ここ最近、Chromebookについて書いてきていますが、それでは2016年10月の時点でそれぞれの用途に合わせると、どんなモデルが良いのでしょうか。今回は「人それぞれ」と簡単に片付けず、主観を交えて現在のChromebookの中から考えてみたいと思います。
まずはこんな用途を考えているあなたにオススメのモデルから取り上げます。
私は執筆メインに使いたい。余計な邪魔や誘惑の入らない、文章入力に特化したモデルが欲しい。
@AshRose_919 @N_19970610 いや純粋にね、Chromebookっていうキモいノートパソコンがあって3万円ぐらいで買えるから物書き専用にしよっかなっていう
— のこのこ㌠ (@nokonokodx) 2016年10月10日
ポメラ買いましょう。
ちょうど今月末には待望の新モデルDM200も出ることですし、私自身もかなり心動かされています。先ほどのツイートの埋め込みに他意はありません。「キモいノートパソコン」がツボにハマっただけです。
5年ぶりの新ポメラ DM200は価格に見合った性能か?実機をチェック – Engadget Japanese
若者よ、今こそ「ポメラ」を使え!–最新デジタルメモ「ポメラDM200」の魅力 - えんウチ
こんなのポメラじゃない。こんなのキングジムじゃない。というわがままな方は、今回の新製品発表で今までのフラッグシップ機DM100の価格がかなり大きく変動しておりますので、タイミングを見計らってこちらを入手するのも手です。
Chromebookは思想的に何となく方向性が似ているような気がするのですが、文章入力、と考えるのであればポメラです。それか無難にWindowsなりMacなりが良いと思います。何よりChromebookはダメではないけれど日本語入力はツメが甘い。単語辞書登録も同期してくれませんしね。これなら普通にATOKとか使ったほうが今までの辞書使えます。また今回のポメラはパワーアップしたATOK入ってますし。
そして、それらとは単純に価格では比較できるものではない、唯一無二の魅力を持っているのがポメラです。これはもうスペック比較で分かるものでもなく、また単なる感傷的な部分でもなく、けれどメンタル面ではかなり大きい重要な部分をポメラはしっかり握っています。
ポメラもChromebookも「○○円も出すなら~が買える」「○○円もするのに、~しか出来ない」といった評価が多いけど、ただ多機能にすれば良いわけじゃなくて、「だけ出来る」「しか出来ない」というバランスがどれだけ難しいか。伝わりにくいけれど、それは他に代えられない魅力。
— 鈴木章史 (@SuzukiAkifumi) 2016年10月11日
昨日結構真面目にツイートしてみたので、伝わればいいなぁ、と思っています。
私はプロブロガー。消耗している奴らと違って、レールから降りた生き方に合うモデルが欲しい。
消耗している奴らと違うかどうかは分かりませんが、素直にMacBook買っときましょう。
今、ブロガー界隈では12インチのMacBookが人気だそうです。便乗しておけば仲間も多いので安心です。下手に「人とは違う」感出そうとしてChromebookに手を出すと、本当にちょっと人と違うだけの人になっちゃいますのでオススメしません。
ただ、別にChromebookに拘る必要はないわけで、執筆したければポメラ買えば良いし、私はブロガーだ、というなら素直にMacBook買ったほうが幸せになれると思います。 #だから私はChromebook
— Life Style Image (@_LifeStyleImage) 2016年10月11日
さて、これらの大切な前提を踏まえた上で、2016年10月時点でのChromebook選びの目安となるポイントを幾つか挙げてみたいと思います。
2016年10月時点の目安となるChromebookのベースモデルは$180前後。
まずは現時点でベースとなるChromebookを考えてみたいと思います。ここ最近数多くのモデルを、時には自分自身が欲しくて堪らなくなりながら、また入手しながら使ってきましたが、基本的なスペックは数年前と大きな違いはありません。それくらい進歩のスピードは緩やかとも言えます。
CPU | Intel® Celeron® Dual-Core N2840、N3060、Rockchip Quad-Core RK3288C など |
Octane 2.0 | 8000前後(参考値) |
RAM | 2GBもしくは4GB |
Storage | 16GB |
画面サイズ | 11.6″(解像度はHD 1,366 x 768) |
価格帯 | $180前後 |
一般的にイメージされているであろうChromebookの使い方を想定すると、現時点では$180前後のモデルがちょうどベースモデルにあたると思います。クラムシェル型(今まで通りのラップトップPCタイプ)でサイズは11.6インチ、解像度1366×768。重量で1kg程度です。
CPUに関しては、現時点でのメインストリームはここ最近毎回のように触れている、Intel社Atom系列の第3世代Bay Trail-M〜第4世代Braswell。あくまでChromebookでの目安としては「Celeron N〜」となっているモデルです。もしくはRockchip社のRK3288C。
