[かぶ] 狂騒の投げ売り祭から1ヶ月。キングジム ポータブックXMC10の本来の魅力についてChromebook好きの視点から考えてみました。

上記画像はキングジムの製品ページから使わせて頂きました。 http://www.kingjim.co.jp/sp/portabook/xmc10/

上記画像はキングジムの製品ページから使わせて頂きました。
http://www.kingjim.co.jp/sp/portabook/xmc10/

先月、突然の事態に業界関係者を震撼させたのが、社畜用のオフトゥンでお馴染みキングジムが満を持して今年初めに9万円台で発売した変則型WindowsPC、ポータブックの2万円台での投げ売りです。

実際に「必要だった訳ではない」けれどその価格に釣られてとりあえず買ってみた、という方も多かったのではないでしょうか。私も実際欲しいと思いました。この価格なら一台手元に残しておいても良いかな、と。結局買わなかったのは、ちょうどアメリカのBlack FridayからCyber Mondayにいたる一連のセールでChromebookに狂喜乱舞していたからです。間もなく一台届きますが、先月書いた文章の多くがChromebookネタだったのがその証拠です。

狂乱から既に1ヶ月近くが経っておりますが、買われた方のレビューも多々出ております。そうした中、未だ購入していない私が今更同様のレビューを敢えて購入してする必要もないかな、と感じましたので、今回は少し違った視点からこのポータブックについて書いてみたいと思います。

ポータブックが叩かれまくっていた理由に、Chromebookと同様のモノを見た。

ポータブックは非常に魅力が分かりにくい製品だと思います。

フルサイズをコンパクトに、たためるパソコン「ポータブック」 | キングジム

それでいて、Windows 10 PCと考えると「それどうなの?」「製作者、考えてないよね」と思わず突っ込みたくなるようなスペックだったりして、これが何を目的に開発されたのか、一般的には非常に分かりにくいものだと思います。

Windows PCにしたことが、なかなかその魅力をわかりにくくさせてしまったのかな、と思います。

特に目的ないけど、とりあえず「そこそこ使える」Windows PCと考えるとダメ。

「しか出来ない」と「出来るけれどしない」は全く別物だと思っています。例えば同社のポメラなどは前者の例ですね。

出来ることが明確で、かつ他は元々「出来ない」訳ですから、そこに「Wordが使えないからクソ」だの「Photoshopが使えないからクソ」だのと語るのは野暮な訳です。いや、そういう方はそもそも余計なこと言わずに、それが満足に使える端末を最初から選べば良いわけで、何でポメラでそれを求めようとしているのかが疑問です。

それに対して今回のポータブックは、製作時にはコンセプトが明確だったのだと思いますが、実際に市場に出たときにはより多くの層が購入を検討したのだと思います。

でも、このPCを他の一般的なWindows PC(ラップトップPCやタブレット)と同じ感覚で捉えてはダメなんです。Windows、という印象が、「とりあえず何でも入れることが出来る」「Windowsソフトやアプリが使える」、とりあえず何となく色々使えるWindows PCと同列に考えられてしまったのかな、と思います。そう考えると、2GB RAMや32GB Storageなんて、実用的でありません。何でも出来る、となると、用途を絞らずにとりあえず色々入れてみたくなります。

そうなるとどれもが中途半端にしか使えないので、足りない、いまいちな部分ばかりが目に付いてしまうんですね。

私のメインPC、ChromebookやChromeboxも同じ。

度々触れていますが、私のメインPCはChromebookです。

hp-chromebook-13-g1-002

ChromeOSの魅力についてはここでは詳しく述べませんが、これを私は全てのPCユーザーにとって、MacやWindows搭載機に取って代わるモノではないと思っています。「ChromebookがあればMacBookなんて不要。むしろ今頃MacBook意味も無く高い金出して使っているなんてアホ」みたいな論調も一部で出てきていて、それは非常に悲しいのです。

[かぶ] ELECOM のぞき見防止フィルターその後。現時点では常時使用は難しいかな、と思っています。

2016.12.30

良いじゃないですか、MacBookもWindowsもChromebookも自由に組み合わせて使えば。それぞれに強みがあり、目的に応じて使い分ければ良いのです。それが出来るのが最近のクラウドサービスの進化です。

さて。ここでChromebook。以前から、そして今も言われていること。

「○万あるならWindows PCが買える。」
「Chromebookって結局ネットに繋がないと何も出来ないでしょ。」
「ChromebookってOffice使えないし、動画編集なんて出来ないじゃん。」

その通りです。だから、Office必須の人や動画編集バリバリやりたい人は、無理してそれらの作業をわざわざChromebookでやろうと思う必要なんて全く無いんです。

