2023年12月22日、ASUS JAPANは4G/LTE対応のChromebook、CM30 Detachable (CM3001)を発表、同日より全国のKDDI直営店、au Online Shop、KDDIおよび沖縄セルラーで順次発売します。
ASUS Chromebook CM30 Detachable | au +1 collection | au
ASUS Chromebook CM30 Detachable(CM3001) | Chromebook | 法人向けノートパソコン | ノートパソコン | ASUS日本
ちょうど同日にSoftBankより5G対応(限定エリアで提供)のLenovo 14e Chromebook Gen 3が発売されたばかりということで、これに対抗するかのような形になりました。
今回のモデルは同社の従来のDetachableタイプのスタイルを踏襲し、CPUなどをアップグレード(MediaTek Kompanio 520(8186))したようなモデルとなります。
10.5インチ液晶、4GB RAM/64GB eMMC、USI Pen対応(付属、本体収納型)、4G/LTE対応、質量約993gで、価格は69,800円(税込)。
尚、現時点ではAmazonや家電量販店、ASUS公式オンラインストアであるASUS Storeなどでの販売はアナウンスされていませんので、au専売という形になります。
前回の14e Chromebook発表の際にも触れたような視点で考えると、今回のCM30 Detachableは、
- そこそこの性能で持ち運びが出来ること重視である程度タブレット的な用途も考えていて
- とはいえAndroidタブレットとは別物なので、あくまでChromebookだと割り切りが出来て
- 2年で返却する(買い換える)プランが今回auで対象となる
のであれば、かなり魅力的な選択肢のひとつになるのではないか、と思っています。モデルとしては決して真新しいもの、最新のスペックではないのですが、ハードウェア的にはペンの収納が爪で引っかかるタイプではなくカチッと押し込むタイプに変わっていたりと従来の同社のモデルから使い勝手をだいぶ改善させています。
今回は現時点でプレスリリースで分かっている範囲で判断した限りで考えたことを書いてみたいと思います。
毎度のことながらRAM容量4GBが惜しいものの、何より携帯性を最優先させるのであれば、比較的妥当な現行人気モデルのブラッシュアップ機。
学校だけでなく、個人向けでもとにかく人気なのがLenovo IdeaPad Duet Chromebookから続く、タブレットとしても使える(本体とキーボード部分が分離型)所謂Surfaceタイプのこの手のモデルです。
ちなみに私のYouTubeチャンネルでも何年も経っているのに未だに日々の視聴数が一番多いのが同社(ASUS)が以前に発売したこちらのモデル(Detachable CM3(CM3000))のレビューです。
今回のモデルはCM30 Detachableと前後の順番が逆になっていますがCM3001という型番から分かるように、この人気モデルのブラッシュアップ機となります。
Lenovoが人気モデルDuetの後継としてプロセッサーをQualcomm Snapdragon 7c Gen2を搭載したDuet 370を発売したのが2022年7月。それに対してASUS JAPANは前モデルCM3の後継モデルは出してきませんでした。
それでも未だにこのモデルのレビュー動画がよく見られ、更にセール等になる度に何かと話題になるのは、それだけこのモデルが多くの方に求められている、というか、「Chromebookとはこういうもの」と考えられているからではないでしょうか。
単にChromebookが「Androidアプリが動くキーボード付きのタブレット」と思われているからかもしれません。
なので、そうした用途を求めている方にとっては、久しぶり、待望の新モデルということになります。
プロセッサーに関しては、昨年11月に発表されたMediaTek Kompanioシリーズの最新版、Kompanio 520を搭載。このプロセッサーを搭載したモデルをASUSは既に今年5月に14インチモデルで出しており、当ブログでも既にレビューしています。
パフォーマンスに興味がある方はそちらをご覧頂けると嬉しいです。
個人的には半年前の時点ではなかなかの好印象ではあったのですが、当時も触れたようにKompanioシリーズはプレミアムの1000番台、メインストリームの800番台、そしてエントリーの500番台となっていますので、あくまで前モデルCM3で搭載されたKompanio 500の後継、エントリーラインの後継プロセッサーという扱いになります。
