[かぶ雑感] 「大学生協パソコンは絶対買うな」?癒着や中抜きだと言っている「自称詳しい人たち」が、技術者の評価や給料を下げている。

[かぶ雑感] 「大学生協パソコンは絶対買うな」?癒着や中抜きだと言っている「自称詳しい人たち」が、技術者の評価や給料を下げている。

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今回の内容は、根拠がある訳でもしっかりしたデータがある訳でもないので、あまり気負わずに読んで頂きたいのですが、この時期、季節の風物詩的な話題があるんです。それが「新しくPCを買う新入生へのアドバイス」とか「新社会人へのアドバイス」と称した、大変余計なお世話な、でもネタ的には毎回バズることが約束されているようなお節介な話です。

まぁ内容広げちゃうと漠然としちゃうので今回はその中から絞ります。それが大学生協パソコンはボッタクリだから絶対買うなという話。これ頷いたPC詳しいあなた。そんなあなたが結局は日本のPC業界、プログラマーや技術者の給料下げてるんだと気付いて下さい。

って、見事に飛躍した気がしますが、少しこの話、してみたいと思います。

まずは私の昔話を聞いて下さい。私が昔、PC初心者の後輩にコスト度外視でPCを組んであげた時の話と結末。

まずは私の昔話聞いて下さい。もう20年以上前の話です。

ちょうど日本でもWindows 95が話題になった後くらいでしょうか。従来のNECの時代、PC-98の時代が終わり、海外から安いPCが入ってきたんです。で、そこでPC好きは「自作PC」の世界を知るんです。今で言うショップのカスタムオーダーみたいなものですが、当時はまだまだ知識と経験があれば、自作PCは趣味の世界なだけでなく、明らかに市販のパソコンより安かったんです。3分の2から半分くらいの値段で同じくらいのスペックのPCが組めたんです。

そこで私のような、ちょっとPCかじった、他のPC知らない奴らにちょっと優越感感じちゃって、ドヤりたい、マウント取りたいような若造は思うんです。市販のメーカーパソコンなんて買ってる奴は情弱だと。

自分、PC知ってるつもりになってますからね。まぁ当時は情弱って言葉はなかったんですが、似たようなこと考えてたと思って下さい。

で、あまりPC詳しくない友人、知人にマウント取るんです。「そんなモノ買わなくても、もっと安く手に入るよ」的なことを遠回し的に、ちょっとメーカーのボッタクリだなんだ、みたいな訳知り顔な顔して匂わせて満足するわけですよ。今思えば恥ずかしいんですが。そこに、バイトの後輩から「PCを買おうと思ってるんですが・・」って相談されまして。で、私は鼻の穴膨らませて得意げに言っちゃうわけです。

それなら俺が作ってやるよ。10万くらいで作れるからw

あ、価格は当時の相場です。今と事情が違うので、当時10万でそれなりのPCってなかなかメーカー製だと買えなかったんです。当然後輩は喜びます。で、私、確かその時、10万で請け負ったんですね。

で、(一部自分の使ってなかったパーツも流用しましたが)結果として若干私としては精々1万円も利益にならんようなスペックで組んであげました。しかもモニター(当時は液晶ではない)もキーボードやマウスもセットで、です。あれ、明らかに私的には赤なんですが、まぁ自分の承認欲求とドヤ感満たせただけで満足だったんでしょうね。ただ、それと同じくらい、折角なら後輩(仲良かったんで)に損せずに、良いパソコンを手に入れて、パソコンを楽しんで欲しい、って純粋な気持ちもありました。当時はまだまだPCユーザーって一般的ではなかったので。

ちょっとここまで過去の自分を思い出してしまって、挑発的な書き方をしましたが、実際にこうしたアドバイスやお節介をする時って、別に馬鹿にしてたり、マウント取りたいみたいな理由だけじゃないと思うんですね。

だって、私たち、PC好きなんですから。やっぱり興味を持って貰えると嬉しいし、だからこそ、何か訊かれると、訊かれてもいないことまで喋りすぎてウザがられたりするわけです。この時の私も、むしろこの気持ちの方が大きかったとは思います。だって、一部自腹でしたし。

