私、つくづく日本で暮らしていて良かったと思います。この国はあまりに地味に当たり前にその辺にありすぎて、有り難みも何も感じてもらえずに長く続いている名品がたくさんあります。そしてそれらのお陰で日々の生活も仕事も助けてもらっています。
海外に持って行くと喜ばれるモノといえばG-SHOCKとボールペン、と言われた時期がありました。ボールペンなんて嵩張らないし、けれど友情の印として交換したりお礼にあげるととても喜んでくれるんです。掠れず途切れず字が書けるボールペンは奇跡です。
日本の製品って素晴らしいですよ。
このブログでは意識してそうしている訳ではないつもりなのですが、革靴も、腕時計も、気が付けば国内メーカーのものばかりになっています。
けれど一般的にはあまり知られていなかったり、興味を持たれなかったり。履く前、使う前から候補から外されてしまう。
勿体無いですよ。うん、勿体無い。
それは文房具、筆記具にも当てはまります。文房具、とくくるとまさに大人のおもちゃ箱状態の、毎日がエブリデイ状態の、お祭り状態になってしまう魅力的な商品ばかりなので、ここでは私が愛用している筆記具を中心に改めて振り返ってみたいと思います。
無駄なようでいて、実は結構便利だよね。トンボ ZOOM 505
一見するとただのシャープペン。でもキャップが付いていると逆にシャープペンだと思わないと思う。そんなトンボ鉛筆のZOOM 505。
私、結構好きです。シャープペンって時々必要な時があるのだけれど、変に安っぽいものか、高級筆記具になってしまう。
そんな中で大人が持っていてもそれなりに様になる。そして何となく使うことが楽しくなる。そんな一本です。
私、ボールペンなら油性よりも水性が好き。理由はキャップが付いていて、万年筆に雰囲気が似ているから。書くぞ、と思った時にいちいちキャップを取り外さなければいけないのが面倒、という意見は確かにその通りなのですが、見た目が好きなんですね。ツール、といった雰囲気で。そして、芯先が出てないから、芯が出ていても安心です。
こういうものって日本固有のものでは決して無いと思うのだけれど、それをしっかり作れるとなると日本メーカーはやはり安心です。いいもの作ります。そして普通に転がってる。文房具天国ですから、日本。
私自身シャープペンを使う機会は先ほど挙げたようにほとんど無いのですが、何故かペンケースにはいつも入っています。
こんな物まで出ていたとは知りませんでした。水性ボールペンだけれど、ちょっと欲しいかも。
2年前に出ましたが、ZOOMも付いていて、当時グラグラ来ました。なかなか良いムック本だと思います。
あまりに「らしい」けれど、これって凄いキャップレス。
もうこのブログでは散々取り上げている万年筆。パイロットのキャップレス。異端のようでいて、1963年に生まれたという定番中の定番。名品です。
この発想が素晴らしいですよね。そしてそれを「あったら便利だなぁ」からしっかりと形にして製品化出来るのが日本を代表するメーカーでもあるパイロットの強さです。
私は基本的にほぼ万年筆です。といっても本数が多いわけではないのだけれど、上のZOOM 505で書いたように、きちんと居住まいを正して書きたい時ばかりではありません。何せ日常のツールなので。どこでも書きたい。そして、このどこでも書ける、ということが、万年筆をより近づけてくれます。
人って一つの行為が増えるだけで面倒になっちゃうんです。靴のお手入れ一つ取っても、クリームが無い、ウェスが無い、となって買いに行く、探す、という行為が増えてしまうだけで「またでいいか」になってしまう。そして結局やらなくなってしまう。
キャップレスは日本だけでなく、いやむしろ海外で非常に評価されている万年筆。別に海外で評価されているから素晴らしいわけではなく、外から見ても素晴らしいのに、何で日本にいると知らない、気付かないんだろう、というものの一つだと思うのです。
これはもう、四の五の言わずにまずは使ってみて欲しい名作です。
[文房具] 私の「書く」はほぼ万年筆です。パイロットキャップレスは「書く」という行為をぐっと身近にしてくれる道具です。
最近はほぼこればかり。妻も愛用している測量野帳。
