既に国内においても購入者が少しずつ出ておりますが、私もようやく入手致しました。2016年後半から2017年前半にかけての注目モデルの一つ、ASUS Chromebook Flip C302CAです。
ASUS Chromebook Flip C302CA | Notebooks | ASUS Global
2月12日に発売が予定されているSamsung Chromebook Plusとで悩まれている方も多いのではないかと思います。現時点でSamsung Plusも予約済みですが、今回は一足先に手元に届いたこのC302CAについて、改めて書いてみたいと思います。
なお、今回は細かい使い勝手等には一切触れておりません。その理由についても文中にて触れたいと思います。
ASUS Chromebook Flip C302CA
今回は現時点で日本への直送に対応している米Amazonより入手しました。
1月も中旬に入り、少しずつ在庫状況も落ち着いてきたこともあるのか、先月に比べると比較的入手しやすくはなっているようです。現在米Amazonで選べるモデル(スペック)は下記のモデルのみ。
Model | ASUS Chromebook Flip C302CA |
CPU | Intel Core m3-6Y30 |
Memory | 4GB |
Display | 12.5″ (16:9) LED backlit FHD (1920×1080) 60Hz Glare Panel |
Storage | 64GB EMMC |
Interface | USB 3.1 Type-C x2 |
Dimensions / Weight | 304 x 210 x 13.7mm / 1.2kg |
Price | $499 |
価格と性能のバランスを考えると、Core m3という選択肢はChromebookにおいては十分ですし、RAM容量も現時点では不足は感じないと思います。ストレージも64GBと今後のGoogle Playストア対応を考えるとひとまず安心といったところでしょうか(MicroSDメモリを別途使えますので)
また、タッチスクリーン対応。IPSで解像度は最大2400×1350(「最良」設定は1920×1080)。コンバーチブルタイプでタブレットとしても使えます。
手元には既に愛用のCore m5、8GB RAMであるHP Chromebook 13 G1(13.3″)がありますが、ひとまず用途としては被らなそうな立ち位置にあるな、と感じます。その理由が、12.5″という絶妙なサイズバランス。本体の大きさ(304mm x 210mm x 13.7mm / 1.2kg)は昨年後半に発売されたAppleのMacbook Pro 13インチモデル(304mm x 212mm x 14.9mm / 1.37kg)と非常に近いです。重量も1.2kgで360度回転させてタブレットとしても使える(使おうと思えば)convertibleタイプとしてもこのサイズと重さはギリギリかな、と思います。
2017年1月下旬時点での出荷モデルでは見える部分に「技適マーク」は無し。
これが今回使い勝手に触れない理由です。文章という形で発信するうえでのあくまで私自身の「ささやかな」立場表明に過ぎませんので、この部分の関しては解釈を人に強いるものではありません。
実際、上記でも触れましたが外の見える部分に技適マークが印字されていない場合でも技適認証を通過している場合は多々あるためです。現時点で日本というとても狭く小さく旨味もない市場のためだけにわざわざ外側にコピーを印刷しよう、という部分にまで意識が向かないメーカーが多くても仕方がないのかな、とも思います。技適マーク自体は本来は端末全体で認証を通っているのが理想ではありますが、上記総合通信局に問い合わせた時点でも、「あくまでメーカーが技適マークのある通信モジュールを使っていて、日本での使用も問題ありませんということであれば、それで問題はない、という立場を取っています」と言われています。
実際マニュアルを見る限りではJATE(一般財団法人電気通信端末審査協会)には通してある旨の記載もありますし、違法な電波を発して他を妨害する可能性はほぼないとは思います。ただ、この文章作成時点ではまだASUSにも確認を取っていませんし、分解等も行っておりませんので、あくまで今回は使い勝手以外の部分のレビューをしたいと思います。