個人的に惜しいなと感じたのはやはりRAM容量が今回も4GBだったこと。また、世間一般のChromebookのイメージ、というか、この手のDetachableタイプのモデルのイメージである「Androidタブレットの代用」的な使い方を想定しているのであれば、ストレージ64GBももう少し欲しかったところかもしれません。
その意味で、
- そこそこの性能で持ち運びが出来ること重視である程度タブレット的な用途も考えていて
- とはいえAndroidタブレットとは別物なので、あくまでChromebookだと割り切りが出来ている
のであれば、という条件となります。
そういう使い方で前モデルCM3なりLenovoの初代Duetをずっと使ってきていて自分の用途にピッタリ合致している、という方であれば、今回のモデルは充分に買い換え候補になります(Duet 370とどちらを選ぶかは悩ましいところですが、既にLTE対応のHP x2 11が販売終了となった現時点では、今回のCM30がLTE対応なのは大きい点。)
尚、LTEの対応バンドに関しては主要キャリアのメインとなるバンドはほぼ対応していますので、基本的には問題ないはずです。
使い勝手についても、前モデルで「取り出しにくかった(爪が痛くなった)」などあまり評判の良くなかった付属の収納型USIペンをプッシュポップアップタイプ(押すことで飛び出して出てくる)に変えたりと細かい部分の調整を行っていますし、
耐衝撃性に関しても本体自体もMIL-STD 810H規格をクリアしていますが、オプションとして「耐衝撃スタンド付きカバー」も用意されているようなので(別売りで国内で販売されるかは現時点では不明)結果として耐衝撃性を上げることで質量まで上がってしまうということがないようにしているのは個人的に好印象です。
「スマホトクするプログラム」の価格設定とキャンペーン次第で評価が分かれそう。
25ヶ月目返却で総額が安くなる「スマホトクするプログラム」の適用を期待してこの項を書いたのですが、発表、発売直後の現時点では対応していないようです。
現時点では一括か24回の分割払い(2,916円+2,908円/月×23回)の選択肢しか出てきません。
今回は発表と発売が同時ということで、まだオンラインショップ等が対応が間に合っていないだけかもしれませんが、ひとまずどうなるか分かりませんので、この項は「こうなったら良いな」的な感想としてサラリと流して頂けたら、と思います。申し訳ありません。
69,800円(税込)という価格設定については評価が難しいところです。前回のSoftBank版Lenovo 14e Chromebookも同様に税込71,280円というのが非常に悩ましいところでした。ただ、あちらはSoftBankの「新トクするサポート」を利用し、25ヶ月後に返却することが前提となりますが、その場合総額23,760円(980円/月)となります。これがうまいんですね。
そのまま返却しない場合は25ヶ月目以降は1,980円/月と上がるため、一括払いや25ヶ月以上使用する場合には(2年経てば最新のモデルが出ることを考えると)あまりおいしくはないのですが、元々リセールバリューも非常に低い(半年経たない最新のモデルが買い取り価格1万円を切ることもある)Chromebookで考えると、2年毎に新しいモデルに乗り換えていく、というのは非常に相性が良い、と前回も書きました。
で、今回のこのASUSのモデルに関してはau専売ということで、これを左右するのが同社の「スマホトクするプログラム」です。
スマホトクするプログラム | スマートフォン・携帯電話 | au
仕組みとしてはSoftBankとほぼ変わらず、25ヶ月目に機種を返却することが条件になります。で、こちらが今回どういう価格設定になるのか(単純に48回分割にした上での24回分の設定なのか、最初の24回分が充分に魅力的な月額設定になるか)次第だと思っています。
SoftBankの例を見ると、1,000円以下/月で設定してきて欲しいところですが、この文章を作成している時点では製品ページがまだ出来ていないので判断が出来ません。
また、前述のLenovo 14eの場合には別途Lenovoが「事前抽選&ソフトバンクでLenovo 14e Chromebook Gen 3を購入してPayPayポイントプレゼントキャンペーン」を行い、最大でPayPayポイントが15,000ポイントプレゼントとなりました。これだと14eは実質8,760円で2年間借りられる計算になります。
