今年も間もなく新年度です。毎年この時期、当ブログでは新社会人になるあなたへ、革靴の選び方やその後のお手入れの仕方など基本的なことを色々書いています。
[0790-201505] 社会人として2回目の給料日で揃えて欲しい、3,000円で揃う靴のお手入れの基本的なグッズと考え方。
最近はネットでも黒靴、ストレートチップやプレーントゥなど、最初に選んで欲しい革靴についての記事はよく見かけるようになりました。私も基本的な姿勢は変わりません。
[0178-201404] 靴屋だった以前に靴好きの私が新社会人のあなたにそれでもストレートチップを二足目として薦める理由。
ただ、とりあえずそれらの名前を覚えて靴屋に再び(就活の時に訪れましたよね)訪れたとしても、店頭でたくさんの靴を前にして、迷ってしまうかもしれません。
「うちの職場は比較的服装緩いみたいだし、こんな堅そうな、冠婚葬祭や就活の時しか履かないような靴でなくても良いんじゃないか」
(後述しますが冠婚葬祭靴、就活靴というものは存在しません)
「もう黒靴は持っているし、折角だから少しお洒落な靴でもいいんじゃないか」
(かなりの確率で数年後、数十年後、思い出すだけでも恥ずかしい若気の至りの記憶になります)
そこで、今回は店頭で悩んだ時に仕事用の靴を選ぶ際のたった一つのポイントをお伝えしたいと思います。
「休日には絶対履けない(履きたくない)革靴を選びましょう。」
簡単です。これだけです。
結構多いのですが、二足目、三足目だし、と「折角だからちょっとドレスコードのあるようなお店に休日に食事に行く時にも履ける靴」とか「二次会やパーティーでも履ける靴」を選びたくなってしまうんです。
けれど、新社会人になる今の時点のあなたにはお薦め出来ません。無駄な買い物に終わります。
何故なら、あなたがそう思って買う革靴は、仕事には全く合わない革靴になるからです。そして、ちょっと上品なお店や二次会、パーティーでも恐らく中途半端に浮きます。
それでもまだ足数が少ないので、仕事で履かざるをえないんです。明らかに合いません。そして、ドレスコードだパーティーだで今その靴が本領発揮できる機会がどれだけありますか?
何故なら、革靴自体まだ履き慣れていないからです。それぞれの場面での革靴の合わせ方、まだ知りませんよね?
恐らく最初に選びたくなるのが「茶靴」。
はい、真っ先に除外して下さい。茶色だから休日にジャケット着た時にも履けそう?
ということは、仕事では向きません。少なくとも現時点では。
それなら仕事で履くことは一切諦めて、とにかく休みの日に履きたい靴という基準で選んで下さい。
よくお堅い仕事じゃないから=靴も崩さないといけない、と思ってしまう真面目な方がいるのですが、自己判断で崩さないほうが良いですよ。その崩れ方、基本が出来ていないのでお笑い芸人のコスチュームみたいになりますから。
勿論茶靴の中にも充分にビジネスにも通用するモノもあります。けれど、今まで黒靴しか履いてこなかったあなたが靴だけ茶色にしても、スーツと合わないんです。まして就活用、とか考えて選んだスーツです。休日ジャケットと隔たりがありすぎます。
もし選んだ靴が幸いにもビジネス向きだったとしても。
休日にも履ける靴だと思って選んだのに、実はビジネス向きだったというのは少々可哀想ですが。
ビジネス向きであればあるほど、休日のあなたの服装には合いません。時々完全ビジネス向けの黒のストレートチップやプレーントゥをサイズアップ、ロールアップしてすね毛出して履いている学生がいますが、あれは学生だから許されるんです。
ただ、ストレートチップやプレーントゥなら幸運です。仕事靴としてはベストですので。
革靴に「冠婚葬祭靴」や「就活靴」というものは存在しません。
日本が特殊なんです。スーツの歴史自体浅いのに、何故か「礼服」や「リクルートスーツ」なんて特異なものがあるくらいですから。
そもそも冠婚葬祭や就活で履く靴というのは、どういう状況、どういう意味があるのかを考えてみれば、ビジネスの最前線で働く人にとって、それこそまさに幾つになっても最適な靴であるはずなのですが、そうした思想や背景がすっぽり抜けてしまっている。
「冠婚葬祭」や「就活(リクルート)」といった表向きの言葉に惑わされて、何か特別な靴のように勘違いしてしまうんです。
二足目を選ぼうと思った時に最もやりがちなミス。それは
「就活用の靴しか持ってないから、仕事用の靴を買う」
という誤解です。革靴に「冠婚葬祭靴」や「就活靴」というものは存在しません。
先ほどたった一つのポイントとしてあげた言葉を覚えていますか?
先ほどたった一つのポイントとしてあげた言葉を覚えていますか?
「休日には絶対に履けない(履きたくない)革靴を選びましょう。」
これはつまり、店頭で見て、「うわ、葬式用だ」とか「就活用じゃん」と誤解して「こんなの履いたら恥ずかしいんじゃないか」「誰も履かないんじゃないか」と思ってしまう靴が本当は正解なんです。みんな同じことを考えて正しい靴を履かないので、分かりにくくなっていますが。
これだけで、お店でかなり靴が絞られると思います。あなたが恥ずかしいと思った靴が、数年後、数十年後に幾らお金をかけても、すぐには身につけることのできない「スタイル」としてあなたの財産になると思います。
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