私が現在愛用しているChromebookはHP製です。そしてChromeboxはASUSです。にも関わらず、私の目を常に捉えて離さない、いつもどこかで気にしているメーカーがあります。それがAcerです。
私にChromeOSの魅力を教えてくれた最初のChromebookがAcerのC720だった、ということが大きいとは思います。ただ、次に選んだモデルが同じくAcer製だったのは、意図してではなく偶然です。とはいえ、どこかやはり相性が合う、というのはあるとは思います。
Acerは日本でも個人向けに精力的にChromebookを一時的にとはいえ展開してくれた御三家(Acer、ASUS、DELL)の一つです。今も法人向けがメインではありますが、ASUS同様撤退せずに頑張ってくれています。
だからこそ、私は自分の故郷でもあり原点でもあると同時に、ASUSとともに思い入れが強く、応援し続けたいと思っています。
そこで大量にあるAcerの現行Chromebookから、私が現在惹かれている、またもしAcer製で人に勧めるのであればこれ、というモデルを、いつも通りの鬱陶しいくらいの暑く長い自分語りとともにご紹介したいと思います。
用途に応じて幅広いタイプのモデルを展開する、Chromebookの雄。
私が勝手に決めました。Chromebookの雄(の一つ)です。でもそれだけ製品も展開していれば、シェアも獲得している。更に世界的にも評価の高いモデルを数多く出しています。愛用者も多いのではないでしょうか。
日本でも今も変わらず(法人主体とはいえ)商品展開してくれていますし、また今年もまだまだ魅力的な製品(R13など)が控えています。これからも注目のメーカーです。
そして、それだけ製品展開が豊富なだけでなく、用途に応じてCPUから本体素材、付加機能まで様々に使い分けて価格帯も幅広く展開しているのも魅力の一つ。今回はその中から5つのモデルを挙げてみました。
CB3-131-C3SZ。Acer 11.6インチChromebookの標準モデル。
Acerの標準モデルといっても様々な意見はあるとは思うのですが、現行ラインナップの中で、一応CPUにIntel製を搭載、基本的なスペックは踏まえた上で価格も手頃、更に日本への発送も可能なモデルとなると、このCB3-131シリーズが挙げられるかな、と思います。
日本から購入されている方も多いので、検索すれば日本語でのレビューも幾つも出てきますし。
Model Name | Chromebook 11 (CB3-131-C3SZ) |
Stylish Chromebook with nano-imprint aluminum cover | |
CPU | Intel® Celeron® N2840 processor Dual-core 2.16 GHz |
Octane 2.0 | 8500(参考値) |
Display | 11.6″ HD (1366 x 768) 16:9 IPS |
RAM | 2GB DDR3L SDRAM |
Storage | 16GB SSD |
Battery | 9h |
Size / Weight | 297.18 x 203.20 x 18.54 mm / 1.1kg |
Amazon Price | $169.91 + $28.01 Shipping & Import Fees Deposit to Japan |
CPUはIntel Celeron N2840ということで、2013年9月発表の第3世代Atom、Silvermontの中でもノートPC向けに出されたBay Trail-Mになります。細かいことを挙げれば現行モデルで同様に多くのモデルに採用されている第4世代Atom、Braswellとの違いもなくはないのでしょうが、その辺りは価格とのバランスでこちらを採用したのかな、という気がします。
Celeron N3050とN2840の違いは?Braswell世代のCeleronの性能をチェック! – こまめブログ
実際のところベンチマーク、Octane 2.0上のスコアでは8500程度と大きな差はありませんし、むしろ現行普及モデルの標準値です。
立ち位置としては、先日触れたASUSの基準的モデル、C201(CPUはRockchip Quad-Core RK3288C)と競合するかな、と思います。あちらも実売$169.99。
バッテリーの持ちと重量だけ比べるとASUS C201に軍配が上がりますし、更にあちらはRAMも4GBです。少々分は悪い。
Acer CB3-131-C3SZ | ASUS C201 | |
Weight | 1.1kg | 0.98kg |
Battery | 9時間 | 13時間 |
Amazon Price | $169.91 | $169.99 |
ただ、ASUS C201はIPS液晶ではない(AcerはIPS液晶)など、どの辺りを求めるかによって好みは分かれそうです。私、プラスチッキーで安っぽいと言われようが、R11購入したように、ここ最近のシリーズに一貫している白の「nano-imprint aluminum cover」が好きで選んだ、という場合もありますので。
