私は腕時計が好きです。好きだと思います。以前仕事をしていたこともあるのですから、興味がないとは言えません。仕事柄一時期たくさんの腕時計を持っていましたが、今では手元に10本あるかないか、くらいになりました。
何となく疲れてしまったんですね。情報を常に追いかけ続け、刺激をいつも受け続けることが。
などと言うと格好いい気もしますが、単にお金が続かなくなったとか、他に興味が移ったとか色々あるんだと思います。私自身今までに物に対する興味は「腕時計」→「革靴」→「万年筆」→「革小物」の順番でローテーションして熱が上がるようです。
そんなことは置いておいて、ここ最近はほぼSEIKO 5かCASIO STANDARD DIGITALを交互に着けている毎日です。
いいですよ、この二つ。それぞれ日本を代表する、日本らしい腕時計だと思います。別に愛国者と呼べるほど日本万歳している訳では無いのですが、国産腕時計はもっと評価されて良いと思っています。
追記:2015年10月21日 15:00 更新
昨夜放送された「ガイアの夜明け」でKnotが取り上げられたことで、ありがたいことに当ブログのアクセスも急増しました。記事自体が1年前のもののため、せっかくたどり着いた方にとって情報として新鮮ではないのも申し訳ないと思い、ちょうど良い機会でしたので本日妻用の一本を買いに、吉祥寺のギャラリーショップに行ってきました。
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お時間のある方は是非合わせてご覧ください。
最高峰のMADE IN JAPANかどうかは別として。
今年に入って、「Knot(ノット)」という国内ブランドの腕時計が出てきました。
Knot(ノット) / 最高峰のMADE IN JAPAN 腕時計ブランド(楽天市場店)
Knot(ノット) / 最高峰のMADE IN JAPAN 腕時計ブランド
価格は1万円台。腕時計界のUNIQLOというのは褒め言葉なのかどうか分かりませんが、元々SKAGENやLuminoxを日本に広げた方がプロデュースしているので、商品の見せ方がうまい。
もうヒットでは終わらせない。日本製ウォッチで、ずっと腕時計の文化を! | another life
そして同時に、スマートフォンなどを時計代わりにし、時計を付ける若者が減っていく中で、SKAGENのような、幅広い層が買うことのできるものが無くなってしまう状況に、とても危機感を覚えたんです。道具ではなく、もはやパーソナリティを示すものになっている時計という文化が、このままでは、本当に無くなってしまうのではないかと思ったんですよ。
そこで、自分は代理店だったからSKAGENを売ることができなくなってしまったけど、それならもう、同じくらい魅力のある時計を自分で作るしかないと考えたんです。
そこで立ち上げたのが、Knotでした。日本の大手の時計メーカーでは日本製の良いものであるほど値段が高く、余計に若い人々が時計を手に入れにくいんですね。そこで、中間流通をできるだけ省き、日本製で質が良く着せ替えもできる、価格を抑えた時計を販売することにしました。
これが腕時計に馴染みのない人々にとってのエントリーモデルのようになり、時計を付けるという文化を継続させていくことに繋げられると考えています。
腕時計って「時を知る」という機能だけであれば、既に必要のないものになってしまった、と良く言われます。実際にクォーツショック後にスイス時計業界が壊滅状態から這い上がってきたときの意味づけが、時計は単に時を知るための道具ではなく、時を楽しむためのもの、といったもの。正確さでは明らかにクオーツには劣りながらも機械式が一時流行になったのは、敢えて「職人の生み出す技術、芸術」といった「手作り」感や「味わい」といったうまく形に表せない価値観でした。
SEIKOが考えた、世界の誰もが手に入れることが出来る、時間を知ることが出来る、という世界。その結果生み出された、クオーツ。けれど、いざ誰もが安価で手に入れられるようになった途端、今度は「職人」「手作業」「味わい」「芸術品」といった部分がもてはやされるようになりました。ところが、今、スマホはじめ、誰もがいつでも時間が分かる、いや、時間すらあまり重要視されなくなってきた時に、そうした「人の手がかかる」高額の腕時計は一部の人たちの趣味道楽になってしまった。