今回のCM30 DetachableもASUS JAPANが似たようなキャンペーンを行うとかなり面白くなってくると思うのですが、どうでしょうか。
データ通信はタブレットシェアプラン5G/4Gか単独でのタブレットプラン 3 5G/4G。勿論端末のみの購入も可能なはず。
肝心のLTE対応についてはSoftBankとほぼ同じだと思われます(私がau回線を契約していないため)。
既にメイン回線がauの方は「タブレットシェアプラン 5G/4G」で月額1,100円/30GBまで。
タブレットシェアプラン 5G/4G | 料金・割引:スマートフォン・携帯電話 | au
今回単独で回線も契約する場合には50GBのプランだと月額5,280円と高いので、3GBのプラン(タブレットプラン3 5G/4G)で同じく月額1,100円となります。
タブレットプラン3 5G/4G | 料金・割引:スマートフォン・携帯電話 | au
尚、CM30 Detachableは5G非対応のため、契約の際には4GのSIMでの契約となるのではないか、と思います(SoftBankの場合、契約に紐付く端末が5G対応なら5G契約、4Gのみなら4G契約とのことでした)。
ただ、前項で触れた「スマホトクするプログラム」が回線契約なしでもOKとのことなので(その場合、回線契約と合わせた場合に比べて若干割賦審査が厳しくなる可能性も)、端末のみ契約して回線は手持ちの格安SIM等を使う、というのもアリかな、と思います。
持ち歩くことを最優先させた端末だからこそ常時接続が活きてくる。このタイプが好きな方には価格次第ではオススメしやすい一台。
ということで、文章作成時点ではまだauの製品ページもプランの概要等も分かっていないため、一部間違っている点もあるかもしれませんが、現時点で分かっている限りの情報で考えてみました。
前回のSoftBank版Lenovo 14e Chromebookは常に持ち歩くことを考えている方には14インチ、質量約1.5kg弱という大きさと重さが若干ネックになってくるかな、とは思います。ただ、その分搭載しているN100プロセッサーが数世代前のミドルハイからハイエンドのChromebookに近いパフォーマンスを発揮することもあって、最初の一台として「Chromebookの現行普及価格帯スタンダードモデル」を試すのに良いモデルだったと思います。
それに対して今回のASUS CM30 Detachableは多少パフォーマンスを妥協してでも持ち歩き(質量1kg弱)を最優先させたモデルですので、刺さる人にはこれ以外選択肢がない、というくらいだとは思います。またUSIペン対応に惹かれる方も多いでしょう。
なので、うまく棲み分けが出来ているのかな、と感じました。
また、先ほども触れましたが、個人的にはChromebookの5G/4G対応とキャリアでの販売というのは非常に相性が良いのではないか、と最近感じるようになりました。スマホ同様、Chromebookという分からないものにいきなり6万円、7万円出す、というのはなかなかあと一歩踏み出せない方も多いと思います。家に安定したWi-Fi環境がない方も結構いるでしょう。
そう考えると、常時接続(5G/4G対応)でキャリア販売で25ヶ月目返却プログラムを使えば実質2万円強(月1,000円程度)で使うことが出来る、というのは大きいと思っています。
iPhoneなどと違って2年後のリセールバリューなんて雀の涙ほどのものになってしまいますし。
また、既にiPhoneなどをキャリアで契約しているご家族が、学校で使っている機種がChromebookだった場合、自宅でも習熟、練習が出来るというのは大きいかな、と。学校の端末と違って制限もかかっていないのでAndroidアプリ等も自由に入れられますし、色々なことを試すことが出来ます(いざとなったらPowerwashであっさり元に戻せます)。
ということで、SoftBankのLenovo 14e Chromebook、そして今回のauのASUS Chromebook CM30 Detachableと続いたことで、個人的には是非この施策がうまくいって、今後も継続的に、またコンスタントに新モデルがキャリアからも発売されるようになると良いな、と思っています。またその時には是非10万前後のハイスペックモデルも選択肢として増やしてくれたらいいな、とも願っています。
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