よほど大きな動きがない限り、この後出るであろうモデルや市場の方向性を考えてみても価格据え置きで考えるのであればもうしばらくはこの辺りになってくると思います。
ということで、特に拘りなくまずは何となくChromebookに興味を持たれた方は、このベースモデル、予算$180に送料等合わせて日本円で2万円台前半で購入できるモデルで考えましょう。正直、この後挙げるモデルと処理速度的には体感上大きな違いはありません。
つまり、拘りがなければこれで十分ということです。これ以上は不要です。何か明確な目的がない限り、ひとまずこの価格帯のモデルを買って実際に気負わず使ってみて、思いの外使い勝手が良いな、と気に入られたらそこから次のステップを考えて支障ありません。
となると既に挙げています、この2モデルが候補かな、と思います。
Chromebook大手2社、ASUSとAcerのそれぞれエントリーモデルです。2つの違いは搭載RAM(2GBか4GB)とIPS液晶かどうか(AcerがIPS液晶)、くらいです。
必ずしも上の2つのモデルである必要はありませんが、これ以上の価格になるものでも、よくよく眺めてみると普及価格帯は基本的にはこの$180前後のモデルに何かしら+αされているもの、と見て大きな失敗はないと思います。
では、このベースモデルに、少しオプションを加えてみましょう。
ベースモデルに$100〜$150加えると、Google Playストア対応、タッチパネル対応に。
何となくこれがメインのような気がしてしまいますが、ここ最近Chromebookが再び日本でも話題になり始めたきっかけの一つでもあるGoogle Playストア対応。Androidスマートフォンと同じアプリが(全てではないものの)使えるようになるため、今までのChromeブラウザベースの時に比べてかゆいところに手が届く補助ツール的な使い方が可能になります。
「補助ツール的な」と書いたのは、まだ対応モデルが非常に限られているだけでなく、Androidアプリ側もChromebookで使った際に最適化されているとはいえないため、使い勝手としては未成熟、これからの可能性を感じさせる状態だからです。
一応スマホアプリ版のOfficeやPhotoshop等が使えるようになりますので、これに興味を持たれた方も結構いるのではないでしょうか。その場合には、先ほどのベースモデル($180前後)からだいたい$100〜$150加えれば対応のモデルが出てきます。
CPU | Intel® Celeron® Dual-Core N3150、Rockchip Quad-Core RK3288C |
Octane 2.0 | 8000前後(参考値) |
RAM | 2GBもしくは4GB |
Storage | 16GB〜32GB |
画面サイズ | 10.1″(1,280 x 800)もしくは11.6″(1,366 x 768) |
価格帯 | $300前後 |
こうして表にしてみても、実際価格が倍近くに上がった割に、CPUもRAMもStorageも全くと言ってよいほど変わりません。ベンチマークとしてのOctane 2.0でのスコアも誤差の範囲です。あくまで「Google Playストア対応モデル」として「タッチスクリーン対応」や「コンバーチブルタイプ」といった機能が加わったようなものです。液晶はどちらもIPS液晶になっています。
Google Playストア対応になるためにはタッチスクリーン対応が必須、という話は今のところありませんが、現行のAndroidアプリの中にはあくまでタッチスクリーン前提での操作感を考えて作られているものも多いため、それが対応モデルがなかなか増えない理由にもなっているのかな、という気もします。
私は今までメリットは特に感じたことはないのですが、Google Playストアに対応してタブレット的使い方をする場合にはないと不便な場合も出てきそうですね。デメリットは指紋が付くこと。また完全対応でないと却ってストレスも溜まります。 https://t.co/fK7cPHKNHn
— Life Style Image (@_LifeStyleImage) 2016年10月11日
現時点で正式に対応している(Pixelは覗いて)モデルは2モデルのみ。どちらも先ほど同様ASUSとAcerです。
あとは注目の新モデル、HPのChromebook 11 G5。
こちらも性能的には変わりなく、11.6インチ、CPUはN3060、RAM 4GBにストレージ16GBです。
タッチスクリーン対応ということで、Google Playストア対応も謳っているので、そうした点ではASUS、Acerだけだったこのジャンルに食い込んできてくれたら面白いな、と思っています。ただ、まだ購入者のレビューが少ないのが難点。日本への発送も以前よりも手強くなっていて、それ以前に購入された方もいるようなのですが、使い勝手は如何でしょうか。
このタイプはタブレット的な使い方も想定してか、サイズはやはり10.1インチや11.6インチになりますが、まもなくAcerから13インチ、Full HDのR13が発売予定です。ただ、価格が少々上がりますし、未だ発売時期がイマイチハッキリしないので、今回は除外します。また、ASUSのFlipも数ヶ月前から2の噂が出ていますが、こちらは発売するのかすら不明です。
