3つとも買った訳ではありませんが、発表される度に、けれど日本は完全に蚊帳の外で、何となくコンセプトモデル的な立ち位置で実際に出るのかどうかも現実感の無かったハイスペック(Chromebookとしては無駄に)モデルが普通に販売されるようになりました。勿論海外で、ですが。
ここ最近Chromebookネタばかり追いかけていますが、正直面白いのです。全く書き足りない。今回も7000字超えましたので興味や時間のない方は今のうちに撤収された方がよろしいかと思いますが、「まぁいつものことだし」と温かい目で見守ってくださっている多くの方々には是非お付き合い頂ければ、と思っています。
単発でそれぞれ取り上げてはきたものの、今回はそれら少し今までのChromebookとは違った風格を持った3モデルをまとめて取り上げてみたいと思います。
ThinkPad、for Work、14 G1。気がつけばあの時惹かれたハイスペックChromebookがそろい踏みしていた。
これらのモデルはメーカーサイト等でカスタマイズが可能な場合(HPやLenovo)もあるのですが、日本へは現時点では発送してくれないので、あくまで発送してくれるSellerのある「可能性のある」米Amazonを基準に考えたいと思います。
その中で、価格に左右されない基本的な部分をひとまず並べてみました。
デザインの好みを除けばこの部分では大きな違いは見られません。ただ、米国軍事規格MIL-STD 810Gに準拠しているAcerとLenovo(Lenovoは残念ながらAcerほど耐久性に特化させていない、という話もあるので不確かですが)、薄さと軽さ、更に美しさを求めたHPの2方向に分かれるかな、と思います。
気になるのはHPのバッテリーの持ち。6時間48分ということで、これはメーカー公称ではなく、あくまで海外サイトでのバッテリーテストの数値に過ぎないのですが、参考として載せておきます。こちらは私も手元に届いたら実際に使う中で試してみたいところです。
モデル名 | Acer Chromebook 14 for Work | HP Chromebook 13 G1 | Lenovo ThinkPad 13 Chromebook |
本体サイズ | 330 x 226 x 22.8 mm | 319 x 219 x 12.7 mm | 322 x 223 x 19.8 mm |
画面サイズ | 14″ | 13.3″ | 13.3″ |
インターフェース | USB 3.0×2 / USB Type-Cx1 / HDMI | USB 3.1×1 / USB Type-Cx2 | USB 3.0×2 / USB Type-Cx2 |
重量 | 約1.45kg | 約1.29kg | 約1.40kg |
バッテリー(テスト値/参考値) | 8時間33分 | 6時間48分 | 9時間13分 |
米国軍事規格準拠 | MIL-STD 810G | MIL-STD 810G |
何度か触れてはいるのですが、HP Chromebook 13 G1の一つの魅力に3200 x 1800という高解像度が挙げられます。ただ、色々と調べてみると、あるレビューに標準では1600 x 900に設定されているという話がありました。(3200 x 1800に勿論画面上から変更出来るものの、13.3″に3200 x 1800はアイコン等が小さくなってしまって使いづらい、とのことでした)
HP Chromebook 13 G1 – Full Review & Benchmarks
We were surprised to notice that the Chromebook 13 G1 came with its resolution set to 1600 x 900, rather than 3200 x 1800. However, when we switched to 3200 x 1800, all the icons and text were way too small to read on the 13-inch display. On the bright side, a 4K video looked equally sharp at both resolutions.
We didn’t get to test the 1920 x 1080 model, but users might be better off with the lower-res panel, because it costs $50 less and likely uses less power.
