梅雨入りはまだまだですが、ここしばらく雨の日が続いています。そろそろ一般の登山者も増えてくるでしょうし、ビジネスにおいても梅雨に向けて雨用の靴を探す人が出てきます。
そこで、梅雨を前に伝えたい。たいしたことじゃないじゃん、と言われるかもしれないけれど。これだけは。
ゴアテックスって、革がゴアテックスな訳じゃありません。
GORE-TEX®プロダクト
ゴアテックスって革のことではありません。
今日見た雑誌の雨靴特集で気になったこと。

今日はまったく別の話題のつもりだったんですが、たまたま雑誌を眺めていたら、靴の特集だったんです。そこで出てきました、ゴアテックス!私、別にゴアテックスが嫌いな訳ではありません。大変お世話になっています。
[0227-201406] 梅雨になったので雨用の革靴という不思議。
ビジネス靴にそもそもゴアテックスが必須かどうかは今回は置いておきますが、今回眺めていて気になったこと。
革靴の表面で水が弾かれている写真とともに「流石ゴアテックス、水を弾きます!」という文章。
いや、それ、ゴアテックスが弾いているんじゃなくて、革の表面に撥水か何かの仕上げしてませんか?
どの部分がゴアテックスか分かりますか?

ゴアテックスって何か分かりますか?ゴアテックス搭載の靴って言われると、外側の革自体がゴアテックスなんだと思っている人、結構いるんですよ。登山やってて、レインウェアでゴアテックス使ってるもの使っている人も、表面の素材がゴアテックスだと思っている人が結構いる。
ゴアテックスって、その外側の素材と、ライニングの間に入っている薄い素材です。(ライニングにゴアテックスを搭載、と書いてある商品もありますが)
ゴアテックス自体は雨や水には強いですが、決して汚れや傷などに強い素材な訳ではありません。汚れればその力は充分に発揮できないし、傷がつけば勿論落ちていきます。
だから、間にサンドイッチするような形で挟んでいるんですね。
これ、どっちでも良いようで、結構大切。

何故か。ゴアテックスだから雨大丈夫、って短絡的に考えちゃうんです。
革靴にゴアテックス搭載ってなると、ちゃんと履いてくれている人には本当に頼もしい味方です。一回オールソールしちゃえば防水性能は保証されませんが。それくらい靴の中に使うのは難しいので。
でもね、大抵のゴアテックスだから雨大丈夫、って思ってる人ってもう雨靴として履き倒しちゃうんです。散々雨に濡れて帰ってきた後に、ちゃんと表面を拭ったり、お手入れしたりしない。撥水スプレーもかけない。
表面の革はゴアテックスでも何でもありませんから。多少の撥水仕上げはしているかもしれませんが、それでもお手入れしなければどんどん劣化します。
ゴアテックス自体寿命がそれ程長くはないですが、それにもまして革自体の寿命が先にきちゃうことが多いんですね。完全放置だから。そして放置しやすい雰囲気だから。
ゴアテックスが本領を発揮するには、それを覆ってくれている外側の革や素材であったり、内側の環境だったり、と言った部分がしっかり整っていなければいけません。
ゴアテックス搭載だから何もしなくて良いわけではないんです。
[0598-201501] 関東地方は今日は雪。そこで改めてそんな雪の日に意識したい革靴についてのポイントをまとめてみました。
ねじ曲がって変な方向で広まっているゴアテックス神話がちょっと心配です。

どの程度の価格の靴を履かれているかは人それぞれですが、比較的一般的な価格帯の靴を履いている人の場合、それ程ゴアテックス必要ないと思うんです。そもそも表面の革がガラス仕上げしていて弾きやすかったり。水が入ってくる原因がそもそも靴をいい加減に扱ってるから、という場合も結構多い。
[ 革靴] 巷に溢れる革質談義について。コードバンが好きなあなたへ。ガラス革(牛革)って本当に駄目ですか?
もう滅茶苦茶な履き方して、中も破れまくった、踵も原型を留めていない表面ボロボロのゴアテックス(笑)な靴で、水が入ってきた!って怒鳴り込んでくるお客さんがたまにいたんです。そりゃゴアテックスは素晴らしいですし、保証体制もしっかりしていますが、それでも買った後の責任はお客さん自身にあると思うんです。
勿論雪国であったり、台風に常に悩まされる地域の方、水の多い仕事に就かれている方など、ゴアテックスに助けられている方も多いと思います。そういう方は是非今後も使い続けて下さい。それは別の話です。
ただね、ちょっと全体的にゴアテックス信仰というか、ゴアテックス神話がだいぶねじ曲がって広がりすぎているような気がして心配なこの頃です。
GORE-TEX® SURROUND™ Footwear
ちなみに登山やロングハイクをされる方の中には、敢えて意識的にゴアテックス搭載の靴を選ばない方もいらっしゃるということも頭の片隅に置いておくと良いかもしれません。良いものには、それなりにデメリットもあるということです。