もう今更何を書く、というくらいの定番となってしまった測量野帳。何が素晴らしいってその安さ。いや、ごめんなさい。でもそれくらいこのインパクトは強い。
勿論日本のノートはみな素晴らしいのですが、測量野帳がなぜ特に安いと思えるのか。これ、使ってみると分かる使い勝手の良さなんですね。はい、さっぱりわからないですね。
[かぶ] iPhone6 plusと測量野帳2冊、キャップレス万年筆2本が最近の基本セットです。
手頃な大きさ。万年筆がにじまない。180度以上開く使い勝手の良さ。立っても書ける。もう幾らでも挙げられそうですが、そうしたことひっくるめて、とりあえず何かもう、プロの道具、って感じしません?あ、結局イメージかよ、って?その通りです。
でもね、私、これもう昨年からどれくらい使ってるんだろう?まだまだ若造なので20冊超えるくらいと少ないですが、私の思いついたことはまずこの測量野帳にキャップレスで書かれます。その上で、能率手帳やほぼ日手帳に必要に応じて写されます。
だからどこでも持ち歩く。この時のキャップレスとの相性は抜群です。
HZK測量野帳カバーのおかげで満足感も増していますから。大分雰囲気も出てきましたし、これからも私にとって欠かせない一冊(実際持ち歩くのは二冊)になると思います。
[0532-201501] 半月後のHZK測量野帳2冊用カバー。LEVEL BOOKが加わり、ますます使用頻度が増えました。
https://lifestyleimage.jp/?p=3912
日本固有の文化や商慣行の中から生まれた能率手帳。
もうこれも今更挙げるまでもない手帳です。決してレイアウトが私の日々の生活に合っているとは思わないのですが、既に6年目に入っています。
手帳なんて、気合入れて選んでも無駄です。一年使えません。そう書いた気持ちに嘘偽りはありません。ホントそう思います。
[0377-201412] 12月1日は手帳の日。あなたが選ぶ手帳は恐らく一年間使えません。
https://lifestyleimage.jp/?p=3086
ではそれでも使い続けてしまう理由は何なのか。きっと理屈じゃないんだと思います。私もよく分からない。一時的に書くことから離れることはあっても、また戻ってきてしまうのは、安心感や思い入れや、なんかそうした感覚の問題かもしれません。
能率手帳は、欧米の筆記具を単純にまねしたものではありません。日本固有の文化や商慣行の中から生まれた道具。日本人の日本人による日本人のための手帳なのです。
まぁ、この本の影響も大きいんでしょうが。これ読んでやられちゃった人も多いですしね。
でもやられるにはやられるだけの魅力が無ければ無理です。
日本で生活するなら、日本製を使わないと勿体無い。
こういうことを書くとナショナリズムだなんだと叩く人が出てくるのですが、まったく正反対。海外のブランドをブランドネームだけでありがたがって使うだけでなく、日本メーカーの商品を「センスがない」「カッコ悪い」と使いも見もせずに切り捨てるほうが余程差別的です。
そういうことではなくて、もったいないでしょ。折角日本にいるんですから。海外からワザワザ飛行機や船使って運ばなくて良いんですよ。まぁ海外生産していれば運んではいるのですが。
身近にこれだけ真面目に堅実に作られている製品があるのに、そして如何にも「らしい」細かさや「よくそんなところ気がついたね」というような部分にまで時間かけて作られ、そして地味に続いている名品がたくさんあるんです。
[日用品] 私が国内メーカーの商品が好きな理由 | Life Style Image
そして、日本にいる限り偽りない日本価格なんです。ワザワザ海外に直営店出してブランド価値高めて進出していく場合に上乗せ(それは仕方ないのですが)されるような価格ではないんです。
もし私が海外に暮らしていたら、その国のモノをなるべく買います。それが一番だからです。ワザワザ日本から取り寄せることはしないと思います。余程の必需品でない限り。
そうした意味でも、もっと国内で当たり前のように消費されている日本製品を、もっと意識して楽しんでいったほうが楽しいと思うのです。