既に先月11月14日(土)で会期は終了しているのですが、東京都の文京区教育センター2階大学事業連携室で開催されていた「鶏づくし」に行ってきました。入場無料。
文京区教育センター 文京区湯島4-7-10
日本人は、ウシ、ブタと並んで年間10キロ以上の鶏肉を食し、大量の卵を消費している。ニワトリは、日本人にとってもっとも親しみのある畜産物である。しかし、私たちは食べるためだけにニワトリを飼ってきたわけではない。艶やかな姿を愛でる、美しい声を楽しむ、ニワトリと一緒に暮らす、といった多彩な間柄が、ニワトリと社会との間に成立し、私たちの精神世界の奥深くまで、ニワトリの命が入りこんできているといえるだろう。世界中のニワトリ標本を集め、人とニワトリの関係を探ってきた遠藤秀紀が、ニワトリの真の姿を語りかける。
会場内は決して広くはなく、中央のテーブル(展示台)に無数のニワトリの標本が並んでいるだけで、説明のパネルも何もなかったのですが、ただこれだけか、と甘く見ていたところをやられました。
このニワトリ達、規則的に並んでいて、展示台の何ヶ所かに設置されているモニターで、その目の前にある数種類のニワトリのそれぞれの説明や特徴などを遠藤秀紀先生自らが映像で解説してくださるという。
こんなにニワトリが多様で、またそれぞれの地域や国によって、そのニワトリとどう接し、どう生み出してきたのかが分かります。
一緒に行った妻は一つ一つのニワトリの説明のポイントを手元の測量野帳に書き留めていましたが、本当にニワトリ一つとってもこれだけ奥が深く、またそれをこれだけ愛情を持って研究している人がいるのだということは、普段は全く考えることもありませんでした。
肝心なのは、けれどこうした研究の恐らく9割以上のものが、一般の目には触れること無く、またその内のいくらかは普通にこうして文京区教育センターのような区の施設の2階の片隅の部屋でひっそりと展示されているだけだったりする、ということです。あまりに勿体無い。
私も今回は妻がたまたまこうしたイベントに常日頃からアンテナを張っていたおかげで知ることが出来ましたが、そもそも一般的には知ることもないだろうし、まして知ってもわざわざ会期中に足を運ぼうと思う人がどれくらいいるのか、と考えると、少し寂しくなります。せっかくこんな魅力的な世界が広がっているのにね。
ただ、入り口にあった来訪者ノートを見ると、北は東北、西は京都のほうからわざわざこの展示を見るためだけに上京された方が予想以上にいて驚きました。世の中には思った以上に鶏好きっていたんですね。