C740。Acer Cシリーズは価格の割にCPUが強化されていて処理も軽快。
私をChromeOSの世界へ誘ってくれた往年の名機、Acer C720。SSD換装等々、色々とカスタマイズも出来れば、CPU自体も現行の普及機よりも速かったりして、液晶の眠たげなボンヤリ感を除けば今でも十分に現役一線で活躍できる名モデルです。実際に探している方も多い。プレミア価格は付かなくなっていますが、ある種手元に置いておきたい一台です。
そんなC720と同じCシリーズは現行モデルとして同様に展開されていますが、その中で今回取り上げるのがC740。立ち位置としてはC720の後継機のような形でしょうか(異論はあると思いますが)
Model Name | Chromebook 11 C740 (C740-C4PE) |
The best-selling Chromebook gets even better! | |
CPU | Intel® Celeron® 3205U processor Dual-core 1.50 GHz |
Octane 2.0 | 14100(参考値) |
Display | 11.6″ HD (1366 x 768) 16:9 |
RAM | 4GB DDR3L SDRAM |
Storage | 16GB SSD |
Battery | 9h |
Size / Weight | 287.02 x 203.20 x 20.32 mm / 1.3kg |
Amazon Price | $263.52(日本発送可能なSellerは不明) |
CPUはC720の第4世代「Haswell」のCeleron 2955Uから、第5世代「Broadwell」のCeleron 3205Uになりました。この辺りのCPUは前回も挙げたToshiba Chromebook 2 2015版でも採用されていたり、と結構力強いです。Octane 2.0のスコアも14200と10000超えです。10000超えてくると僅かな差のように見えて意外と地味に使い勝手に効いてきます。
RAMも4GBあるので、基本的なChromebookでの用途であればほぼ不満なく使えるはず。むしろ少し欲が出てきそうですが、その点は11.6インチ、HD(1366 x 763)というコンパクトさをどう捉えるか、ですね。11.6インチながら重量は1.3kgです。またIPS液晶でないところも、好みの分かれるところ。
とはいえ、私、やっぱりこのCシリーズ(勝手に命名)は好きですし、これからも見た目華やかな通常?ラインとは別に地味に堅実に継続していって欲しいと願っています。私にとっての原点ですから。この形。
無骨に作業を進めたいのであれば、これほど様になるモデルもなかなかありません。
R11。今話題のGoogle Playストア対応モデル。コンバーチブル11.6インチならこれ。
R11!今まさにChromeOSの話題の先頭を走っているモデルです(ASUS Flipが並走)。2016年10月時点で数少ない貴重なGoogle Playストア対応モデル、でありながら日本ではASUSのFlipのみが国内販売されているため、使っているとちょっと満足感もあるかもしれません(ない)。
コンパクトさを求めるのであれば10.1インチのASUSのFlipですが、こちらは11.6インチ。画面の解像度自体は大きな違いはありませんが、キーボードの大きさなど細かい部分で意外と使い勝手は変わってきます。
Model Name | Chromebook R 11 (CB5-132T-C1LK) |
The Chromebook that bends over backwards | |
CPU | Intel® Celeron® N3150 processor Quad-core 1.60 GHz |
Octane 2.0 | 8100(参考値) |
Display | 11.6″ HD (1366 x 768) 16:9 IPS |
RAM | 4GB DDR3L SDRAM |
Storage | 32GB SSD |
Battery | 10h |
Size / Weight | 294.64 x 203.20 x 20.32 mm / 1.25kg |
Amazon Price | $299.99 + $38.48 Shipping & Import Fees Deposit to Japan |
私が購入した時点ではまだこのモデルのRAM 4GB版は日本発送がされておらず、2GB版のみだったのですが、最近になって一応Preorderという形で受け付けるようになったようです。
CPU自体が現行普及機同様、第4世代Atom「Braswell」のN3150ということで、Octane 2.0スコア自体も特に代わり映えのしない8100程度。勿論現在のChromebookの大半のモデルがこの「Braswell」か「Bay-Trail」であることを考えると決して見劣りするものではありませんが、この価格で色々なことを実現させるためにはこれ以上のCPU向上は難しかったのかな、とも思います。
