ASUSが初めての路面店型カスタマーサポート拠点として2018年3月2日にオープンするASUS Store Akasaka。そのプレオープン初日にA部として招待いただきました。
当初2日のオープンまで情報発信はNGとのことだったのですが、急遽今日から解禁ということになりましたので、その様子と、その中でおふぃすかぶ的視点で色々伺ってきた内容をご報告したいと思います。
なお、文中で書いた内容に関しましてはあくまで私が訊いてきた内容を思い出しながら記しているだけですので、細かい部分で少し誤解や間違い等もあるかもしれません。その辺りはご了承の上、また優しくご指摘頂けますと助かります。
ASUSとしては世界初の路面店型カスタマーサポート拠点 ASUS Store Akasaka
以前あるメーカー直営の路面店の店長をやっていた身としては、Storeに入って最初に気になったのは非常に広くゆったりとした空間にスタッフも非常に多い、ということ。もちろん今日はプレオープン初日、プレス向けの対応もあり、普段はいない本社のスタッフも多くいることは確かなのですが、この広さであればある程度のスタッフ人数で回していかなければなりません。またバックヤードに修理のスペースもある、ということは、人件費もそれなりにかかるでしょう。
実際にオープンしてからはお客さんの入りを見ながら調整していくとのことでしたが、歩いて数分の距離にビックカメラもあり、また基本的には修理って利益ほとんどない(発送やその他諸々を考えるとコストのほうがかかってしまう)中でこれだけの店舗を継続して運営していくのはかなりメーカーとしては負担でもあり、リスクでもあるのではないか、と感じたのです。
そうした中でも、今回メーカー直営という形でのこうした単純な販売店ではなくカスタマーサポート拠点をオープンする、というのは(最近ではHuawei等、他メーカーもそうしたショップは構えてはいますが)決して大きくはない、また日本においてはキャリアスマホが圧倒的に強い市場においてはなかなか大変なのではないか、と。
もちろん、直営の路面店がある、というのはそうした採算以外の様々な理由があり、単純にコストだけで考えられるものではないのですが、今後少しずつこうした拠点を増やしていきたいということも含めて、今後の日本市場でのASUSの姿勢が見える気がしました。
路面店として、敢えて人の多い秋葉原や銀座、新宿などではなく、赤坂見附(駅前とはいえ)という場所を選んだのは、
「カスタマーサポート拠点とも考えたとき、お客様は何かしら問題を抱えて、相談しに来る訳です。修理や不具合など何かしら問題や悩みがあるわけで、その時のお客様の気持ちというのは決して良いものではないと思います。
そんなときに人の多い、ゴミゴミとした場所に足を運び、更にお店に入ってみたら店内もゴチャゴチャと混み合っていた、というのであれば、それだけでも気が滅入ってしまうと思うのです。であれば、このストアではゆったりとしたスペースで、落ち着いてじっくりと話を伺いながら解決していきたい。であれば、人で混み合う場所ではなく、少し落ち着いた赤坂のような場所のほうがお客様にとっても良いのではないか。」
とのことでした。
おふぃすかぶ的に最も知りたいChromebookの状況とリペア、サポート体制について。
さて。ここまでは既に本日多くのプレス、メディアで更に細かい部分まで既に報じられていると思いますので、ここからはおふぃすかぶ的に最も知りたいChromebookのことについて書いていきたいと思います。
日本のChromebookユーザーにとっての現時点での大きな悩みの一つが何かあったときの修理とサポートです。
もちろん日本発売モデルであれば、メーカーのカスタマーサービスに電話をする、販売店に持ち込む、など幾つか方法はありますが、つい先日まで国内販売モデル(現行の)がほぼ無い状況で、米Amazonなどから購入していたユーザーも多いと思います。私もその内の一人です。そして、国内である程度認知度が上がり、より多くのメーカーが参入でもしない限り、この状況はまだまだ続いていくことでしょう。
そうした中で、今回ChromebookにおいてはAcer(日本エイサー)と並んで世界で大きなシェアを持つASUSが日本でこうした路面店型カスタマーサポート拠点を設けたというのは非常に心強いことでもあります。そこで、折角の機会なので現時点で私が気になっている修理とサポートに関する疑問をリペア担当の方を捕まえて色々と訊いてみました。
