[0353-201411] 「生命の美~医学系映画入門~ -第七回科学映画研究会」 DARWIN ROOM 10/31

[0353-201411] 「生命の美~医学系映画入門~ -第七回科学映画研究会」 DARWIN ROOM 10/31

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第七回の科学映画研究会がいつも通り下北沢のDARWIN ROOMで先月開催されました。今回のテーマが「医学」ということもあって、大変ありがたいことに妻をゲスト講師として呼んで頂きました。

過去の科学映画研究会はこちら

科学映画研究会@DARWIN ROOM

今回はお知らせが数日程度しかなかったこともあって、いつも参加する方程度の比較的こじんまりとした会でした。ここ最近、イベントは新たに出来た2階の大きなスペースで開催されるようになりました。

おかげでより多くの人が参加出来るようになったのですが、その分まだまだ試行錯誤の段階でどの程度が適正人数なのかもテスト状態。今回は席が車座で、また広いスペースにゆったりと座ることが出来たので、勿体ないくらいに非常に贅沢な回でした。

私は打ち合わせ段階から覗かせてもらっていましたが、2時間という限られた時間の中で何本映画を見て、トークを入れるのか。そのセレクトから流れまで、非常に興味深かったです。一回で終わるのが勿体ないくらいテーマが広範で深いので、是非来年以降も時々続編を企画してもらいたいなぁ、と思っています。

科学映像館と久米川正好さん

ここ最近の科学映画研究会に欠かせない貴重な映像を保管したサイトの一つが「科学映像館 NPO法人 Science Film Museum」です。

科学映像館 NPO法人 Science Film Museum

こちらを運営されているのが久米川正好さん。明海大学口腔解剖学の教授を務められた方。御年80歳。

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埋もれている生命科学映画を活用、保存するため、フィルムで撮影された映像をデジタル化してインターネット上で無料配信する科学映像館。制作会社の協力を得ながら映画の収集を進め、昨年四月に発足させた。

この記事が2008年の徳島新聞なので、その前年といえば2007年4月です。お会いした事はもちろんありませんが、精力的に活動されていますね。この科学映像館もほぼ1人で運営されているそうですし。

お陰で貴重な当時の資料映像を観ることが出来る訳です。Internetって凄い。このサイトは面白いです。リストの映画は全て無料で見ることが出来るのですが、興味のあるものを片っ端から観ていったら平気で何日も潰れます。

「THE BONE II(フルHDバージョン)」

1本目は「THE BONE II(フルHDバージョン)」1986年・122分。

THE BONE II(フルHD) | 科学映像館

#映像はSilverlightを使っているため、ブラウザがGoogle Chromeの方はSilverlightをインストールしてもそのままですと見られないようです。Internet ExplorerやFirefox、Safariを使うか、Chromeの場合はIE Tabなどのプラグインをインストールして下さい。

こちらは「骨粗しょう症財団」の支援によりHD化配信されているので、映像が綺麗です。

骨って、ただのカルシウムの塊ではなくて、中に血が流れているということ、知ってましたか?ごめんなさい。いつも偉そうなことを書いている私はそんなことすら知りませんでした。看護師の妻に訊いたら「えっ?当たり前のことじゃないの?」と言われましたが。

[0350-201411] 自分にとって当たり前のことこそ、伝える価値があると思う。

医者や看護師にとって当たり前なことが、当たり前ではない、ということに改めて気付きました。

CGではないことのリアル感

この映画はヨネプロダクションによって撮影されているのですが、こちらが顕微鏡を使った撮影の第一人者でもある元カメラマン、小林米作さんが立ち上げられたプロダクションです。

株式会社ヨネ・プロダクション

最近の映像はCG技術の発達で肉眼では見ることの出来ない世界を幾らでも見たり知ったりすることが出来るようになりました。けれど、この映像を見ていて改めて思ったのは、CG技術の発展が、かえって現実感、リアル感を失わせてしまっている部分も大きいのだな、ということです。

時々骨であることを忘れてしまう映像は非常に美しいです。とともに、こうした動きが常に私自身の身体の中でも起こっているのだと思うと、急に身体の熱というものに親近感が沸いてきます。あ、常にこうしたエネルギーが発生して、熱が生まれているんだな、といったことがリアルに感じられる気がする映像です。

製薬会社がスポンサー、海外の学会でも使えるように制作

こちらの企画は帝人医薬と藤沢薬品工業。海外の学会でも使えるように作られているようで、実際に映画祭でも受賞しているようです。唯一の難点はそのためか時々出てくる単語が難しくて、聞いただけでは頭の中ですぐに漢字に変換出来ない言葉もありました。けれど、決して難しい内容では無く、あっという間の21分だと思います。

ここで出てきた、清水浩之さんのYouTube映画リスト

第三回「原子力と映画」の際に清水浩之さんが作られ配布された映像リスト。

「科学映画ってなに? -第三回科学映画研究会-」 DARWIN ROOM 6/27

【NUKE AND CINEMA】 | YouTube

その後も修正が日々行われていますが、いつの間にやら「医学系映画入門!」リストも作られていたようです。

医学系映画入門! | YouTube

凄いですね。これだけの映像を見つけて来て、独自にリストにまとめられる、というのが清水さんの強さであり凄さです。これだけ情報が氾濫していると言われている現代で求められるのは、そうした雑多な情報の中から独自の視点で情報をまとめることの出来る力です。

前回の配布リストにはそれぞれの映像も含め、原子力と映画に関する時代背景も含めた考察とコメントも加えられています。これだけでかなり濃い一冊が書けてしまう気がするのですが、、どこかの出版社の方、見ていたら是非。

