[革靴] 巷に溢れる革質談義について。コードバンが好きなあなたへ。ガラス革(牛革)って本当に駄目ですか?

[革靴] 巷に溢れる革質談義について。コードバンが好きなあなたへ。ガラス革(牛革)って本当に駄目ですか?

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コードバンといえば、日本では人気の(馬の)革です。稀少稀少と言われて既に何年経ったのか分かりませんが、今年もそろそろ手に入らなくなる噂が出ています。(コードバンに限らず、革全体が徐々に調達が難しくなってきていて、原価も上がり、また安定した質を確保すること自体が難しくはなってきています。)

で、ここで突然質問です。この靴に使われている革は何でしょうか。


答えは、ステア(牛革)で、鏡面仕上げがされています。靴はリーガルの永遠の定番2504。

以前書きましたが、私の好きな靴の一つです。

雑誌の激賞する「これぞ一生ものの革靴の至高の一足」や「復活した名門の英国靴」も素敵です。そうした靴を買うためにお仕事を頑張ってきた方も多いでしょう。ただ、日本には勝るとも劣らない名靴が存在します。昭和から平成に至るまで、全く形を変えず私達の足を支え続けてきた一足。REGAL 2504NAです。その魅力を暑く語ります。

続いて、こちらのベルト。私の愛用品の一つですが、こちらの革は何でしょうか。

あえてベルト穴近辺を撮りました。答えは、コードバン。馬のお尻の革ですね。

さて、この二つ。勿論写真では分かりにくいとは思いますが、パッと見て、違いが分かりますか?

巷で人気のコードバンとガラス革(牛革)は、どちらも艶が出ていると余程の革好きか職人でもない限り分かりません。

もちろん世の中には数多くの「コードバン」が存在します。水染めから顔料染め、また日本製やアメリカ製等々様々です。一般的に日本で人気、というよりも雑誌で大絶賛のホーウィン社製のコードバンは米国製。ALDENやCrockett & Jones、またそれらに製造を委託しているラルフローレンなどでもよく用いられます。これは比較的コードバンとわかりやすい種類かもしれません。ただ、これらは店頭で見るとそれほど艶が出ていない場合もあるので、むしろコードバンだと分からないこともあります。

先ほどのラルフローレンの話を上げた後、ふと思い立ち、このタッセルローファーの靴磨きをしました。 私がラルフローレンの靴を結構好きな理由。 靴を磨くのは、気分転換になって良いです。特に何かに行き詰まっ...

また、先ほど挙げた写真のベルトもホーウィンではないけれど、コードバンです。そして、もしかしたら、コードバンといえば、革にそんなに興味のない方、ご年配の方、コードバンに興味がない方にとっては、最初の2504のステアの鏡面仕上げのほうが、コードバンだと思うかもしれません。

私が以前店頭に立っていた頃に、多くのお客さんから言われたこと。

また、同じ牛革でも、落ち着いた雰囲気の所謂高級靴の表面の、艶を抑えたものよりも、2504のような、テカテカの鏡面仕上げ(ガラス仕上げ、ガラス革)のほうが、高い革なんでしょ?と言われたこともよくありました。ツヤツヤでピカピカに光っている革は、全てコードバンだと思っている人も実際結構いらっしゃいます。

実際、コードバンでも表面が樹脂でコーティングして磨かれた(ガラス仕上げ)テカテカのもののほうがウケが良いので、そうした事情もあって、多くのコードバンではこのベルトのようなツルツルなものが多いのかもしれないですね。

一方で、靴好き(マニア)の中では、ガラス革は安物靴の定番といったイメージがあり、敬遠されます。で、革質ガー、といった話は、そうした人たちの大好きなネタの一つです。

じゃあ、ガラス仕上げ(鏡面仕上げ)って、ダメなのでしょうか。

そもそも革質が良いか悪いか、なんて、分かりますか?