海外版のノートPCはChromebookも含めて基本的に「国際保証」が付いているかどうかが判断基準です。
これはChromebookに限らず、なのですが、ノートPCにおいては、たとえ海外向けに販売されたものであったとしても、国際保証がついたモデルであれば基本的にはサポートします、とのことです。海外で購入したASUSのChromebookも同様です。判断基準は「国際保証が付いているかどうか」。基本的には付いているのですが、ごくたまに国際保証のないものがあるので、とのことです。他メーカーですが、SamsungのChromebook PlusとProは完全に米国市場向け(Only)で米国のPC事業部が企画、販売したものなので、(実際にSamsungがどう対応するかは分かりませんが)こうした商品の場合には国際保証がついていない可能性もあるのかな、と思います。
修理に関してはASUS Store店頭で受け付けますが、保証に関しては国内製品に付属する国内保証とは違って、あくまで「国際保証が付いている商品なので、修理などのサポートは致します」ということです。修理代等はもちろん発生しますし、国内モデルのようにパーツを国内で調達出来ないものもありますので、そうした場合には時間もかかるかもしれません。ただ、国際保証が付いているのであれば、日本でその修理を受け付けることは可能です、とのこと。
米Amazonで購入した場合、購入から1ヶ月間の初期不良に関しては米Amazonが対応してくれますので(返品、交換等送料も含めて米Amazon持ち)、その点は良いとして、その後に関しては米ASUSや米Amazonと直接交渉する必要はなく、何かあったときには(国際保証があるモデル前提ですが)日本で受け付けてくれる(サポートしてくれる)というのは、安心感に繋がるかな、と思いました。
技適マークの無いモデルのサポートについて。これも基準は「国際保証」が付いているか。
これも同様です。技適マークは基本的には通信を行うモジュールに付けるもの(外側底面等に付いているマークは端末全体を技適認証している場合ももちろんありますが、通信モジュールに付いていても「外からは見えなくて確認出来ない」といったことがあるため、コピーを外側に印字している場合が多々あります。)のため、一見して外観からは分かりません。
この場合でも、修理、サポートに関しての基準は同じ。「国際保証」が付いているかどうか。
ノートPCなどでは技適マークが取れていない場合でも、全く通信を行わないで使うことも十分に想定できるため、「国際保証」があるのであれば日本国内でも同様に修理は受け付けるそうです。
ではなぜスマートフォン(ZenFone)の海外モデルは対象外なのか、というと、スマートフォンを通信モジュールを一切使わずに国内で使う、という状況は基本的には考えられないため。技適認証が通っていない通信機器(スマートフォン)を国内でサポートするわけにはいかないため(本来は持ち込み自体もNGなのですが)、こちらに関しては対象外、とのことでした。
では先に海外で発売されたChromebookを日本で「使う」ことは可能か。
この点に関しては私も以前関東総合通信局に何度か電話で確認したこともあり、そちらでも「最終的にはメーカーが保証するのであれば、問題ありません」との回答でした。「このモデルは日本で使っても問題ありません。」とメーカーが言う(保証する)のであれば、それで十分とのこと。実際、多くのメーカーでは「海外モデルなので日本では保証できません」といった対応をすることも多いのは、こうした状況もあるのですね。
https://office-kabu.jp/shoes/how-to-choose-your-shoes/post-19692
では、例えば私の手元にある海外版のC302CAは果たして大丈夫なのでしょうか。
とりあえずサポートに関しては国際保証が付いていますので修理等は問題ありませんが、国内での通信に関しては外側からでは技適マークがあるか分かりません。ただ、現在日本においては同じC302CAという名前で国内モデルが発売しています。
こちらに関しては、たとえ同じ品番であっても、国が違うと、スペック(メモリ等含め)の違いによって時々技適認証が取れていない場合があるそうです。そのため、必ずしもOKとは言えない部分があるそうです。