とはいえ、それでも世の中には「けしからん」と思う方もいらっしゃると思います。そうしたことを考える限り、Samsungにも日本市場では勝機があると思います。現時点で発売されていないPlus、Proにこれから短期間の間に見える場所に技適マークを印字するだけで(もちろん取得済みのうえで)、この強力なライバルでもあるASUS C302CAに圧勝できるからです。
11.6と13.3の良いとこ取り。12.5インチの魅力。
既に他サイトでも触れられていますが、この12.5インチという大きさは、持ち歩くのにも、また自宅で落ち着いて使う上でもバランスの取れたサイズ感だと思っています。
13.3″の中では、非常に薄く、また無駄のないHP Chromebook 13 G1と比べても一回り小さく感じます。
11.6″のC202SAと並べたところです。若干大きいかな、というくらい。ただ、このC202SA自体が耐衝撃、耐水性などに特化させてボリュームもあるモデルではあるので、単純な11.6″との比較にはならないかもしれませんが、こうして並べてみると11.6″に近い持ち運びやすさはあると感じます。
左下角で3モデルを合わせて重ねたところですが、奥行きに関してはどのモデルもそれほど大きな違いはないな、と感じました。むしろ11.6″のC202SAの外装が与える重厚なイメージのほうが大きく感じるくらいです。
11.6″に近い持ち運びやすさ(実際に私も13.3″のHP 13 G1では入れられなかったお気に入りの革鞄にこの12.5″のC302CAはジャストサイズで入った時にはとても嬉しくなりました。)、そして13.3″に近いことで、11.6″に比べるとフォントの見やすさや、より高解像度(Full HDなど)での使用も実用的になる、という良いとこ取りのバランスの良いサイズ感だな、と思います。
今回のモデルはconvertible、タブレットとしての利用も考えられている、と考えると、このサイズ感に落ち着いたのかもしれません。
キーボードは13.3″のHP Chromebook 13 G1に近い感覚です。
キーボードに関しては、私の手元のモデルの中では13.3″のHP Chromebook 13 G1に近い印象です。キーボードのバックライトも点灯させることができますし、キータッチも似ています。キーサイズも大きな違いはないかな、という印象です。
ただ、やはり若干サイズが小さくなっている分、細かい部分で「詰まっている感」があり、その辺りが多少キータッチに影響は出ているかもしれません。
この辺りはもちろん好みはありますが、サイズが小さくなる分、キーボードがより縁に近くなります。
うまく説明しづらいのですが、12.5″のC302CAの場合、右下の上下左右のキーが少し打ちづらいかな、と感じることがあります。HP Chromebook 13 G1のほうが少し縁周りに余裕がある分、その辺りの使い勝手の良さはあるかな、と思いました。
ちなみにタッチパッドは大きめ。HP Chromebook 13 G1よりも広いです。(写真の内側に枠があるように見えますが、これは最初滑りが悪いかな、とタッチパッド用のフィルムを貼ったからです。ちなみにこの小さめのフィルムは、Lenovo ThinkPad 13 Chromebook用に購入したものです。)
広いのはありがたいのですが、滑りと反応はまた今までのモデルと少し違う印象。手触りが違うんです。個人的にはHP CHromebook 13 G1やLenovo ThinkPad 13 Chromebookのほうが現時点では好みです。(これらのモデルより広いのはありがたいです。)
最近の傾向か、USB-Cが2つのみというシンプルさは好みの分かれるところ。
向かって右側面は奥からUSB-C、MicroSDスロット、スピーカーです。
左側面にもUSB-C、ボリュームキーと電源キー、ヘッドフォンマイクロフォン端子とスピーカー。電源とボリュームキーが側面にもあるのはありがたいですね(ボリューム操作はもちろん通常のキーボードからも行えます。)