Chromebookがポータブックと比べて幸運だったことは、ChromebookがChromeOSという独自のOSだったことです。そのため「ブラウザ上で動かすことしか出来ないしアプリも入れられない」けれど、それはOSの特徴だと捉えられやすかった。

けれど、Windowsとなるとそうはいきません。Windowsなんです。使い方は多種多様。色々な状況、モノを求めてやって来る人が多くなります。Office使ったら重い。画像ちょっと編集しようとしたら見にくい、重い。

出来ることが増えたばかりに、「この機能を求めてこのポータブックにした」のではなく、「何となくWindows入ってるし小さいし安いからポータブックにした」というパターンが増えてきてしまう。そうなると、比較対象が一気に広がってしまいます。「この値段出すなら、○○が買えるでしょ。」同列の比較対象として扱われてしまうんですね。

ポータブックの用途を自分なりに想像してみる。

さて。そこで私の中でポータブックの用途を想像してみたいと思います。Chromebookもそうですが、こうしたモノってある程度用途がイメージ出来ていない場合、何となく中途半端で使い勝手が悪く、気がつけば使わなくなっていた、というパターンに陥りやすくなります。

私の現環境を考えてみると、デスクトップPC(Windows10、Core i7-6700K)もありますし、ラップトップPC(ChromeOS、Core m5)があります。動画編集から画像加工、更に普段のメールやブログ更新、Office関連の作業、メインのChromebookを補う形でWindows PCがあるので、これ以上必要ありません。

ということは、これらに任せてあることで、ポータブックが取って代わる用途は一つもない、ということでもあります。

であれば、これらの用途を中途半端に試して「それなりに使える」必要はないのです。そういう使い方は、使い始めは新鮮で使いますが、その内使わなくなります。

18mmピッチのフルキーボードを活かす。

上記画像はキングジムの製品ページから使わせて頂きました。 http://www.kingjim.co.jp/sp/portabook/xmc10/

上記画像はキングジムの製品ページから使わせて頂きました。
http://www.kingjim.co.jp/sp/portabook/xmc10/

私はキー入力は「ローマ字入力」です。かれこれ20年以上この入力方法だったため、ブラインドタッチも勿論出来ますが、それ以上にすっかり慣れてしまって他の選択肢が考えられませんでした。

ところが最近一部で根強い人気のある「親指シフト」に興味を持ち始めました。

とはいえ、メインで使っているChromebookは当然としても、サブのWindowsデスクトップPCのキーボードを「親指シフト」に変える気にはなれません。練習をしたい、と思っても、わざわざそのためだけにその都度環境を変えるパワーはありませんでした。

最近「親指シフト」愛好家の間で話題になっているのが新型ポメラです。こちらは「親指シフト」も可能です。

ポータブックのキーボード自体は元々「親指シフト」ではないのですが、設定で変えることも出来そうです。

ということで、ポータブック XMC10はコンパクトながら、フルキーボードを搭載しているわけです。OSは最新のWindows10 Home 64ビットなので、そのままでは親指シフト入力はできません。しかし、他のWindows10搭載PCができるように親指シフト入力ができるように改良することが簡単にできます。

親指シフト愛好者が注目するキングジム製品 | bibalogue

むしろ普段の用途に全く影響させないモデルこそ、「親指シフト」の練習には合うのかな、と思いました。

既存の環境に新しいキー入力方式を加えようとすれば、色々と不具合も出てきますが、最初から親指シフト前提で使用を考えれば全く問題ない、むしろ現状の2万円強という実売価格でそれが試せる、習得できるのであれば安いものです。

アウトライナーとしてどこでも開いて使える。

上記画像はキングジムの製品ページから使わせて頂きました。 http://www.kingjim.co.jp/sp/portabook/xmc10/

上記画像はキングジムの製品ページから使わせて頂きました。
http://www.kingjim.co.jp/sp/portabook/xmc10/

ポータブックの良さは、前述の18mmピッチのフルキーボード、1.5mmのキーストロークを採用し、静音性にも配慮しながらも、本体の大きさはA5サイズです。どこでも開けることは大きな魅力。

長文を打つ、となると画面の大きさや液晶の好みは出てきますが、思いついたことをその都度まとめてあとで整理、もしくは何かの勉強会、報告会やイベントの際に議事録や自分なりのメモをまとめるには最適です。

となると、これ、私の中で昨年から非常に便利に使っているオンラインのアウトライナー、Workflowyを使うのに最適なのです。

Workflowyは自分のデータは常にクラウドに保存、同期されます。ブラウザベースで動かすため、日本のヘビーユーザーの中にはWorkflowy専用としてFirefoxを別途使われている方も多いくらいです。

