7月1日から開催中の銀座ヨシノヤのセール。100周年の時のフルハンドのモデルが8万円だったりと、ちょっと今回かなり色々放出してしまって、早くお店に見に行きたいのですが、それだけではなかったようです。通常の九分仕立てのモデルもアッサリとセールになっていて、しかも安くなっているとなると、個人的には嬉しいようなちょっと切ないような複雑な心境です。
セールは諸刃の剣です。
例えば今回セール対象になっている「セミブローグ O 666」。
これ、確か以前ヨシノヤ訪問の際に非常に気になっている一足として取り上げた靴だと思います。
[0733-201504] 編み紐を買うため銀座ヨシノヤ再訪。紳士靴の気になるモデルと情報を挙げてみる。
九分仕立て。パターンオーダー会でも注文可能なアデレードタイプのセミブローグ。ただ、革がその時によって使えるものが違うように、私はこの店頭のこのセミブローグに使われている何とも美しいブラウンの革が一番雰囲気がありました。
ウィズは2E。綺麗なデザインです。全体的に靴自体の形がキレイに出ていて、そこに革自体の表情が味付けをしてくれています。最近はストレートチップしか手元に置いていない私も欲しくなりました。
これもやはり「編み紐」合いますよね?相性良いと思います。
これ、他のセール対象の同じ九分仕立てのモデル(45,000円‥)に比べれば抑えているとはいえそれでも62,000円です。嬉しさよりも先に切なさがあります。すごく良いモデルなんですよ。
今、靴を買うのなら、充分に候補に入れていい、というよりも、今回も九分のスタンダードなモデルはいっそ複数足買いしてしまえば、それで当分はもう何も要らないのではないか、といった品揃えです。
でも結局靴好きはどんなに「これが手に入れば締め」と言っても思っても、結局アッサリ言ったこと忘れてしまう悲しい生き物なんですが。
銀座ヨシノヤって結構ポーンと出しちゃうんですよ。少し前の素晴らしい靴も。アッサリと。
思い出してみると、過去のセールも突然ポーンとアッサリと、あれ、それ出てた時からずっと欲しかった、というモデル(ただし価格が大抵10万前後になるので、若い頃の20万30万の靴をポンポン買えてた頃の勢いがなければなかなか買えない)がセールに出て、買われていくことが多いのです。
そのうちの幾つかは私と同じような、銀座ヨシノヤが好きで、銀座ヨシノヤの靴の素晴らしさも分かった上で、少しの寂しさとそれ以上の嬉しさを込めて買っていかれるのですが、そうでなくてたまたま安いから買っちゃった、程度の場合もあると思うんですね。
結局大切に履いてもらえれば問題はないのですが。
セールで値段だけが理由で買った靴って、結構その後の扱われ方が雑になってしまうことが多いんです。価格だけ見て「得したね」と思うだけで、アッサリと履き潰されちゃうことも。そうした靴を色々見てきました。
セールによって買いやすくなる、ずっと欲しかった靴が手に届く反面、セールで価格が変わった瞬間、その靴はそのセール価格の靴に変わってしまうんです。それが少しやるせないのです。
などと偉そうに書きましたが、でもやっぱり今回もセール良い靴揃ってるから、早めに行ってみて。
私も今週〜来週くらいまでには一度訪れたいと思っています。でも行くと切なくなりそうだな。特に自分のサイズがあると。
未だに銀座ヨシノヤの靴に関しては冷静に見られない自分に気づく瞬間でもありました。