[かぶ] 日本エイサー、再生プラスチックを使用したサステナブルなVeroシリーズを発表。環境問題への想いと、そこで感じた「惜しい点」。

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[かぶ] 日本エイサー、再生プラスチックを使用したサステナブルなVeroシリーズを発表。環境問題への想いと、そこで感じた「惜しい点」。

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サステイナブルとか環境問題と聞いて、どんな印象を持ちますか?

正直、いまいちピンとこないというか、イメージしづらい方も多いと思うんですね。何となく環境に悪いとか、何かの話で海洋プラスチック問題の話を耳にしたり、といったことはあったとしても、そうした環境、自然と自分の普段の生活って完全に切り離されてしまっているので、何となく現実感がないというか。

何か悪いんだろうな、とは思いながらも、別に私が今何かポイ捨てしても、ペットボトル飲料飲んだとしても、プラスチック素材使っても、その先がどうなるか、なんて大体考えないと思うんです。

あと、地球温暖化問題とか、この海洋プラスチック問題についても、先日の「レジ袋有料化」の話と絡めて、少しその手のツイートやメルマガだ何だで知識仕入れて分かった気になっちゃう方からすれば、「俺らより、企業の排出するゴミや電力のほうが問題だろ」とか「レジ袋削減したって意味ないだろ」みたいな反応が出てきます。というか、よく目にします。

まぁ完全に間違っている訳じゃないんですが、要は「自分は関係ない」ということで。

で、実際昨日日本エイサーの公式Twitterアカウントがアンケートを取ってたんですが、

私が投票した時点(昨夜)では、半数以上の人が「どちらでもない」と「ない」でした。まぁそんなものです。

と、別に非難したい訳じゃないんです。私も大して偉そうなこと言えませんし。

ただ、世間一般の反応ってそんなものなんじゃないかなぁ、と。「自分一人意識しても変わらない」と。あとは環境活動家と呼ばれる方々の中にも過激派の方々もいて、大抵そういう人の起こす問題のほうが(テロなんかと同じで)報道されることが多いので、何となく浮いてしまっているというか。

さて。またいきなりネガティブな話から始まってしまって申し訳ないのですが、私自身も学生時代からそうした問題に何となく関心がありながらも、いまいち今まで具体的な何かを出来てきた訳ではありませんでした。

精々流行りに合わせてマイボトル持ったり、マイバッグ使ったり、くらいのものです。

そんな中、昨日2022年8月2日、日本エイサー株式会社が都内で「再生プラスチックを使用したサステナブルなVeroシリーズ、6機種をコンシューマー市場向けに発表」しました。

その発表会に参加させて頂きましたので、ちょっとこの問題と絡めて今回のモデルについて感じたことを書いてみたいと思います。なお、かなり長い前フリで環境問題についてケチ付けた割に、この後環境問題についてはそこまで詳しく触れませんがご了承ください。

「とても共感するし、惹かれるけれど、買うのにはちょっと躊躇する」理由。

何故そんな前フリを長々としたのかというと、まず感じたこととして

「とても良い取り組みであり、世界的にも4〜5位くらいのPCシェアを持つメーカーが、今後2030年くらいまでに大きな目標を持って、こうした製品を増やしていく、活動をしていくというのは素晴らしいことだと思う」

んです。ただ、「良いこと」だとは頭では分かっていても、それと「市場、ユーザーがそれに共感して、そうした製品を使うか、はまた別の問題」だと感じるからなんですね。

いくら高尚な目的を持った商品だとしても、商品として魅力的でなければ買わないと思うんです。

で、現時点での私の素直な感想としては、

「とても共感するし、惹かれるけど、買うのにはちょっと躊躇するな」

というところです。

予め言っておきます。私は、何度も繰り返しますが、冒頭で長々と書きましたが、決してこうした問題に無関心でも否定的に見ている訳ではありません。むしろ、こういう活動、動きはどんどん進んでいって欲しいし、そうした製品もどんどん出てきて欲しいと思っています。

だって、不思議だと思いませんか?

昨日の日本エイサー株式会社のこのプレス向け発表会。

何で私いるんですか?

いや、個人メディアだから、とか、そういう意味ではなく、私、基本Chromebookユーザー、Chromebookブロガーですよ?

