ここ最近、Chromebookに関するツイートに国内外問わず反応しているのですが、その中で私の中で少々勘違いをしている部分がありました。
日本で数年前に展開したメーカーは3社。その内現在も辛うじて法人と教育市場向けに絞って展開しているのがASUSとAcer。うち個人で今買えるとすると、ASUSのC100PAくらいでしょうか。あとは細々とその頃の遺産が捨て値であるかも。 https://t.co/9YwC9QbLOh
— Life Style Image (@_LifeStyleImage) 2016年10月18日
偉そうに書いておきながらお恥ずかしい。ごめんなさい。実際はASUSもAcerもDellも、現在でも個人向けにもChromebookを日本国内で展開しております。新モデルがほぼ法人・文教向けに限られていたため、ほとんど気が付きませんでした。今回改めて各社のサイトを眺めてみたところ、今も展開はあるようです。
Twitterを眺めていても、ここ最近の新製品ラッシュでChromebookに改めて興味を持たれた方も結構いるようで、また当ブログのChromebook関連のアクセスも増えてきています。そこで現時点で(海外からの個人輸入ではなく)国内で購入できるChromebookについて調べてみました。
国内展開主要3メーカーの個人向け現行モデルを並べてみます。
日本モデルの一番の魅力はキーボードが「日本語キーボード」である、という点だと思います。勿論海外から個人輸入したChromebookでも英語キーボードであるだけで、普通に日本語入力は可能です(OS自体も勿論最初から日本語で使えます)。
とはいえ、日本語キーボードのほうが安心な方、必須の方も多いでしょうし、またいざ何かあった時に日本国内で保証とサポートが受けられるというのは大きいかな、と思います。
現在購入できるモデルを細かく見ていけば他にもあるとは思うのですが、ここではChromebookが日本で展開された際に国内モデルを発表していた3メーカー(ASUS、Acer、Dell)の、2016年10月時点でサイトにて現行製品として展開しているモデルを並べてみたいと思います。
国内需要に合わせてか、サイズが10.1インチから13.6インチと比較的小さく、持ち運びを前提としたものがメインのようです。
ASUS Chromebook 個人向け現行モデルは4つ。
まずは当ブログではお馴染みのASUS。現行3つのサイズで4種類のモデル(カラーの違いは計算に入れず)が展開されています。
Model | ASUS C100PA | ASUS C200 | ASUS C300 / C300MA |
Screen | 10.1″ TFT IPS / グレア | 11.6″ TFT / グレア | 13.3″ TFT / ノングレア |
CPU | Rockchip® RK3288C 1.8GHz | Intel® Celeron® N2830 2.16GHz | Intel® Celeron® N2830 2.16GHz |
RAM | 2GB (LPDDR3-1066) | 2GB (DDR3L-1333) | 2GB / 4GB (DDR3L-1333) |
Storage | 16GB eMMC | 16GB eMMC | 16GB eMMC |
Resolution | 1,280 x 800 (WXGA) | 1,366 x 768 (WXGA) | 1,366 x 768 (WXGA) |
Battery | 約9時間 (充電 約2.5時間) | 約11時間 (充電 約3時間) | 約10時間 (充電 約2.4時間) |
Size | 262.8 x 182.4 x 15.6 mm | 304.3 x 200.0 x 19.8 mm | 329.0 x 230.0 x 20.3 mm |
Weight | 約0.89kg | 約1.1kg | 約1.4kg |
コンバーチブルタイプの10.1インチChromebook Flip C100PAはサイズ的にも貴重な存在です。
現在海外ではC302SAらしきモデルのリーク情報が出てきていまして、Flip 2なのではないか、ということで噂になっています。それもあって、現時点でFlipを買うのは損なのではないか、といった反応もあるようですが、実際全くの別物です。
10.1インチのFlipと恐らく13.3インチの新モデルでは重さも大きさも違いますし、用途も変わります。むしろ10.1インチ自体が貴重ですし、現行モデルとして展開されている内に(気になっている方は)入手されたほうが良いかもしれません。
まして、まだ発表もされていない状態ですし、発売されても当分日本に入ってくることはないのではないか、と思っています(よほど日本国内での声が大きくなればメーカーも検討するかもしれませんが、それでも日本版となれば価格も上がりますし、まだ先になるはず。)
