴にこそREGALの魅力があると思っています。
[0459-201412] Shoe*さんの2014年のThe Best BuyはREGAL W10BDJ。私にとってもこの靴はREGALの実力を再認識した一足です。
これが普通に廃番にならずに、2235や2504のように長く続くようであれば、日本人の革靴の未来も安心かな、と変に年寄り臭いことを考えてしまうのです。
無理に薦めません。けれど、何かしら魅力を感じた方は、一度手に取って欲しい、その場では気付かないかもしれないけれど、気がつけば恐らくずっと靴棚に居続ける地味な定番になると思います。
W12BCF【REGAL SHOES ORIGINAL】リーガル スエードを甲革に使用した革底ストレートチップ: REGAL(紳)| シューズ・ストリート(靴・通販)