で、今回発表されたモデルはWindows PCです。(あと液晶モニター)

合わせて同じく再生プラスチックを使用した液晶モニターも発表されました。

そりゃWindows PC自体は25年近く使ってきていますが、ご存じのようにこのブログではほとんど取り上げてきていません。にもかかわらず、昨日、声をかけていただいたんです。そして、私はそれに、この38度とか40度とか言われている猛暑の中、全身汗だくになりながら赤坂まで足を運びました。

それは、この発表会に先立って1〜2ヶ月前のnext@acerだったかな?で発表されたラインナップの中で、私が一番心躍ったのが、この今回国内でも発表された「再生プラスチックを使用したサステナブルなVeroシリーズ」だったんです。

海外での発表会の時から一番気になっていたのが、今回のVeroシリーズでした。

もう発表の直後に日本エイサーの担当の方に、「これ日本でも出して欲しいですね」と少し暑苦しいメールを深夜にも関わらず送ったくらいです(担当の人、今回そのことすっかり忘れてたみたいだけど)。

つまり、私は、そのnext@acerで発表されたこのモデルに惹かれていた。

で、欲しいと思っていた。

そこに、今回このモデルが国内で発表されるということで招待頂いた。

そりゃ興奮するでしょ。だって、私、欲しかったんですから。いや、買うかどうかは実物見てみないと何とも言えないですが、少なくとも心動いていたわけですから。

で、結果として、先ほどの結論に至るわけです。

「とても共感するし、惹かれるけど、買うのにはちょっと躊躇するな」

その理由と、ではどうであれば私は買ったのか、という点について、この後振り返ってみたいと思います。

リサイクル、サステナブルはコストがかかる。そして、それには「その金を出しても良い」と思える製品の完成度が欲しい。

会場で今回のモデルの実機を見て、触った感想。

いや、ホント表面の色合いとか、手触り(さらさらとした独特の感触)とか、またデザイン的に左下のインテル入ってるシールがなくて刻印されていたり、また環境に配慮して基本無塗装だったり、と、筐体自体は私に刺さるモノでした。

再生プラスチックを用いた製品ならではの表情や質感は、ホント個人的には好みで刺さりました。

うん、これ、普通に(個人差、好みはありますが)私はお洒落だと思いました。今までにないな、と。で、別にドヤりたい訳では無いですが、この再生プラスチックならではの斑な雰囲気のPC、持ち歩いて使ってみたい、と思ったんです。

こちらは法人向けモデルのTravelMate。
もうTravelとか付いてる時点で、これ持って旅出たいじゃないですか。

ただね・・

色々惜しいんですよ。

まずはスペック的には不満はありません。

比較的上位モデルなのですが、第11世代ではありますが、Core i5-1155G7かi7-1195G7も普通にあり。RAM容量も8GBと16GBがありますし、ストレージ容量も512GB NVMeです。指紋認証センサーもありますし、Webカメラが720pなのはそろそろ1080pに移行して欲しいところですが、まぁ良いでしょう。

という風に、単なるスペックだけで見るなら、悪くはないんですよ。

でもね、これ、それなりにハイスペックモデルと言うことは・・

普通に10万超えるんです。i7モデルだと20万円超えです。

現在予約受付中で「エコ割10%クーポン」を配布しているとはいえ、例えば個人向けAspire Veroであれば、i5モデルが179,800円、i7モデルが219,800円です。

最近の円安の影響もあって、PC市場も値上げが出てきてはいますが、普通に考えて下さい。いや、ちょっと感じ悪い言い方になるかもしれませんが・・

その値段だったら、MacBook買いません?

いや、macOS嫌いでどうしてもWindows PCが良い、というのであれば(私はどっちも好き)20万前後出すと、かなり魅力的で完成度高いモデルを各メーカー出してるんですよ。

ここでMacBook出したんで、「お前最近Chromebookから裏切ってApple信者になったんだろ」と思われるかもしれませんが、挙げた理由はこの後詳しく触れます。

要は、細かい部分の完成度が、20万円前後の、決して安くはない価格帯のモデルとしては、色々残念なんですよ。

選択肢は15.6″の1.8kgモデルのみ。キーボードは各国共通併用パーツ。端子類は左に偏っていて、20万と考えると高級感はない。

最初のモデルとで仕方ないのかもしれませんが、個人向け、法人向けともに、今回は15.6″モデルのみの展開。

まぁまだ最初の段階なので仕方ない部分もあるとは思うんですが、展開するモデル(Aspire Vero、TravelMate Vero)が液晶サイズ15.6″(最大解像度1920×1080)重さ約1.8kg「のみ」というのがまずは最初の悩み。

