ここ最近、折に触れて手元にある(余っている)PCパーツを用いて幾つかのPCを組んでいます。直近ではこちら。
ただ、私も常に失敗なく、また無駄なく緻密にPC自作計画を立てている訳ではありません。むしろ手元に無駄に幾つも積み上がっている(しかも売るにしても手間のほうが大きい)SSDやケース、その他のパーツを眺めていると、時折切なくなります。
といって、またここで張り切って足りないパーツを埋めつつ一台作り上げたらそれこそ無駄です。
ちなみに我が家には今、手放すか残しておくか迷っているパーツが2つほどあります。
今回組んだRyzen 5 2600のPCを組む際に最初にmicroATX用ケースとして考えていたANTEC P5。価格が手頃だったこと。当初はヒカリモノは全く考えておらず、むしろ一切光らせず、無駄に装飾も施さない、過度に色々パーツを加えないシンプルな一台をイメージしていたことから選んだ、先日発売されたばかりのケースです。そんな当初の意図はどこへ行ったのやら分かりませんが、そのあたりはあまり考えないことにします。
こちらはメインPCで今まで使っていたUHDBD再生対応のDVDドライブ、Pioneer BDR-211XJBK/WSN。ただ、買った後で気がついたのですが、当時の私のPCはHDMI2.0a,HDCP2.2,HDR(推奨)規格に対応しておらず半分宝の持ち腐れな普通のBlu-rayドライブになってしまっていました。まぁBlu-ray幾つか見たから良いけど。
まだまだ新しいこと、BDR-211JBKは何となく手放すのが勿体無い(今後もBlu-rayを見ることは時々あるので)こともあり、それならそのまま残しておこう、と。かといって、これだけのパーツで一台組むとなると、普通にフルコースの金額になります。
ただ、ここでふと思ったのです(最近よく思うな)。PCの自作って実は「何を組み合わせようかなぁ」と選んでいる時点もとても楽しいのだ、ということに。そして、いきなり10万超えでPC新調するのはなかなか精神的なハードルが高いのではないか、と。
だって、多くの方にとってはPCは既に持っていてそれほど不自由していない(実際に買い換えるとその快適さに驚くのだけど)か既に必需品ではないのではないか、と思うからです。
そんな方にとってPCを買うなんて、「その内機会があったら」くらいにしか考えてないのではないか、と思っています。そんな機会は完全に動かなくなるまで来ないのですが。
いきなりポンと大金を一括で払うのはハードルが高い。けれど、前述のような「何を組み合わせようかなぁ」と選んでいる時の楽しみだけでも是非もっと多くの方に知ってほしい。そこでひらめきました。
そうだ。数ヶ月かけて、毎月少しずつパーツを買い足していこう。
ということで、手元にある2つのパーツに毎月少しずつパーツを買い足しながら、数カ月後にPCを一台生やしてみたいと思います。
なぜ数ヶ月かけて買い足していくことを「基本的には薦めない」のか。そのメリットとデメリット。
まぁ分割なり、金が貯まってから一括で買っちゃうのが一番手っ取り早いし、そういう買い方のほうがすぐに使えてムダもありません。それは分かっています。ただ、人間別にPCだけのために生きているわけではありませんし、趣味でもなければそう気軽に大金をポンと出す気になりません。だから結局後回しになっちゃうんです。なら後回しでいいじゃん、必需品じゃないんだから、というツッコミはなしでお願いします。
で、なぜタイトルにもあるように「基本的には薦めない」のか。そのメリットとデメリットについて少し触れてみたいと思います。
少しずつ買い足すことのメリット
- 毎月の生活費を圧迫しづらい。お小遣いの範囲内で楽しみやすい。
- 気がついたらPCが一台生えていた。
- 分散投資、ドルコスト平均法感覚で突然の掘り出し物やセールに対応しやすい。
- 途中で方針変更がある程度効かせやすい。また、新しく出たパーツに反応しやすい。
- 組み上がるまでの期間が長いので、その間、選ぶ、組み合わせる、考える楽しみがある。
続いてデメリット。ある意味では上記メリットがそのままデメリットにもなります。