また、このサイトでのバッテリーテストではこのG1のみ6時間48分と他モデルに比べて持ちが悪い、という結果が出たことから、大きな影響としてこの3200 x1800という高解像度が挙げられるのではないか、と考え、(購入時にカスタマイズで選択できる1920 x 1080に下げる=$50引 という選択肢を薦めています。
日本でも購入された方が何名かご自身のサイトに感想を挙げられているのですが、「3200 x 1800を期待していたけれど、それ程でもない(綺麗だけれど)」というものが結構ありました。全てではないとは思うのですが、もしかしたらこの標準状態の1600 x 900の状態の画面で判断されている可能性もあります。
この辺りは手元に届いたら私も改めてレビューしてみたいと思います。
$300~$500。日本発送可能な個性的且つ安定したモデルが多いからこそ、ここで挙げるならAcer Chromebook 14 for Work。
モデル名 | Acer Chromebook 14 for Work | HP Chromebook 13 G1 | Lenovo ThinkPad 13 Chromebook |
型番 | CP5-471-C0EX | W0S99UT#ABA | |
CPU | Intel Celeron 3855U | Intel Pentium 4405Y | Intel Celeron 3855U |
1.6GHz | 1.5GHz | 1.6GHz | |
画面解像度 | 1366 x 768(TN) | 3200 x 1800(IPS) | 1366 x 768(TN) |
RAM容量 | 4GB | 4GB | 4GB |
ストレージ | 16GB | 32GB | 16GB |
価格 | $349.99 | $499.00 | $386.10 |
折角3メーカーを比較していながら、LenovoのThinkPad 13 Chromebookに関しては残念ながら現時点で米Amazonから購入可能なモデルはこのCeleron 3855U搭載のスタンダードモデルのみです。
この価格帯だと、その下の$200~$300台で、更にAmazonから直接配送してくれる(送料が安め且つ速い)モデルが色々とあるので悩ましいところです。
既にGoogle Playストアに対応済みのAcer Chromebook R11やASUS Chromebook Flipなどがこの価格帯になってきますので。しかもこれらはAmazonから発送が可能。
余程何か魅力を感じられる部分がないと、ここに更にSellerからの送料も合わせると、結果日本円で5万円ほどになってしまいます。
そうした点では、この価格帯で私が個人的に最も惹かれるモデルはAcerのChromebook 14 for Workです。
Acer Chromebook 14 for Work – Full Review and Benchmarks
ここにもう$150出す気になればCPUがIntel® Core™ i3-6100U(2.3GHz)に、またストレージが32GBになります。
様々な個性的なモデルが多い価格帯だからこそ、敢えて耐久性(落下や高温、低温、湿度、振動、雨、砂及び塵への耐性や耐荷重)に特化させつつ、質感は上の価格のモデルと同じになってくるのですから、充分に面白い選択肢かな、と思います。
個人的には妻が海外(イラクやチェルノブイリなど)に行くことが多いので、そうした時に持っていってもらって安心出来るChromebookとなると、価格とのバランス(幾ら無くしてもデータ的には痛くなくともモデル的に高いのは痛い)を考えると耐久性もあり絶妙です。
$500~$700。ChromebookでThinkPad。これに惹かれるならこの価格帯が適正か。
$500以上になってくると、ちょっと購入するのにも勇気と一歩踏み出すきっかけが必要になってくるのですが、海外から購入、更に送料も別途それなりにかかる、となると、これ以上の価格の方がメリットが出てきます。
何故なら、$200の機種に送料が$100~$150かかってしまうのでは切なくなりますが、$600に$100ならまだ何となく許せそうな気がしてくるからです。
この価格になると、CPUもIntel Core i3-6100Uやm3-6Y30などになってきます。単純にCPUだけで比較出来るものではありませんが、「それだけ出すならもう少し出してMacBook買った方が満足度高くない?」という例としてよく出される(向こうも迷惑かもしれませんが)現行のMacBookとスペック的にはCPUがほぼ同じになります。
モデル名 | Acer Chromebook 14 for Work | HP Chromebook 13 G1 | Lenovo ThinkPad 13 Chromebook | Apple MacBook 12インチ(参考) |
型番 | CP5-471-312N | W0T00UT#ABA | ||
CPU | Intel Core i3-6100U | Intel Core m3-6Y30 | Intel Core i3-6100U | Intel Core m3-6Y30 |
2.3GHz | 900MHz up to 2.2GHz | 2.3GHz | 1.1GHz up to 2.2GHz | |
画面解像度 | 1920 x 1080(IPS) | 3200 x 1800(IPS) | 1920 x 1080(IPS) | 2304 x 1440(IPS) |
RAM容量 | 8GB | 4GB | 4GB | 8GB |
ストレージ | 32GB | 32GB | 16GB | 256GB |
価格 | $599.99 | $599.00 | $609.00 | 148,800円(税別) |
そもそも思想が全く違うChromeOSとMacOSを同じ土俵で比べることに無理はあるのですが、それでも実はこの価格帯になると処理速度的にはさほど大きな違いはないのではないか、というのがここ最近の印象です。
となると、あとは用途次第。実際私のようにメインはブログ等の文章作成やネット検索なのであれば、価格的に3分の1強になるこの価格帯のChromebookはかなり快適です。
もちろん画像編集、Office等をしっかり使いたい、更にiTunes等音楽も保存したい、となるとMacBookになりますが、それも本格的になってくると例えばこの12インチの現行MacBookではなく、CPUを更に上げるなり、Proなどにする必要が出てくるかなぁ、と思います。