コンバーチブルタイプということで、タブレットスタイルからテントスタイル等々色々な使い方が出来ますが、実際Google Playストア対応までは私の中では11.6インチ、1.25kgもあるラップトップPCでは価値を見いだせませんでした。ところが、実際対応してみるとAmazonビデオはじめこの大きめの画面で楽しめるものが増えてくることで、俄然コンバーチブルタイプの魅力が出てきたかな、という気もしています。
RAMも4GBになり、元々のストレージ32GBと合わせて、現時点ではGoogle Playストアを試してみるのにも十分なモデルになっています。一応13.3インチのR13が控えているのですが、こちらは現時点では日本への発送を受け付けていなかったり、発売されるのかされないのかイマイチわからないような状態が続いているので、full HD(1920 x 1080)を求めないのであれば(R11は 1366 x 768)、CPU自体はR13はMediaTek製でOctaneスコア的にもほとんど差はなさそうなので、持ち運びやすさを重視してこちらを選ぶ、というのも手かな、と思います。
CB3-431、というよりもAcer Chromebook 14。$300でアルミニウムの美しいモデル。
このモデル、既にHP Chromebook 13 G1を使っている私としては、敢えて購入する必要性はどこにも見当たらない(モデルとして使い方は競合してしまうので。)にも関わらず、なんか妙に気になるんですよ。何でしょうか。
今年のCOMPUTEX TAIPEI 2016に行ってきた際にも展示されていたのですが、当時はラップトップPCはせいぜい11.6インチまで、というつもりでいたので、Acerのブースの14インチだ15インチだといった大きめのモデルにしかこうした美しいモデルがない時点で、軽く流してチェックしただけでした。
勿体無かった。ちゃんと実物手にとって見てくれば良かったよ。せっかくの機会には選り好みしないで一通り見てくることが大切です。
Model Name | Chromebook 14 (CB3-431-C0AK) |
Absolutely stunning. 100% metal. | |
CPU | Intel® Celeron® N3160 processor Quad-core 1.60 GHz |
Octane 2.0 | 8000(参考値) |
Display | 14″ Full HD (1920 x 1080) 16:9 IPS |
RAM | 4GB LPDDR3 |
Storage | 32GB SSD |
Battery | 12h |
Size / Weight | 340.36 x 236.22 x 17.78 mm / 1.55kg |
Amazon Price | $299.99 + $40.35 Shipping & Import Fees Deposit to Japan |
14インチということで、full HD(1920 x 1080)も普通に表示できますし、この画面サイズであればより色々な作業を精力的にこなせそうです。こなせそうな外観も持っていますし。4GB RAM、32GBで12時間駆動です。ただ、持ち歩くには1.55kgというのは少し頑張る必要は出てきますが、それでも持ち歩きたくさせる魅力はあると思います。
ただ、据え置きも想定できるような14インチ総アルミ、と考えると、贅沢をいえばCPUにもう少し選択肢が欲しかった。普及モデルらしく第4世代Atom「Braswell」のN3160です。Octane的にも8000と平凡的。
勿論普段使い(何を持って普段使いとするかは難しいところですが)には問題ない、と判断したのでしょうが、せめて選択肢の一つでも良いので、第5世代Core iプロセッサ「Broadwell」のCeleron 3205U辺りは積んで欲しかったかな、と。そうなるとfull HDが更に活きてきます。
実際、今HP Chromebook 13 G1(SkylakeのCore m5)で3200 x 1800なんていう一瞬実用的かどうか首をかしげたくなる環境でここ数日使っていますが、手放せないほど便利で楽なんです。なんでMacBookであんなに盛んにRetina、Retina言うのか、本来の意味からはずれているかもしれませんがわかった気がします。ラップトップPCでもある程度の高解像度はその使用範囲と可能性を大きく広げてくれます。
その際にCPUやRAMはその助けになってくれます。そうした点でもこのChromebook 14には、折角14インチでこの雰囲気も持っている訳ですから、ちょっと欲張って欲しかったかな、と。
