ASUS JAPAN様からご招待いただき、3泊4日で台北市で開かれておりますCOMPUTEX TAIPEI 2016と、その前日に行われたASUSの新作発表会(Zenvolution)、ASUS本社の見学も兼ねたツアーに参加してきました。
滞在中は敢えて久しぶりの海外旅行に際して感じたことを中心に、台北や旅の魅力などについて書いてきました。
新作発表会は、最後のサプライズ、「Zenbo」に話題をさらわれてしまった気もしますが、
しっかりZenFone 3も注目されているようです。既にスペックの詳細は当日リアルタイムで配信されていますし、それから数日、様々な感想や反応も出てきていると思います。
そろそろ興奮も少し落ち着いてきた頃かと思いますので、(私自身も少し冷静になってきていると思うので)改めて写真を交えながら、感じたことをまとめていきたいと思います。
様々な新作の中から、今回はスマートフォン、ZenFone 3シリーズをご報告。
まずは3モデルそれぞれのスペックをカタログより抜粋して並べてみます。
あくまでGlobal版のスペックであり、日本で発売される場合にはどういったスペックになるかはまだ分かりませんが、ひとまず並べてみました。カメラの性能などあまり詳しくない(関心のない)部分に関しては省いてありますので、それぞれの詳細は各商品ページ(Model Nameよりリンクを貼ってあります)からASUSのGlobalサイト等をご覧下さい。(今回挙げたスペックは会場にて配布された商品パンフレットより抜粋。)
Model Name | ZenFone 3(ZE552KL) | ZenFone 3 Deluxe(ZS570KL) | ZenFone 3 Ultra(ZU680KL) |
Display | 5.5″ FHD Super IPS+ (2.5D Corning Gorilla Glass) | 5.7″ FHD AMOLED (Corning Gorilla Glass 4) | 6.8″ FHD IPS (Corning Gorilla Glass 4) |
CPU | Snapdragon 625 2.0Ghz | Snapdragon 820 | Snapdragon 652 1.8Ghz |
Memory (RAM) | Up to 4GB | Up to 6GB | Up to 4GB |
Memory (ROM) | Up to 64GB | Up to 256GB with UFS 2.0 | Up to 128GB |
Wireless | 802.11ac(CAT 6 LTE 300/50Mbps) | 802.11ac(CAT 13 LTE 600/150Mbps),3CA | 802.11ac(CAT 6 LTE 300/50Mbps) |
Connectivity | Type C USB | Type C USB 3.0 | Type C USB (Supports HDMI DisplayPort Over Type C) |
Finger Security print sensor | Rear | Rear | Front |
SIM card & SD Slot | Slot1:Micro / Slot2:Nano(or Micro SD) | Slot1:Micro / Slot2:Nano(or Micro SD) | Slot1:Micro / Slot2:Nano(or Micro SD) |
Battery | 3000 mAh | 3000 mAh with Quick Charge 3.0 | 4600 mAh with Quick Charge 3.0 |
Price | $249 〜 | $499 〜 | $479 〜 |
この中から、今回は「世界初のアンテナが外から見えないフルメタルのボディ(The world’s first full metal body smartphone with invisible antenna design)」を採用し、いろいろな面で世界初が詰まったDeluxeとUltraについて写真付きで気になる部分等を挙げてみたいと思います。
ZenFone 3 Deluxe(ZS570KL)
ZenFone 3 Deluxe。今までASUSの性能怪獣といえばIntel CPU搭載でしたが、今回はQualcommのSnapdragonを採用してきました。Intelが突然撤退しちゃいましたからね。あの正月のZoomの国内発表の時にIntelの大きいお姉さんがASUSとIntelの絆の深さを熱く語ったのは何だったのか、と言いたいくらいのIntelのあっさり感です。
様々な部分で性能怪獣。Snapdragon 820、6GB RAM、256GB ROMなど。
しっかりお馴染み「性能怪獣」しているのが、RAMに最大で6GBを積んできたこと。ZenFone 2登場時の4GBでさえ、「無駄じゃない?」などと言われましたが、実際に使ってみると4GBは十分に便利です。一度使うと2GBが少なく感じてしまいます。