で、何が起こったか。

後輩の家までの送料まで私が負担したそのパソコン、PC初心者だった後輩の手に渡って、色々使っている内に、1ヶ月くらいで不調になりました

で、後輩が相談してくるんですが、後輩も知識がないので、何がどう不調なのか、幾ら聞いても分からないんです。ある程度バイト先で一緒に働いている時にアドバイスするんですが、要領を得ない。更に当時はまだ通話定額とかなかったですし、ガラケー、メール送るのにもパケット料金(今で言うギガ)がかかる時代です。サポートしようがない。その結果起きたこと。それが・・

あるとき、別の共通の友人から噂を聞きました。私がPCを組んだ後輩が周りにこう言ってるらしい、と。

「○○さん(私)に『騙されて』壊れてるパソコン買わされた。」

と。まぁ後輩からすれば、なけなしの10万円払ったのに、1ヶ月程度でなんかエラーなのか何かが起きて、自分のやりたいことも出来ないのであれば、騙された、ボッタクリだ、と思われても仕方ありません。まして私は購入後のサポートを怠りました。

まぁ当然です。そもそも私、10万で組んだ時点でも、前述のように利益にすらなってないんです。むしろ赤。その上で無償でサポートなんかする気はありませんでした。というか、そんなもん、自分で何とかしろ、と。私自身がそうだったので。

でも違うんです。それはそもそもPCが趣味で、自作までするような私だから、自分で何とか出来る、しようと思えるだけであって、PC初心者の後輩にはそもそも無理なんです。結局その後輩とは、絶縁にこそなりませんでしたし、その後も卒業まで付き合いは続きましたが、しこりは残ったままでした。

今なら分かります。あの時、私は普通にメーカー製のPC、もしくは、大学生協パソコンを普通に薦めておけば良かったんです。

例え倍以上、いや、当時だと25万〜30万はしたので、3倍したとしても、です。それを私の「俺PC詳しいぜ」的自己承認欲、ドヤりたい欲求を満たすために、後輩を犠牲にしてしまったんですね。ホント、今彼は忘れてるかもしれませんが、謝りたい気分です。

ちなみに付け加えておくと、では私がその差額、例えば30万だとしたら、10万で組んで、20万円貰ったとしても、嫌です。断ります。何故なら、私は彼が卒業するまで、24時間、365日、いつどこで直接だろうが携帯電話でだろうが、何かあった時に親身になって一からサポートする気力はないからです。それが20万円?割に合いません。

後輩に10万円で組んだPCを、もしこの時私が30万円で売っていたら・・それはボッタクリですか?

さて、ここまで長々と昔話に付き合って下さりありがとうございます。ここで冒頭の話に戻ります。それが、

大学生協パソコンの話です。

PCマニアはこの時期、風物詩のようにこれを叩きます。

要は「ボッタクリ」だ「中抜き」だ「大学と業者、メーカーの癒着」だ、と。「在庫処分品を無知につけ込んで騙して売ってる」なんて意見も聞きます。

皆さん好きですね。そういう陰謀論。ムーを読みましょう。

もちろん世の中、そうした事例がないわけではありません。でも、すぐに癒着だ中抜きだボッタクリだ、と騒ぎたい人が少なからずいます。ここで先ほどの昔話を思い出して下さい。

私があの後輩に、10万円で組んだPCを30万円で売ったとします。その代わり、先ほど後悔していたように、卒業までの4年間、「何かあった時にはいつでも電話して。」「壊れたら着払いで送って。私がメンテナンス、修理するから。」と言ったら

癒着ですか?中抜きしてますか?ボッタクリですか?