これはASUSに限らず、ですが、個人輸入することを前提で考えられているのでもない限り、今欲しいと思われているモデルをさっさと手に入れて、新モデルが発売されるまでの期間使い込まれたほうがよほど有効に活用できるのではないか、と思います。ChromeOSとご自身の相性もあると思いますので。
13.3インチは今まではRAMが2GBのC300のみでしたが、4GBで、更に色の選択肢も増えたC300MAが出ています(その他のスペックは同じなのでまとめています)
ただ、色違いとして3色がASUSオンラインショップ限定販売モデルとして展開されていたのですが、現時点では既にありません。一時期大幅値下げで投げ売られていたので、すっかりASUSは個人向けは国内市場から撤退するのだとばかり思っていました(それが冒頭の勘違いの大きな理由)。
RAMは2GB(C300MAのみ4GB)ストレージは16GBということで、2016年10月の現時点では最低限のシンプルな構成です。勿論これでも充分に使えるとは思います。
C200との違いはサイズだけでなく、画面が「グレア(C200)」か「ノングレア(C300/C300MA)」かの違いもあります。CPUは同じです。
かなり格好良くレビューされております。同じやるなら、ここまで雰囲気良く動画レビューしてみたい。
海外ではC200には後継機C201とC202SA、C300にはC301SAが出ていることもあり、既に日本国内モデルは旧モデルになっています。これも現行モデルがC100PAだけなのではないか、と誤解した原因でもあります。ASUSはかなり魅力的なモデルを展開しつつも、新モデルも精力的に出していますので、日本でも法人向けだけでなく、是非踏ん張って欲しいところです。
ちなみに、法人向けには下記2モデルが展開されています。
ASUS Chromebook C201PA corp | ノートパソコン | ASUS 日本
ASUS Chromebook C300SA corp | ノートパソコン | ASUS 日本
それぞれ法人限定ではありますが、導入を検討されている法人の担当の方は公式オンラインショップ、ASUS Shop for Businessから注文と10台以上の場合の見積もり等が可能です。
ASUS Chromebook C201PA(C201PA-FD0009・ネイビーブルー) – ASUS Shop for Business
ASUS Chromebook C300SA(C300SA-FN001・ブラック) – ASUS Shop for Business
Acer Chromebook 個人向け現行モデルは2つ。
続いてAcer。ごめんなさい。きちんと日本向けに今も展開しているようです。
Model | Acer CB3-111-H14M | Acer CB5-311-H14N |
Screen | 11.6″ | 13.3″ |
CPU | Intel® Celeron® N2830 2.16GHz | NVIDIA Tegra K1 CD570M-A1 2.10GHz |
RAM | 4GB (DDR3L) | 4GB (DDR3L) |
Storage | 16GB eMMC | 32GB eMMC |
Resolution | 1,366 x 768 (WXGA) | 1,366 x 768 (WXGA) |
Battery | 約8.5時間 (3220 mAh) | 約13時間 (3220mAh) |
Size | 299.0 x 202.0 x 18.7 mm | 327.0 x 227.5 x 18.0 mm |
Weight | 約1.1kg | 約1.5kg |
こちらも11.6インチと13.3インチの2モデル。RAMがどちらも4GB、更に13.3インチはストレージも32GBと比較的余裕があります。
法人向けにAndroidアプリ対応のR11が白黒両モデル発売されますが、基本的な処理速度はそれ程大きくは変わりません。
実売価格も考えると、個人向けの両モデルがこの価格帯にあるのは寂しくもあります。なんとかならないものでしょうか。
13.3インチのCB5-311-H14Nは現行モデルでは珍しく、CPUにNVIDIAのTegra K1 CD570M-A1 2.10GHzを積んでいたり、と、これはこれでなかなか面白いモデルです。
ここ数日で13.3インチのコンバーチブルタイプ、R13を海外では入手された方が出てきているようですし、また動画も上がってきていますので、こちらも同じく日本市場向けにも頑張って欲しいところです。
ここ最近、Acerのモデルが米Amazonでも直接日本に発送可能なモデルが減ってきている印象があるので(このR13も日本発送不可)今後日本でAcerのChromebookが入手しづらくなるのではないか、と心配しています。
Acerの法人向けモデルはBusiness DN’Aから。
Business DN’A|製品情報|Chromebook C738T-A14N
