当ブログでは革靴を買う場合、特に予算が2万円くらいである程度しっかりした靴を選びたい、という方にはメーカー直営アウトレットショップを薦めています。
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その理由とアウトレットの魅力については下記をお読み頂きたいのですが、3月は特に国産革靴メーカーの雄、リーガルの直営アウトレットでは恒例の決算セールが開催中です。
[革靴] 予算2万円以下。初めて革靴を買う人に私が薦める「革靴メーカー直営のアウトレット」、「セール時期に買わない」理由。
上記では「セール時期に買わない」ことを薦めていますが、まとめ買いをする場合に限っては安く買えるのも事実です。
2016年は3月4日(金)から決算セールが始まっています。
そこで今回は2016年春の決算セールで私が気になったモデルを取り上げながら、この時期の革靴の選び方について触れてみたいと思います。
2足以上まとめて購入時にどちらも安くなる決算セール。
リーガル直営のアウトレットでは3月と9月に決算セールがあります。特徴は「2足以上まとめて購入(会計)時に、どちらの靴もセール価格になる」というものです。
つまり、1足で買う場合にはセール時期以外と価格は同じです。どんな靴の組み合わせでも良いので、2足以上購入する、というのがポイントです。
家族や友人と一緒に行って、一足ずつ靴を選んでも、「まとめて会計」すればセール価格になります。これをうまく活用しましょう。
今回のセールで気になったモデルを挙げてみたいと思います。
最初の殺人的な週末が過ぎ、少し落ち着いた火曜日。久しぶりにセール中の店舗を訪れました。
この時期はセール価格であれば2万円を切る価格でグッドイヤーウェルト製法の靴も購入出来るというのが魅力です。
今回気になったモデルに関しては、Google+の革靴コミュニティで少し触れましたが、ここでは3つ紹介したいと思います。
尚、今回はそれぞれのモデルの写真はありません。何故なら基本的に店内でこれらの商品の撮影が出来ない(出来てもブログ等に掲載は難しい)からです。
実際に購入してそれぞれについてレビュー出来れば良いのですが、なかなか個人ではそれも厳しく・・。もしどなたか購入されましたら是非写真を頂ければ嬉しいです。
1足目:MADE IN LAOS、表革アノネイ、革底。V135シリーズ。
一昨年辺りからアウトレットオリジナルモデルとして出たこのシリーズ。品番はV135から始まります。表革にアノネイ社のものを用いていることから、アノネイのタグが付いているのが特徴的。価格は当初は3万円を超えていたと思います。
MADE IN LAOS(ラオス製)ということで、リーガルと言えば国産、というイメージのある方にとっては価格も含めて真っ先に除外されそうなこのモデル。実際時々覗いてみても、アウトレットの客層とはズレるのか、あまり売れている印象がありませんでした。
ところが、少し靴に興味を持った方なら気付かれるかもしれませんが、ラオス製、そしてこの雰囲気となると、思い浮かぶブランドがあると思います。それがkamioka株式会社が扱っている神匠を代表とするシリーズです。
紳士靴 OEM製造 kamioka株式会社 » factory
リーガルのアウトレットでは、廃番になった以前のモデルの木型を使って、国内外の様々な工場に依頼してアウトレットオリジナルモデルを作っています。英国靴を多く作ってきたインドの工場製の革靴というのも以前存在しました。このV135シリーズも恐らくkamiokaにOEMで依頼し、ラオスで作られたものではないか、と思われます。
表革にはアノネイ社の革を用い、グッドイヤーウェルト製法、革底。フォルムもなかなか綺麗です。
このモデルが値下げされ、気がつけば今回はセール価格で2万円を切っていました。
木型に多少癖はありますが、2万円以下でこのモデルが買えるようになったのは嬉しいような少々寂しいような複雑な心境です。
あまり話題にはなっていませんが、店頭で運良く自分のサイズがあれば是非最初に試してみて欲しい一足です。
2足目:気がつけば人工皮革のモデルも増えていました。
最近はあまり訪れていなかったので気付かなかったのですが、表革に人工皮革を用いたモデルも種類が増えていました。
「人工皮革」という時点で革好きは敬遠しがちですが、一足あると非常に便利です。革靴を多く持っている方は勿論、そこまで革靴に思い入れの無い方にとってもお薦めのモデルです。
品番は忘れてしまったのですが、タグに「人工皮革」シールが貼ってあるので分かるはず。
このモデルの特徴は、「合成皮革と違い、本革と同じような表情が出しやすい人工皮革」であるという点、さらに「グッドイヤーウェルト製法で合成底」である、という点です。