ちょっと改めて見てみたら面白い比較だな、と思ったので取り上げてみました。
この価格帯であれば、私であれば(日本からの入手は難しいものの)LenovoのThinkPad 13 Chromebookに手を出してみたいな、と思います。
Acer Chromebook R11のレビュー動画などの際に大変お世話になったLonさんがレビューされておりましたので、こちらを。相変わらずお変わりなさそうで嬉しいです。
折角なのでもう一つご紹介しておきます。少しずつレビュー動画が上がってきていて嬉しい。
ThinkPadは未だにキーボードに関しては根強い人気を誇るモデル。そのThinkPadらしい外観も人によってはたまりません。私は今までThinkPadを使ってきたわけではありませんが、ChromebookでThinkPadって何となくワクワクします。
この上の価格帯でいけば更にスペックも上がって快適にはなるのでしょうが、何となく質感的にはこの価格帯($500~$700程度)が適正かなぁ、と思っています。
$700~$900。なんちゃってMacBook Airと言われようが、この価格になるとHP 13 G1が輝いてくる。
私が初めてChromebookに出逢い、衝撃を受けてから2年、Chromebookの魅力は褪せていないと思っています。そして、今でも低価格帯のChromebookには「らしさ」と「無限の可能性」が広がっていると「本気で」思っています。それくらい面白い。
ただ、そうしてChromeOSに馴染んでくると、この価格帯も気になってくるんです。周りから見れば首をかしげたくなるかもしれませんが、でもよく考えてみるとごく当たり前のことなのです。だって、自分が毎日触れる、使い続ける道具です。自分とインターネット、そして仕事やその他諸々を繋げるためのデバイスなんです。
単なる処理速度だけでなく、持っていて何となく楽しかったり、見る度に「いいなぁ」と思えるようなモノというのは、何も私の大好きな革製品や革靴に限らない、どんなジャンルにでもあることだと思っています。
さぁ、自分語りっぽく冗長になってきたので話を元に戻します。
今回取り上げる3モデルもこの価格帯にくるとCPUもCore i5やm5になってきます。もう$200ほど上げるだけでRAM 16GBやi7も入ってくるのですが、そこまでは今回は求めません。
そしてこの価格帯での私個人のオススメはやはりHP Chromebook 13 G1です。
HP Chromebook 13 G1 – Full Review & Benchmarks
なんちゃってMacBook Airだと言われようが個性がないと言われようが、そして先ほど触れたようにバッテリーの持ちが悪かろうが、軽さと薄さもある程度実現しながらも処理速度も画面も仕上げも妥協しなかったこのモデルは個人的にはかなり惹かれておりました。
モデル名 | Acer Chromebook 14 for Work | HP Chromebook 13 G1 | Lenovo ThinkPad 13 Chromebook | Apple MacBook 12インチ(参考) |
型番 | CP5-471-581N | W0T01UT#ABA | ||
CPU | Intel Core i5-6200U | Intel Core m5-6Y57 | Intel Core i5-6300U | Intel Core m5-6Y54 |
2.3GHz | 1.1GHz up tp 2.8GHz | 3GHz | 1.2GHz up to 2.7GHz | |
画面解像度 | 1920 x 1080(IPS) | 3200 x 1800(IPS) | 1920 x 1080(IPS) | 2304 x 1440(IPS) |
RAM容量 | 8GB | 8GB | 8GB | 8GB |
ストレージ | 32GB | 32GB | 32GB | 512GB |
価格 | $749.99 | $819.00 | $939.00 | 184,800円(税別) |
MacBookを参考として並べているのは別に叩きたい訳でも何でも無く(むしろ反撃に遭いそうですし)、私自身、MacBookに限らず一般的なラップトップPCというのはChromebookとはスペックからして別物、という印象があったのです。調べもしませんでした。ところが実際のところここ最近の技術の進歩は省電力方面にも動いているおかげで、こうしてChromebookでも同様のものが採用されていたりもするんだな、ということに今頃になって気付かされたからです。
まぁ友人知人に訊かれたら普通に「iPhoneとMacBookにしといたら?」と答えますが、個人的には黙々とこうしたChromebookに魅力を感じてしまっている訳ですね。
未だUSPSは1日のLAS VEGASまでは元気だったのに、その後音沙汰無しです。これ、まだアメリカ出国してないんだろうな。
$200以下から$1000以上まで。ここ最近の充実度は、これからの可能性を感じさせてくれます。
その価格帯でも楽しめるんです。そして、勿論価格なりに処理速度や気持ち的な満足度等々違いはあったとしても、基本的にChromebookはあくまで仮の入れ物に過ぎません。文中でもChromeOSと書いたりChromebookと書いたりしていますが、確かにChromebookがChromeOSの代表的なモノ(=)のような印象を抱きがちですが、実際のところChromeboxやChromebit、Chromebaseなど形を変えて様々な使われ方がされて(出来て)います。
結局どういう形であっても、必要なモノはWi-Fi環境とGoogleアカウントのみ。そして大切な情報は仮の入れ物のどれか一つの中にしかない、という訳ではなく、出先でも人のChromebookでも自宅のChromeboxでも、更に他のOSのChromeからでもほぼ同様の環境で作業が出来るのです。
これからどういう方向性に進むにせよ、それは一方向ではなく、大きな広がりを見せていくのでは無いか、と思っています。それを想像しながら、今手元にあるリモコンのような役割に過ぎないChromeOS端末を愛用しつつ、ネットでChromebookの情報を眺めている。そんな贅沢な時間が私は大変に気に入っています。