今回も恐らく6GBなんて要るの?という意見はあるとは思いますが、そうした未開拓の分野に挑戦しようとする意欲は素晴らしいと思います。人間の「もっともっと」には際限がありません。あればあるだけ良い、というのはある意味真実。その中で自分の中で意識して「自分なりのこれで充分」なさじ加減を見つけるのが大切なんだと思います。
また、ストレージは最大で256GB。私はZoomの128GBでも半分以上あまりましたので、果たしてどうやって使うのか想像も付きませんが、そこに今回DeluxeのみUFS 2.0が付いてます。よく分かりませんが、転送速度が10倍速いそうです。
今までのMicroUSBからType C USB 3.0に変わって転送速度も10倍(10倍がお好き)速くなっていたり、地域が限られてはいるもののCat 13のLTEに対応していたり。充電もQuick Charge 3.0に対応です。
表面上のスペックだけでこれだけてんこ盛りですが、バッテリーが3000mAhというのが今までのZenFoneの性能怪獣を考えてみると少々気になるところ。私にとってはMaxの5000mAhに慣れてしまって、現性能怪獣のZoomを使わずMaxを使っていることもあるので、ワクワクはするものの少々気になるところです。
会場では盛んに指紋を拭きとっていたのが若干気になる点。あとは全体の雰囲気。
もちろん会場内はみなさん撮影が目的ですので多少の指紋も許せないとは思いますが、少し触れるたびに皆さん指紋を念入りに拭きとっていたのが印象的でした。
実際に写真に撮ってみても、実際に手にとっても、明るい証明の下というのもあるでしょうが、指紋ベッタリです。こうしたフルメタルのデザインのモデルは液晶面含めいろいろな部分の指紋の付き方によって印象がガラリと変わってきてしまいます。この点は若干気になる部分です。
今回のモデルは3つとも、SIMスロットはSlot 2がMicroSDと共有。
まぁDeluxeで256GBもストレージがあれば、MicroSDメモリを別途必要とすることもないかもしれませんが、人によっては気になる部分。ただ、ZoomではシングルSIMだったのが、今回デュアルSIMに戻ったのは個人的には嬉しいです。今回の台北滞在でもSIMを抜かなくても良いというのは大したことはないように見えて思った以上に便利でしたので。
ただ、これは好みはあるとは思いますが、抜き差しにiPhoneなどと同様、ピンが必要なのは悩ましいところです。今回、ピン持っていくの忘れまして、台北でiPhone SEに台湾大哥大のSIMを入れようとして一瞬困りました。(カウンターで借りましたが。)
iPhoneの場合はSIMは一枚しか使えないので、また日本に戻ってきた時に挿し替えなければいけなかったのですが、ピンがないのでその都度借りる羽目に。これは私の準備不足が悪いのですが、海外に行く際にはこれが若干気になる点です。(デュアルSIMですし、そこまで頻繁に挿し替えることはないでしょうが。)
ZenFone 3 Ultra(ZU680KL)
続いてUltra。大きいですね。6.8インチ。でもスマートウォッチとか併用するのであればこれは意外と便利かもしれません。着信や受信はスマートウォッチで気づくのでそのたびに端末を取り出して操作する必要はありませんし、基本鞄の中に入れておくのであれば、画面の広さは強みになります。
基本的にスペックとしてはDeluxeと無印3の中間辺りのモデルですが、基本的には充分でしょう。今回のZenFone 3のスペック自体が充分に上がっているので、よほど求めないかぎり不便は感じないと思うので。
ホームボタンが物理キーで、指紋認証も兼ねている。
ZenFone 3、ZenFone 3 Deluxeは指紋認証が背面(Rear)ですが、このUltraのみ前面(Front)です。恐らくこのホームボタンが兼ねているはず。
サイズが大きくなる分、女性でも操作に不便を感じないようにボリュームボタンが背面にきていたりと、他の2モデルと配置が変わっています。
大きくなる分、これが吉と出るか凶と出るかはまだ分かりませんが、気になる点としてはこの辺りでしょうか。
バッテリーは4600mAh。「Power Bank Mode for 3X Faster Reverse Charging」も。
バッテリー容量は4600mAhと若干多め。Quick Charge 3.0サポートですが、もう一つ。「Power Bank Mode for 3X Faster Reverse Charging」表記があります。これ、Maxと同じような使い方が出来る、ということなんでしょうか。ちょっと気になってはいます。
Type C USBは世界初のHDMI DisplayPort over Type Cサポート。
こちらもさりげなくスペックシートに記述があったので気付かなかったのですが、Type C USBに関しては、「世界初のHDMI DisplayPort over Type Cをサポート」しているようです。
この大きさになると、通常のスマホとは違った用途も想定されるので、また通常のスマホとは違った使い方が出来るのかな、と思っています。
最近力が入っている純正アクセサリ。今回も様々なカバーを展開か。
さり気なく展示されていたお馴染み純正アクセサリ。今回も純正カバーはしっかりありました。
