[0754-201504] 宮城興業 和創良靴3足目はUチップ。一足ごとに広がっていく可能性を感じます。

*2023年(令和5年)10月1日からステルスマーケティングが景品表示法違反となる、所謂「ステマ規制」が施行されました。当ブログの方針についてはこのサイトについてをご参照ください。

*当ブログではGoogle Adsense、Amazonアソシエイト等アフィリエイト広告を利用して収益を得ています。収益はこのブログの運営維持のために充てさせて頂きます。

[0754-201504] 宮城興業 和創良靴3足目はUチップ。一足ごとに広がっていく可能性を感じます。

シェアする

私の定番靴の一つ、宮城興業の和創良靴。以前二足目のコレスポンドシューズを取り上げたことがあります。

[0722-201503] 宮城興業の和創良靴の魅力とその無限に広がる可能性を、私の2足目の一足を例に上げながら書いてみる。

和創良靴はまさに靴屋としての力量が試される、無限の可能性が広がる面白いシリーズだと思っています。

そして、私がこの和創良靴をオーダーするにあたって、全幅の信頼を寄せているお店が、長野県松本市にある、靴の館 ヤマザキ屋です。

0754-201504_Yamazakiya

今回は一昨年からヤマザキ屋の泉さんと温めて細部を詰めていった3足目のオーダーが完成しましたので、急遽決まった日帰り松本行きに合わせて伺いました。

3足目はUチップ。アッパーは旧イルチア黒、アノネイのワイン、グレインレザー。

経緯は追々書いていきたいと思います。というのは、長くなりすぎるので。ひとまず今回は3つの革を組み合わせたUチップです。

0754-201504_WasoRyoka 04

元となるのは宮城興業の和創良靴らしさが最も表れているMDラスト。オブリックタイプの木型を採用したモデル。通称宮城デン。オールデンのモディファイドラストのような少し特殊な木型ですが、フィットすると非常に履き心地が良い。一度試してみたかったのです。

MDラストをUチップにしてドーヴァーステッチ(スキンステッチ)を加える。

このタイプの木型であれば、オールデン同様、Vチップにするのがデザイン上もっともバランスが取れます。ただ、今回はこのデザインに色々と新しい試みを加えてみたかった。宮城興業がどこまでそれを形に出来るのか、それが楽しみでもありました。

そして、しっかり宮城興業の職人さんは応えて下さいました。

0754-201504_WasoRyoka 06

綺麗ですね。そして、元々MDラストがVチップである理由(オールデンのモディファイドラストがVチップが好まれる理由)はその木型の形にあります。そのままUチップにしてしまうと、中心線がズレて形が何となく収まりが悪くなってしまうのですね。それを今回、オーダーに際して泉さんも心配されていました。

0754-201504_WasoRyoka 03

どうバランスを取って組み立てていくのかは、完全に宮城興業の経験とセンスに依ります。アッパーのデザインのバランスというのは僅かにズレるだけでも野暮ったくも、また何となく収まり悪くもなってしまうもの。

写真ですとなかなか伝わりにくいのですが、実物は予想以上のものでした。

履き心地も重視させ、九分仕立てにハーフミッドソール。

宮城興業の和創良靴の素晴らしいところは、オプション料金の設定の仕方です。私が今回お願いしたような、履き心地に直接関わる訳ではない、デザイン上の意匠などの追加料金や、用いる革によって発生する料金に比べると、九分縫いに対する追加料金が非常に良心的な設定になっています。

0754-201504_WasoRyoka 05

九分に限らず、履き心地に関わる部分のオプション料金は良心的に設定する。靴は履くもの、歩くもの、と考えるととても真っ当な考え方でもあります。逆にデザイン上の追加なんてしっかり価格が上がっても良いんですよ、こっちが好きで言いたい放題お願いしてしまっているんですから。

最高の普段履きが欲しかった。

はい、今回のオーダーの意図は簡単に言うとそういうことです。

0754-201504_WasoRyoka 01

私は普段履きも革靴です。革靴に合うように服装も選んでいます。もう37ですから。そろそろ年齢不詳な服装が似合わなくなってきた、とも言えます。

勿論革靴は色々持っています。ただ、気負わず、旅先でも履けて、旅が楽しくなるような靴。ちょっと上品なお店にも入れて、また仕事も頑張ろうと思える靴。そうした様々な要因を合わせると、なかなか難しいんですね。

気負いが入ってしまうと、肩に力が入ってしまうと、ちょっと違ってきてしまいますから。

そうした靴は一つには今では三交製靴ラギッドシューズがあるのですが、それとはまた違った方向性としてこうした靴を持っておきたかった。そうした願いとイメージを形にしてくれるのが、和創良靴です。

前回のコレスポンドシューズも同様です。

[0722-201503] 宮城興業の和創良靴の魅力とその無限に広がる可能性を、私の2足目の一足を例に上げながら書いてみる。
0731-201504_Sanohata01

何でも詰め込めば良いというものではない。それは野暮でしょ。

豪華てんこ盛りで、どうだー!凄いだろー!と詰め込んで頑張っちゃってるのが分かるような靴は野暮です。この靴が野暮かどうかはそれぞれ意見が分かれるかもしれませんが、単にやりたいことを全て詰め込みたいと思ったわけではありません。

それらの客側の膨れ上がる妄想をきちんとプロの目で判断して、経験を加えて、良い形に落とし込み、職人さんのやる気を奮い立たせてくれるような役割。それが和創良靴における取扱店の店員さんの力量です。前回も書きましたが、コンサルタントですね。

今回もここで触れた以外にも色々入ってはいますが、それを下品にならず、品よくバランス良くまとめて下さったのは、勿論宮城興業の職人さんたちの力も大きいですが、ヤマザキ屋の泉さんだから出来たことだと思います。

本当にありがとうございます。

細部に関しては、ヤマザキ屋のブログにもオーダー例として上げていただけるかもしれませんので、気になる方はそちらをお待ちください。このブログでも折にふれてさり気なく混ぜれたら良いな、と思っています。

0754-201504_Matsumoto 04

とりあえず、今日は松本滞在時間3時間程度で戻ってきてしまったので、ひとまずご報告まで。細部が一部間違いや勘違いがあるかもしれませんが、その辺りは改めて修正します。

0754-201504_Matsumoto 03

スポンサーリンク

3足目はUチップ。アッパーは旧イルチア黒、アノネイのワイン、グレインレザー。

MDラストをUチップにしてドーヴァーステッチ(スキンステッチ)を加える。

履き心地も重視させ、九分仕立てにハーフミッドソール。

最高の普段履きが欲しかった。

何でも詰め込めば良いというものではない。それは野暮でしょ。

  • 3足目はUチップ。アッパーは旧イルチア黒、アノネイのワイン、グレインレザー。
  • MDラストをUチップにしてドーヴァーステッチ(スキンステッチ)を加える。
  • 履き心地も重視させ、九分仕立てにハーフミッドソール。
  • 最高の普段履きが欲しかった。
  • 何でも詰め込めば良いというものではない。それは野暮でしょ。