特に法人向け(一応個人でも買えます)のモデル、TravelMateって名前なのに、約1.8kgもTravelで持っていくの、なかなか大変です。

続いてキーボード。これも見て残念だったのは、まぁ国内のニーズを考えればJISかな配列のみなのは仕方ないとしても、

多言語のキートップの形に合わせて、どれでも使えるように穴を統一させた汎用のキートップカバー。

世界共通の汎用のキーボードトップカバーを使ってるんですよね。

だから一部のキーの大きさやバランスが崩れてしまっている。各国の言語キーボードが違うのは、単純に配列が違う、というだけでなく、それぞれの言語入力に合わせて、適切な位置に適切なキーが適切な大きさであることが前提だと思うんです。汎用金型にする、ということは、どの言語キーボードでも同じ位置にキーが配置されてしまうんです。だからキー数を考えても一部が不自然になる。

「R」と「E」のフォントを反転させて、黄色にしてるのは、恐らく「拘り」の1つだと思うのですが、他が惜しいと「そこじゃない」。

今回のキーボードは「R」と「E」のキーをReduce、Reuse、Recycleを象徴するように、イエローのキーアクセントを施して、更にフォントを反転させているんです。その辺りこだわるのは面白いと思うんですが、(キー自体の素材もこだわってる)それなら何故肝心のキータッチや入力についてこだわらなかったのか。

一応USB-Cでも充電できるようなのですが、メーカー推奨は付属の専用65W専用ACアダプターだそうです。

そして端子類はほぼ左側面に偏っています。まぁこれは人によっては便利なのかもしれませんし、拘りがあるのかもしれませんが、それが見えてこない。で、充電端子も(発表会の質疑応答では「一応USB-C充電も出来ますが、推奨はしません」と言っていた)専用の65W ACアダプターです。

それで価格が20万円前後です。

そう見てしまうと、先ほど個人的には好印象でお洒落だと評した折角の再生プラスチック素材の筐体も、価格を考えると高級感はないんですよね。チープさはないのですが、敢えてそれだけのために選ぶ気になるのか、といわれると、

それ以外の部分の作りが甘い、詰めが甘いために、それだったら別のモデル買おうかな、と思ってしまう

んです。

だって、20万円前後って安くないですよ。買うとなったらそれなりに思い切りが必要です。

それは勿論人によって基準は違って、スペック最優先の人もいるとは思いますが、「これ使ってみたい」「持っていて気持ちいい」みたいなデザイン的な満足感も購入動機としては大きいと思うんですね。

20万円出して「だから、私はAspire」って人がどのくらいいるのか、その辺りが心配です。

その点で、今、(幾ら世界シェア4〜5位だとしても)ここで、20万円前後の選択肢の中から、敢えてエイサーのAspire、もしくはTravelMateを指名して購入しようと思う人がどれくらいいるのか

というと、エイサーに失礼かもしれませんが、私としては、「それでもエイサー」と思わせるまではいかなくても、「このVeroって何かお洒落だよね」「再生プラスチックなんだって」みたいな部分がせめて付加価値になるような、そんな何かを期待してしまいたくなるのです。

その点で、凄く雰囲気は良いだけに、何か要所要所で、高価格帯のモデルであるが故に出てきてしまう粗のようなものが気になってしまって、あと一歩が踏み出せない。

それが私が会場で実物を見て、「おっ」と思いながらも、でも購入には一歩踏み出せない理由です。

ではどんなモデルだったら、私は買っていたのか。

と、これだけではただのディスり、批判さえすれば良いような記事になってしまうので、私なりの感じたことを最後に書いてみたいと思います。

尚、こういう「私の考えた売れるPC」「これなら売れる」は大抵独りよがりの好みを押し付けただけで、市場に出すと受け入れられることも少ないと思うので、日本エイサーの方は適当に流して下さい。ということで、私なりの感想としては、

