震災の直後、熱に浮かされたように防災グッズ、非常袋などを調べ、ブログでも毎日のようにその様子をアップしました。あれから三年。まだ震災の街は復興したとは言い難く、知人も今も現地に入っています。
ここ最近は「美味しんぼ」騒ぎで、ネットでは一部で非常に白熱した議論が交わされているけれど、一歩街に出ると、街中は至って静かで、すっかり日常。話題はサッカー日本代表か、という空気。
それはそれで、日々を精一杯生きるためには仕方なく、またそれで良いのかもしれません。また、大半の人が無関心でいてくれなければ、そもそも国というものは成り立たないのかもしれません。
そんなことを日々ボンヤリ思いながら先ほど何気無く部屋にかかっているこいつを見る。
緊急地震速報が発令されると、その特殊なシグナルを受け取って、その時だけオンになり、緊急地震速報を流す。中央のセットボタンを押すと、また静かになり、監視中に戻る。
ただそれだけのことなのだけれど、この三年間、忠実に、真面目にその役割だけを果たしてくれています。
勿論外にいれば聴こえないし、今ならスマホやパソコンでも同じようなものは当たり前のようにあります。
けれど、スマホやパソコンはそれ以外の時も触れ、使うので、その存在や便利さはいつでも感じることができる。
この据え置き型のラジオは、普段はあることすら忘れてしまう。
でもこれは監視中に電池を蓄えているので、いざ揺れて停電になっても動き続けるのです。ただ一つ、持ち主に大切な情報を知らせるためだけに。
NHKにセットしているので、全く離れた九州や沖縄、北海道が震源でも、全国区のNHKならではで、突然オンになって驚かせてくれるところも愛嬌。
私はこういう、ただ一つの機能に絞った、ちょっと不器用だけれど、その分無駄がないことが美しさを生む作品が好きです。
今の時代、一芸に秀でただけでは、この移り変わりの激しい日々では生きていけないのかもしれません。
けれど、それでも、例えば書くことであったり、聞くこと、読むことであったり、考えること、知ることといった基本は、いつの時代も変わらないと思うのです。
そして、そういう時、こんな相棒、同居人が一番頼りになるのかもしれません。
そんなことを考えながら、また一日何事もなく過ごせたことを感謝して、眠りにつきます。
追記:2014年11月28日 0:35 更新
先日深夜の長野県の震度6弱の地震の際にもしっかり動いてくれました。スマホアプリとは違った安心感があります。
[0363-201411] 昨夜の地震時の佐久市長のツイートから、改めて佐久に興味を持ちました。