以前から’Kevin’という名で噂になっていたChromebookの新モデル。当初はASUSのChromebook Flip 2ではないか、と言われていましたが
New Convertible Chromebook ‘Kevin’ In Early Production: What We Know So Far
If you haven’t already, take a look at the other three posts this week regarding the new Rockchip 3399 processor and pen input coming to Chrome OS (and it’s follow-up). They will give you some insight before reading this post.
最近になってSamsungが出すのではないか、といった話になってきていました。そこに持ってきて、今回正式発表ではないものの、Chromebook関連の海外の情報サイトにて突然Samsung Chromebook Proとして出てくる、といった情報が出回り始めました。
‘Kevin’ Is The Samsung Chromebook Pro: Up For Pre-Order
きっかけは海外のChromebookユーザーがいつものように幾つかのChromebook販売サイトを眺めていて偶然それらしき品番のモデルが突然現れて、すぐに消えた(そこに今月を匂わせる表記があった)ことがきっかけだったのですが、そこから広まった情報が、日本では一部では既に「今月発売」という形になって発信され始めています。
ランディングページらしきものはあるものの、実際Samsungの公式サイトにはまだ情報が上がってはいません。
今月下旬には何かしらの発表が正式にあるのではないか、ということで、現在漏れ伝わって広がっている情報を頼りにする限りでは、12.3インチ、3:2の高精細ディスプレイ搭載(2,400 x 1,800)、コンバーチブルタイプでデジタルペンが付属、厚みも13mm弱と抑えられていることから、不確かながらかなり詳細な情報に信憑性も高そうではあります。
既にChromebook関連の情報サイトではスペックや特徴等上がっていますので、ここでは競合するであろう同じコンバーチブルタイプ、Google Playストア対応の既に発売されている2モデルと、なかなか発売された、という声は同様に聞かないものの、恐らく来月には発売されると思われるAcerの13.3インチ、R13と合わせて見てみたいと思います。
現時点で発売・発表されているコンバーチブルタイプ4モデルを並べてみました。
今回のSamsung Chromebook Pro。画像を見る限りでは非常に魅力的です。価格も$499〜ということで、一瞬この時期にHP Chromebook 13 G1を頑張って入手したことをちょっと悔やみそうになりましたが、今日一日情報をまとめながらじっくり考えてみると、立ち位置としては全く別物で競合するものではないことに気付きました。
ひとまず現行コンバーチブルタイプのモデルと今回のChromebook Proを並べてみます。
ASUS | Acer | Samsung | Acer | |
Chromebook Flip | Chromebook R11 | Chromebook Pro | Chromebook R13 | |
Model | C100PA | CB5-132T-C1LK | 513C24I | CB5-312T |
CPU | Rockchip® RK3288C Quad-Core 1.8GHz | Intel® Celeron® N3150 Quad-Core 1.6GHz | Rockchip® RK3399 Hexa-Core 2.0GHz | MediaTek® M8173C Quad-Core 2.1GHz |
Octane (参考値) | 7400 | 8100 | 9900 | |
RAM | 4GB LPDDR3 | 4GB DDR3L | 4GB LPDDR3 | 4GB LPDDR3 |
Storage | 16GB eMMC | 32GB eMMC | 32GB eMMC | 64GB eMMC |
Display | 10.1″ | 11.6″ | 12.3″ | 13.3″ |
Resolution | 1,280 x 800 | 1,366 x 768 | 2,400 x 1,600 | 1,920 x 1,080 |
Graphics | Rockchip® Mali-T764 | Intel® HD Graphics | Rockchip® Mali-T864 | PowerVR GX6250 |
Battery | 9時間 | 10時間(3490 mAh) | 10時間 | 12時間(4670 mAh) |
Dimensions | 262.8 x 182.4 x 15.6 mm | 294.6 x 203.2 x 20.3 mm | 279.4 x 220.9 x 12.7 mm | 325.1 x 228.6 x 15.4 mm |
Weight | 0.89 kg | 1.25 kg | 1.08 kg | 1.49 kg |
Price | $279.00 | $329.99 | $499〜 | $429.99 |
Samsung Chromebook Proに関してはスペックが確定したわけでも、まして発売が決定したわけでもありませんが、現時点で入ってきている情報から考えてみます。
スペック的にはちょうど現行のコンバーチブルタイプの隙間を埋めるモデル。
こうして眺めてみると、CPUが(恐らく予想通り)Rockchip社のRK3399であれば、CPU、RAM、Storage等特に処理速度に大きな違いはなさそうに感じられます。