私は、まだここでは出していませんが、銀座ヨシノヤの九分、九分半の靴を愛用しています。そして、カールフロイデンベルグを超える幻の革(よく使われる表現ではありますが)と噂の、カールロッシュ製の革を使ったものを、黒、茶と合わせて何足か持っています。勿論カールフロイデンベルグ製のものも。けれど…

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正直自己満足の世界です。

実際、綺麗ですよ。きめも細かくて、美しいなぁ、と思います。でも、カールロッシュだと分かっているから、そう思い込んでいるだけかもしれません。それに、ではこの革を使った、小笠原製靴製のこのヨシノヤの九分半の靴が、誰にとっても良い靴で良い革かといえば、それは違います。

こんな靴、毎日タフに履いて、お手入れもろくにしない人の足にかかったら、一ヶ月持たないでボロボロかもしれません。その人にとっては、こんな柔な靴は使えないと思います。そもそもそういう美しさ自体求められていないでしょう。

けれど、そういう「タフさを求める人」にとっては冒頭の2504は、足の形に合えば最強です。ガラス革の本領発揮です。ちょっとくらいの雨や汚れなんて、表面で弾いてしまいますから。そして、ちょっとした傷なんて、付かないか、付いても気になりません。汚れたら硬く絞ったタオルか雑巾で拭えばいいですし、靴墨(敢えて靴墨)使えばピッカピカです。そしてピッカピカなら、普通の人には高そうな靴に見えます。言うことなしです。

そんな人にとっては、濡れると水膨れっぽくなりやすいコードバンなんて、良い革でもなんでもないわけです。コードバンよりも、ツヤツヤのガラス革のほうが良い革です。何より、タフ。

実際、最近急速にファッションブランド化してきている、英国靴の名門Church’sには、昔からこの革を使った名作がある。そう、シャノンです。

この靴なんて、一時期日本では10万越えてましたが、それでもこの靴に使われているポリッシュドバインダーカーフは受け入れられているし、実際用途と靴のイメージを考えれば、この靴はこの革が正解だと思うのです。

雑誌や靴好きの言葉に惑わされず、自分にとっての「良い革」が何かを考えてみてください。

いつの間にか革論に脱線していましたが、鏡面仕上げの革に注目してみても、こんなに評価が分かれて、印象も変わります。同様にコードバン一つとっても、これだけイメージに違いがあるし、好き嫌いも分かれる面白さがあるんです。

なので、ガラス革だからといって、履く前から敬遠したり嫌ったりしないでほしいな、と思っています。またコードバンだからといって盲目的に良いと思わずに、また外野の尤もらしい革質評価に左右されずに、自分の用途に合わせて、自分の用途を思い浮かべて、選んで欲しいなぁ、と思っています。

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この文章をきっかけに、より多くの方にとって「革靴って痛いと思っていたけれど、ちゃんと選べば意外と快適なんだな」「靴磨き(お手入れ)って何も特別なものじゃなくて、毎日の歯磨きや洗顔のような日常なんだな」と感じて頂き、より革靴を身近なモノに感じてもらえたら、と願っています。

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「靴ブラシで歩き方が変わる。」

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「靴磨き」というと、革靴が好きな方が休日に趣味の一つとして時々気合いを入れて磨くモノだと思われがちです。けれど、私は実際には「靴磨き」と「靴のお手入れ」は別のものだと考えています。

革靴が趣味でない方は靴磨きは必要ありません。ただ、帰宅したら「毎日」、その日履いた靴を「1分間」、靴ブラシで埃を落して布や磨き用のグローブでから拭きしてあげてください。それが本書で伝えたい「毎日のお手入れ」です。毎日の歯磨きや洗顔と同じです。靴に余計なケアは不要です。けれど最低限のケアは必要です。

多くの方にとって「靴磨き(お手入れ)って何も特別なものじゃなくて、毎日の歯磨きや洗顔のような日常なんだな」と感じて頂き、より革靴を身近なモノに感じてもらえたら、と願っています。

「アカウントを持って街へ出よう Chromebookとの365日」

続いて、「Chromebook」に関する文章を一冊の本にまとめました。

Chromebookはまだまだ日本では馴染みが薄いですが、Googleが開発したOSであるChrome OSを搭載したPCです。

海外では特に米国の教育市場を中心に急速にシェアを伸ばしてきています。日本ではAppleやMicrosoftが教育市場向けのモデルを出すと、一般的に「iPad対抗」「Surface対抗」といった感じで一騎打ちのようなイメージを持たれがちですが、実際には海外では低価格で半分以上のシェアを獲得している「Chromebook(Google)対抗」を想定した三つ巴の状態となっています。

本書ではこのOSの特長でもあり魅力でもある、

Googleアカウントのみでどこでも身軽に移動、作業が出来るスタイルの提案であり、Chromebookはあくまでそれを実現するための仮の入れ物の内の一つ

という点をベースに、私が感じる魅力について暑苦しく書き綴っています。

是非あなたのスマートフォンやタブレット、Kindle端末などに入れて持ち歩き、気が向いた時に読み返して欲しいな、と思っています。