同じくベースモデルに$100程度加えるとサイズアップ、Full HDなどに。
いつも通り長くなってきましたが、張り切っていきましょう。今回は表の部分もほぼコピペで済んでしまうくらいほとんど代わり映えがしないのでサクサク進みます。モデル自体はだいぶ違うのですが、こうしたオプション的部分が変わるだけで使い勝手も適した用途も全く変わってくるから面白いな、と思います。
再び先ほどの$180前後のベースモデルに戻り、そこから同様に$100程度加えて別のオプションを加えてみます。画面サイズです。
CPU | Intel® Celeron® Dual-Core N3160 |
Octane 2.0 | 8000前後(参考値) |
RAM | 4GB |
Storage | 32GB〜 |
画面サイズ | 13.3″もしくは14″(1,920 x 1,080) |
価格帯 | $300前後 |
機動性は失われますが、その分画面サイズが大きくなりますので、同時に複数ウィンドウやChromeアプリ等を起動、並べて作業する方には最適です。私が普段そうなのですが、左側のウィンドウで参考にしたり必要な情報のあるページを開きつつ、右側のウィンドウでブログなどの文章を書く、という使い方を考えられている方も結構いるのではないか、と思います。
現在注文もストップしているASUSの新作13.3インチモデルC301SA。先ほどチラリと触れたAcer R13同様この秋冬の新作モデルですが、新作だけあって、未だなかなか販売がハッキリしません。製品ページは既に出来ているので、単に品薄なだけであれば良いのですが。
もう一つのAcerのChromebook 14は既に人気のモデル。14インチという大きさは据え置きに近くなってきますが、Full HDの画面で自宅ではこのモデル、出先では機動性のあるモデル、と使い分けるのも面白いかな、と思います。(ChromeOSはこうした並行させた使い方に他OSに比べて非常に適しているので。
また、こちらでも先ほど同様表をご覧いただくと分かるように、画面サイズ以外はほぼ変わりありません(RAMが4GBのみ、ストレージも32GB以上になったくらい)。RAMの効果から複数タブを開いた場合を除けば体感速度もほぼ違いはないでしょう。繰り返しますが、やはり最初の$180前後のモデルがベースということです。
基本$180前後。ただ、目的に応じて$300前後までがChromebookを気負わず楽しめる選び方です。
今、日本で敢えてChromebookを使おうと思うのであれば、$300くらいまでで十分かな、と思います。もちろんここ数回挙げてきましたが、更に$150(ベースモデルからは$300)も加えれば使い勝手はかなり向上します。
実際ChromeOS自体は軽くとも、Webサイト自体が年々重くなってきている中では、複数タブやウィンドウを開いたり、ちょっとしっかり使い込もうとすると、少し力不足を感じるようになってきてはいます(長年のユーザーでもその辺りを感じ始めている方も出てきているのではないか、と思います。)
ただ、選択肢が日本ではあまりにありません。結局現状では海外からの購入に頼らざるを得ません。また、期待して買っても従来のラップトップPCと同じような使い方をしようとして期待はずれに終わってしまう方も多いのではないか、と思うのです。それか、単なるネット専用機、くらいの感覚か。
もちろんネット専用機で十分なのですが、であればむしろ最初から$180前後の現状のベースモデルを気負わずポンと買ってみて、あまり私のような口うるさいマニアの書いていることには耳を貸さずに「気軽に使ってみる」。もしかしたら、気がついた時には自宅のメインPCの利用頻度が減っていることに気づくかもしれません。あれ、意外と便利だな。単なる安いネットブックじゃないんだ、と。
chromebook買ってからメインPCの電源を切ることが増えた。
何言ってるのか分からないだろうけど、寄り道の増える母艦PCをシャットダウンして他の時間に回せるのはなかなか大きいと思うんです。
— うぇぶしふとん (@shift_web01) 2016年10月11日
結局もちものがスマホとChromebookに落ち着いた
kindleはたまに持ち歩くけど、この2つで基本的に問題なし
ビアンキのボディバッグLに1インチのChromebookも収まるから荷物がかさばることもなし— 団子 (@S_dango) 2016年10月12日
ということで、今後も当ブログでは今まで通り暑くChromebookについても書いていきたいと思いますが、Chromebookに幻想を抱かずに、気軽に楽しんでもらえたら嬉しいです。既に持っていて愛用されている方は、是非より多くの交流ができたら嬉しいですね。
C202SAのアイデンティティ、3.9フィート(約1.2m)からの落下に耐えるらしいラバーエッジの筐体。天面と底面はライトグレーのプラスチックだけど、梨地というか鮫肌加工されていて高級感はないけど独特の存在感。 pic.twitter.com/HHgkBVIttx
— 檀弓まがり (@magali_mayumi) 2016年8月23日
ちなみに我が家では先日も触れましたが妻がC202SAに大きく反応してくれまして、私自身も大変気になっておりますので、近々注文したいなぁ、と考えております。このモデル、なんか良いですよね。グッとくる。