- 生えてくるまで全く動かないただの鉄の塊。
- 既に購入したパーツがより安くなる可能性も。また初期不良に気づきにくい。
- 初期の頃に買ったパーツは寝かせた状態になるので、選択を誤ると勿体無い。
- 途中で飽きると手元には無駄に開封済みの金にもなりにくいパーツが残る。
特にデメリット面の初期不良に気づきにくいというのは、別途検証用の環境があれば別ですが、実質ちゃんと動かすまで初期不良や製品不良に気づきにくいため、数ヶ月後、気づいた時には既に初期不良の保証期間を過ぎていた、というリスクがあります。これが大きいので、基本的には薦めません。結局堂々巡りなんですが、買えるならさっさとまるごと一台買っちゃったほうが良いんですね。
ただ、個人的にある程度完成時のイメージが出来ていれば、そこまでの地図を頭のなかに描きつつ、毎月、毎回、その時のお財布事情に合わせて、またストレスにならない程度にコンスタントにAmazonやPCショップを眺めながら、気になっているパーツを狙っていくのはなかなか楽しいものがあります。私、結構好きなんです。
前回のRyzen 5 2600だって、Vega 56だって、初めから買おうと思っていた訳ではなく、アンテナを常に緩やかに張っていたら、そこに引っかかったということなのです。そういう楽しみがあります。あとは、少しずつ形になっていくのを眺めていくと、愛着も沸きますし、気がついたら購入のペースが速くなる可能性(危険)も。そんな諸々も含めて自作って楽しいと思うので、薦めはしませんが、その分このブログ上でコンスタントにその経過をご報告し、その過程を楽しんで頂けたらいいな、と思っています。
microATXケースとBlu-rayドライブのみのスタート地点。さて、まずは何から揃えるか。
先程も上げたスタート地点でのケースの中身です。Blu-rayドライブが右上にはまっている意外には何もありません。
さて、何から揃えていきましょうか。
現時点で思い描いているイメージはまだまだ漠然とはしているのですが、主に下記の通り。
- AMD好きで最近ThreadripperやRyzenでばかり組んでるけど、今回はIntelにしよう。
- ケースはは手元のAntec P5をそのまま活かすのでmicroATXで。
- 中が見えないケースだし、前回の最初の方針だった光らない堅実で無骨な一台にしよう。
面白みはないかもしれないけれど、何かあってもこいつだけは安定して動いてくれているから大丈夫と思えるような、もうスタンダードで安心感を重視した堅実で無骨な一台にしようかな、と思いました。例えて言うなら、組み上がったらそのまま実家の両親に贈っても安心(何もしてないのに壊れた、みたいなことのない)みたいな一台だといいな、と思ったのです。両親に贈るなら側面から中身が見える必要も、鮮やかに色とりどりに輝くLEDも不要ですし、必要以上にパーツを加える必要もない。DVDドライブも普通に付いてるから音楽も映像も安心だよ、みたいな感じです。まぁ実際贈るならChromebookかChromeboxにしますが。でもそんなイメージです。
で、結局今回最初のパーツとして選んだのがこちらです。
最初に選んだのはベースとも言えるマザーボード。ASUS TUF Z390M-PRO GAMING。
今回は前述のようにIntelでいこうと考えているので、最新のZ390マザーボード。一世代前にすればその分安くなりますし、こなれては来るのですが、先程のメリット・デメリットでも触れたように、今回は数ヶ月という期間で考えているので、多少のことでは古びない、また最新のCPU(第9世代)でも安心なものにしました。
ASUSにしたのはマザーボードに関してはやはり安定感、安心感があり評価が高いこと。また、microATXという時点で非常に選択肢が限られている中で、TUFシリーズ(ミリタリー規格)の中ではATX版よりちょっと力が入っている、意外としっかりした製品だからです。
