今、レビュークラブ様からお借りして一週間ほどBOSEの新作ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドフォンであるQuietComfort 35 wireless headphones Ⅱを試用しています。
レビュークラブに関しては各方面のサイトへのレビューが試用の条件になることから、それぞれのサイトのレビューが同社からのレンタルユーザーで埋まる、といった状況も一部では起きていることもあって、ネットでの声を見る限りでは決して好評ばかりではありませんが、個人的には従来からお受けしている製品提供レビューと同様に、レビュワー側の良心と方針、そしてレビューの質に拠る部分が大きいと思っています。
借りようが提供されようが自腹で買おうが、ダメなレビューは何やったってダメなんです。そして、そうならないように私としては日頃から意識したいな、とは思っています。ですので、今回も「お借りして」という時点で既に受け付けない方もいると思いますが、そういう方は無理してこの後の文章を読まれる必要は無いかと思います。
ダメでしょ、多分私が「ここが気になる」と言っても「でも自腹じゃないでしょ」となるし、「ここが良い」と言っても「それは借りてるから悪いこと書けないだけでしょ」となっちゃうと思うんです。もちろん私もなるべくそうした印象を受けない素直な感想を書きたいと思っていますが、「自腹でない時点でダメ」な方にはそもそも受け入れられないと思うので。
ということで、一週間使ってみての使い勝手について、私とヘッドフォンとの今までの付き合いも含めて書いていきたいと思います。
私にとってヘッドフォンって3Dゲーム同様に「酔う」ので元々苦手です。
私、BOSEの製品に限らず、過去幾つかのヘッドフォンを試してきたのですが、基本的に苦手です。なんとなく耳に圧迫感を感じてしまって、耳が辛くなってくるんですね。それはフィット感といったものではなく、なんとなく耳に受ける感覚が、音が、辛いんです。使っている内に気持ち悪くなってくることもある。長時間使えないんです。
よく考えてみると、この症状、3Dゲームなどをしているときの「3D酔い」に近いと思っています。耳を完全に覆って音を聴く、という環境が、私の三半規管にはまだ慣れないのかもしれません。イヤホンだとカナル型であってもこういうこと、無いんですけどね。あれ、直接耳の穴に突っ込むので影響少ないんでしょうか。
ただ、このBOSE QuietComfortシリーズに関しては以前からずっとどこかで「買い直そう」と思っていました。「直そう」というのは、私、このモデルの初代を10年近く前に購入して使っていたからです。そのときに感じた「あ、世の中ってこんなにノイズに溢れているんだ」という驚きと感動は、今も残っているのです(当時は現行モデルに比べてまだまだ使い勝手の面で惜しい部分もあり、また私自身の「酔い」もあったので、結局その後売却してしまいました)。
その後も他のメーカーが同様の製品を出しているにも関わらず、「3D酔いがあってもゲームしたい」と思うのと同様に「酔っても良いから使いたい」と思い続けてきたのが、私にとってはBOSEのQuietComfortシリーズだったとも言えます。それくらい、最初の印象が大きかったのだと思います。
ペアリングは同時に2台まで。接続済みの端末名を読み上げてくれるのは地味に嬉しい。
電源スイッチは右耳側にあります。ちょうどスイッチ部分右端にBluetoothの印があるのが見えると思いますが、右端にスライドさせたまま押さえていると(押さえなければスイッチは中央に戻ります)、端末とのペアリングモードに移ります。同時に2台までペアリングが可能。
一旦接続してしまえば、次回電源を入れるとQuietComfort側で接続機器名(ここではPixel XLとPixelbook)を読み上げてくれます。これ、地味に便利というより、なんとなく嬉しいです。
フィット感は非常に心地良く好印象。ただ、シルバーは使う中での皮脂汚れが不安。
私、ヘッドフォンってイヤーパッドの部分のなんとなく押さえられている、圧迫感が好きではないのですが、このQuietComfortに関しては非常に心地よいです。耳に当てていても不快ではなく、柔らかいので癖になります。
また、耳の形に合わせて中の形も角度が付けられていますので、耳に何かが触れている、といった感じもなく、個人的には好印象。普段あまりヘッドフォンって使いませんが、触れる部分が多いだけに、このフィット感ってとても大切だと思っています。
そうした点では非常に気に入っているのですが、気になるのはこのイヤーパッド部分と、頭に載せる部分が、私の使っているシルバーだと同色のシルバーなので、使っている内に皮脂汚れやちょっとした汚れがつかないか、という点があります。
まぁこの辺りはそこまで深く考える必要はないかもしれませんが、一応挙げておきたいと思います。
一応イヤーパットは別売りがあるので、この辺りはそこまで気にする必要はないのかな。
ノイズキャンセリング機能はやはり私と耳の穴と三半規管にとってはまだ慣れが必要。