Rockchip RK3399 big.LITTLE dual ARM Cortex-A72, quad ARM Cortex-A53, Mali-T864 – ARMdevices.net
RK3399がまだ未知数ではありますが、Snapdragon 650クラス、という話もありますので、Google Playストア対応Chromebookとして考えた時にはその辺りのスマートフォンでの処理速度と体感的には近いのかな、という気もします。
Xperia X Compactに搭載されるSnapdragon 650の性能をチェック!Xperia Z3/Z5 Compactとベンチ比較
12.3インチ、ブラウザベースでの作業に合わせて、GoogleのPixel(Chromebook)同様3:2の画面を採用、2,400 x 1,600という高精細画面が特徴とも言えますが、それ以外は10.1″、11.6″の現行2モデルと、まもなく発売のR13の13.3″のちょうど隙間を埋めるモデルです。
価格は$499〜。この「〜」が意外と曲者ですが、RK3399以外の選択肢も出てくるかどうか。
価格の「$499〜」という点も既に意見は分かれていますが、先日触れたここ最近のChromebookのベースモデルは$180前後、と考えると、妥当な価格設定かな、とも思います。
現行ChromebookのメインストリームでもあるIntel社Atom系列の第3世代Bay Trail-M〜第4世代Braswell。もしくはRockchip社のRK3288C辺りの処理能力(Octane 2.0スコアでも8000前後)で11.6″クラムシェル。これで$180。ここに「Google Playストア対応」とそれに合わせた「タッチスクリーン」「コンバーチブル」で+$100。これで従来のASUS Chromebook Flipなどになりますが、そこに12.3インチ、薄さや本体仕上げなどに、更に高精細2,400 x 1,600という付加価値が加わり、+$150。CPUを合わせて新型Rockchip RK3399ということで+$50〜$80と考えれば大体$500前後になってきます。
ただ、このモデル、折角ここまでの高解像度等を活かすのであれば、もう少しCPU等も欲張りたくなってきます。まだイメージに過ぎませんが、現行のFlipやR11くらいの処理能力だと少し力不足感(物足りなさ)を感じそうな点が気になるところです。
とはいえ、これ以上価格を上げてくると、Chromebookのメインのユーザー層から離れます。それが$499〜ということだと思うのですが、この「〜」が意外と曲者です。
実際、私の愛用しているHP Chromebook 13 G1も発表ではこんな具合でした。
Chromebook Pixelよりコッチか:3200×1800液晶と第6世代Core Mで薄型軽量の「HP Chromebook 13」 499ドルから – ITmedia PC USER
米HPは4月28日(現地時間)、米GoogleのChrome OS搭載ノート「HP Chromebook 13」を発表した。まず米国の公式オンラインショップで4月中に予約受付を開始する。価格はエントリーモデルが499ドル(約5万4000円)から。日本での発売については発表されていない。
同じ$499「から」だったんですね。ただ、これはあくまでエントリーモデルで、上の記事(見出し)ではCore M搭載でも$499のように読めますが、実際は$499モデルのCPUは「Intel® Pentium® 4405Y with Intel HD Graphics 515 (1.5 GHz, 2 MB cache, 2 cores)」です。(Core m3は$599)。結局幾つかある選択肢の中で、私が満足できそうなスペックで考えて選んだのはこちらでした。
もちろん私は大変満足しているどころか、もう少し頑張ってCore m7で16GB RAMのモデルにすれば良かったかな、と欲が出てしまったくらいですが、そうなると全く別物になってきます。
この「〜」というのは結構使われるパターンなので、LenovoのThinkPad 13 Chromebookも購入しようと思えば最小構成で$321.75〜選べます。
今回はまだ発表もされていない段階ではありますが、CPUやRAMがこれ以外の選択肢が出てくるのか(価格設定が「〜」とある以上)、それともRK3399で十分すぎるくらいのパフォーマンスを発揮できるものなのか。今まで一般的にイメージされてきたChromebookとは少し違う立ち位置にあるのが現在のコンバーチブルタイプのChromebookですので、これから先の発表が気になるところです。
タブレットタイプのFlip、Pro。Androidアプリを補助ツール的に活かすR11、R13。
薄さや重さ、想定している使い方を考えてみると、この4モデルはちょうど2パターンに分かれるのかな、と思います。
タブレット端末の延長上にある「ChromeOS+Androidタブレット」としてのASUS Chromebook FlipとSamsung Chromebook Pro。
そして、勿論タブレット的にも使えるもの、比較的従来のクラムシェルタイプのラップトップPC的使い方に、補助ツール(かゆいところに手が届くものとして)Androidアプリを使う、Acer Chromebook R11とR13。
それぞれサイズが大きい方が恐らく若干処理能力は高くなります。
まだ推測の域を出ませんし、発売自体はまだまだ先の可能性も十分にあります。かと思っていたら意外とあっさりと来月辺りには出ているかもしれませんが。そうした中で、今日少しだけリーク的に漏れ出てきた情報だけでここまで想像(妄想)が膨らむSamsung Chromebook Proはやはりそれだけの魅力と可能性を持ったモデルだと思っています。続報を楽しみに待ちたいと思います。
とはいえ、価格的にも現時点ではやはりこの定番2モデルの魅力が褪せることは全く無く、これからもしばらくはこのタイプの定番でい続けるのではないか、と思っています(そう考えると、ASUSのFlipって凄いモデルですね。)