先程挙げた何かあってもこいつだけは安定して動いてくれる安心感があるかどうかは分かりませんが、気分的にはミリタリー規格という部分は意外と大きい。あと、今回はオーバークロックして高負荷でゲームを、みたいな使い方よりもはむしろ24時間電源入れっぱなし(というか、電源切るの忘れてた)みたいなことでも比較的安心、みたいなイメージで考えているので、以上の条件を考えた時、とりあえずベース(マザーボード)を定めてしまおうと思いました。
ちなみに今回、購入したパーツをそのまま放置せずに届くたびにどんどんケースに組み込んでいく形を考えていますので、予めCPUクーラーも注文しておきました。CPUは決まらずとも、このマザーボードに対応したモノで選べば良いので、むしろ組み上げる際に(場合によっては一旦ケースからマザーボードを外さなければならない可能性もあるため)、早めに揃えておこうと考えたのです。ちなみに簡易水冷は今回は除外しました。
空冷クーラーで非常に評価の高い虎徹 Mark IIです。折角なのでオリジナルより少し価格が上がってしまったのですがTUFバージョンを注文しました。
ただ、この文章を作成時点でまだ手元に届いていないので、届き次第写真を上げたいと思います。
早速ケースに組み込んで、可能な端子は繋いだ上で配線もまとめてしまった。
早速このマザーボードをケースに組み込みました。
うん、スッキリ。多分この後様々な状況で何度も取り外すことになりそうな予感はするのですが、一つパーツが埋まるとやはり気持ちが良いものです。
「何度も取り外すことになりそう」と書いた理由の一つが、背面のCPU周りのメンテナンスホールなんですが・・
CPUクーラー用の左側上下2つの穴がケースに隠れてしまってるんですね。これだとバックプレートが必要なクーラーは一度取り外さないといけません。ということで、前述の虎徹が届いた時点でいきなり外すことに。
あと、このケース、ケーブルの配線用の穴が意外と少なくて、見た目をある程度整えるためにはちょっとこの状態だと気になる点があるので、そちらも電源を注文した時点で改めて外すことになるでしょう。あとはCPUか。でもCPU、多分今回のだいぶ後半になりそうな気もしているのですが。
とりあえず上記の写真のように、既に一部結束してしまっているのですが、この辺りは問題ないです。マザーボード外す際にも影響がないようにまとめてあります。
初回を終えて。現時点で揃えたものと、次に検討しているものの候補。
CPU Cooler | サイズ 虎徹 Mark II TUF SCKTT-2000TUF サイドフロー型 CPUクーラー TUF GAMING仕様 | ¥5,544- |
MB | ASUS Intel® Z390搭載 LGA1151対応マザーボード TUF Z390M-PRO GAMING【mATX】 | ¥19,481- |
Drive | Pioneer パイオニア Ultra HD Blu-ray UHDBD再生対応 BD/DVD/CDライター バルク品 ソフト付 ブラック BDR-211XJBK/WSN | ¥14,688- |
Case | 圧倒的な静音性を実現したMicro ATX対応コンパクトPCケース ANTEC P5 | ¥6,214- |
Total | ¥45,927- |
今月はこれで終了。ただ、幾つか既に頭に描いているパーツはあるので、それらは常時価格等のチェックはしています。これから年末に向けて突然価格が一時的に急激に下がったりすることもあると思うので、そういう時には動きます。また、今思い描いているパーツではなくても、「これは行ける!」と思ったパーツがあれば、幾らでも柔軟に変更していきたいと思います。その辺りのフットワークの軽さは、今回のような「数ヶ月かけて」作る場合の強みだと思っています。その間も情報は常に集めていきたいですしね。
で、来月はどうしようかなぁ、という部分なのですが、現時点では候補として電源を考えています。
このあたりかなぁ。
ただ、これから米国ではブラックフライデーセールやサイバーマンデーセールが始まりますし、また年末に向けて思ったよりも他のパーツが動く可能性もありますので、そのあたりは柔軟に考えていきたいな、と思っています。