コメント
お久しぶりです。
三交製靴から商品発送の連絡が入りました。注文から4週間近くかかりました。予想を超える注文を一生懸命捌いておられるんでしょう。到着が楽しみです。
ゴアテックスについては、仰るように過剰な信仰が大きな誤解となって広まっているように感じますね。確かに防水透湿性は素晴らしいので、レインウェアなんて「GORE-TEX」の文字があるだけで(もちろん搭載されているんですが)価格がポンと1ランク上がるような感じですよね。それをいいことに、メーカー側もその辺の誤解を真剣に説明していないんじゃないかなと思うこともあります。
ゴアテックスには当然弱点があるわけで、その最たるものは耐久性ではないかなと。経年による劣化ですかね。私、20年ほど前に買ったLLビーンのレインウェア(ゴアテックスモデル)を持ってます。表面のナイロンは全然大丈夫ですが、さすがに雨が滲みてきますね。もうゴアテックス死んでると思います(笑)。短い時間だったらナイロンシェルでも十分ですが・・・。
ゴアテックスが元気な時はいいけれど、劣化してボロボロになったら、ゴアテックスを搭載していない奴よりもひどくなると思います。だから登山等で長く道具と付き合っていきたい人は、ゴアテックスを選ばないんでしょうね。革製のソール交換ができる登山靴なんてその最たるものでしょうね(いまどき流行りませんけど)。
マスコミもかなりいい加減ですね。ろくに取材もしないで、平気で勘違いなことを書いていますからね。でも、我々にはこれまた変なマスコミ信仰のようなものがあって、マスコミの言うことを信じてしまいがちなんですよね。だからこそマスコミには事実を伝える責任があると思いますが、前述のようにいい加減な一部の記事が我々を惑わします。
靴に関しても、過去の20年で相当な嘘を書いてきた前科がありますからね。でも正しい知識を知らなかった私は随分と踊らされた苦い経験があります。
我々がやるべきことは、様々な情報を仕入れて、それを自分で吟味し、何が正しくて何が正しくないか、自分で判断することなんでしょう。
なおけんたさん
ご無沙汰しております。ラギッドシューズ、届いたようですね。早速ブログを拝見しました。最後の一足、かなり使い勝手の良いデザインだと思いますので(Uチップも確かお好きだったと思います)これからどんどん履く機会が増えそうですね。私もお気に入りの一足です。
ゴアテックスはまさにその通りで、決してダメなわけでも不良なわけでもないのですが、あまりにイメージだけが先行しすぎてしまって、大きくなりすぎてしまっている気がします。確かに保証等も含めてしっかりしていますが、元々アウトドア等で使われる「実用品」「消耗品」な位置づけだと思います。
ビジネスシューズに導入すれば確かに雨や雪でも染み込まず安心して履けるかもしれませんが、それすら永久ではなく、また幾ら透湿性があるとはいっても、やはり一枚間に入るわけですから。第一レインウェアと同じで、(山では生死に関わる場合もありますが)、そこまで濡れてしまうことに神経質にならなくても良いのではないか、と思うことがあります。
私たちのようにブログで発信している者も時としていい加減で、間違った(勘違いした)情報を伝えてしまうことがあるとは思いますが、マスコミの場合はそれとはまったく別ですね。きちんとお金を頂き、プロとして、既存のメディアで発信していくわけですから、読者もそれなりに信頼してその情報を受け取るわけですし。
靴もそのとおりだと思います。革製品も、時計も。そうした幻想や嘘に(気付かずに)価値を感じて、気持よく(時には勢いで)多くのお金を使ってきましたが、今思うと大分踊らされていたなぁ、と思います。