明日は衆議院議員選挙の投票日です。恐らく毎度のことながら投票率の低さが叫ばれ、若者の無関心さが大げさにマスコミを賑わすと思います。
テレビでは毎度のことながら、選挙に無関心の(一部の)若者を大げさに取り上げて、叩いて楽しんでいます。
TLの高校生諸君に、選挙前だからこそあえて言いたい
こういう大学生にはならない方がいいぞ(迫真) pic.twitter.com/RtHRVcCkTt
— バカッターbot (@bakatter__bot) 2014, 12月 12
けれど、最近思うのです。若者が無関心でいてくれているから、政治家や官僚を目指す人が出てくれるし、景気が悪くても何とか経済は廻っているし、馬鹿やっても許される。世の中が平和な証拠です。
若者はいつの時代も政治と世の中に無関心です。
「若者の~離れ」は何かにつけて言われますが、政治や選挙、世の中に関する無関心、政治離れは、何も今に始まったことではないと思います。
ちょっと時間があったので、衆議院議員選挙の年代別の投票率の推移を調べてみました。
画像は上記よりそのまま使わせて頂きました。
ほら、最近は20代の投票率が下がっているじゃないか!と言われそうですね。確かに昭和42年の31回総選挙の時に比べると28.8%も下がっています。
でもね、いつの時代も世代別で見ると、最も低いんです。今に始まったことじゃない。
世代別の人口の推移も調べられれば良かったのですが、とりあえず
ちなみに昭和42年というのは、ちょうど団塊の世代が20歳を迎えた頃です。
団塊の世代は一般的な定義としては第1次ベビーブーム時代の「1947年から1949年までの3年間に出生した世代」をさすそうです。
1949年は昭和24年、ということは第32回の選挙の歳には20歳になったばかり。この回の投票率は20歳代は59.61%、やはり年齢別で最下位です。
第1次ベビーブームの世代が20代になって以降、ずっと20歳代は常に世代別最下位。世代別で考えれば最も興味ない世代なんです。
いつの時代も、若者が関心を持たなくても、普通にやってこれたのが、日本なんです。
若者が政治に関心を持ち始めたら大変です。
若い内から、今の倍の若者が政治に関心を持ったとしたら、どんな社会でしょう?素晴らしい社会でしょうか?多分大変です。
政治に興味を持って、精力的に参加するようになるということは、他に楽しみがないってことですよね?
興味を持つということは、大変にエネルギーが要ります。
だって、今回の衆議院議員選挙、自分の選挙区含め、候補者のこと、どれだけ調べましたか?最高裁の裁判官にX付けるのだって、ちゃんと全て調べてないと、なかなか人にXは付けられません。
そんな一つ一つのことを、20代の若者の半数以上、いや、今の倍だと8割近くが関心を持ってやる世の中なんて、余程他に楽しいことが無いんだと思います。
若者は忙しいんです。今日も渋谷の街を歩きましたが、若者だらけ。若者の役割は無駄な散財をして、世の中にたくさんお金を落としてくれることです。
私も20代は無駄遣いをたくさんしました。今思い出すと涙が出てくるほどに、切なくなるほどに、無駄が多すぎました。
けれど、誰かがそれをしないと、世の中お金が落ちないんです。今の大量消費の世の中。良いかどうかは別として。
無駄遣い、バカ騒ぎをするには時間が必要です。無知さが必要です。人間賢くなると、お金を使わなくなります。
若者が世の中に興味を持ち始めたら、今の社会が成り立ちません。
若者がもし今の世の中に興味を持ってしまったら、大変です。働く気無くしちゃいます。馬鹿らしすぎて。若者が興味を持たないで、知らずにいてくれるから、限られたお金と資源を、限られた層に分配出来るのです。若者が興味を持ったら、若者に優しい社会を作らないといけなくなってしまう。けれど、そうしたらお金廻りません。
若者は、興味を持たない代わりに、文句も口出しもせず、劣悪な労働環境や社会環境でも愚痴を言う程度で働いてくれます。そしてお金を落としてくれるんです。
無関心な人が多いから、楽なんだと思う。
何かただ茶化しているように見えるかもしれませんが、私はこの「無関心」が世の中を支えているのかなぁ、と思う時があるのです。
世の中の大半の人は、世の中の出来事に無関心です。ちょっと盛り上がってもすぐ忘れちゃう。
そう書くと悪い面ばかり取り上げられますが、実際みんなが無関心でいてくれるから生きていけると思うのです。
世の中の人の大半は自分に興味なんてありません。だから、ちょっとぐらい馬鹿やっても、許してくれる、というより興味もない。
どんなに叩かれようが、傷つけられようが、それはごく一部の人からであって、世の中の大半の人はとっくに忘れてしまっています。
そうでもなきゃ、政治家や官僚なんて、誰もやりたがりません。みんなが忘れず、常に関心を持ち続けていたら、
「政治家はお金に狡い」「お金にしか興味が無い」なんて散々叩かれますが、せいぜい井戸端会議や飲み屋で叩くくらいですよね?誰も本当に政治家が金持ってるかどうか根拠はないわけです。何となくお金絡みの問題が起きるから、金があると思ってるくらい。
それが正しいかどうかは別にして、でもその「思ってるくらい」以上に興味はないと思います。
ちょっとした不祥事でもしばらくは世の中賑やかになりますが、別にそれくらいです。
これ、もし今の倍投票率あるような世の中だったら大変ですよ。みんな関心持っていたら。
一回でもミスしたら二度と浮かび上がれないし、地元も歩けないし、いつまでも忘れられない。そんな仕事、誰がやりたいですか?
適当に茶化して、適当に悪者にして溜飲を下げている程度にしか関心を持たれていないから、政治家も官僚もお仕事が出来るのです。
選挙に興味のある人だけが投票しているから世の中が廻る。
勿論全ての投票者にとって理想の世の中は難しいにしても、今当選している人たちというのは、少なくとも投票している人たちの中では信任されているわけです。
もっとも投票された人なわけです。ということは、選挙に足を運んでいる人たちにとって、希望の政治をしてくれているということだと思うのです。
これを例えば無関心の人も含めて全ての人が必ず投票しなければいけなくなって、無関心の人が適当に選んだら大変です。
特に若者は、無理して政治に興味を持たなくても大丈夫です。歳とともに嫌でも持つようになりますから。だって、いつの時代も、何もしなくても年齢が上がるとともに投票率上がっていくんですから。
関心を持つ世代が優遇される社会。限りある資源と政策を、とりあえず関心を持つ世代に振り分けていく。
若い内は多少生活が苦しくても、それ以上に楽しいんですから。政治や社会以上に興味を持つことがあるんです。
だから多少の不便があっても、無関心でいられるわけです。もしそんな余裕すらないのであれば、とっくに参加しています。
だから、ありがたく世代別の投票率の通りに、政策とお金を振り分けていって欲しいと思います。