さて、肝心のノイズキャンセリング機能ですが、私にとっては当初想定していた使い方では「少しまだ辛い」ですね。3D酔い同様、慣れが必要かもしれません。
その想定していた使い方、というのは、このヘッドフォン、私は音楽を聴くためよりも、むしろ「単純なノイズキャンセリングヘッドフォン」として自宅での集中した作業中や出先、旅行時の長い電車や飛行機内で使いたいな、と思っていたんです。ただ、ノイズキャンセリング機能のみを使うと、確かに「無音に近く」なるのですが、それ自体が耳にとっては異質だからなのか、それともノイズを打ち消すための波長が耳に何か影響を与えるのか、
耳の穴の奥の方で圧迫感を感じる
んです。何となくそのまま使ってると耳が辛くなりそうな気分になります。音楽など音が入ると和らぐのですが、この独特の無音状態は慣れが必要かもしれません。
ちなみに、このノイズキャンセリング機能はオフにして使うことも出来ます。iOS版、Android版の接続アプリがあるのですが、こちらの設定上でノイズキャンセリングの強さを「強」「弱」「オフ」から選ぶことが出来ます。「弱」ぐらいが普段使いには自然かもしれません。
ほぼ前モデルと変わりないように見えて、今回の一番の魅力は「ここ」にあると思う。
それが、Googleアシスタント機能です。
いや、これ、個人的にもかなり意外でした。実際私、そこまで今までこうしたアシスタント、使ってこなかったからです。Google Homeを使うまでは。
Google Homeと聞いて今笑った方、結構いるかもしれませんが、もちろん私もこのスマートスピーカーが素晴らしい、とまで言うつもりはありません。ただ、私の中では、というよりも我が家においては結構欠かせない存在になっています。多くを求めなければ、これ、今でも結構使えるヤツです。
Google Homeの魅力についてここで書き始めると明らかに脱線するので、それはまた回を改めますが、ちょっと具体例を挙げてみたいと思います。
我が家では今、夫婦揃って「語学学習」にハマっています。その際に便利なのが、
「OK Google. NHKラジオ第2」と声をかけることで、RadikoでNHKラジオ第2を流してくれるんです。NHKラジオ第2といえば、お馴染みNHKラジオ語学講座です。日本において最も質が高く、歴史も長い、充実度と洗練さにおいては比肩するもののない素晴らしい教材です。
これ、毎回「OK Google.」言わないといけないんですが、それ自体は構わないものの、我が家ではスマホからPixelbookまで、複数の端末のアシスタントが同時に目を覚ますんです。結構気を使います。ちなみに私、PixelbookにGoogleアシスタントを導入する際に、部屋で「OK Google.」認識させようとすると声を出す度にGoogle Homeが反応してしまうので、トイレに籠もって声を認識させました。
それが、今回のQuietComfortは、先程の画像の左耳側にある「アクションボタン」を押しながら「NHKラジオ第2」と言うだけで、QuietComfortのみが反応し、流してくれるんです。
これ、実際に普段Google Home等で音楽を再生させている方ならわかると思うのですが、結構便利です。そして、スマホを取り出す必要もなければ、今、耳にあるノイズキャンセリングされたヘッドフォンから音楽(やラジオ)を聴けるのです。この楽さと快適さは試してみると結構ハマります。
また、出先において突然Googleアシスタントに話しかけるのは照れや諸々あると思うのですが、マイク部分が思っていた以上に優秀なので、それほど大きな声でなくてもしっかり認識してくれました。これはありがたいな、と思います。これなら普通に通話用に使ってもいいかな、と思えるくらいです。音も遮断してくれるので、相手の声が聞き取りづらい、ということもありません。
ノイズキャンセリングの独特の耳の感覚にさえ慣れれば、私の中で手放せない存在になるかも。
レンタル出来る期間自体はあと2週間程度なのですが、既に手放すのが惜しく感じ始めています。まぁノイズキャンセリングの独特の耳の感覚は私のような三半規管弱め(それが本当に原因かどうかは分かりませんが)な人間にはちょっと最初手強いかもしれませんが、それを分かった上でも頑張って慣れて使いたくなるだけの魅力がこれにはあるかな、と個人的に思っています。
だって、カッコイイじゃないですか(そこか)。
上の画像は愛用のGoogle Pixelbookですが、色も雰囲気も合っている気がしてしまった瞬間から、もう私の中では普段から持ち歩くモノの中に入ってしまいました。
この感覚って、未だ3D酔いは改善されないのにその種のゲームをついつい買ってしまう、酔うと分かっていて、それでも30分ほど頑張ってプレイしたくなる(その後気持ち悪くなってしばらく横になってる)状態ととても似ているように感じています。
これ、ホント好き。久しぶりにQuietComfortを手にしましたが、今も変わらず続くこの定番製品、続くには続くだけの理由があるんだなぁ、と改めて感じています。