NHKホールで開かれる、毎年(年末)恒例のNHK交響楽団「第9」演奏会に妻と行ってきました。ここ10年ほどほぼ毎年聴いています。
といっても私自身特にクラシックが好きなわけでも音楽が昔から好きだった訳でもありません。最初は妻に連れられて何となくこの年末の「第9」だけは聴きに行き、途中でしっかり寝てしまってクライマックスで目が覚める、ということの繰り返しでした。
今も正直クラシックが分かるかと言われれば、とてもそんなことは言えません。ただ、今年は歌舞伎の観劇デビューもしましたが、不思議なもので何度も聴いているとその内何となくそれなりの理解の仕方、楽しみ方が出てくるようです。
当たり前のことかもしれませんが、指揮者によって同じNHK交響楽団であったとしても全く別の「第9」になります。たった10回程度聴いただけでも、今年の指揮者は特に良かった、という年が数年はあるものです。
私の中でもここ10年で素晴らしかった(私の肌に合った)「第9」は2012年のロジャー・ノリントン、昨年のフランソワ・グザヴィエ・ロト、そして今年のパーヴォ・ヤルヴィです。あとは私が初めて「あ、第九って面白いかも」と思わせてくれたきっかけをくれた、当時は名前も調べなかった(何年だったかすら覚えていない)日本人の指揮者です。
勿論聴き慣れてきたことで少しは余裕を持って聴けるようになり、その結果楽しめるようになったのかもしれませんが、そうした指揮者に出会う度に、帰ってからネットで調べたり、Amazonでその人の指揮する他の演奏のアルバムを探したり、とそれなりに楽しんでいます。
考えてみれば数千円でこれだけ豪華な1時間半を過ごせるというのは贅沢なことです。私一人だけでこれだけの楽団にお願いしてホールを借りて演奏してもらう、となれば何百万程度では済まないはずです。あくまでその日参加する全ての人が数千円ずつ出し合って、更に多くの協賛があって初めて実現できる、それぞれが一回勝負の演奏です。
そう思うと、こうした演奏会のありがたみとともに、それを来年もまた楽しめるようにまた一年頑張りたいな、と思うのです。