アイカム ICAM提供のデモ映像二本

その中からYouTubeではデモ映像が見られる、アイカム提供のこの二本。

ICAM 株式会社アイカム

こちらは本編はDVDで大きな書店で販売しているようです(上記リンクはAmazon)。ほぼ全編CGということで、この辺りが時代の流れを感じると共に、これからは顕微鏡撮影の映像は難しくなるのではないか、とのことでした。

CG映像及びDVDでの販売ということである程度安定して作り続けられること、そして教育や医療の現場(例えばリハビリなど)でも活かせるのではないか、など便利な部分も大きいと思います。

ただ、そんな中で、顕微鏡撮影でもCG撮影でもない、それ以外の何かが生まれて来たら面白いな、と感じてもいます。

人体機能の研究#4 ディスカバリーチャンネル

続いてテーマは受胎。一部で有名なディスカバリーチャンネルのこの映像。

日本人が同じことをやったら胡散臭い(かえって見てみたい気もしますが)ものも、海外物だと何となく見れてしまうのが面白いところ。ドラマチックに作るところは日本と海外のアプローチの違いなんでしょうね。映像をどう撮り、どう教育の現場で活用していくのか。メディアリテラシーも含めた興味深いテーマだと思います。

「受胎の神秘」

ふたたび科学映像館に戻って、「受胎の神秘」1958年・16分。

受胎の神秘 | 科学映像館

1958年当時、アクション映画とセットで劇場上映されたそうです。これがなかなか勉強になります。面白いです。ちょっと学校の授業っぽい映像ですが、かえって学校ではこれだけやらないのかな。

この種の映画で、学者の鑑賞にも耐え、指導者の参考にもなり、一般の人々にもプラスになって、学問的にも教育的にも”すぐれている”とされるものは、ほとんどない。

この「受胎の神秘」は、受胎を通して「生命」の神秘に触れようと、誠実と良心をもって高度の撮影技術を取り入れ、2年をかけて製作された。

1人でも多くの方に見ていただき、受胎の神秘について、計画産児について、あらためて考えを及ぼしていただくとともに、選ばれた生命を、より高くより幸せに育て、はぐくんでいただきたいと願う。

ここでふと思ったのですが、この映像は約50年前。医学の進歩の中で、当時「医学界の常識」であった知識や情報というのはだいぶ変わっていっていると思います。生命の誕生に関しては勿論まだまだ謎な部分のほうが圧倒的に多いわけで、そう考えるとついつい映像だと流して見てしまうのですが、気付かないことのほうが多いんでしょうね。

こうした映像をきっかけに興味を持つ中で更に知識を深めていけたら良いのかな、と思いました。

「こころと皮膚 その1 -汗と自律神経-」

最後になかなか面白かった「こころと皮膚 その1」1979年・18分。資生堂企画。ヨネ・プロダクション。

こころと皮膚 その1 | 科学映像館

資生堂の社員教育のために作られた映像のようですが、これだけしっかり作られたものを見られるのはありがたいことです。化粧品会社(資生堂)はだから強かったんですね。

癌も生命も細胞。

「人の身体」から「生命」「誕生」から「死」まで。今回は内容が広範すぎて、ひとまずの導入のような感じでした。それぞれ独立させて色々な映像を含めて見ていける深い分野です。
例えば「死」をどう捉えるか。「死」とはどういう科学的現象なのか。それだけでも十分に濃いものが出来そうです。

また、癌も細胞の一つ。癌と言えば悪者、という時点で思考をストップさせてしまいがちですが、何故ガン細胞が生まれるのか、その辺りも面白そうだなぁ、と思うのです。

癌でなくなる人が多いので、身内を癌で亡くせば(私の祖父も癌でした)、癌を好意的に捉えることはなかなか難しいとは思うのですが、

「ガンも身の内」と言った人がいるが、ガンも、体のために、何かをしている細胞・組織と考えた方が説得力がある。

1950(昭和25)年、東京医大を卒業され、その後、血液生理学を専攻されてその研究に没頭され、種々の動物実験の結果から「ガン(腫)は、血液の汚れを浄化している装置である」と結論された森下敬一医博のご高説は、東洋医学的見地からは、完全に正しいと言わざるを得ない。

この説が正しい、と言いたい訳では無く、ガンも生命も細胞、と考えてみると色々なことに気付いたり、今まであまり考えなかったことに意識を向けられるような気がするのです。

1つの明確な答えが出ないテーマであるだけに、メディアで取り上げたり、教育の現場で教えるというのは難しいことなのでしょうが、そんな中でこうしたInternetなども含めてそれぞれに興味を持つことが出来たら面白いな、と思います。

今月も恐らく月末最終金曜日。

ということで、2時間でかなり長く濃い内容になるので、なかなか上げるのがパワーが要るのですが、そんな濃密な「科学映画研究会」。毎月最終金曜日に開催されているので、今月も(告知はまだですが)28日(金)かな、と予想。

だいたい開催のお知らせはDARWIN ROOMのサイトFacebookページに数日前には載るのではないかと思います。もう、告知される前に、毎月最終金曜日の夜は予定として埋めておくと便利です。

まずは既に申込が始まった、25日の「ドキュメンタリー映画 ミタケオヤシン 公開直前!先行プレミア試写会 in ダーウィンルーム」。

[0351-201411] 今月25日は下北沢のDARWIN ROOMで映画「ミタケオヤシン」先行プレミア試写会です。

あと、最近始まった「フィールド生物学入門シリーズ」の第2回も間もなく開催されると思いますので、こちらもチェックです。