合成皮革、人工皮革については以前一度書いたことがあります。
[革靴] 紳士靴から革が無くなる日。合成皮革、そして人工皮革。
お手入れが簡単な点、また本革に比べ、表革が馴染みにくいため、それを利点と考えるのであれば「履き心地が大きく変化しない」という点も魅力です。
雨の日の一足として、また普段でも気軽に履ける一足として、一度試してみると面白いモデルだと思います。価格も抑えめな点もありがたいところ。
3足目:今まで小指の痛みに悩んでいた方へ。再生品415Rシリーズ。
既に廃番となったものの、評価の高かったモデルをアウトレット専売品として再生産したシリーズ。これが手に入るのもアウトレット店舗の魅力の一つです。その中でも息の長いモデルの一つがこの415Rから始まる一連のシリーズです。
「幅広モデル」として3E表記がされているため、甲高幅広の方が選びがちですが、このモデルの特徴は「甲周りが低く抑えられている」という点。甲高の方には却って厳しいモデルです。
最近の若い方に多い、「足が薄い」方や、歳などから筋力が衰えて「アーチも崩れ潰れたように足が広がった」方に非常に快適な木型になっています。
また、このモデルは特に今まで革靴を履く度に小指の傷みに悩まされてきた方には救世主のような存在。甲を低く抑えた分、横幅と指周りをゆったりさせているので、前滑りしにくく、また指が楽です。
普段ジャストサイズから若干タイト気味の革靴を履いてきて、ちょっと小指などにマメや魚の目が定番になってしまった方の「痛い時のリハビリ靴」としても最適です。
何故なら、そんな時に無理してタイトな靴を履き続けると、足は傷みを無意識に避けようとして、踏み込みや重心のかけ方など、歩き方を修正(矯正)しようとしてしまうからです。
足を庇うあまり、ますます足が痛くなる歩き方を無意識にするようになってしまう場合もあります。
また前の日の夜に飲み過ぎた、など翌朝の足の状態があまり良くない日にも良い。そんなあまり靴を考えたくない日にこの靴は最適です。
と書くと、なんとなくポッテリしたあまり格好良くない靴を想像されるかもしれませんが、全くそんなことはなく、普通の同じくグッドイヤーウェルト製法のしっかり作られた綺麗な良靴です。
Googleで「REGAL 415R」で画像検索。
REGAL 415R プレーントウ :: なし|yaplog!(ヤプログ!)byGMO
滑り止めの付いた合成底で、雨もしみこみにくいグッドイヤーウェルト製法。雨の日も含め長く履ける一足として手元にあると便利です。
実際これしか履けない、いや、一度これを履いてしまうと他が履けない、という方も多いそうです。
これらをどう買う、どう選ぶ?
勿論前提は「実際に履いて歩いてみて、足に合うこと」です。ここで薦めたからといって、あなたの足に合うとは限りません。あくまで今回のセールで私が気になったアウトレット専売品(オリジナルモデル含む)です。
これらはどれもこのセール時期であればセール価格で2万円を切ってきます。2足で買って税込3万5千円前後。今手元に革靴があまりない方は、新年度に向けて4万円で気に入った2足を選ぶのがお薦めです。
ただ、とりあえずこの内の1つだけ足に合った、気に入った、という場合や、家族でアウトレットに行くのであれば、ここは奥様やお子様に靴を一足贈る、というのも一つの手です。
特に婦人靴との組み合わせはCPが高い。何故なら、紳士靴のセール価格での値引き分+α程度で婦人靴が買えてしまうから。娘さんが学生なら、ローファーとセットでも良いかもしれません。家族も喜ぶ。お財布にも優しい。良いことづくめです。
気になりながら、なかなか買えなかった定番モデルを買うのもお薦めです。
勿論アウトレットには傷シワものも多くあります。全てのサイズがあるわけではないものの、店舗によっては永遠の定番2504や2235、2051や、少し奮発して上位モデル、シェットランドフォックスなどもあるかもしれません。傷シワ等ありで2~3割引。ここから更に2足以上の場合のセール価格になります。
[革靴] 昭和から平成にかけて、全く形を変えず日本人の足元を支え続けてきたベンチマーク的革靴。REGAL 2504NAの魅力。
これらを探すのも楽しみの一つですが、これらは店舗によって在庫状況が異なるので今回は触れません。
今回久しぶりにセール時期に訪れてみて改めて思ったのは、予めしっかりフィッティングをして自分のサイズが把握出来ていることが前提ですが、土日及び平日の夕方以降を除けば、革靴に関してはかなり有効に活用出来る、ということです。
特に「アウトレット専売品」が「ハズレ」のように思われている方には、是非先ほどの3つを試してみて欲しいな、と思います。恐らく印象が変わると思います。