靴ヒモの左右の長さ、合ってますか?普段飾り程度に思っている方の場合は論外ですが、意外とちょっとした時に左右の長さが合わなくなってしまうのです。
そんな時、揃えようとしてあらゆる部分を引っ張っている内に益々合わなくなってしまう。そんなこと、あるのではないでしょうか。
そこで今日は靴ヒモの長さを揃えるためのポイントを書いてみたいと思います。といっても紐の通し方や穴数によって多少変わってくるので、今日はその中でも代表的な「パラレル」の場合の揃え方について書いてみます。
パラレルについてはこちら。ドレスシューズの場合の最もスタンダードな通し方です。
2/5 靴紐の「通し方」を、深く考えてみる! [男の靴・スニーカー] All About
なお、靴ヒモってとても大切です。飾りじゃありません。ちゃんと結んでいますか?その辺りについて興味のある方はこちらも合わせてご覧ください。
[0560-201501] 靴紐ちゃんと結べますか?デビッド・リースの人生の教科書で「正しい靴紐結び」を学ぶ。
まず基本。覚えておいて欲しいこと。
店頭にいた頃、お客さんがためし履きをする時によく見かける光景。靴紐を緩めようとして、足首側(つま先側ではなく)から緩めていくのですが、全部を緩めようとするんです。足首側の一つだけでなく、その下も、更にその下も。これ、パラレルでやると、めちゃくちゃになります。
しかも、下を緩めれば緩めるほど、上が締まっていきます。これ、覚えありませんか?
シングル(パラレルではなく)などの場合にはまだ大丈夫なのですが、これパラレルでやるとおかしくなっちゃうんですね。
基本。靴紐は手前側2つだけ大きく緩めます。なぜなら、手前2つがそれぞれ両端の紐に対応しているからです。
では、いきます。まずは両端を持って、穴からの長さを揃えて下さい。
両端を持って、長さを合わせます。最終的に左右の穴からの長さが同じになれば良いので。弛ませずに少しピンと張るとわかりやすくなります。
では調整していきましょう。まずは長さを揃えるために、手前の2つ(つま先から3番目、4番目)を緩めます。
左右の長さが合っていると、緩めた時、3番目と4番目の緩みがほぼ同じになります。
上の写真ですと、つま先から3番目だけ引っ張って上げると、左右の長さが合いましたね。
ということは、左右の長さが合っていなかった、ということになります。
分かりにくいので、靴を横から撮ってみました。紐の場所も伝えにくいので、ここではそれぞれ写真の右側(つま先に近いほう)から1、2、3と数えていきます。
今、5つある内の中央、3番目の穴の部分で余裕があります。ここを引っ張ると、5番目と1番目の調整が出来ます。写真向かって上側の穴から紐が左下5番目の穴に通っています。
これは通し方でどちらを2番目、3番目に持ってくるかによって変わりますが、抑えておいて欲しいのは、パラレルの場合、紐が交互に通っています。つま先側1番目から、2番目、3番目にそれぞれ左右の紐の先端が通っていきます。2番目を引っ張れば4番目、3番目を引っ張れば5番目が調整できる、ともいえます。
3番目の弛みを調整するため、1番目を引っ張ります。
奇数は奇数、偶数は偶数、と覚えておきましょう。
1番目、つまりつま先に一番近い部分を引っ張ると、先ほどの3番目が締まります。ここまで、写真だと分かりにくいので、ご自身の靴でぜひ試して見て下さいね。一つ一つ引っ張っていくと分かりやすいです。どこを引っ張るとどこが締まるか。
この間も、先ほどの紐の先端から穴までの長さは左右ずれないように意識して下さい。これ大切です。
5穴の場合は1番目と2番目の弛みを揃えてあげる。
6穴の場合は2番目と3番目になります。ここではこの靴が5穴なので、1番目と2番目の弛みの量を、それぞれ少し引っ張って調整して下さい。
右(つま先)から1番目、2番目の弛みがだいたい合いました。
この状態で、3番目と4番目を同じ程度引っ張ります。
ここが山場です。1番目と2番目の弛みをなくします。このためには、3番目、4番目を同時に引っ張ってあげます。
ここで気をつけたいのは、3番目、4番目を引っ張るときに、今ずっと合わせて持っている、紐の先端側の長さが変わるように引っ張らないこと。
この2つは、どちらに引っ張るかで、つま先側(1、2番目)と紐の先端側のどちらも引っ張ることが出来ます。
あくまでつま先側(1、2番目)がきっちり締まるように引っ張ることが大切です。
あとは紐の先端を両方とも引っ張ってあげる。
ここまできたらあとは簡単ですね。紐を引っ張れば左右の長さが合います。
普段履くときは。
冒頭でも触れましたが、緩めるのはこの靴の場合、3番目と4番目だけです。つま先から2つは一切引っ張りません。3番目と4番目を思い切り緩めてあげれば、靴って入るんです。で、左右の紐のバランスも崩れにくい。また、3番目と4番目をしっかり引っ張ってあげると、上の写真でも分かるように、1番目2番目がしっかり締まります。
紐を結ぶ際にも、紐の先だけ引っ張らずに、まずは3番目、4番目をしっかり引っ張ってあげると、より甲周りの抑えがしっかりしてきます。
靴屋で働くと。
入ってすぐ、これ教えられます。紐が分かっていないと、きちんとしたフィッティングも出来ません。
また、それくらいグチャグチャになるんです。お客さんが一回履くと。
慣れていない人はとにかく全部緩めようとするんですね。左右の長さが合わなくなってくるんです。その度に直す。慣れると5秒もかかりません。
紐の通し方によって多少変わってくるので、今回書いた調整方法が全てに当てはまる訳ではありませんが、とりあえずスタンダードなパラレルだけでお直し方を覚えておくと、紐を結ぶのが楽しくなります。ぜひお持ちの靴で試してみてくださいね。