このブログの開設当初はブログの性質上、予想以上に女性のアクセスが多かったんです。コメントをよく頂いたのも女性が大半でした。大変嬉しかったです。普段どうしても男性視点でしか物事を見られないこともありますので、ブログを通して色々な方とお話することが出来ました。
最近は記事の傾向上、やはり男性のアクセスが多いようですが、ここは誰でも見ることが出来るブログという媒体。もしかしたらこれを読んで不愉快になる方もいるかと思います。なるべく意識して言葉は選びたいと思いますが、それでももし不愉快な思いをされましたら、本当にごめんなさい。
そんな、性と妊娠に関する話です。
精液検査、しておきましょう。
このブログをご覧になっている男性の皆さま。ご自身の精子、どういう状況かご存知ですか?
シンプルに言えば、精子いますか?元気ですか?
様々な年齢から性別、価値観を持つ方がいるのは承知の上ですが、今例えば恋人やパートナーがいない若いオニーサン。右手が恋人のあなた。特にそんなオニーサンに伝えたい。
今のうちに一度はしておきましょう。
何故か。あなたにはリミットは無くても、将来の恋人、パートナーにはあるからです。
「不妊症」は女性にばかり原因があるように思われがちですが、決してそうではなく、男性に原因があることも半数近く(30~40%程度)もあるのです。妊娠は男性の精子と女性の卵子が1つになることでスタートするのですから、男性に不妊原因があったって何ら不思議なことではないのです。
不妊の原因の半分以上は男性にある。
女性の、特に妊娠を多少なりとも意識したことのある方であれば今更な話ですが、男って意外とこの辺甘く考えているんです。優しそうに見えて変にちっぽけなプライドがあったり。
男性と女性で性的欲求の度合いや性欲について違いがある、など色々他にもあるのですが、今回はその辺りは省きます。それよりひとまず簡単なこと。一回は精液検査しとけ。いいから。黙って行け。
何故か。
自分だけは大丈夫、と思っている男性に限って、いざ夫婦で妊娠を考えた時に実は精子が元気が無いとか数が足りないとか、そもそも精子がいない、とか出てくるんです。
けれど、それが判明するのは散々不妊に悩み、もしくは既に手遅れになってから。もしくは死ぬまで分からないかもしれない。散々奥さんにストレスをかけておいて、本人はなるべく気にしないふりをして、それを優しさだと思っている内に、女性にとって限られた時期を逃してしまうんです。本当は男性側に問題があったかもしれないのに。男性の小さなプライドのために。
小さいころ、誰にも言えない悩みありませんでしたか?
精子の問題がこれに限るわけではないのですが、心当たりのある男性が意外と多いと思うので。
小さいころ、左右の玉が大きさが違ったり、その周辺に何か変なコブみたいな、ボコボコっとしたものがあって、心配になったことありませんか?
私、ありました。怖くなって、看護師だった母親に相談しました。母は黙って、お父さんに相談しなさい、と言いました。
結局その時はそれで終わったのですが、大人になってからも時々キューッとなる時があったんです。痛い、とは少し違う感覚なのですが。
実際に触ってみると、コブがあるんです。癌かと思ったこともありました。腫瘍かと。
それが世に言う精索静脈瘤と呼ばれるものではないか、と知ったのは、ここ数年のことです。
精索静脈瘤ってなんですか?
精巣やその上の精索部に静脈瘤(静脈の拡張)が認められ、これを精索静脈瘤と言います。
精索静脈瘤の頻度は?
精索静脈瘤は、一般男性の15%に認められ、男性不妊症患者の40%以上に認められます。
精索静脈瘤手術|東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター(泌尿器科)
勿論、素人判断は危険です。また、精索静脈瘤だからといって、必ずしも「乏精子症・精子運動率低下」の原因になるとは限りません。
けれど、これ、実際に調べた男性はどれくらいいるでしょうか。
不妊症の男性に精索静脈瘤があれば、これを治療することにより精液所見の改善と妊孕性の向上が期待されます。また、精索静脈瘤は第1子が授かられない原発不妊男性の35%にみられるのに対し、第2子が授かられない続発不妊の男性では69%と非常に頻度が高いことから、精索静脈瘤を手術せずにほっておくと精液所見の悪化が進行することがあると考えられています。さらに、無精子症の患者さんでも、精索静脈瘤を手術すると20~30%で精液中に精子がみられるようになったとする報告があります。
子どもがいつ来るかは神様が決めることだから。確かにその通りで、二人に何も問題が無くても、来るときは来る、来ない時は来ない、です。ただ、男性が気軽に口にしていい言葉じゃない。特に何も考えたことも検査したこともない男性が。
勿論精子だけが全ての問題な訳じゃない。
既に無精子症で、そして更に治療の手段がなく、それを抱えて苦しんでいる方にこの言い方はとても失礼かもしれません。実際これを書きながら、頭のなかではどう書けばいいのか、グルグル回っています。答えが出ないのでとりあえず指は動いていますが。
でも、奥さんが必死で言葉に出来ない、もしくは追い詰められながら、不妊を悩んでいるかもしれません。(もちろん女性の妊娠に対しての価値観もそれぞれなのはわかります。)けれど、そもそも種ないのが原因かもしれないじゃないですか。種が無い方には本当にひどい言い方ですが、単に精子が少ない、元気がない場合であれば、改善する可能性が充分にあるんです。
けれど、そうしたこと一切知らずに、女性側のリミットが来た後でそれが分かる、というパターンが結構あるんです。あの時自分がもう一歩だけ踏み出していれば、ということが。
照れや、プライドも何もあったもんじゃない状況になるかもしれませんが、それだけです。
分かった後でどうするかはあなた自身の判断に任せます。
自分がそもそも種が無い、という場合もあるでしょう。逆に思い切り活きが良くてウヨウヨいるかもしれません。勿論だからといっていつも安心なわけではありませんが。
自分の側にひとまず原因がない(元気な場合でも全面的に男性に原因がないとは言えませんが)と分かった時、パートナーに伝えるかどうかは別です。伝えることで、かえってパートナーを今まで以上に追い詰めてしまうこともあるからです。
でもね、彼女や奥さんに言うか言わないか。それくらい、自分でなんとか考えようよ、男でしょ。男でしょ、という言葉が男をどれだけ追い詰めているかは別としても。
何が分かったとしても、結局その夫婦の間でしか解決出来ない問題、悩みなのですが、だからこそ、最低限自分で出来る部分だけでも予め済ませておく。手遅れになる前に。