こんにちは。Life Style Image(@_LifeStyleImage)の鈴木章史(@SuzukiAkifumi)です。
私は今までこのブログで何度も甲高幅広や外反母趾について書いてきましたが、革靴好きのため、ちょっと一側面からしかモノを見ていなかったかもしれません。
今まで書いてきたことは、今も決して間違っている訳ではないと思っていますが、人間本来の歩き方というものを考慮に入れていませんでした。
今回は人間本来の歩き方と革靴含め靴を履いている時の歩き方の違いから、この辺りを考えてみたいと思います。
靴は踵で履いて歩きます。
ここ最近興味を持っているものがビブラムファイブフィンガーズです。この靴に興味を持ち調べていく中で、今まであまりに当たり前だったので考えたこともなかったことに気付きました。
[0356-201411] ふんどし、腹巻き、カーフタイツに五本指ソックス。vibram fivefingersも加えて私の通年の定番にしようかと。
人類にとっては「裸足」が本来最も自然であり、誕生からの歴史を考えれば靴を履き始めてまだ間もないということ。
靴は非常に便利です。それぞれに考えられた作りをしながら進化してきました。(革靴は機能性に劣ると思われていますが、足を「美しく見せる」という意味では非常に機能的だと思います。)
その中で変わってきたこと。それは、歩く時、走るときに「踵から着地するようになった」ことです。
ランニングを一例として取り上げてみましょう。
クッション性の優れたシューズを長年履き続けると、私たちの足は無意識にそのクッション性に頼った走り方、すなわち「かかと着地」をしてしまいます。
実はこの走り方、走りながらブレーキをかけてしまうことになり、また、膝が伸び切った状態で着地するため、膝に直接衝撃が伝わってしまいます。
私がこのブログで何度も書いてきたこと。それは、革靴は「踵で合わせて履く」ということ。革靴は踵に合わせた状態で、最大幅部分(ウィズ、日本風にはワイズ)やつま先の捨て寸が生きるように作られています。
そのため、革靴はスリッパのように、突っ込んで足の前半分で履こうとすると、その最大幅部分や捨て寸が殺されます。また、指先に負荷がかかり圧迫されるため、窮屈になったり、痛みを伴うようになります。
外反母趾の人や、実際にはそうではないのに甲高幅広だと勘違いしてしまう人は、この辺り(靴は踵に合わせて履いてから歩く)ちょっと意識するだけで意外と解消出来てしまうことがあります。
裸足の時は、つま先で歩きます。
けれど、先ほども触れましたが、本来人間はずっと裸足で生活してきました。日本人であれば、特に家では靴を脱ぎますので、今でも裸足でいることが多いと思います。
裸足(もしくはソックスを履いていたとしても)で生活する時間が長い。それは、「前足部」で着地する歩き方でいる時間が多いと言うこと。
だから日本人は指先含め足が発達しやすいので、全体的に甲高であったり幅広になりやすい。それが「日本人は甲高幅広」と言われ続けてきた理由の一つです。
一方、裸足で走ると、無意識に「前足部」(フォアフット)で着地するようになります。
すると、衝撃は足のアーチやアキレス腱、ふくらはぎで吸収されます。
また、地面の凹凸が足裏にダイレクトに伝わるため、バランスを崩す前に素早く反応し、ねんざを防ぐことができます。
さらには、筋肉や腱で吸収した衝撃のエネルギーを動くエネルギーに変えることができるので、効率のよい走りが身につきやすくなります。
革靴を履く機会が減って、靴の履き方歩き方を学ぶ機会が無くなった。
私たちは、基本的に靴の履き方や靴を履いた歩き方というのは習ったことはありません。自然にまわりを見たり、自分で試していく中で自分なりの履き方歩き方を何となく覚えて身につけてきたと思います。
だから、余程靴に興味がない限り、履き方や歩き方なんて考えたことないし、これからも考えることはないと思います。何かトラブルを抱えない限り。
ここ最近改めて思うのは、自然に身につけてきたことや、当たり前のことほど、間違っていることが多く、でいながらそれでも充分に生活出来てしまうので修正されることもないのだな、ということです。
甲高幅広で悩む人や、外反母趾で悩む人が靴を履くのを見ていて思うのは、靴の中に足をぐいぐい突っ込む人が結構多いと言うことです。
一つには靴紐を結ぶのが面倒なので、ほどかずに無理矢理足をねじ込むクセがついてしまっていることもあると思います。
今まではそれを「駄目」「違う」と頭ごなしに言い続けてきましたが(今もそれは良いとは思いませんが)、人類の歩き方を考えると、足のしくみを考えると、「指先」もしくは「前足部」のほうが元々発達しているし、動かしやすいのです。
意識出来るのは自然に「前足部」になる訳ですから、つま先に意識がいってしまうのは仕方ありません。
