Chromebookの話題になると必ず出てくるのが「Office使えない時点でダメ」といった類のものがあります。Androidアプリ対応においても「Officeが実用的かどうか」というのはやはり大きいようですし、またそうした既にPCに慣れ親しんでいる方だけでなく、今の日本においてChromebookが売れない理由としても「Officeが使えない」という理由(印象)がやはり大きいのかな、と日々ネットを眺めて感じていました。日本においては「PC=Microsoft Office」のようなイメージが強い、というのも確かにあるのかな、とも思います。
そんな時たまたま目にしたのが下記の記事です。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1054580.html
回復傾向なので良いのかと思いきや、日本人のITリテラシーの低さが負のスパイラルになっているようで、スパイラルになりつつも回復傾向な日本のITの未来はどうなるのでしょうか
この記事の中で、
IT先進国というくくりなど、「日本人のITリテラシーは比較的高い」という意識があるが、同氏は、実際には日本人のITリテラシーは高くなく、むしろ低いと指摘した。
同氏の引用した、国立青少年教育振興機構による「最新の高校生のICT活用に関する調査」では、簡単なプログラミングをする率は、アメリカで12.9%、中国で21.4%、韓国で23.4%に対して、日本は4.8%であるほか、Wordなどの文書ソフトを使う率は、米85.6%/中36.4%/韓50.9%に対し日本は20.8%、PowerPointなどのプレゼンテーションソフトでは、米74.5%/中32.4%/韓64.1%に対し、日本は11.1%と10人に1人に過ぎない。
同氏は「これは高校生の調査だが、Microsoftの実施しているリテラシー調査でも日本は低く、実際には高校生以外の層でも同様のITリテラシーレベルではないか」と述べ、その”ITリテラシーの低さ”が市場拡大の妨げになっていることを認める必要があるとした。
これ、ITとICTが一緒になっていますので、いまいち「高校生のICT活用」というのがイメージしにくいのですが、単純な「使っているかどうか」ということだとひとまず解釈して話を進めます。
現実的には今の日本の高校生(後半で「高校生以外の層でも、とありますが)のほとんどはWordなどの文書ソフトも21%しか使っていませんし、PowerPointなどのプレゼンテーションソフトは11%です。日本においてのPCの象徴でもあるMicrosoft Officeに限らず、そもそも文書ソフトもプレゼンソフトもほとんど使われていないのが現状なんですね。そのまま大学に入ってレポートで多少Word使う(何か最近はスマホで入力して提出している学生もいると何かで言っていましたが)程度。
となると、日本人にとってのPCはOfficeが必須のような印象を持っていましたが、実際にはその印象ほど日本人は普段Office自体使っていないのかもしれません。実際私、ほとんど使いませんし、使えません。それで困っていないですし、そう考えると何となく一般層ではOfficeなくても困ってないんじゃないか、という気がするのです。
でもPC買いたい、と相談された時に「何に使いたいの?」と訊くと大抵「ネットとメール、あと少しWordとか使えればいいかな」と言われます。やはりPCのイメージは「Wordに代表されるOfficeが使えること」。ですが、恐らく購入したPCが「何もしてないのに壊れ」るまでにWordもExcelもPowerPointも一度も起動することはなさそうな気がします。
OfficeくらいしかPCの用途って想像が出来ていないのかもしれません。実際私も他にどんな用途にPC使いますか、と言われると貧困な想像力しかありません。
数年後、十数年後に社会に出て第一線で働くことになる今の学生の皆さんが学生時代にPCやIT、ICTにどう慣れ親しみ、それが将来の日本にどんな影響を与えていくのか。もちろんそれは教育現場に限らず、家庭環境も大きく影響するのですが、Officeに限らない幅広い用途の可能性に期待したいな、と思っています。
ここ最近、Chromebookの教育現場での活用について色々と情報を頂いたり、またアンテナを張ることで少しずつ情報が飛び込んでくるようになったのですが、「私の大学時代にもこれくらい活用されていたらなぁ」と羨ましくなる例もあれば、反対に日本の従来の教育の型が導入への大きな足かせになっている、という意見まで幅広く、この話題は本当に話が尽きず、興味深いな、と感じています。