その結果ここ最近腕時計の一つの流れとして生まれたのが、気軽に着替えられる、小道具の一つとしてのファッションアイテム。TIMEXのウィークエンダーセントラルパーク辺りも数年前から一部で人気が出てきたのも、メディアの戦略も勿論ありますが、気軽に手に入れられるちょっとお洒落な時計、というのがあったのかな、と。
イメージと話題性がが先行しているけれど、意外とバランスも良さそう。
僕らがやることはそのストーリーを表現する事。それはビジュアルだったりサイトの見せ方だったり、プロモーションの仕方だったり。Knotというブランドをどうやってお客様に伝えるか、そのお客様はどこにいるのか、どうやってリーチするのか、単体ではなく全体でストーリーを組みます。
例えば写真で言えば、他の時計ブランドとはアプローチが全然違います。なぜならKnotは時計でコーディネートを楽しむブランドです。
であればコーディネートをいかにカッコよく見せられるかがポイントだったりします。時計ブランドなのにあまり時計を見せていないという今までのセオリーとは真逆ですね。
更に今回クラウドファンディングでお金を集めたことが話題になり、メディアでの露出の仕方と合わせて見事に今の時計の需要にマッチしたのでしょう。直営のオンラインショップ2店舗(公式サイトと楽天)のみでの販売ということもあり、現在ほぼ入荷待ちの状態。次回入荷が11月だそうです。
私が知ったのが今月に入ってからで既に時計に関してはほぼ売り切れていまして、まだ実物を見ることが出来ずにいますが、個人的にはこれ、良いかな、と。
材料としてサファイアガラスを使っているとか、316Lサージカルスチールを使っているといったことは、蘊蓄として確かにあるとは思うのですが、正直大半の人にはよく分からないし、どーでもいいと思うのです。ただ、確かにサファイアガラスを使っていると、何となく時計が少し高そうに(良い意味で安っぽくなく)見えたり、316Lか304かなんて区別付かなくても、安っぽい時計にありがちな何となく(悪い意味での)チープ感が和らぐのかな、と思います。
こうしたシンプルなデザインはシンプルである分、ちょっとしたバランス一つで安っぽくも、上品にも、シンプルが格好良くも格好悪くもなるので難しいとは思うのですが、実際に8月4日から20日まで渋谷ヒカリエ ShinQsで特設スペースを設置した際にも好評だったようなので、それなりにバランスも良かったのでは無いかと思います。
ふと疲れた時に、あまり考えずに手に取るモノ
結局、長く愛用出来る物って、普段ほとんど意識してなくて、案外適当に扱っているんだけれど、気がついたらあれっ?もう10年近く使ってるかな、みたいな物なのかな、と思っています。
そうした意味ではファッションと言うよりその人のスタイルに近いのかもしれませんが、今回のように、ファッション性というか、イメージも広まるには大切だと思います。そしてお値段。クオーツであることって、一部の時計好きを除けば、それ程抵抗はないのではないかと。本当の時計好きはそもそもクオーツが駄目なんて思ってもいないとは思いますが。
常に意識しているのって、結構疲れてしまうときがあるんです。そんな時に、ふと休みたくなる。時計を全くしないという選択肢も勿論あるのですが、シンプルに帰る、という気分の時があります。
そして、過度な装飾が今の自分の気分に合っていないのかな、と思っています。自分の身の回りのものを大量に整理し始めている今の自分には、最初に挙げたSEIKO 5であったり、CASIO STANDARD DIGITALであったり、このKnot(まだ手にしていませんが)のようなものが、落ち着くのです。
ということで、私としてはひとまず白文字盤と黒文字盤、そして革とミラネーゼ、ナイロンストラップを一通り揃えて、それらを気軽に付け替えながらローテーションしてしまえば、それだけで済んでしまうのではないか、という気がしています。
とはいえ、現在品切れ中なので、楽天市場店で気になるモデルを「再入荷のお知らせ」設定して、入荷を待ちたいと思います。
Knot(ノット) / 最高峰のMADE IN JAPAN 腕時計ブランド(楽天市場店)
2014年10月21日 追記
昨日楽天市場店から再入荷のお知らせが来たので、早速今回再入荷の5種類それぞれを見ながら、どのモデルを注文するか検討してみました。
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