前回書いた宮城興業の和創良靴で私の定番革靴4種が取り敢えず揃ったのですが、その中で最も情報が少なく、あまり話題にならないのが銀座ヨシノヤです。結構玄人受けはするんです。靴関係の仕事をしている人に聞くと結構知っていて、しかも評価が高い。けれど、一般的には紳士靴を作っている印象があまりないんですね。
ネットで検索してもほとんど出てきません。唯一有名なものがAll Aboutの飯野さんの一連の記事ですが、それ以外はほとんど婦人靴です。
実際、これだけ銀座ヨシノヤが出店していても、紳士靴を扱っている売り場自体がほとんど無いということもありますし、客層からしてそれ程多くはないのかもしれません。
ところが最近若い方を中心にジワリジワリと。
ところが最近、若い方を中心にジワリジワリと人気が出てきているそうです。それは九分や九分半といったモデルではなく、銀座ヨシノヤのオンラインショップが密かに人気だとか。オンラインショップでは常にSALEをしていて、型落ち廃盤品が値引きされて販売されています。これが反応が良く、店頭にサイトで見たモデルの実物を確かめに来る方も結構いるとのこと。こういう若い靴に興味を持った方から少しずつ地味に評価されていったらいいな、と思っています。
そんな中で私が最近気になるレベルソ。
レベルソと言っても高級腕時計ブランドの代表的なモデルのことではありません。(お約束)隠し縫いとも呼ばれる、アッパーの縫い目を隠した縫い方は、確かな技術を必要とするだけでなく、印象もかなり変わります。技術的なこと(大変さなど)は製作者側の都合に過ぎませんが、印象が変わるのは履く側としては充分にそれだけで魅力になります。
そして、数少ないネットでの銀座ヨシノヤの情報の中で、Twitterで見つけてしまったんです。銀座ヨシノヤの靴を。
【靴と苔シリーズ】今日の靴は銀座ヨシノヤのマッケイ製レベルソ黒ストレートチップ。有楽町千葉スペシャルの磨きversionです。 pic.twitter.com/cHjDTVuvIY
— easy (@easy712) 2015, 2月 10
もう、嫌ですねぇ、こういうステキな雰囲気。
今日の靴は銀座ヨシノヤのマッケイ製法黒ストレートチップ。このEEの木型もまたいいんですよ、マジで。 pic.twitter.com/H7u6GuJ4DD
— easy (@easy712) 2015, 1月 29
銀座ヨシノヤの靴といえば編み紐です。ドレスシューズにはちょっと一瞬戸惑う組み合わせですが、履いている内に意外と気に入ってしまうのが不思議。結んだ際の押さえなどフィット感が意外と良いですし。
今日の靴は銀座ヨシノヤ黒ストレートチップ マッケイ製法レベルソ仕様。この靴も紐交換に悩み中。四丁目店のM崎氏から提案された平紐だと縫い目を隠したレベルソにぴったり っての分かるし、この編紐もヨシノヤっぽいってか小笠原っぽくていいのよね pic.twitter.com/43pQMrPCE0
— easy (@easy712) 2014, 10月 16
ちなみにeasyさんは私も大のお気に入りのロイドフットウェアJシリーズの茶グレイン革外羽根カントリーを愛用されていて、こちらも大変共感できて昨夜は思わず画像をひたすら眺めさせて頂いては一人悶えておりました。
銀座ヨシノヤの靴はマッケイが良く合う。
銀座ヨシノヤの靴って個人的にはマッケイが非常に相性が良い気がするんです。とても良い意味で繊細な美しさがあるんです。ちょっと儚げではありますが、しっとりとした。さっぱり訳分からないと思いますが。
最近採用されたイタリアンベビーカーフもそうですが、カールロッシュといい、革が比較的キメが細かくて、キレイだけれど一瞬頼りなさそうな印象。こういう靴に英国的な雰囲気は似合いません。
だからこそ、九分や九分半のような履いた瞬間から分かる一体感と羽根が生えたような軽さのある靴が似合いますし、シンプルだからこそ革の美しさが非常に生きてきます。とともに、マッケイ製法のような靴が似合うんですね。
マッケイ製法というと、一部ではグッドイヤー製法より格下格安のような印象を持たれる方もいるかと思いますが、決してそんなことはない。グッドイヤー製法には出来ない靴の表情を出せます。この表情であったり雰囲気というのは結構大切。勿論履き心地も違ってきます。
私はそこに最近の銀座ヨシノヤで採用されているハーフラバーを加えたマッケイタイプが非常にオススメですが、先ほどのレベルソ仕様の靴もマッケイなんです。
で、見つけちゃいました、このモデル。
製法を気にし始めると細部のスペックマニアになってしまうのですが、そういうことを抜きにして分かりやすい魅力があります。同じ銀座ヨシノヤの九分や九分半と比べて安いんですよ。
そりゃそうだ。半額以下になります。けれど決して手を抜いている訳ではない。ヨシノヤのマッケイってかなり凄いんですが、そういう細部のことはここでは飛ばします。
で。見つけちゃったんです。昨夜悶えた後につい見ちゃったんですね、オンラインショップ。
そうしたら、あったんです。レベルソ仕様のマッケイ製法ストレートチップ。既に廃盤になっているモデルなのかもしれません。
【銀座ヨシノヤ】SALE!職人の手仕事の技が光る、紳士靴の逸品
紳士靴、品番528。ちなみにそのもう一つ右の544が九分のモデルです。これもサイズあれば欲しかったかも。良いモデルです。
比較的サイズの在庫がまだあるんですよ。勿体無い。それもあってか他のモデルに比べて値引率も低いですが、これで4万円台は素晴らしい。
マッケイ製法で4万円?とか言わないで下さいね。製法だけで判断するようになると本来の魅力を見失いやすくなります。スペック表だけでは分からない魅力というのは実際に履いてみて、そして日々履き続けて分かるものなので、私が幾らここで暑く語ろうが意味が無いといえば意味が無いのですが。
ちなみにブログでも見つけました、マッケイ製法のストレートチップ。
銀座ヨシノヤの紳士靴自体なかなか見つけられないのですが、そんな中でも数少ないものを見つけてしまいました。で、こちらもマッケイ製法の黒のストレートチップです。
こちらのブログでも書かれていますが、ホールド感が素晴らしいんです。私はこのホールド感は九分仕立てを最初履いた時に衝撃を受けまして、それ以来銀座ヨシノヤといえばこのホールド感、フィット感がまず浮かぶのですが、それはマッケイ製法のものもやはり同じのようです。
木型が同じで小笠原シューズで作られているモデルですし、似てくるのかもしれませんね。
銀座ヨシノヤ 九分仕立て紳士靴アトリエ訪問記 [男の靴・スニーカー] All About
定番の一足として、今黒のストレートチップを新たに加えるのであれば、私はこの銀座ヨシノヤのレベルソ仕様のマッケイ製法ストレートチップがかなり有力です。あ、上のブログのストレートチップはレベルソ仕様ではありませんが、それくらい私の中では評価の高い靴。それが銀座ヨシノヤのストレートチップです。