View Flip CoverはZenFone 3、Deluxeで展開。
まずはお馴染み「View Flip Cover」。ZenFone 3、Deluxeに複数色展開されていました。
こちら、Deluxe用のカバーですが、表面の質感も悪くなさそうです。先日購入したMax用のView Flip Caseも仕上げの上がったMaxの雰囲気を損ねない、良質の純正カバーでしたので、今回も基本的なスペックだけでなくデザイン面にもこだわったZenFone 3に合わせて作られる純正ケースは期待して良いのではないか、と思っています。
ただ、こうした綺麗なオレンジなどは日本で展開されるかはまた別ですね。
ZenFone 3にはカラバリ豊富で若干カジュアル寄りな「Aqua Flip Cover」も。
初めて聞く名前ですが、色が豊富でView Flipに比べると若干カジュアルな印象かな、と思います。ガラス張りのケースの中に展示されていたので、それぞれ実際に手に取れないので詳しいことがわからず残念です。
こちらはCOMPUTEX TAIPEI 2016のASUSブースにて。折角だったのでこの辺りのカバーについても聞いてくれば良かったかな、と今更ながら。
Ultraには前面に丸窓のない「Folio Cover」を展開か。
Ultraは前面に丸窓のないタイプのカバーが展示されていました。Folioということで、ZenFone Go同様、スタンドになるタイプだと思われます。ただ、個人的にはせっかくならZenPadで採用されたような、別売りのAudio CoverやPower Caseみたいなものをまた作って欲しいなぁ、と思います。あれ、ZenPadだけで消えてしまうのは本当にもったいないと思うので。
Ultra自体が既にサウンド性能が上がっているから要らない、ということなのかもしれませんが。
製品化の可能性は薄いかな、と思いますが「Artisan Series」も展示。
今回のZenvolution(プレス向けのComputex開催前日の新製品発表イベント)でもデザイン部門の女性が壇上に登っていましたが、デザインにも最近は大変力を入れていることもあり、その過程でこうしたArtisan Seriesのようなものを生んでいく過程があるのかな、と思います。
製品化は難しいかもしれませんが、何かしらの形でこれらの開発が今回の3や次のモデルへと活かされているのかな、と感じています。実はZoomの発表会でもそうでしたが、私は基本的にスペックよりもむしろこうした外装やデザイン的な部分のほうが興味があったりします。
発売時期、そして日本での発表時期はまだ未定ですが、期待して待ちたいと思います。
まだ発表の段階ですので、これから各国の発売時期が決まり、更に日本での発表がいつになるか、まだまだ時間は掛かりそうです。
ただ、日本にも力を入れているASUSのことですから恐らく3モデルとも出てくることでしょう。
今回は詳しくは触れませんでしたが、私の中では実は今回のモデルの一番の売りは「カメラのシャッター音がシステム音量と連動して調節できる(大きくしたり、小さくしたり)」という点です。
これは今までの世界標準版の「シャッター音のオンとオフの切り替え」だけではなく、シャッター音のボリュームも別途調整できる、ということです。シャッター音をオフにするわけではないので、「右に倣え」の日本市場でもこれは充分にそのまま反映される可能性が高いと思います。
今までASUSのスマートフォンは正直カメラに関してはレンズや性能にこだわっている割には肝心のシャッター音などに全く無関心、無頓着でいたのではないか、と思われるほど、全く力を入れてきていませんでした。
ところが、日本をはじめとしてユーザーからの多くのフィードバックの中で、ようやく音に関してもだいぶ意識を払うようになってきた、ということかな、と感じます。
「ZenFone Zoomのシャッター音のボリュームダウン」など日本モデルでも音を意識しはじめている。
最近での分かりやすい例として、ZenFone Zoom(ZX551ML)における「シャッター音のボリュームダウン」が挙げられます。ZenFone Zoomは光学3倍ズームを含めたカメラ性能が一つの売りであるにも関わらず、シャッター音に関しては全く考えていなかったようで(標準ではオンオフが出来るので、そこまで音に気を払わなかったのかもしれません)、日本版でも特に気にせずそのまま「オンオフ機能のみ不可」にした状態で発売されました。
ところが(当然と言えば当然ですが)特に日本のZoomユーザーから強い反応がありました。カメラに拘る方たちが多かったのも大きいのでしょう。私も以前ブログでZoomのシャッター音については書いています。そうした声や、ZenFanからのフィードバックをもとに、後日システムアップデートでシャッター音のボリュームダウンを既に行っています。無音化の対応に関しても声が大きいことは確かで、ASUS JAPAN社内でも議題には毎回上がっているようで、引き続き協議中とのこと。
この辺りについては今確認している部分もありますので改めて文章にしたいと思いますが、実際の動きとして少しずつこれから日本国内でも変化が出てきそうな予感もあります。期待して待ちたいと思っています。