歩く時も、家の中やサンダル、スリッパでの歩き方と同じように、「前足部」に意識したまま歩いてしまう。意識がいっているから、圧迫感も感じやすい。人は意識した部分だけ痛みなどを感じるように出来ていますので。
裸足の時と同じ歩き方とはいいませんが、似たような歩き方を靴を履いている時にもしてしまうんですね。それは靴を履いた歩き方なのではなく、裸足の、本来の人間の歩き方なんです。
靴は当たり前過ぎて忘れていますが、使い方のある「道具」です。
革靴は踵が起点です。それは歩き方もそうですが、と言うよりも、「前足部」を起点にすると、よほど靴が合っていないと痛くて履けないんです。(逆に裸足で歩く時には踵から接地すると、恐らく痛くて歩けないと思います。)だから、靴、特に革靴は踵から合わせるように作られている。踵から合わせるように作られているので、きちんと紐を締めないとちゃんと履けません。
その代わり、つま先部分の捨て寸や、最大幅や甲周り含めた起伏を活かして美しい足に見せることが出来るようになりました。だから、革靴は、スーツ同様、外見のイメージから判断するとサイズ感、フィッティングを間違えてしまうのです。
女性のヒールのある靴の場合は踵から接地すると歩きにくいと思いますので、自然に前足部に重心がかかるようになっています。この辺りが女性に外反母趾やトラブルを抱える人が多かったり、女性と男性のサイズ表記やフィッティングの違いに出てくるのだと思います。
ですので、革靴が痛い、と感じている人は、より本来の人間らしい、ということですね。悪いことではないのです。
ただ、とはいえ現代社会で、都会で生活する限り、裸足で街中を歩くのは今の私たちでは危険です。足を様々な障害から守るために生まれたのが靴。足を助けてくれるのが靴。
そう考えると、靴というのは適当に履いて良いものではなくて、基本的なところでは火や、視力が悪い人にとってのメガネや、その他の人の生活を助けるモノと同じ「道具」なんです。
足さえ入れてしまえば履けてしまう、使えてしまうので特に気にすることもありませんが、本来はちゃんとした「使い方」があるんです。
スニーカーやハイテクシューズを普段履きすることが多くなったことで、この「痛み」というのを感じにくくなりました。クッションのおかげで、靴を履いて前足部で着地しても痛くない。より人間の裸足の歩き方に近くても問題がなかった。
その為、革靴を履いたときの歩き方に慣れないまま、大人になってしまい、そのまま何となく過ごしてしまう。革靴を履くことで、ますます足だけでなく、膝や腰、ひいては頭にまで不具合や不調を感じるようになった方も増えています。
今回ビブラムファイブフィンガーズに興味を持ったことで、改めて歩き方の違いに気付くことが出来ました。本来の人間の歩き方を意識して考えることで、靴というモノをもう一度捉え直してみる。
歩くというのは人間の基本的なもの。だからこそ、ちゃんと意識して考えてみる、調べてみる、調べてみることが大切だと思います。
このブログで書いていることが全て正しいと言うつもりはありませんが、何かを考えてみるきっかけになれば嬉しいです。
合わせて読んで頂けるとより理解が深まる投稿一覧です。
[0339-201410] 甲高幅広と外反母趾に見る、日本人とつま先の関係。
足や靴に関することは結構多く書いていますので、どれを上げるか難しいのですが、もっとも新しく書いたこの回を挙げました。
一応今までの投稿へのリンクも入れていますので、ここをベースに興味のある内容を選んで頂くのが良いと思います。
カテゴリとしてはこちらで全てまとめてあります。
「足」と「靴」に関する諸々 一覧 | Life Style Image
また、そんな足を常に守ってくれる(でいながら扱いを間違えると色々トラブルも起きる)靴については、皆さんとても無関心です。
とてもお洒落で綺麗な女性でも、足元の靴はボロボロ(高い安い、デザインが良い悪いではなく、汚い)な方がたくさんいます。
今までは靴が汚いのは男性が大半だと思っていたのですが、実際話してみると女性のほうがいい加減ですね。
ただそれは、お手入れの仕方が男性靴以上に何となく難しそうだったり面倒そうな印象があるからかな、とも思います。
[0338-201410] 台風19号上陸を前に、雨用の靴についての過去に書いた内容をまとめてみました。
こちらは雨の時の靴について書いたものですが、お手入れの方法についても後半触れています。私はお手入れと靴磨きは全くの別物と考えています。
私自身が男のため、写真その他が紳士靴がほとんどなので、紳士靴にしか使えないような印象を持たれてしまうかもしれませんが、「お手入れの仕方は男女共通」です。
道具2つと数分(いや、30秒)あればお手入れは出来ますし、それで全く見違えたようになりますので、合わせてご覧頂けると嬉しいです。