日本のChromebook愛用者にとってはバイブル的存在、というよりも、海外を見渡しても恐らくこれだけのものを見つけるのは難しいのではないか、と思われるほどのガイドブックがあります。それが、岡田拓人(@goodegg0843 )さんが書かれ、マイナビから出版された「Chromebook徹底活用ガイド」です。
岡田 拓人 Takuto Okada
神奈川県横浜市在住。株式会社アローズ・システムズ所属。Webシステムを中心にコンサルティングから開発まで手広くこなす。本業のかたわらモバイル情報ブログの運営も行っている。著書に「Windows&iPhone連携テクニック Windows8.1対応」(インプレス刊)、「Mac&iPhone連携テクニック OS X Mavericks(10.9)対応」(インプレス刊)、「今からはじめるEvernote&Dropbox」(弊社刊)、「Kindle Fire HD Style Book」(弊社刊)など。
発売当時、ある方のブログで「著者の方から献本いただき、読んでみました!」と紹介されていて、私もいつか著者から献本したいと思ってもらえるような立派なChromebookおじさんになる!と思ったかどうかは分かりませんが(少なくとも当時はおじさんのつもりはなかった)、まぁ要はその頃から買いたいな、買おうかな、と常に思ってAmazonのカートに入れていたものの、なかなか買えずにいた本でした。というと聞こえが悪いですが、要は私にとっての原点のような本でございます。
日本において一度は消えかけたChromebookの灯。けれど時が経ち、私も岡田拓人(@goodegg0843 )さんとTwitter上だけでなくChromebookオフ会で実際にお会いすることが出来るようになりました。不思議なものです。
先日このブログで「このブログのサポーターになってください」と書いたところ何名もの方から温かい支援を頂きまして、その中で頂いたAmazonギフト券で今回、この本を購入させて頂きました。
Chromebookを徹底的に使いこなすための最強バイブルの名に恥じない充実度。全304ページです。
Chromebookだけで300ページ超えです。Chromebookを徹底的に使いこなすための重さ714g、厚さ20mmの最強バイブル。
実際に中身は大変充実していまして、「初版発行が2015年5月31日」とほぼ3年前にも関わらず、今も色褪せない、未だに充分に実用的な一冊になっています。
そもそも「Chromebookって何?」という問いは、ここ最近改めて日本国内でChromebookが話題になるにつれ、再び聞かれるようになりました。あなたは友人や知人、同僚や上司から訊かれた時、分かりやすい形でこの問に答えられますか?私は正直自信がありません。
この本はそうした基本もしっかり押さえています。いきなり「Chromebookとは仮の箱で」みたいな世界にはいきませんので安心して読み進められます。
同様に、話題になればなるほど、誤解されている方も多いな、と感じることの多い「Chromebookはネットに繋がないと何も出来ない」論。この疑問にもズバリと答えられています。出来ることと出来ないこともしっかり表にされています。刊行から3年が経っていますので、もちろん状況はある程度変わってきてはいますが、それでも基本的な知識として押さえておいて損はない部分です。
こういう基礎を疎かにしないところが、プロが出版社を通して紙の書籍という形で世に問うガイドたる所以ですね。私はこのガイドが既に世の中に出ているから、安心して自分の世界観全開のセルフ出版に走れます。
3年前の刊行ということで、OSのバージョンもかなり前のものとなっているため、一瞬見慣れない画面ではありますが、基本的な操作方法はそこまで変わりません。Chromebookは情報自体が少ないため、初めて使う方には操作方法からしてわからないことだらけです(マニュアルも充実しているわけではありませんし)。そうした中、基本的な使い方からキーボードのショートカットといったことから細かい設定までしっかり書かれているのが流石です。
これはお世辞ではなく、個人的には例えばASUS JAPAN辺りには文教法人向けに展開させる際にはこちらも合わせて納品してほしいくらい(そのためには出版元のマイナビさんには是非改訂版をお願いしたいところです)ですし、また量販店等でもChromebookコーナーには必ず傍らに置いておいて欲しい。ASUS Store Akasaka辺りなら必需品です。ほんと。
Chromebookは結局はGoogleの各種サービスを利用する際に本領を発揮します。ということは、Chromebookの使い方、そして活用法となると、単なる操作マニュアルに留まらず、Googleの各種サービスの細かい部分まで網羅する徹底活用ガイドになってしまう、ということです。これ、凄い。だから厚く(20mm)重く(714g)なるのも当然といえば当然です。
3年経てば情報は古くなってきますので、個々のサービスの詳細な使い方を知りたい場合にはそれぞれの専門書をオススメしますが、GmailやGoogleカレンダー、スプレッドシートやドキュメント、スライド、さらにGoogle Apps Scriptといったちょっと踏み込んだ内容まで、今まで何となくChromebookを使ってきたけれど、ちょっと一歩使い方や付き合い方を深めたいなぁ、と思っている方にはこのガイドを取っ掛かりにして、更に深く入っていっても良いのではないかと思います。勿論拡張機能やChromeアプリも網羅されています。凄いね、流石です。私はこんな体系的な本、とてもじゃないけど書けません(書けるなんて言ったらプロである岡田さんに対して失礼ですね)。
ここ最近、このブログでも時々触れている「試験運用モード」である「chrome://flags」などについても既にこの本ではしっかり書かれています。とりあえずChromebookをお持ちの方でしたら、手元にリファレンス的に置いておいて損はないのではないか、そしてちょっと時間が出来た時にパラパラとページをめくってみると思わぬ発見があって、ますますChromebookが楽しくなる。そんな本だと思っています。
情報が古い?それは著者のせいではありません。改訂版、是非出してもらえるようにマイナビ出版に声を上げましょう。岡田さん、改訂版やる気充分ですから。
そのためにも、まずは書店で手にとってみて欲しい。その重さと厚さに、思わず嬉しくなること請け合いです。
Kindle版もありますが、比較的パラパラと眺めるのに向いた本でもありますので、まずは書籍版をオススメします。