ただ、それをしなかったからこそ、$300以下でこの雰囲気を持ったChromebookが手に入れられるのかな、とも思います。だから私は何だかんだ言いながらも、何故か未だに惹かれてしまうのだと思います。Chromebookで$300出すなら折角ならこのモデル14インチfull HD総アルミのAcer Chromebook 14を折角だから試してみたら?と。
現在シルバータイプは日本に発送できる時ばかりではないようですが、何故かGoldは安定して日本発送可能になっています。上記リンクもGoldです。ちょっと今までのChromebookにはない雰囲気を持ったGoldのこのモデル、やはり気になります。
Chromebook 14 for Work。CPU、RAMの向上、米国軍事規格MIL-STD 810G準拠。
とりあえず先ほどChromebook 14で私がやって欲しかったことを一通りやってくれたのがこの「for Work」。個人的にはこのガラス(Gorilla Glass採用)筐体なのに果たして耐衝撃的には大丈夫なのか、いや、それ以前に指紋ベタベタになりそうだよね、みたいな気になる点はあるものの、デザイン的には大人っぽくて好きです。
Model Name | Chromebook 14 for Work (CP5-471-312N) |
This Chromebook means business | |
CPU | Intel® Core™ i3-6100U processor Dual-core 2.30 GHz |
Octane 2.0 | 23300(参考値) |
Display | 14″ Full HD (1920 x 1080) 16:9 IPS |
RAM | 8GB LPDDR3 |
Storage | 32GB SSD |
Battery | 12h |
Size / Weight | 330.20 x 226.06 x 22.86 mm / 1.45kg |
Amazon Price | $583.27(発送可能なSellerは幾つかあり) |
CPUも今回上げたのはCore i3モデルですが、i5やCeleronも可。RAMも選択肢があるということで、予算に合わせて選べます。個人的には前回挙げたASUSのC202SAを見つけなければ、このfor Workのベース構成(最低価格)のモデルで妻の海外での支援活動や海外旅行などの時など、ある程度衝撃や雨、水などが気になる状況で安心して使えるモデルとして一台持っておきたいな、と考えておりました。
現時点ではC202SAにするか、このChromebook 14 for Workにするかは悩み中。なにせfor Workの価格だとThinkPad 13 Chromebookも同価格帯に入ってきてしまうので。
「米国軍事規格MIL-STD 810G準拠」を特徴の一つとしていますが、外観だけ見るとそんな雑な使い方をしてしまっていいの?せっかくのこの綺麗な本体が勿体なくない?と思ってしまうくらい、個人的には好みです。
私としては、Gorilla Glass採用とはいえ、結局埃などの擦れ傷には弱いので、もし使うのであればガラス用のコーティング剤を使いたいと思います。
でもこうして見てみると、今回は11.6インチと14インチしか挙げていないのに、それだけでも幅広い用途に合わせて様々なモデルを展開しているその充実度が素晴らしいな、と改めて思います。
私にとってのChromebookの故郷、原点ともいえるAcerにはこれからも頑張って欲しい。
今年に入り、米国におけるChromebook市場は急速に拡大してきていますが、その中で勢力図にも変化が訪れてはいるようです。今まではAcerが一強のようにかなりのシェアを占めていたところに、他メーカーがかなり食い込んできているようです。
その理由の一つには、教育市場をはじめとした低コストで大量生産、かつ耐衝撃やメンテナンスの容易さなど、今までのChromebookの利用層から更に大きく広がってきていることが挙げられるかな、と思います。
今回5つのモデルを取り上げましたが、実際Acerの現行モデルはこの倍以上あります。ただ、非常にサイト自体も分かりにくい。目的のモデルに辿りにくいんです。まぁChromebookだけを販売している訳ではないので仕方ないのでしょうが、例えば各商品ページ一つ取ってみても、ASUSなどのほうが魅力的に見えてしまうことも多々あります。(Acerは昔ながらの魅力を訴えるというよりも店頭に置いてある販売員用の製品カタログ的なものも多い)
とはいえ、まもなく発売されるであろうR13など、注目されているモデルは多いですし、また先程も若干暑く語りましたがアルミニウム筐体のChromebook 14やfor Workなど、私にとっては魅力的なモデルばかりです。
いや、C740からして、私のChromebookの原点C720の系統だし、R11も愛用していたし、と考えてみればAcerにはだいぶお世話になっております。
これからもChromebook(ChromeOS)の世界を良い意味で引っ張っていってくれるメーカーとして頑張って欲しいな、と思っています。