USB-Cが2つ、それも左右にそれぞれ1つずつ付いているのはありがたいところ。HP Chromebook 13 G1も2つ付いてはいたものの、片側面にまとめて2つ付いていましたし、ThinkPad 13 Chromebookは左右に1つずつではあったものの、充電に関しては右側面側の端子を推奨でしたので、今回のC302CAのように左右で気にする必要がないのは、充電しながら、もしくは端子を使いながら作業する際には助かります。
USB 3.0端子がないのは悩ましいところですね。あとは外部出力端子。HDMIを使うことがまだ多いため、変換アダプターを使えば良いとはいえ、まだUSB-Cのみですべてをまかなうのは多少不便です。この辺りは最近のMacbookでも言われていることではありますので、過渡期ではあるのですが。
ただ、モバイルバッテリーで(低電力ではあるものの)充電が可能、という手軽さはありがたいところ。バッテリー自体はそれなりに持つようですが、ACアダプターを持ち歩かなくてよいのは助かります。
薄さと軽さ、手頃さとconvertibleタイプの利便性を考えると12.5″という大きさをも合わせて、個人的にはこの組み合わせは良かったのかもしれないな、とは思っています。
流石に$500近くなってくると、全体的な満足感も上がってきているなぁ、と感じます。
Chromebookといえば安さと手頃さが魅力の一つです。ただ、ある程度自分の中での使い方が定まってくると、例えば Core mのChromebookを一度使ってしまうと、その快適さに驚いたり、思った以上に可能性が広がることに気づきます。また、本体の仕上げであったり、キータッチなどの細かい使い勝手が単純なスペック以上に快適さ(心地よさ)に影響することも確かです。
キーボードもキータッチも安っぽさがないだけでなく、バランスも取れています。Macbookに似ていると言われれば否定はしませんが、こうした傾向は最近のラップトップPC全体に言えることかな、とも思います。その中で、このFlipは10.1″の前モデルの完全な後継ではないかもしれませんが、バランス良く、細かい部分で「惜しいな」と思っていた部分を品良く改善してきたかな、と感じました。
タブレット的な扱いをして持ち運ぶ頻度が増えるとなると、細かい傷が付いた時のことが若干気になりますが、こうしたモデルが$499で手に入るというのは、Chromebook好きとしてはとても嬉しいことです。
バランスの良さと将来性を考えると、是非日本での発売を期待したいモデルです。
良いモデル感が漂いすぎているだけに、現時点では使用感を書けないのが辛いのですが、ChromebookとCore mの相性の良さを既に感じている私としては、本当に推したいモデルの一つではあるんです。価格はするんですけどね。$499。日本円で諸々込で6万円超えるくらいでしょうか。
これが日本で正式に発売になって、日本語キーボード載せてくるとなると、恐らく7万だ8万だ、となってしまうので簡単に勧めにくい気もするのですが、既にChromebookやChromeOSに馴染んでいたり、抵抗がない方にとっては非常にバランスの取れたモデルだと思っています。
Samsung Chromebook Plus、Proとの比較やこのC302CAのCore m7モデル、更に$399のAcer R13も加えると、非常に選択肢の幅が広がります。
そうした点でも、多くの方にとっての懸念材料の一つでもある「技適マーク」について、何らかの方法(何も違法なことを考えている訳ではなく)を早く探したいと思います。
追記:2017年1月30日 22:30 更新
結局前回と同様の方法になりましたが、今回改めて関東総合通信局や技適認証の登録証明機関などを改めてあたり、最終的には開けるという直接的行動に出ましたが、今回の内容をもって、私の中では今後レビューを通常通り行っていきたいと思います。
技適マークについては法律ではあるものの曖昧な部分もあり、解釈に個人差があるのはわかっていますので、誤解している部分などのご指摘は大歓迎です。
追記:2017年9月16日 22:30 更新
個人的にも大変お気に入りのこのモデル、ASUS JAPANの頑張りにより、日本でも発売されました。
価格は個人輸入と比べれば確かに高くはなりますが、国際保証ではなく国内保証が付き、日本語キーボード+技適マークの問題もないこのモデルは、一度は試してみて欲しいモデルだと思っています。
このモデルが国内市場でも受け入れられるようになると、Chromebook界隈もまた一段と面白くなるのになぁ・・。