これ、やっぱりChromebookで出しません?Acer Chromebook Vero。

これ、程良い価格帯のChromebookで出たら、ホント欲しいんだけどなぁ・・
ハイエンドはダメね。ハイエンドだと惜しい部分が色々多いので。

で、価格帯としては、ハイエンドモデルはダメです。

ハイエンドはChromebookも競合が強いですし、その価格帯選ぶ人は、ここでの私みたいにうるさい人間が多いので、こういう細かいところの惜しさは、Chromebookであってもやはり難しいです。

で、狙うのは2パターン。「5〜7万円台のミドルレンジ」もしくは、「学校向けモデル」

この価格帯、Windows PCだと難しいんです。

まぁミドルレンジであれば出せないこともないですが、この辺りの価格帯のWindows PC選ぶ方であれば、LenovoとかHPとか価格競争に巻き込まれますし、それなりに「コスパ」重視の良モデルが揃ってる。でも「コスパ」と「サステナビリティ」はなかなか共存が(現時点では)難しい。

でもChromebookのこの価格帯、ミドルレンジは違います。

普及価格帯スタンダードモデルよりも若干上くらいのスペックは、かなり快適に使えますし、Chromebookでこの辺りの価格帯のモデルに手を出す人って「通常のモデルではそろそろ満足できなくなってきた、もしくは何か1つ付加価値が欲しい人」だと思っています。

キーボードに特化させた富士通のFMV Chromebook、とかね。すべてをハイレベルというのは求めないけれど、何かちょっと欲しい人なんです。で、元々Chromebook買う人って、ちょっと何か違うものを使いたい、欲しい、シンプルに、みたいな何かを求めている人たちも多い。そこに「サステナビリティ」「再生プラスチック」は刺さるかもしれません。

ただ、それだったら15.6インチではなくて、個人的には13.3インチ前後、1.3kg前後のモデルか、もしくは11.6インチ以下のコンパクトなモデルになります。ただ、そうなるとそれなりに解像度とか求めるもののバランスが難しくなってきてしまうので、最初からは難しいと思うので、となるとやはり最初はスタンダードな13.3インチ〜14インチくらいのクラムシェルモデルくらいになるでしょうか。

そしてもう一つが「学校向けモデル」です。

もちろんGIGA予算を考えると、再生プラスチックを利用して耐久性もしっかり担保した上で5万円未満に抑えるのは難しいかもしれません。ただ、これって教育、今後の啓蒙という意味でも意義のあることだと思うんですね。

このモデルを学校で学生達に使ってもらうことで、「海洋プラスチック問題」や「プラスティック問題」「環境問題」について、話す、考えるきっかけにしてもらう。

もし公立の学校では予算的に難しいのであれば、私立に絞っても面白いのではないか、と。もしかしたら柔軟に、ある程度自由に授業が出来る分、こうした環境問題やサステナビリティといった話とは相性が良いかもしれません。

またそうしたモデルであれば、価格的にそこまで高くは(先ほどの20万前後に比べれば)ならないので、私のようなちょっと環境にも興味がある、多少意識高い系にも刺さるかもしれません。

ということで、これから2030年に向けてエイサーも徐々に自社製品をVeroのような製品に移行していくようですので、その中でご検討頂けたら、と思います。

最後に。

next@acerの時、確かこのVero製品、他にPCスリーブケースやマウスやキーボードといったアクセサリー類も発表していませんでしたっけ?

個人的には、あれ、なかなか良い感じで、最初のアイテムとしてとても良いなぁ、と、欲しいなぁ、と思ったんですが、あれらは国内で発売する予定はないんでしょうか?

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「とても共感するし、惹かれるけれど、買うのにはちょっと躊躇する」理由。

リサイクル、サステナブルはコストがかかる。そして、それには「その金を出しても良い」と思える製品の完成度が欲しい。

選択肢は15.6″の1.8kgモデルのみ。キーボードは各国共通併用パーツ。端子類は左に偏っていて、20万と考えると高級感はない。

ではどんなモデルだったら、私は買っていたのか。

  • 「とても共感するし、惹かれるけれど、買うのにはちょっと躊躇する」理由。
  • リサイクル、サステナブルはコストがかかる。そして、それには「その金を出しても良い」と思える製品の完成度が欲しい。
  • 選択肢は15.6″の1.8kgモデルのみ。キーボードは各国共通併用パーツ。端子類は左に偏っていて、20万と考えると高級感はない。
  • ではどんなモデルだったら、私は買っていたのか。