「WorkFlowy専用Firefox」によって、パソコンからのWorkFlowyを、さらに強力なツールに育て上げる(Windows&Mac)

[捗]これは便利なアイデア!~FirefoxをWorkFlowy専用ブラウザにしてしまう | 捗りあん

基本データはクラウドのため、本体の32GBというStorageにはさほど影響がありません。そして、必要なものはWorkflowyのアカウントとネット接続環境、好みに応じてFirefoxくらいです。

先日Twitterでも呟いたのですが、新型ポメラDM200が出た際に、Workflowyが使えれば最高だったのに(一応ポメラにはアウトラインモードがありますが)と思っておりました。ポメラはまだまだネットとの親和性は高くありません。また今回は前述の「親指シフト」対応と合わせて理想的ではありますが、まだまだ価格が高いです。

ポータブック自体は重さはそれなりにありますが(約830g)、大きさ自体は非常にコンパクト。手帳感覚で持ち歩いて、どこでも思考を漂わせることが出来ます。これは勿論スマホでも出来ますし、日本にはiOS版、Android版ともにこのWorkflowyを使いやすくする非常に良いアプリが出ていますが、惜しいのはキーボードがないことでした。この点をタブレット以上に解決してくれるのが今回のポータブックかな、と思います。

妻の報告会の時だけ、プレゼン用にOfficeを使う。

上記画像はキングジムの製品ページから使わせて頂きました。 http://www.kingjim.co.jp/sp/portabook/xmc10/

上記画像はキングジムの製品ページから使わせて頂きました。
http://www.kingjim.co.jp/sp/portabook/xmc10/

普段からOfficeを使うために、このポータブックを使う、というのではありません(出来なくはありませんが。)

わが家では妻が海外の医療支援活動から帰国した際に、所属団体の報告会などでPower Pointで報告をすることがあります。それ以外にもトークイベントなどにスピーカーとして呼ばれることもあり、意外とPower Pointを使うときがあります。

とはいえ、それだけのためにMacBookなりWindows PCを用意するのは勿体ないのです。

もちろん先方のPCを使わせて頂く、というのも手ではありますが、必ずしも使えるわけではありませんし、他人様のPCにデータを入れて慣れない操作をするのは何かと落ち着かないものです。

そこで、ポータブックを持ち運び専用のプレゼン機にしてしまうのです。

自主開催などの場合には、会場によってはプロジェクター自体も用意しなければならない場合もあります。そんな時、1kgを超えてそれなりの大きさもあるメインのラップトップPCも持ち歩く、というのは意外と不便です。

ポータブックであればHDMIやVGAなどのインターフェイスをフルサイズ規格で搭載しています。別途変換ケーブルが必要ありません。プレゼン用途というのは実際にキングジム自体も提案していますが、普段の作業もこのポータブックで行う必要はなく、自宅で作成しておいて、クラウドなりに保存、それをポータブックに入れて持ち運ぶ、という方法でも十分かな、と思います。

一応アレも出来るコレも出来るではなく、むしろこの3つが出来るなら私にとっては充分。

以上3点挙げてみましたが、コレだけ出来て、しかもこれらは「妥協してとりあえず」出来るのではなく、むしろこうした用途にとっては下手なラップトップPCよりも使い勝手が良いかもしれません。そう考えると、途端にこの機種が輝いてきます。

もちろんポータブック自体はこの用途に限られたモデルではありませんが、実際に自分の用途に照らし合わせてイメージしてみたときに、何かしら「これで使うといけるんじゃないか」「これ、ポータブックに任せられたらかなり便利」という部分のみに特化させて使ってみると、非常に相性の良い、「そうそう、これが欲しかったんだよね」というものに変わるかもしれません。

そうした点で、ポータブックも現状の投げ売り実売2万強という状況は、全ての方にお薦め出来るものでは(元々ありませんが)ないものの、人によっては「何この値段で使えるならかなり嬉しいんだけど」と思える製品になっているのではないか、と思います。

フルサイズをコンパクトに、たためるパソコン「ポータブック」 | キングジム

実際にはStorageの問題で基本的なWindowsの更新すらまともに出来ないという致命的(解決策はあるものの)な欠陥は抱えているものの、それらも投げ売りから1ヶ月程度が経ち、ネット上では解決(アップデート)方法も大分出てくるようになりましたので、ある程度自分で調べて楽しめる方には良いのではないか、と思います。

なんて書いていたら私自身改めて買いたくなりました。

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