天気がいまいち優れない火曜日ですが、妻と太田記念美術館に行ってきました。
太田記念美術館は12000点余りの浮世絵をはじめとした作品を所蔵しています。ただ、浮世絵の色料(絵具)は幕末になり、化学系の絵具が輸入されるまでは、植物の花や木の皮から採ったものを主に使っていたため、非常に褪色しやすいのが欠点だそう。
そのため、同一作品の長期間展示が不可能なため、毎月全作品を入れ替えているそうです。
それが却って、毎月違った作品を鑑賞出来る良さにもなっているのでは、と感じました。
明日までは、「広重ブルー」ということで
歌川広重の作品から、藍の美しさと藍からベロ藍へと移り変わる時代を展示しています。浮世絵といえば庶民の風俗が特徴の一つで、作品を見ることで、当時の風俗、生活を眺めることが出来ます。
私は絵でも、作品を通して、その当時は、どんな世界で、どんな生活をしていたのだろう、と想像するのが好きです。イメージがどんどん膨らんでいく中で、普段の自分の世界や価値観の狭さに改めて気付いたり、様々なことに想いを巡らせることが出来るからです。
太田記念美術館自体は広くはないのですが、今日も充分にその世界に浸ることが出来ました。
印象的だったのは、藍を用いて、抒情豊かに風景を描いた江戸時代から、舶載の赤色絵具であるアニリン染料へと明治に入り流行が変わっていくなかで、同時に変わりゆく都市の様子が時代感とともに伝わってくることです。明治の絵のイメージといえば、確かにこうした赤。大変印象的でした。
この後も色々と魅力的な展示があるようなので、これからも追い続けたいと思います。