表面上は20万円の利益を得ています。私はそれを後輩に話さずに、30万円で売ったとします。それを別のPC好きの誰かが「30万とかボッタクリだからw」「そのスペックなら10万で手に入るってw」と横槍入れたとします。

今の私なら言いたい。

「それなら、お前が10万で売って、4年間親身になってサポートするんだな?」

と。

多くのネット上の「自称PCに詳しい人」たちは、一見親切なように見えて、じゃあその親切そうなアドバイスに従って10万円のコスパ最強wのPCを購入した誰かのその後に何か責任を持てるのでしょうか?大体言いっぱなしですよね?第一、責任の持ちようがない。

もちろん「自称PCに詳しいあなた」はそのコスパ最強wの10万円のPCを買って、自己責任で何が起きても調べて解決出来るかもしれません。何か起きても自分の責任だと思えるかもしれません。そして、確かに何かを学ぶ、PCを知る、というのは、そういう自発的な、積極的な姿勢が大切なのだと思います。

ただ、世の中のPC初心者、初めて買う人たちが、そうでなければならないのであれば、それってもの凄く入り口が狭い世界だと思いませんか?お金で解決出来る選択肢があっても良いと思いませんか?

その一つがメーカー製PCや、今回挙げた大学生協パソコンだと思うのです。

ちなみにこれは最近話題になっているGIGAスクール構想における学校導入のPCにも言えます。PCにある程度詳しい学生やその家族から見ればボッタクリwと思えるかもしれません。ただ、それは単にあなたが自己責任で何もかも解決して、一切文句を言わないからに過ぎないんです。

実は表に出にくいサポートや保証、そして蓄積された技術を一番軽視しているのは、実は私たち「自称PCに詳しい」人たちなのではないか。

さて。少し熱くなってしまいましたが、ここで最後に冒頭の飛躍した話の回収に入ります。

「そんなあなたが結局は日本のPC業界、プログラマーや技術者の給料下げてるんだと気付いて下さい。」

もしあなたがPCに詳しい人であれば、職場や友人との間で、どんな扱いを受けていますか?

便利屋扱いされてません?PCに詳しい人、と。

PC絡みで何かあるとすぐ都合良く呼ばれて、任されて、やらされてませんか?

それ、ちゃんとお金貰ってますか?

もちろんそれで自分のPC欲、承認欲求とドヤ感が満たされるから構わない、というのは勝手ですが、その知識や経験って、あなたが長年かけて身につけてきた、価値ある能力の一つですよね?

日本では(海外はどうかは置いておいて)職人など技術を持った人が軽んじられる傾向があります。まぁ本人たちもそれを価値に変える努力をしていない、という意見もあると思いますが、自分たちがその価値に気付いていない、という面もあると思います。

と同時に、今回話したような内容があると思うんです。先ほどの10万でPCを作った話。

そこにある、技術的なサポート、問題解決などにも時間もお金もかかっているのだ、ということです。

こういう数値に表れにくい部分って軽視されがちです。だから、つい私たちはこういう見えない部分にお金がかかっていることを忘れて、「ボッタクリ」だ「中抜き」だ「大学と業者、メーカーの癒着」だと騒ぎがちです。

そして、これ、やってるの、先ほどから触れているように(もちろん全員ではないとしても)先頭に立っているのは、

私たちなんです。私たち「自称PCに詳しい」人たちなんです。

私たちは何かあるとすぐこうした知識を持ち出してコスパが、と言いたがります。でも、コスパってそんなに単純な話でしょうか?

私たち詳しい人間が「ボッタクリ」と言えば、詳しくない人たちもそう思うのは当然なんです。

製品を作る以上に、実は多くの人にとってはサポートや保証のほうがお金がかかっている、ということ、そうした技術や能力にもお金がかかっているんです。でもそれをもっとも軽視しているのは、そうした仕事をしている私たち「自称詳しい人間」なのではないでしょうか?

その結果、サポートセンターのコストは下げられ、そこで働く人たちの給料も上がらず、またプログラマーや技術者といった技術を持った人たちの価値が理解されない。そうした自業自得な部分もあると思うんですね。

もちろん必ずしもこれが唯一の答でも考えでもありません。「いや、そうじゃない」という意見ももちろんあるでしょう。ただ、ネットを眺めていて、毎回この手の話題がバズる度に、そしてそれにぶら下がる「自称詳しい人たち」の知識マウントを眺める度に、何となく「結局自分で自分たちの首を絞めてるんじゃないかなぁ・・」と思ってしまうのです。

色々ツッコミどころもあると思いますが、この時期、季節の風物詩のようにこの手の話題がまた増えてきたので、今回改めて文章にしてみました。

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