ただし、何らかの方法で技適マークがあることが確認されているのであれば、メーカーとしては国内で通信をされることに対しては何も問題はありません、とのこと。
ややこしいのですが、まとめてみると
- 国際保証があるものは国内でも使用が可能です。また「国際保証の範囲内」での修理等のサポートを受け付けます(これが前提)。
- 「技適マーク」が付いていない場合は、国内での通信をしないのであれば使用は可能です。
- 何らかの手段で技適マークの存在が確認できているのであれば、通信も含めて使用が可能です。
- ただし、上記はあくまで「国際保証」が付いている場合に限ります。付いていないモデルは残念ながら国内では使用も含め一切保証しません。修理等のサポートも一切受け付けられません。
まぁ当たり前と言われるかもしれませんが、この辺りについてはそもそも海外モデルの場合ですとメーカーによって非常に曖昧だったり、問い合わせ自体出来ないこともあって詳しく訊くことが出来ない場合もあります。その点で今回ASUS Store Akasakaにおいてはリペア担当の方が私の細かい上に長くて面倒な質問にも一つ一つ丁寧に答えてくださり、更に質問後も少ししてから思い出した部分があったのか、改めて補足をしに来てくださったり、ととてもしっかり話してくださいました。
ASUS JAPANが敢えて路面店型カスタマーサポート拠点を今回オープンした理由。
今回訪れて、実際にお話をしてみて強く感じたのは、やはり対面の安心感は非常に大きいということです。
これは以前店員をしていた(ASUSではなく、家電製品でもありませんが)身としては痛感することで、お客さんと修理(リペア部門や工場)との間を取り持つ、仲介するのは結構難しいんです。間に人間が一人入るだけで、お客さんの抱えている悩みや、修理希望のモノの状態を正しく把握し、修理に伝える、というのは至難の技。これがカスタマーサポートなどの電話口では更に難しくなります。
一応どのメーカーでも長年の経験からそれぞれ独自の修理用の用紙、フォーマットを用意しているものの、そこに文字で、正確に、お客さんが困っている部分を記すことは正直出来ません。それを何十件、何百件と受けていれば、意思の疎通に失敗することも当然出てきます。単純な確認を店舗で忘れていたために、実はその場でお客さんに返せたものを、一旦修理に送るまで気が付かない、といったことも勿論出てきます。
その都度、お客さんとの間に、またリペア部門との間に何度も修理品が行き来し、誤解が生まれ、時間とストレスだけが溜まった挙句、思ったように直らない、といったこともあります。往復の発送だけでも無駄に日数がかかってしまう場合もあります。
修理って面倒なんです。
それが、このASUS Store Akasakaでは対面でじっくりと話を聞きながら症状を再現してみたり、また必要な部分を確認できます。何かあっても、奥に修理部門が控えているので、スマホであれば1時間(を年内は目指しているそう)、ノートPC等でも即日は無理でもより正確に状況を把握してから修理に取り掛かる事ができます。
もちろん、面倒なお客さんも中にはいると思うので、そうした精神的なダメージも時々あるとは思うのですが、それでも直接話すことで、お客様の声が届きやすいというメリットもあります。
私たちユーザー側としても、現時点では東京の赤坂見附の1店舗だけとはいえ、直営店舗併設のこうしたカスタマーサポート拠点があり、相談が出来る、という安心感は大きいです。私としては日本で唯一のメーカーに直接Chromebookについて相談できる場所がある、というだけで非常に嬉しいです。
残念ながら今まで「ASUSのサポートは」といった言葉をよく目に(耳に)しました。それが突然完全になるわけではないのですが、今回のStoreオープンによって、少しずつサポート面でも安心感が増していくことになるのであれば、ユーザーにとっても、またメーカーにとっても、とても大きな一歩になるのではないか、と改めて思いました。
オープンは3月2日(金)12:00。当日はちょっとしたイベントもあるようですし、またオープンに合わせて幾つかのキャンペーンも企画されています。ぜひ一度訪れてみて欲しいな、と思っています。
ASUS Store Akasaka カスタマーサービスセンター
東京都港区赤坂3-2-12 赤坂ノアビル 1F / 03-6277-8669
10:00〜20:00(年末年始除く、最終受付19:00)