私のメインPCでもある、Acer Chromebook R11 CB5-132T-C32Mでも、ようやくGoogle Playストアを使えるようになりました。
といっても、まだ安定版(Stable)ではなく、開発者モード(Dev)での対応ですので、一般で安心して使うにはまだまだ待つ必要がありますが、ひとまずGoogle Playストアのアプリが試せるようになったのは非常に大きいです。
そこで、早速入れて少しずつ試していますが、その中で感じたことを書いてみたいと思います。
オンラインで使わざるを得なかったMicrosoft Officeが使えるようになった。
Google Playストアが使えるようになったことで、Androidスマートフォンを使っていた方は同じアカウントでChromebookでもアプリケーションが使えるようになります。もちろんまだまだ対応が不十分なアプリも多いと思いますので、「全てのアプリ」が「満足行く」使い勝手で使えるわけではありません。
とはいえ、今まで「Chromebookでほぼ用足りるけれど、ちょっと○○したい時にはWindowsやMacを使わざるを得ないんだよなぁ」といった悩みにある程度対応できるようになったのはやはり大きいかな、と思います。
一番分かりやすいのは、Officeが今までのようなOffice Onlineではなく、AndroidやiOSのタブレットやスマートフォンでも使われているアプリケーション版が同様に使える、ということがあります。これは実際にどれほどChromebookで使うかは別として、使える、という安心感だけでも大きいです。
ひとまずChromebook R11では簡単な操作は問題なし。ただ、11.6インチということは・・。
私自身がそれほどOffice自体を使うことがないので、細かい部分まではまだ触れていないのですが、ひとまず私のOneDrive上に保存してあるWordやExcelファイルを読み込んでいつもどおりの作業をする限りでは(大したことをしていない)問題はありませんでした。
ただ、読み込みはそれなりにかかりますし、R11の場合には11.6インチの(タブレット的使い方も可能な)ラップトップのChromebookです。Officeのライセンス周りが気になるところではあります。
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もちろんMS OfficeのWord, Excel, PowerPointなどもインストール可能です。
しかし、この機種の画面サイズは11.6インチ。
10.1インチまでの機種ならば無料で利用できるのですが、それ以上だとOffice 365のユーザーアカウントでのログインが必要となってしまいます。
Google Playストア(Androidアプリ)対応第一弾のASUS Chromebook Flip C100PAは10.1インチ。今回対応した、第二弾のAcer R11は11.6インチですし、Google Pixel 2015は12.85インチです。そう考えるとFlipってよく考えられているなぁ、と改めて思います。
私はOffice 365のアカウントを持っているのであまり気にしていなかったのですが、しっかり使うとなれば今後Chromebookではこの辺りの悩みが出てきそうだなぁ、とふと思いました。
Androidベースとはいえ、しっかり使うのであれば、今後Chromebookもある程度のスペックが必要。
前回Chromebookについて書いた時にも触れましたが、海外では今年後半から(今までストレージ容量は16GBと32GBがほとんどだった)Chromebookに64GB版が普及価格帯でも出てきそうです。(ASUS C301SA)
今回幾つかのアプリを試しに入れてみますが、内部ストレージのどの辺りに保存されているのか、普通に探す限りでは見つけることが出来ませんでした。
ただ、Androidスマートフォンと共通のアプリですし、現在のAndroidスマートフォンでストレージ容量が32GBでも基本的に大して困らないことを考えると、今後アプリのインストールに大容量のストレージが必要になる可能性はまだまだ低いとは思います。
作業用のファイルや画像をある程度は本体に保存した状態で編集することを考えれば、価格がさほど変わらないのであれば大容量になること自体はありがたいことでもあります。
ただ、そうした「本体に保存したファイルを編集する」という使い方は、本来のChromeOSの方向性からは変わってきます。クラウドベースでどこからでもすぐに同じ状態で作業が再開でき、軽快に動き、クラウドに保存されているので安心、といったChromeOSならではの魅力が薄れてしまわないか、という不安はあります。
更に、幾つかのアプリを入れて感じたのは、今まであまり感じたことのなかった「操作のもたつき」です。
R11自体は現時点では試しにアプリを幾つか動かしてみた限りでは(私はゲームはしませんが)動作が気になるほどではありませんでした。ただ、アプリを動かす、色々と出来ることが増える、となると、今まで軽快に動いていたChromeOSにもある程度の処理能力を持ったCPU等が必要になってきます。出来ることが中途半端に増えてくると、その分無意味に処理能力を必要とし始めます。
となれば、単純な体力勝負。Windows PCやMacと同じ土俵に上がるのであれば、途端にChromebookならではの魅力も薄れてしまいます。
せっかく海外では教育機関を中心にシェアも広がってきているChromebook。いつの間にか良さを失い、埋没していかないか、それが気になります。
ChromeOSの不足を補う形としての、「痒いところに手が届くAndroidアプリ」という立ち位置が現時点では無難。
出来ることが増えると、ついあれもこれも、と望みたくなってしまうのが人間です。そうした足し算の考え方ににうまく引き算を忍ばせて良いバランスに保ってきたのがChromeOSかな、と思っています。
Chromebookが今後どういった方向に進んでいくのか分かりませんが、あくまでベースは加えていく形でのアプリケーションではなく、あくまで今までのChromebookならではの魅力を活かしつつ、「ちょっとこの部分ができたら・・」という痒いところに手が届く、届かせるためにさり気なくGoogle Playストアのアプリを少し加える。そんな立ち位置が現時点では無難なのではないかなぁ、と思っています。
無難、と書くと何とも保守的で、新しい物を拒んでいる頭の固い古いユーザーのような印象も出てきてしまいますが、過渡期だからこそ、新しい刺激を楽しみ、期待に胸踊らせながらも、ChromeOSの良さも改めて見つめてみたいなぁ、と思いました。