話題のAndroidアプリ対応のAcer Chromebook R11の黒モデルがC738T。私もR11を海外から購入する際に、当初このC738TのみがRAM 4GBで発送可能だったこともあって、だいぶ悩みました。
海外の教育の現場では現在結構このR11(もしくは今後であればR13も)が多く導入されているようです。また、このR11のCPUがN3150ではなくてN3160、更にキータッチ等も若干違う、という話もありまして、ちょっと羨ましいなぁ、と思っています。
Dell Chromebook 個人向け現行モデルは1つ。
Dell、国内Chromebook市場からはもうすっかり撤退したとばかり思っていました。
Model | Dell Chromebook 11 3120 16Q22 |
Screen | 11.6″ (タッチパネル選択可) |
CPU | Intel® Celeron® N2840 2.16GHz |
RAM | 2GB or 4GB (DDR3L) |
Storage | 16GB eMMC |
Resolution | 1,366 x 768 (WXGA) |
Battery | 約7時間 |
Size | 297.0 x 217.7 x 20.1 mm |
Weight | 約1.24kg (約1.32kg) |
ところがさり気なく昨年今までのChromebook 11からモデルチェンジまで行っていまして、3120という新しいモデルになっています。
ただ、このモデルが結構好みが分かれるようで、個人的にはDellらしさが失われ、何となく無難に収まってしまったかな、という印象があります。CPUも他社と合わせてきていますし。
以前のモデルはCPUにCeleron 2955U、またストレージも現行ほぼ共通のeMMCではなくSSDをさり気なく積んでいたりして、処理速度的にも現行他社の同価格帯モデルと比較しても頭一つ抜けていたのですが
一応Amazonではまだこのモデルが入手は出来るようなので、こちらを買われる方も結構いる様子。私もこの2モデルのどちらかを選べ、と言われたら、タッチスクリーン非対応でWi-Fi等多少スペックに違いがあっても、旧モデルを選びたくなります。
Dellは13.3インチのChromebook 13が未だに評価が高かったり、また日本でも多少注文時にカスタマイズが可能(海外では各メーカー幅広い選択肢を用意しているのですが)だったりと多少選択肢に幅があります。
最近新モデルが海外でも出ている様子がないので、そろそろ新モデルを出して欲しいな、と期待しています。
日本でのベースモデルは3万5千円前後。日本でもChromebookを使う人が少しでも増えてくれたら嬉しい。
海外では$180をベースモデルとして、そこからイメージして自分に合うChromeOS端末を幅広い選択肢の中から選ぶ感じだと考えていますが(とはいえ、まだそれも米国とほか一部に限られてはいますが)、現時点での日本では個人向け、法人向けともに3万5千円前後というのがベースモデルかな、と思います。
どうしても数も少ないですし、市場の規模を考えても、日本語キーボードなど独自のカスタマイズを考えてもこのくらいになってしまうのは仕方がないのかな、と思います。
日本と海外は別で、何かにつけ「海外では」を口癖にするのは自分でも嫌だなぁ、とは思いながらも、ついつい色々なツイートやSNSでの投稿を眺めていると羨ましくなってしまう自分がいます。
Kyler publishing his personal narrative today on the Chromebook. Great job in Jones/Ludlow! #everykid pic.twitter.com/HW2IiucxZV
— Cindy Ducca (@CindyDucca) 2016年10月18日
It's Chromebook time in Mrs. Wiser's 2nd Gr. Class! pic.twitter.com/HXTSdwoO1Y
— Hawaiian Elementary (@HawaiianEagles) 2016年10月18日
日本でもChromebookを授業で活用している学校があるようですが、なかなかそうした話が表に出てこないのが残念です。
タブレット端末やスマホがあれば充分じゃん、というのも確かに一つの意見ではあるとは思うのですが、そもそもスマホやタブレット端末と、ラップトップPCやデスクトップPCでは用途や方向性、たどり着ける情報も違えば、情報量も違います。どちらか一方があれば他は要らない、といった類のものではないと思っています。
ちょうどここ最近のSamsungのChromebook Proや、Acerの$199のChromebookがあるので、少しだけ日本でも話題になったように、いきなり大きく広がるのは難しいまでも、これをきっかけにしてもう少し地味にでも広がってくれたら嬉しいなぁ、と願っています。
Chromebook後進国。ITの活用経験が薄いからなんやで。
— えふしん (@fshin2000) 2016年10月18日